12/17/2009

実験

本日は,安藤建設さんの工場で,超高強度の柱を5つ作製するという実験でした。相当に大がかりな実験です。

いやあ,ヒートテックの下着をつけていけばよかったですが,わすれて寒かったです。
実験では,個人的には思わぬ収穫がありましたが,これはまた,後日にまとめます。

明日は,実験棟の引越で骨材の移動が行われます。業者の人から連絡がないのでどうなっているのか,少し不安。

12/15/2009

Google

そういえば,Gmailは無料で7GB利用できるのだが,だいたい2年くらいでいっぱいになる。
で,1年に1度,3年前のメールを消すのだが,最近,さらにメールの量が増えてきて,1.5年ペースになりつつあった。Gmailは検索にすぐれているのもあるのと,Google documnetでドキュメントの共有が可能になったので,20GB/年=500円ということで購入してみた。多分,これ,購入したらしつづけなくちゃいけなくなること請け合いで,円が安くなったらどうしたもんかな,とも思うのだが,購入してしまった。

いやあ,スペースが急に広がって,気兼ねなくつかえるのでよいかもしれん。これは。
グーグルにクレジットカード番号までわたってしまったので,個人情報的に首根っこおさえられちゃったけど,便利さと引き換えなんだろうなあ・・・・。
個人番号制と一緒ですね。

個人的には,得した気分です。

12/13/2009

Windows 7 その後

Windows7への移行がやっと終わった。

画像閲覧ソフト Irfanview→Picasa

という変更があったほかは,おおよそ全部つかえている。
一番てこずったのは,VisualStudioのコンパイラをすべて64ビットへ移行するのにあたって,今までつくってきたスタティックライブラリを全部64ビットに再コンパイルすることだった。なんというか,プロジェクトファイルがどっかいってしまったものもあって,全部設定しなおすのは,しんどい。

一方で,MKLの利用はすごく楽になっていて,プロジェクトのオプションでそのままMKLを利用する,というのを設定する場所ができた。今まで,フォルダをしていして,依存ファイルを全部書き出す必要があったと思うんだけれど,これって結構前からありましたか?

で,64ビットで並列計算するとちょっぱや。今までのPCでも,個人的に更新時の劇的な変化に感動していたので,十分だとおもっていたが,この変化は偉大だ。
収束計算をしていないかのように,走る。
水熱連成だろうが,梁の計算だろうが,はやい!。これは,すごい時代になったものだ。

あとは,ATOKを買わないと。

引っ越し

4号館の引っ越し作業が大詰め。学生さんには本当にいろいろ協力、というよりはメインで動いてもらっていて申し訳なく思っている。
一方、実験棟の大物がだいぶん片付いてきたので、新しい実験棟では相当に刷新された状態になるのではと期待。
棚を相当量購入する必要があるなあ。

12/11/2009

復活?

院生室のインフルエンザが沈静化しました。まだ,ごほごほ引きずっている学生もいるけど,なんとか活動しはじめました。

今週は,インフルの影響で,TMYS社さんと行う共同研究の実験に参加できず,実験開始に立ち会えなかったのは悔いるところ。

4号館の建て替えに伴って引越準備が必要だが,なんだか,引っ越せるのかと疑問に思うくらいの膨大な量があって,途方にくれる。私も。学生も。
かつて,貴重なモノであったはずの備品類があるが,今はもう使わないでしょうと判断されるものも多い。ひょっとすると将来つかうかも,とも思うのだが,ここへ来て4年間でつかわなかったんだから,もう使わないよね,という考えもあるし。
で,廃棄の方向とした。
・圧縮クリープ用のバネ
・イオンキャッピング用のヒーターや治具
などなど,興味がある人がいたら連絡ください。といっても,来週前半にはなくなってしまいますが。



・FEMで梁の問題がやっと解けるようになった。変位増分にしたので,ポストピークまで一応できる。あとは構成則と収縮の影響を入れるだけ(だけってことはなくて,それが研究のメインなんだけど。)。来年には成果がどこかにだせれればよいか,と。

・40℃と20℃の脱着線の取得,およびひずみの取得がうまく行っている。岸君の実験は本当に精度が高くなった。引越のせいで再吸着がとれないのが痛いけれど,これで温度依存性について有る程度の評価ができる。水分移動係数等も取得できたので,日常の範囲での物性評価には十分使える。ひずみの温度依存性,水分移動係数の温度依存性については,早急の論文化が必要。タイミングをみて,黄表紙。英文化が課題だな。

・高炉の水分移動特性とひずみ,脱着線の関係がひとそろい出そろった。これも時間がとれ次第論文化しなくては。セメント・コンクリートに投稿。セメント協会の奨励金をいただいているので。

・ミニチュア拘束試験は,小さいがゆえに暴れるという特性があってあまりうまくいってないが,それなりに収束の方向。やはり,どんな実験にもノウハウがある。高炉のデータがそろえばJCIには投稿したい。うまくいくか,すこしハラハラ。

・引張クリープ試験について,接着剤の選定は終わった。縦歪みはうまくとれるような予備実験結果。ただ,ポアソンクリープがうまくとれていない。ゲージの接着が難しい。これも卒論だけれども,うまくいくことをのぞむ。

・超音波試験装置では,新しい知見がぞくぞく出ている。コストパフォーマンスの高い装置だ。試験装置には,こうした本当に基本的で応用の幅が広い装置があるが,見極めるのは結構難しい。温度履歴を与えて線膨張と全歪みを測定できる装置を自作したが,これは名大に来てはじめのヒット装置だった。論文が多数出せているし,新しい知見も多々でてくる。当初は,応用性に気づかず,こういう装置は絶対必要と思って超高強度用に開発しただけだったが,実はこういったデータは丁寧にだされた経緯がなかったので,取ったデータはどれも論文化できるということに気づいた。
超音波も同様で,特に縦波・横波をそろえたのが良かった。最近のヒットは骨材の体積弾性率がサンプルが小さくても出せるということ。収縮と体積弾性率の関係について,実験を開始。ペーストでやっていたことを骨材にも適用することができるので,これでやってみる。ひずみ測定には岩石屋さんやゲージメーカーのアドバイスで工夫を行って,これもうまくいくと新しい理論体系について検討ができると思われる。

実はこれのまったく逆がTSTMだ。TSTMでとれるデータというのは,基礎実験と実部材の中間に位置しており,加工が難しい。理想状態の拘束試験であるので,貴重なデータには違いが無いのだが,逆にメカニズム解明につなげるには,相当の戦略が必要で論文の多産にはつながらない。(多産がよいかどうかは別。)
また,得られたデータを解釈するためには,別の実験がいくつか必要になることが多いということを経験的に学んだ。

私は,もっとも多くのTSTMに関わっていると思う。デルフトのものはサーボジャッキ型,東大のものはネジ回転式(万能試験機型),広大のはサーボジャッキ型だが凡高圧さんに入ってもらったので,もっとも精度が高く安定している。実は名大にも最近,鹿島建設から土木の国枝先生の方に移設が行われつつあって,TSTMの整備が進んでいる。なんというか,私が行くところにはTSTMが必ずあるという状況が生まれている。
一長一短あるが,サーボ型はプログラミングとジャッキの微調整が難しく,技官がついていないと大学での管理は難しいだろう。信号のノイズの問題もあるし,安定性として怖いところがある。広大のものはその辺うまくいっていて,かなり安定的にデータはでるのだが。(最近つかっているのかな?)
いろいろ回ってきて,東大(建築)形式のものは,すげー高かったけど安定性では良かったと思う。ジグについては,さんざん議論したし,ひずみ測定だけでも5年かかったけど,結果として載荷装置の安定性は,温度の問題さえクリアすれば良い装置だったと今は思う。


・セメント硬化体の体積弾性率の含水率依存性(相対湿度依存性)のデータは,Setzer先生とWittmann先生,日本では岡島先生が示しているものが有名。その他はあまり知らない。このデータを超音波で評価しようと考えている。

・その他,Spring-8系を含めてとっておきのネタがありますが,これはセメギに発表しようと準備中。できたらよいなあ。


ところで,私は,研究のコストパフォーマンスは400万/黄表紙1本を目安に研究計画を立てている。予算申請もそれくらいを目途にしている。これには,異論も有ると思うし,建築材料にそんなお金をかけるの,という意見もあるかもしれない。
ただ,工学的に利用するという目的で内挿可能な実験データをパラメータを振って取るというのであれば100万程度でも可能かもしれないが,何がどうなっているのかを実験的に証明し,根本的な原理原則からさまざまな問題を解決するには,これくらいの価格はどうしてもかかる,というのが持論である。
実質的には,ペーストの研究などはこれよりも価格は相当やすくで,300万/本くらいだろう。試験機を自作すると少し高くなる。厳しいのは水和関連で,セメント化学的なアプローチをとると試験機を購入するなり,測定を外注する必要があって価格が高くなり,かつ,水和は時系列的なパラメータが増えるので価格が高くなる。
ペーストの収縮についても,9割のメカニズムはわかったけれど,これを分子・原子レベルで話を展開していって予測を100%にするには,(最近,そういうことをしているが)極端に値段が跳ね上がる。おそらく,2年後くらいに公開される論文は,600万/1本くらいのパフォーマンスになると思う。というかその程度でおさまってくれないと個人的にはきつい。

Chromeメモ

http://www.forest.impress.co.jp/docs/news/20091209_334507.html

12/05/2009

インフル

研究室が,インフルエンザで壊滅的状況にあります。
まだ,私と数人は自覚症状が無いのですが,3名がインフル認定。
上司の研究室も上司ごとインフル感染で,ほぼ全滅。おそらく密室での頻繁なセミナーが問題だったものと考えられる。
(問題?)

子供の事もあるし,どうしてよいやら。
とりあえず,病院いって,タミフルをもらえというアドバイスをもらった。
月曜日に私の状況は判別されるでしょう・・・。

12/03/2009

新潟大学

11月17日~のことであるが,新潟大学のS先生のところに,私と学生2名で訪問した。ご存じのように,S先生のところはC-S-Hの研究を始め,多くの基礎的な研究をあらためてやっているところであり,先生の論文にはインスパイアされる部分が多くあった。
S先生のところは,耐久性関係からのアプローチで,塩分の収着挙度やイオンの移動挙動からC-S-Hをはじめとしたセメント硬化体中の水和生成物の問題を取り扱っているが,我々のところは,水和-発熱/自己収縮-乾燥収縮-ひび割れという形の中でC-S-Hの構造および性状が問題になってきた。

当日の最新のデータ報告やディスカッションでは,まったく違うアプローチではあるが,同一の現象を研究していることを相互に確認し,その相互依存性や物性の統一的記述についての相互理解が深まった点は非常に有意義であった。

また,高炉系の研究ではアルミの挙動がどうなっているか,という点がやはり確認できない部分で,既存の理論では整理できない点も浮き出てきた点と課題の共有ができたことも,今後へつながる成果であった。

他の研究者のデータ・検討の問題点,信頼性の問題などについても少し話をしたが,こういった点はなかなかオープンにできないことではあるが,なんとはなく,共有されているのがわかっていて,やはりそういうもんなんだなあ,と改めて感じた。

また,実験のディテールなどについても,つつみ隠さず教えていただいた点に心より感謝。

11/28/2009

断絶は死と同じ

G-COE関連でもコメントが発表されることになりそう。
現在,いろいろな学会がそれぞれ連携して,コメントを練っている段階。

研究が断続するとそれは死です。日本は技術立国(金融立国にはなれなかったし),すくなくとも海外にもの売って稼いでいるわけですが,そうして売れるような技術というのは,研究しまくってなんぼのわけです。かすめとってくるほどの情報戦略もありませんしね。

文部科学省のページで事業仕分けのコメントが載っているが,理想論的にはわかることも多い。しきりなおしたいし,無駄も多いかもしれないし,他の省庁とかぶっているような領域もある。
ただ,止まれない。止めたら,技術は死ぬ。
そんなことは,必死に生きている状況を体験すれば,ベンチャーを立ち上げたり,企業を経営したり,研究に携わったりしたことがあれば,当たり前の事である。1年とめて,といっている人はいかにぬるい世界にいたか,ということを吐露している。現場はそんなもんではない。

野球とかピアノ,マラソン,水泳などでコーチによく言われたが,1日休んだらもとに戻すには7日かかる。毎日やれ。

それを超えてこその政治なんで,そんなんわかんないから,まあまて,なんて小学生が言いそうなことを言ってほしくないんだよね。

11/27/2009

NIKKEI NET(日経ネット):日経の最新ニュースを速報

(昼に追記)

NIKKEI NET(日経ネット):日経の最新ニュースを速報
これは,予断を許さないですね。かなりヒステリックになっている。

今週のTimesにもありましたが,現状の株価はまったくのエコーバブル。金融市場から一度資金が引き上げて,下げを見せたところに,それでも余っている資本が投資されて現況を反映していないバブル状態になった。アメリカの住宅市場は一部持ち直したかに見えたが,海外からの投資による掠いであって,消費者が購入に動いたと言うことではないし,同様に雇用も悪化のままである。金が最高値をつけているのは,余ったお金でいくところが無いものが投入されたからであり,どの市場にも上げが見えないので,換金することできず困ったお金が不動産と同様に金に動いた結果のように見受けられる。私も金に移行したいなあと思ったがタイミングを逸した。

でも,それにユーロに対しても円が上がっているというのは,よくわからない。ドルがユーロ経由で円に戻されたということなのかもしれない。
(ユーロに対して上がっているのは,今朝のブルームバーグで報じているようにドバイをはじめとする新興国市場での先行き不透明感によるものということらしい。)


当初,バブルがはじけた直後に,世界の市場規模が適正規模に戻ったとき,日経は7000円くらいになるだろうということは言われていた。このまま,ドルの信用(魅力)がなくなり,相対的に円依存になると,日経はやはり8000円くらいにはなるという可能性が残っているのでしょうね。

米本昌平氏

先日のGCOEシンポで米本昌平氏の講演があり,環境政策と国際政治という内容で,時間が少なくて全部を伺うことができなかった。非常に残念であった。
基本的に冷戦構造がなくなった後で,世界が政治の枠組みとして環境問題というものが必要であったという考察で,冷戦・核という見えにくい不安と環境というやはり想像しにくい不安の対応ということにおいて合点がいくところが多かった。
最近のブッシュ外交における環境政策の再定義の問題まで話が到達しなかったのは残念だった。
気になったので,
地球環境問題とは何か (岩波新書)
を早速購入して読んだ。

これは,なんというか環境問題といううわっつらの話だけでない,生々しいところが書かれているので,物事を多角的に読む上では,ぜひ,学生には読んでもらいたい。

ついでに,Amazonで購入したときにお勧めされてしまったので,「独学の時代」という氏の考えが書かれたものも読んだが,実は先日書いたような,大学の再定義,あるいは建築学の再定義というのは大学紛争時代の問題であるということに気づかされた。
米本氏の大学・アカデミズム批判というのは大変に強烈で,教員をやらせてもらっている身にはちょっとこたえた。
が,疑問として当然であるところが明快に書かれていた点について,個人的にはすっきりもした。

考え続けることが大事だな,というぬるい考察で今日はおわる。

11/25/2009

Windows 7

将来を考えて基幹OSの移動のための検証作業に入ることにした。
基本的に,新しいものを入れるのは,多くの不具合やトラブルが重なるのでいやなのだが,そろそろアップデータも考えないといけない。
現状はWindowsXPだし,ソフト類も8年ほど前のものをそのまま利用している。

しかし,さすがに次にうつる準備くらいはしておかないと怖いので,せっかくだからということでWindows7の64ビット版のシステムを試すことにした。
それにともなって,汎用的に利用するオフィスソフトやAdobe製品も全部買い直し,プログラムの開発環境もVisualStudio2008へ,VisualFortranもVer.11を購入することにした。
PCより,ソフト代の方がよっぽど高い。しょうがないけど。

1年ほどつかってみて,問題無いようであれば,研究室のOSも少しづつ移行することにしようと思う。結構,お金かかりますねえ・・・。

幸い,メールソフト,エディター,グラフ用のソフトがいずれも64bit版の上でも動いているので,環境はほぼそのまま移行できるものと考えられる。
ガジェット的につかっている計算機ソフトとか,そういったものは必要に応じて変更させていくしかないでしょうね。

年なんだと思うけど,アプリケーションの使い方を覚えるのに時間を費やすのがしんどい。
そんなことないと昔は思っていたんだけど,こういうのをストレスと感じるようになってしまいました・・・。

11/21/2009

データベース化

http://mainichi.jp/select/biz/it/news/20091026k0000m040023000c.html

この話本当なのだろうか。
お年寄りにインタビューをしたのか?
データをデジタルにしない,検索可能にしない,ということなのか?
ただでやってくれるというのに,なんというもったいないことなんだろうか。

ものを利用するという立場にいる人が少ない,ということなんだろうか・・・・。
少しびっくりした。

11/17/2009

事業仕分け

文部科学省が意見を募集しています。
http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/sassin/1286925.htm

どのように反映させられるのかわかりませんが,個人の意志は,どうもすべて発露しておいた方が良いようなので,メールを出しました。

思うところを,意見すると良いんじゃないか,と思います。

11/14/2009

仕分け

仕分け人の話を聞いて,憤りを感じて涙が出てきた。
野依先生の抵抗もむなしかったと聞いて,この調子で日本の技術の屋台骨が骨抜きになるような怖さを感じた。
技術や学問は国が全力を尽くして戦うものであって,軽く流して位置を保持できるものではない。2位じゃだめなのか,という言葉は,***の小学生の教えのようである。

日本はもっと競争社会にしないといけない。
軽々しく2位じゃだめなのか,という人がいなくなるまで,徹底的に競争しないといけない。そして,本当に実力がある人をリーダーにする社会にならないといけない。
それは別に殺伐とした社会ではない。実力にふさわしい地位が与えられる誇り高い社会であり,夢がある社会だ。

一方で,振り返れば我々にも責任はある。
基礎研究であっても,それはどういうことがわかったのか,どれだけ夢があることなのかということを国民につたえてこなかった。伝わっていないのに金を出せ,というのは,ちょっぴり不親切だ。

アメリカには多くの一般の科学・技術雑誌があり,技術や学術的課題が身近だ。知的好奇心をかきたて,最新の学問をわかりやすく・多く伝えることをしていかなくてはならないのに日本には科学ジャーナリストが不在だ。
そういう市場の開拓も,人材の育成もやってこず,すべては輸入雑誌に頼っている。
各学部で,それぞれに教育なり出版をしていくことを戦略的にやっていく必要がある。これは,長期的にみて大学に必要な戦略だ。
そういう観点でみると,当研究科の須藤先生の児童文学はすばらしい。福和先生も自分の研究成果を市民にフィードバックしている。こういうアプローチは,もっと大学がサポートすべきだ。

今後,大学は淘汰される。まちがいない。人口に対して不釣り合いに多い。また,それがどのように社会に貢献されているか,国民に理解されていない。

建築学科は存続するだろうか。
建築という産業が成熟しているなかで,本当に建築学は必要なのか,を問うのは建築学科でないといけない。
建築学という学問体系を今後,どう考えるかを検討しないといけないのではないか。
建築士は専門学校でも教えることができる。少なくとも資格はとれる。倫理は,社会倫理として大学によらずとも教育できる。原理原則は大学で教えるべきなのか。専門学校ではできないのか。JABEEは大学でやるべきものなのか。あるいはJABEEではない何かを教えられるのが大学だとするのであれば,「それ」はなんなのか。
研究教育は,今後の日本の産業振興に役に立つのか。あるいは日本のストックのためにどう貢献するのか。アジアや世界との関係の中で日本の建築産業は今後どう発展していくのかビジョンが描けているのか。
今,日本の建築という文化・社会が抱えている問題に対して大学はどうコミットしているのか。
国交省はどうかんがえているのか。ご用学者は本当に意味があるのか。あるいは御用学者じゃない学者に意味はあるのか。

学問は役に立たねばならいのか。学問の深化を標榜するのであれば,それにふさわしい研究を我々はやっているか。

全部,本当は私は答えられないといけないはずの問いだと思う。
学問的興味もつきないのだが,こういったことについて,2,3年本気で取り組んでみようと思う。

11/12/2009

投稿

以前に収縮理論の論文を国際会議に出そうとしたら、なぜかアブストで落とされた。依頼されて出したものだから驚愕したのだが、そこの幹事団は、まあ、世界の大物中の大物なんだけれども、そこで書いたアブストと同じことを学会でしゃべっているという情報提供をN先生よりもらった。

研究は結構どろどろしているし、日本人だけにいろいろハンディキャップがありうる、ということはオランダで横目に見ていたわけだが、手をこまねいているわけにはいかないので急遽英文化した。
日本語で発表していたために、各種の情報をいただけたので、論文の洗練度は大幅に上がった。もはや、2ヶ月前では想像もできないくらいに。

しかし、ヨーロッパのサロンで戦うには英語が十分ではないので、正当に評価されるか、あるいは情報を英語で出すことに意義があるというように受けとってくれそうなACTに投稿した。本日。本当は複数投稿をして、受理されたところを残して、のこりをキャンセルするのが常套(という分野もあると理学系では伺った)ということなのだが、そこまでのバイタリティはなかった。


あとはうまくいくことを願うばかり。
査読者がここを見るとは思えませんが、個人的には日本発の概念ということで言っておくことが重要と認識している論文です。どうか、その意義を踏まえてご検討をいただきたく。

11/09/2009

プログラミング

この土日はプログラミングに相当量の時間を費やした。梁の載荷のシミュレーションはすぐに出来るだろうとおもってたかをくくっていたが,久しぶりに触れたせいか,まったく勘どころが働かなくて,思い出すために最初から書いてみた。
MKLの使い方もわすれていて,マニュアルをみたり,本当に初歩レベルになっていてイライラがつもる。
こういったものを学ぶ作業というのは,びっくりするくらい億劫になっていてびっくりする。
以前は考えるよりも先に例題のプログラムを立ち上げてエラーを重ねて修得していたのに,ついついそういうのもしなくて,立ち止まってしまう。
老化なんだろうか・・・。

そういえば,全然違うが,時間がとれないので冗長な説明をされたり,時間の調整ができないといろいろとため息がでてしまう。なんか人間が小さく成っている気がする。
普通は歳を重ねると寛容になるんだと思うが・・・

反省が多い今日この頃。

黄表紙周辺

ようやく,収縮低減剤論文と人工軽量骨材論文が黄表紙に掲載されました。はやくも,幾人かの人からコメントをいただきました。

収縮低減論文は,戦略上,収縮理論論文と前半が相当量かぶっていますが,ちょっといいまわしを変えて理解していただけるよう努力しました。APPENDIXについても,手をいれましたので,是非読んでいただければ幸いです。難しい話が少しは簡単になるのでは,と思います。
斥力・引張力は,結局,座標をどうとるか,ということで決まりますので,無理して納得しなくても良いと思います。飽水状態を基準にとって,分離圧を考慮すると分離しようという力が減るので結果として収縮駆動力(負圧)になるよ,ということでOKだと思います。

現在,ACT投稿用に論文を取り纏めていますが,英語の方が言い回しがシンプルな分わかりやすいかもしれません。分離圧のデータの整理手法も変えたので圧倒的にわかりやすくなったかも。
最終的にはACT論文が標準の考え方になるかもしれません。

高炉のデータも整理がおおよそできました。東海支部研に投稿したので333委員会に一部は反映させることができそうです。黄表紙にしようかとも思いましたが,セメント協会から助成金をいただいているのでセメント・コンクリート論文に投稿しようと思います。
セメント・コンクリート論文集も年中募集をかけてくれるとありがたいんだけどなあ。

収縮低減剤,普通ポルトランド系,高炉系,のデータを横並びでみると,これまたおもしろいことがわかってきます。高炉ってやっぱ収縮しやすいんだなあ,ということがよくわかる結果になります。がんばって論文化したいところですね。

水分移動係数のデータもそうとうそろってきたので,これもおもしろくなると思います。

11/05/2009

発表

本日は,修士学生以上の発表の授業だったのだが,語彙の問題や研究分野が離れ過ぎているために学生の発表が他の教員に理解されない,という事態になった。
学生は,非常に多くのことをやっているので,できるだけたくさんという気持ちもあるし,そもそも先生には全力で向かうというものだとおもうので,これはこれで個人的には良いと思うが,一方で授業になっているのか,という問題もある。

教員はおおよそのことは理解できるよう努力すべきだと思うのだが,そういうものでもないらしい。

もちろん技能として,修士の学生は自分のやっていることを小学生にちゃんと伝えられなくてはいけないが。

噛んで含めるような発表を学生に指導すべきか,悩むところである。

10/26~11/5

26日は島根に生コン品質管理のオブザーバーとして参加した。季節変動の影響が興味深かった。あれだけ管理しているとどの品質が何に影響しているかが明らかになっている。また,さらにおもしろいのは,急激な品質変化というのは少なくて,どちらかというと除々に変化が生じている点だ。なんか変なものがまじっていれば急に変化したりしそうなものだが,そういうものは特に無い。

27日収縮理論をACTに投稿するために急遽英語論文を仕上げることに。まいにち1,2時間の時間をつくって英語化を行った。日本発のアイデア,ということで是非全面に押しだしてほしいところ。もちろん,査読プロセスにおける議論が重要だし,楽しみでもある。多くの方とディスカッションしたい。Feldmanのデータなどを整理しても同じ傾向が確認されるので,実験的事実としては普遍性はあるものといえそう。ただ,比表面積の定義が諸処依存性があるので,普遍性までいくにはもう一ひねり必要。これは今後の課題となるだろう。

28日高炉のデータをまじまじとみる。水分挙動との観点からみると親水性が高いことを示す証拠がいくつか拾い上げることができた。333委員会にもいくつかの結果は反映させたいので,そのまま黄表紙ともおもったが,東海支部にまずは出すことにした。

29日午前中は某ゼネコンの方と打ち合わせ。実験プロセスに若干の誤解があって,ちょっとうろたえる。データとしては新しいものが出て来つつあるので,楽しみです。研究同士がつながってくるのは非常にうれしい。

30日最近,超音波速度測定器を導入したのだが,なぜ多孔材料で水分を含んだときに水分の影響を混みとして平均値を用いて速度を評価してよいのか,という点についてやっと理解できた。横波は水は伝搬しないのだから,みかけの密度で評価してよい理由って結構,感覚的に難しいと思いませんか?

1日 333スラグTFおよび本質課題検討会という任意の会合に出席。実験データをつきあわせた議論というのはやはり新しい発見があってよいですね。また,議論が高度なのも魅力です。

3日 ACT原稿がおおかたおわる。いろいろ歩いていると修正したい点も出てくるが,まずは英語チェックをお願いに出した。やっぱり,こつこつ英語の文章はつみかさねておかないとダメですね。今までの超高強度などの結果も英語にしておかないといけない。

4日 GCOEの拠点会議。議題が多くて,全部まわらない。パンフレット,ロゴ,リーフレットなどについての担当。つまり,広報担当ですね。うーむ。

5日 RCはりのFEM解析をずっと宿題にされていたのですが,そろそろやらんといかんということでメッシュ切りとプログラム作りを開始した。なんとか今月中に形にはしたいところ。定性的傾向だけでもよいので。最近,ずっとÅレベルの話に頭がいっていたので,ちょっとくらくらしますが,ナノからキロメートルまでを研究テーマの幅として定義しているので,部材レベルの話はなんとかものにしたい。
G-COE関連では,地球上の物質循環などとコンクリート構造物の劣化について取り組みたいと思っている。硫酸劣化とか,おもしろそう。

あと,アナロジーとしておもしろいのは,地球のシミュレーションで大気と海,陸域のモデル化は良くやられているが,地球の中の方の物質循環を相手にするとCaの循環を相手にすることが多いらしい。理由はCO2の相手先がCaだから。なんのことはない。セメント分野は地球の地下循環モデルと似たようなことやっている。

最近,岩石・岩盤力学系の論文を山ほどよんだけど,目からうろこ,で今後はそういった分野にも手を広げていきたい。

10/25/2009

いろいろ

大学のDNSが更新されていないので,まだ,ウェブがみられない。もうしばらくまたないといけないみたい。
工学部3号館580に移動しました。


19日 内部監査があった。いろいろ実験関連の物品を購入しているので,ご指名。問題なくパス。出張の書類などで細々指摘はあった。うーむ。できれば,大学でカードを発行して,全部それで購入できるようにしてほしいんだが。記録は外注できるし,物品の嘘購入は通常はできないし,出来たとしてもそれなりに追跡できるし。証拠を残すという作業はアウトソーシングしても良いと思う。教員自身がやるのは無駄が多い。

20日 諸事情あってミーティングがなくなった。少しだけ,みのまわりの整理が進む。

22日 GOCEの基礎環境学セミナーが開講。なかなか難易度の高いDコース用の授業。ちょっと宿題も出るので,D用として受け入れられる生徒というのは限定されるかもしれない。こういうの,本当はどのタイミングでやるべきなのかを考えないと。個人的には環境学にも学部生がほしいと思う。カリキュラム編成は紛糾間違いなしでしょうけど。

23日 基礎環境学の2回目。といいつつ,2回目は真鍋先生による授業で超豪華。Earth system model 等々のお話。

24日 ホームカミングデー 大学に行く。なんというか,熱狂という感じではない。静かな同窓会。大学のネットワークが力を発揮するというのは,文化なのか,教育なのか。そもそも全体的にコネクションでものを動かすというようなことって,子供の時には教育されない。(私はされなかった。別に今もできるわけではないけど,必要性は実感している。)社会をうごかすための素養って,子供の時からちゃんと体験させないといけないんじゃないだろうか。日本の場合,欧米よりも密室型なんで,その辺オープンにできないのかな。もの,ひとを動かすっていうのが個人の力量だけになっている,というのは有る部分の人間には都合が良いことでしょうけど,日本全体ではもったいない。やはり教育ではないか。学校だか,家庭だかはわからないけれども。

25日 法事。伊那に行って来た。ずいぶん変わっていて,建物が増えている。人口が少しだけ増えているんだそうだ。天竜川周辺も開発されていて,なんというか私の子供の時のThe田舎でなくなってしまった。ちょっと哀しかった。

10/16/2009

引越など

昨日,研究室の引越(というか物理的な移動)が終了。
無事終了かどうかは,これから生活空間を立て直していく中でわかる。
運んで置いたが,捨てるものというのがかなり多くなりそうではある。
委員会資料なども過去のものは,今後利用するかもしれないとファイリングしてとって置いたが,結局大事な部分は報告書にまとまっているし,当時議論したものは論文化されていたりしているので,現場の問題とかトラブルで外に出せない情報とか,そういった情報は価値があるのかもしれないが,あまり普段接しない私としてはそれなりに頭に残っているので,委員会資料は残す必要が無いのかもしれない。

国際会議の運用経験などは,参考になるところが多いのでとっておく方がよさそうだが。

14日は,とある試験機開発のβ版を拝見にいった。すばらしく利便性が良さそうな試験機で大変感心した。来年夏くらいには市販を目指しているということですので,楽しみです。当方はもし,4号館が建て替えになって新しい実験棟になるのであれば,是非配備したいところです。

10/10/2009

引越

10月15日に居室および研究室が3号館に引越になります。
それに関連して,しばらく連絡が取れない場合がありますが,ご容赦ください。

10/08/2009

訂正:JCI10月号 耐久性力学 について

式(1)については,右辺 -div(-λgradT)というところが,まちがっています。

校正,ほとんどできなかったので,残念です。

10/07/2009

収縮メカニズム

・毛管凝縮理論にあるようなメニスカスによる収縮応力というのは確かに存在する。ALC等にみられるAdditionalな収縮については,たしかにそれが適用可能だと思う。

・一方,吸着水に生じている表面からの力の影響をうける収縮駆動力というのは,別に評価されるべき,というのが私の見解である。

・毛管凝縮理論で収縮低減剤の影響については,表面張力の低下によってケルビン半径が低下し,結果として,同一の化学ポテンシャルであっても,作用面積が小さくなるからモデル化としては成功している,という意見がある。しかし,これに関する反論は,収縮低減剤自体,すべての表面張力が低下する物質で収縮低減が見込めていない,という実験的事実が存在することである。

また,接触角の変化で表現すればよいという考えもあるが,これに関する反論は,1.毛管内で液状水が存在するかぎりにおいて,接触角は凸には成り得ない。2.毛管中の平衡を仮定しているのであれば,かならずある量の吸着水が存在し,接触角は,この吸着層からの接触角になる。これが変化するというのは,よっぽとの遠距離力であるが,これを薬で作用できるといのは無理があるのではないかと考えられる点。3.一般の接触角の式(Young式等)は,必ずしも平衡系を議論の対象としていない。動的な状態,たとえば,葉っぱの上の水滴を議論をしているが,この系は,局所平衡にも達していない力の釣合式である。平衡状態になったとき,すなわち周囲の湿度が平衡に達し,表面の上に平均的に吸着層が形成されれば,当然,接触角は水の上のものに近づく,というのが私見である。


なお,余談になるが,ミクロ孔ではケルビン半径が表面からの力を受けて,理想的な値からドリフトすることが分子動力学の知見から知られていた。それを実験的に確認し,工学的に付加的な親水性表面エネルギーを評価する手法を宮原ら(2000,Langmuir 16 4293-4299)が提案している。1桁ナノ系の議論が支配的なセメント硬化体については,こうした影響についても評価したほうが良いと考えられる。これは,今後の収縮等の内部平衡状態に関する一つの方向になると思う。

10/03/2009

素粒子なんちゃら

昨日NHKで新4号館の施工者入札が停止ということになりました。
いやあ,どうなるんですか,これ。
http://www3.nhk.or.jp/news/k10015862973000.html#

新しい技術が新しい産業をつくる,ということを理解していただきたいところ。
税金回すだけ(あるいは税金を払っていない人に回す)というので,生産性は向上しないんですよ。技術革新と両方やらないと。

しかし,一方で,ここ10年強の時代にどれだけ,この分野が生産性向上に貢献したか,ということもちゃんと評価しないといけないですけども。

10/02/2009

近況 9/18-10/1

18-20 室蘭工大の濱先生のところに、研究に関するディスカッションをしに伺う。濱先生のところには、最近着任した岸本先生もいて、水分関係のことがディープに議論できるかと。それぞれの研究的背景をしょっているところもあって、かみ合わない部分もあったが、濱先生が最近検討されている、凍害についてのアプローチは大変理にかなったもので得心がいった。凍害については、個人的に強く確信しているところがあって、その点、濱先生との話に矛盾がなかったので、実験派の濱先生の結論なら、まず間違いはないかなあ、と思った次第。DSCによる凍結量評価は、相当に難しいし、うまく値がでないというアドバイスをもらう。
凍結量評価はやはり電極法になるのかな。

21-23 休日だが、すべて大学で時間を費やす。JCI混和材委員会での発表用スライドの整理、これから3月までに書く論文の題目決めと目次の作製と連名者の検討、消耗品の発注、学生の実験結果の確認と今後の実験計画の漏れの有無の確認、10月からの授業に関する準備、G-COEに関する環境関連の本の通読、などなど。3月まで時間がとれて順調なら、5,6本は書いておきたいところ。そろそろ黄表紙の英文化を検討していかないと、陳腐化してしまうなあ。JCI年次の投稿項目も考えていかないと。

24 JCI混和材委員会。小型の拘束試験機の結果がキャリブレーション、物品納品の遅れからうまくデータが出せていなかったので、収縮理論に関するプレゼンを主軸に。分離圧、やはり理解してもらえないなあ。大分書き下したんだけども。反省です。11月に掲載される黄表紙の解説を読んでもらうともう少しわかりやすくなるのでは、と期待する次第。

25 M野先生等と勉強会。ちょっと自分の勉強不足について大いに反省。いくつかリーズナブルな仕事をしていただける業者を紹介していただいた。

26-27 家で作業。

28-29 333委員会。あいかわらず面子が濃い、刺激のある委員会。混和材のデータ等々で示唆的な値が出ている。やはり同一のデータからでも解釈がいろいろあるのでおもしろいところ。自分のところのデータは追試もしているし、再現性・精度ともに確認しているので、有る範囲の確度は高いと思っているので、それらに矛盾している点がなんなのかは、追々考えて行きたい。どういう実験条件でこうなるのか、とか。
しかし、高炉スラグ微粉末って各成分比例して溶解しているようには思えないけど、どうなっているんでしょうかねえ。
その後、JCI自己修復委員会へ。個人的には委員会に入っているのだから、負担低減ということは考えなくてよいように思った。やらない人はやらなくて良いし、出来る人はやればよいし、どっかに相乗りして成果が出せそうなら、そういうことをすればよいし。それぞれ、それなりの思い入れというか、こういうことでやってみたいというのがあるはずなので、それを引き出せれば良いと思う。

30 東京。兼松先生と資源循環関連の打ち合わせ。
GIS高いねえ。完璧なデータはないので、なかなかそこで頭がいる。個人的には実験データを自分で作れる材料分野の方が向いているな、と思った。

Spring8に行く予定だったがキャンセル。新しい秘書の方と会う。ちょうど引越と重なる面倒くさい時期になってしまったが、是非、いろいろ頑張っていただきたい。
・書類書き、黄表紙の校正、JCIの文章の英語概略を書くのを忘れていたので、その作成、実験データの整理・評価、学生の進捗状況の確認、実験室内にある正体不明の薬品の調査、材料サンプルの出荷。出張の領収書探し(哀しい)。

9/17/2009

新政権

雑感
・いきなり記者クラブ廃止できなかったのは,なんで報道されなかったのか不明。
・亀井氏を郵政と金融,というのはジョークなのだろうか。ちょっと笑えない。
・日本人は,方向性さえ与えればがんばれる。何が良いかの基準があきらかでないので,官僚が迷走しているだけだと思う。
・出先機関とかダム廃止とかいろいろ出ていますが,身銭を切っても中止するという断固たる方針というのは,小泉もやったような演技として,新政権ではある意味重要なのかもしれない。実質的な損得ではなくて,やり方としての問題。 ただ,これは良く捉えすぎかもしれないけども。
・素人政治というのは,本当に怖い。ジンバブエのようになりかねないところとか。人気がある政策をとりつづけていて100年後にハッピーになれるかどうかは難しい。政策について人気取りをするんじゃなくて,政治家として人気取りをしてほしいんだけども。センセイ方には。
・素人政治ができることは,信頼できるプロを選定して信じて実行することだ。日本人がもっとも不得意なところではあるが。信頼できるプロとして官僚でなくなったのであれば,別な人間をもってくればよい。まさか自分でやろうとはしないでほしいところ。


以下のコピペは,本当かどうかは別として,素人政治の起承転結としておもしろいので掲載。
派遣禁止とか参政権問題とか郵政問題とか,いずれも何かを禁止してすべてがうまく行くような問題ではないので,凸凹でどの辺でまとめるか,というのが重要なんだと。
問題点を整理して,国民に公開した上でものごとを進めてほしいところ。


ジンバブエの簡単な解説(よくあるコピペ)

今までずっと少数派の白人が政治の実権を握っていたが、民主的な選挙で、黒人政治家が増える

とうとう初の黒人大統領が誕生

何を思ったか「植民地時代に強奪された白人の土地資産を黒人へと無償かつ強制的に権限を委譲しなさい」法案を提出

大半の白人が安値で土地資産を売り払って外国へ。

今度は外資系企業に対して「保有株式の過半数を譲渡するように、逆らったら逮捕」法案を提出

外資系企業が国外逃亡する

別に国連もアメリカも、どこの国も経済制裁してないのに、経済制裁と同じ状態に陥る

何もかもの物資が国内で不足するので、「市場に出回っている物資が不足するなら、物資を持つ物は絶対に市場に売らないといけない」法案を提出

物資の強制売却で、さらに物資不足が深刻化。当然需要と供給バランスが崩れて高値になる。

物資が高値に成り過ぎて買えない人が続出

「物資を絶対に安値で売らないといけない」法案を提出

調達コストよりも遥かに安値で売らないといけなくなったので、当然のごとく利益が出ないから国内企業が次々と倒産する

安定していた経済が、脅威の失業率 & ハイパーインフレ になるのを一年も経たずして達成。

失業者があらゆる物資を強奪し、社会不安が増大、交通機関や警察機関も機能しなくなる。政治も収拾がつかず無茶苦茶に。

休暇とか・・・





家族におけるシビアコンディションを解消すべく,休暇をとりました。
サイパンにちょっと行って参りました。写真のとおりであります。

今回の旅行で知り得た知識は以下のとおり。
・サイパンの天気予報は役にたたない。サイパンには気象台が無いので,日本のネットワーク上のサイパン天気はほとんど意味がない。(Yahooとか)
・米国の情報は,役に立つ。グアムの基地では情報を仕入れているので,海外情報経由で見てみたほうがよい。

宿泊したのは,フィエスタホテル
・コインランドリーはある。(地球の歩き方と違う)
・ネットワークが北側の客室にも無い。(地球の歩き方,ホテル内のカタログと違う)
・ワイヤレスLANはホテルのフロント前で利用できる。
・部屋の中のリーフレット上の値段と実際のルームサービスの値段は異なる。(安いものもある。)
・中華料理の店にはコース料理が無い。(地球の歩き方と違う)
・中華料理店に点心は無い。(地球の歩き方と違う)
・北京ダックは皮だけでなく身も入っていたけど,まあ,おいしい。
・ホテル内の水は,海水のイオン交換水で海のにおいがするが,一応,飲料水。子供の哺乳瓶をあらっても問題はなかった。ただし,ミルク用の水は購入した。
・ホテル内のテレビにサイパンの天気予報は流れている。

その他
・中華料理 ハピネスは,予想を超えておいしかった。点心もよいし,スープもうまい。
・量がはんぱなく,多い。
・アジア雑貨 アジアンアクセントはバリのものがメインであって,サイパンのものとは限らない。
・ヴェトナム料理 サイゴンヴェトナムレストランはつぶれてた。(地球の歩き方と違う)
・ABCストアのおにぎりは気になったが,たべなかった。
・DFSはシャトルバスで移動というので遠いのかとおもったら,非常に近かった。
・サイパンダって誰のデザインなんだろう。
・日本語があまりにつかえるのでびっくりした。

ちなみに,3日のうち2日は台風だったので,普通におとなしくしてました。ネットの調子が悪かったので,あまり外部の方との疎通が図れませんでしたが。

いいところです。子供が大きくなったら,もう一度行きたい。

9/10/2009

9/1-9/11

夏休みというのに,時間がとれない。アルミネート系の反応について吟味したいのだが。何も出来ていない。
そういえば,セメント技術年報1980年の内川氏の論文とか,2008年白神先生のダイナミックTGの論文などを読むと,アルミネート系の水和物の定量の話は興味深い。
やりたいのだが,機器をそろえるのにまた時間がかかるなあ。
リートベルトでも結構,定性的な傾向は出ているので,大まかにモデリングにすすむという手はあるかもしれないな。

X線回折装置が入るので,結晶学の本を読みなおしている。3,4冊読んだが,逆格子の概念はすばらしいと思うのだが,結晶をみてX線の回折をイメージできるには,遠く及ばない。
本屋で横目でみていた模型を買って,基礎的な奴から順繰りに組み立てて遊んでいる。とはいっても,夜なべしてなので,なかなかすすまない。

最近,FT-IRが気になっている。吸着挙動について,これで状況を確認したい。論文を読みまくっている。近藤精一先生について,多田さんにご教授いただいたので,探しては読んでいる状態。

ASCOTのひび割れ委員会で気になったので,複合則の論文をCiNiiで引っかかるだけ読んでいて気づいたのだが,収縮のモデルで作用面積に含水率を用いたのは,馬場明生先生が最初の様だ。てっきり後藤孝治氏だとおもっていたのだが,1975年時点で,どうやら九大の修士論文の中に出ているようだ。
収縮の駆動力を同定しようというアプローチは当時の日本では最先端だろう。
複合則理論の方が有名だが,複合則理論は個人的には承服しかねる部分も多い。そもそも,モデル化の仮定がいろんな現象をすっ飛ばしていて,何に値をあわせているんだか,SCA解析なんだかも,明瞭でなく,むにゃむにゃしている。修士以後,ずっと同じ手法にとらわれているのも,なんだちょっと切ない。
多分わかっていたやっていたのだと思うが,そういうことをする必要はなかったのではないか。
馬場氏の論文でもう一つすばらしいのは,木材やれんがなど,他のものも包括した支配方程式を導出しようとした心意気であろう。

G-COEの講義についていくつか深くコミットしなくてはいけなくなった。環境学にはまったくの素人であるので,なかなかに厳しい。新幹線では,環境学の本を読むことにしているが,書く人の主軸を良く理解してから読まないと,頭の中がふらふらになる。人によっても,眠くなる人がいて困ったものである。

3日は東京の外装材の委員会。なんとなく,霞が晴れて来つつあるかな。といいつつも,外装材のクリティカルポイントが得られているわけではない。施工状態もかなり影響をもつ部分なので,落としどころはわからない。でも,とりあえず実験をやってみた,というところに価値が出てきたと思う。

5日は友人が家に来た。

6日は,大学。新4号館の図面はまだ確定していない。いろんな部分で調整が必要で,出張が多かったので溜まっていたものを全部,メモ書きして設計者に送り出した。その他G-COE関連の書籍を読む。

7日この日はゼミ。猪飼さんの実験がやはりうまくいかない。測定手法に根本的な問題があるのかどうか。インバーなどをつかって,もう一度見直し。 そういえば,超音波試験機が届いた。縦波・横波で剛性評価に使うつもり。凝結とか,薬との相性とか,自己収縮挙動などなどの評価ツールとして活用していきたい。


8日ASCOTひび割れ委員会。個人的には,T本油脂さんと実験ができるので満足。委員会全体では,あまり深くやろうとしても理解してもらえない部分も多い。今回は吉兼さんの話が聞けた。なかなか市場原理どおりなのか,そうでないのか,生コンの今後は悩ましい。


10日 JCI膨脹委員会WG2 午後は教室会議,その後,シスメックスとのやりとり。Hydrosorbのメンテナンスが予想を超えて高かったので,今後の方向性と事実関係の確認。2,3年に一度,50万のメンテナンス費がかかるのは,やはりちょっときつい。今年はどうしたものか考えないといかん。試験機としてクリティカルになったわけではないが,やはり,メンテが必要と思われるので,考えどころ。



その他:
教員個人評価の優秀実績者に今年も選ばれました。万歳。
海外の研究ファンドの審査委員などに選ばれることが増えました。別に英語論文投稿しているわけではないので,日本のどなたか,私に仕事まわしてませんか・・・?どっちかというと私が申請したいんですが。

9/02/2009

ミスミ

最近,試験機を作ることが増えてきて,図面を考えるのがおっつかなくなりつつあります。
細かい部品等の発注は,時間と金がかかったのですが,Misumiのオンライン発注は便利で良い感じです。おすすめです。

9/01/2009

AIJ雑感

CONMOD09 8月23~26日
Delftの友人 Ye Guangが来ていたので,大学を見せるのとひつまぶしを紹介した。中国人には,ひつまぶし,結構ヒットのようでした。
研究のスタンスは,デルフトの時から両者は大分隔たりがあったのですが,最近の研究テーマ,とくに高炉の部分というのはディスカッションがあって面白かったですね。
自己修復コンクリートの話や軽量骨材関係の話も,わりとかぶる部分があいかわらず多いので,うまくいけば共同研究を張れるかな,という感じ。
しかし,マイクロラボの予算規模は,すごいですね。普通に数億円ですからね。
ただ,お金が自由に使えないって,こぼしてたけど・・・。


AIJ大会 8月26日~29日
AIJ大会は仙台でした。いろいろタイミング的にかぶっていて,這々の体でたどり着いた感じ。

骨材関係のデータが多く出てきました。一回忘れられた文化だ,というのは今本先生がJCIでご指摘した通りで,戦前では日本でも普通にディスカッションされていたのに,あるいは70年代より前の論文でも考えている人が多かったので,いつのまにか消えちゃった。
でも,データがまた出始めたのは良い。Tセメントチームの微粉にすると収縮低減効果が無いという結果は,メカニズムを考える上では面白い。
今回,猪飼さんの発表で解析で追えるかとおもったのですが,ひび割れを考慮しても,結局平均化した値で評価すると相似則になってしまってうまく引き出せなかった。
司会の今本先生のご指摘の仕入先生の論文を読んでみたが,たしかにこういった考え方は起こりうるとおもって解析したんだが・・・・。
仕入先生が使っている骨材のヤング率は相当に小さいので,データが整合しているといっても問題はあるように思う。
我々の推察では,骨材周囲の遷移帯が相当にクッションの役割をになっているんだ,ということになる。なかなか検証が難しい。
でも,まあ,ペーストからコンクリートをつなぐっていうことをちゃんとやっても良い時代。
是非,実験・解析から解明したいところ。

中性子のセッションで,発表された木材中の釘の応力測定はいかしてる。可能性が相当にある研究。長期挙動,乾湿の影響,錆びの影響などがとれると面白い。
あとは地震時の釘の応力なんていうのは,本当にいけてる。
ただ,RESAって結構データとるのに時間かかるので,むずかしいかな。



その他

今回は建築材料では仕上げ,環境関係がやや増えたかな。コンクリートのセッションはぼちぼちでした。なんか,メカニズム的な研究というのがほとんどなくて,データ取ったらこうなりました,というのが多くで聞いてて疲れた。
JASS5とか大臣認定とか,本来は考えて設計するもののように思うんだが,結局ルールありきでデータをとってて,なんだか主旨とちがってきているのではないか。データが適合すればOkみたいな風潮,その極端な例が火災規格関連の事件だと思うが,困ったものだと思う。


ルーチン実験を,学生つかって大学でやることはないと思う。
そもそも,建築材料系の教員が少なくなっているので,特に若手はメカニズムとか原理とか,なぜ,問題がおこるのか,新しい材料設計とはなにか,とかそういったクリエイティブなことにシフトしていかないと。
大学の先生まで,指針づくりのデータをとることは無いでしょう。ああいういのは,建築研究所とかゼネコンとか,国の金を使って,決まった手続きでやればよいのでは,と。


(ゼネコンの研究所が縮小気味であるときに,こういったことも一部の大学でやるのはやむを得ないのではとの意見をいただきました。個人的には,そういうのこそ試験所とかコンサルに金を払ってやるべきで,最終的には施主が負担すべきもののような気がしますが,反省として消します。)

論文ネタが無いからかもしれませんが,手法ありきの研究が増えてきましたね。分析系。
別に技術の向上という意味で,否定はしませんが,結局それでなんなんだよ,とつっこみたいようなものも。
マニアックなパートで世界で初めてのデータを取るというのも快感なので,時として私もそちらの方向に心奪われることもあるが,そうはいっても,基本的に水和から構造性能を予測するためのパーツ以外は,現在のところ触れてない。
論文の立ち位置と意味合いくらいはしっかりしておきたいところ。
(私の想像力が無い,という批判もあるかもしれません。そういう場合は,方向性とか,何につかうのか,とかあるいは結論の書き方は工夫していただきたいところです。自戒もすべきですが・・・)

水分移動のデータとりまとめに,潜熱の影響を持ち出した人がいましたが,もう少しオーダーの議論とか工学的判断とか,データの取り扱いとか考えた方がよかったですね。化学ポテンシャルの算出で293K をつかっていて,そこに0.2度程度の誤差があったとしても1/1500くらいの差異なわけで・・・。
まあ,あまり,そういうのに詳しく無い人なんだろうし,しょうがないんですが。代入計算くらいはできるんじゃないか。

乾燥収縮試験のV/Sについては,V/S比の意味合いから考えて関数系をつくらないといけないんでしょうね。
ま,計算でコンクリートの収縮出すのが早いとおもいますけど。
FEMで遷移帯いれるのは,ちとしんどいかなあ。

8/17/2009

最近の読書



気づけば,最近,結構本を読んでいるのだが,紹介ができなかった。
まず,一つめ。「天才」。IQ信仰以降の「天才学」が対象でいかにして環境が人をつくるか,ついて言及したもの。いわゆる成功となるためにはどういった環境が必要だったか,という点が個別から体系化へのステップを踏んで記載されている。
習熟には1万時間が必要,ソーシャルスキルは家庭ではぐくまれる,時代的タイミングの問題,等々がかかれているが,いずれもしっくりくる内容。
なんというか,子供も出来たことを踏まえたり,あるいは,自分を振り返ったりしながら読むと面白いです。





ホリエモンのブログで知った本。竹中平蔵のアメリカべったり政策は,時として選択的に利益が生じたりしたし,本当の公益とは何か,という議論がとりのこされていたりしたので,かならずしも評価されていない。一方,どんな議論にも客観的な事実にもとづき,反論するさま,また,頭の回転の速さは目を見張る。テレビに出てくる噂だけを拾ってコメントする人たちとは,そりゃあたりまえだが,全然違っていて,それなりの情報がある。
と,そんな考えを抱いたときに読んだ本。非常に原理的に社会・お金について記載してあって,学生には是非読んでもらいたい。工学をやるのなら,お金のことも考えないと駄目です。教育も研究もお金がかかるし,お金をかけたらそれだけの生産性を示さないといけない。それが社会的責任。
選挙の前に一人でも,学生が読んでくれたら,と思う。




これ,前にも紹介したかな?
読み直してもそれなりの発見がある。統計上の有意,ということがこれだけの情報戦になったときにいかに重要か,ということが示される。「天才」に示される結果が直感的なもののうらづけであるのにたいして,ここでは,超大量のデータがいかに直感とは独立の結果をもたらすかを示す。
結構,研究についての立ち位置もこれで,少し動いたかもしれない。

8/09/2009

HDD

JCI札幌で、ポータブルHDDを紛失して顔面蒼白になりました。結局、落とし物で届いていて、本当にありがたかった。

その後、セキュアなHDDを探していたのですが、FujitsuのHandyというHDDが、最近新しいソフトを導入していることを知って、購入しました。
これは、あらかじめアプリをインストールしたPCでないと、USBのHDDが認識されません。
紛失した場合は、機械的に認識をオフにしているので、取得者は結局分解して中の円盤から読みとらないと、復元はできないということのようです。

これは、結構安心な機能で、大変満足しています。

収縮理論

今月号に収縮理論の論文が掲載された。
いろいろ反響のメールをいただいて、ありがたいことです。
お読み頂いた皆様ありがとうございます。

なんで、こういった形の式に成ったかは個人的にすっきりしていない部分や、未解明な部分もある。
ようは、ある平衡状態で、含水率と比表面積と弾性率がわかっているとひずみは一意に定まるよ、ということがいいたかったわけです。

体積含水率は、比表面積および吸着厚さの関数なので、本当は相対湿度の関数になるのかもしれない。
体積を変化させる分離圧と水分を移動させる化学ポテンシャルがなぜ同一にならないのか、は疑問ののこるところである。多田さんにご指摘いただいたように、Derjaguinの言っている分離圧を変化させるなにかの作用素が変化して、分離圧自体が変化するメカニズムがありうるという形の立式も可能だったかもしれない。その点については勉強不足だったし、ヒステリシスの部分のデータが不十分であるので、現在、さまざまなヒステリシスループのデータを取得している。


今から考えると、もっと良い書き方があったように思うし、式の形ももっとわかりやすいものがあったように思う。分離圧を差分として支配方程式に組み込むかどうか、は最後まで悩みました。ただ、平衡状態を基準として立式されるという前提にたてば、分離圧は差分でなくてもよかった。一方、水-表面間に作用する分離圧のユニバーサルな式と、それを用いてセメント硬化体に組み込む場合には差分形式になるということは補足すべき事項だったと思います。
英文化の際には、もっと洗練したものにしようと思います。

私はセメント硬化体のように様々な空隙が多様に分布しており、吸着水が基本的に連続的になるような硬化体においてインクボトル効果というものが存在するとは考えていません。
吸着のヒステリシス挙動を説明するための別の仮説はまだ、2,3は存在します。近々にどこかに仮説だけは言おうと思います。立証は難しいんですが、J-PARKの力があれば可能と思っています。

8/01/2009

7/27~7/31

7/27 研究室ゼミ 大分方針が決まった。Iさんの実験がどうもうまくいかない。なかなか苦労の産物である。寺本の温度履歴条件下のひずみ測定は,相変わらず綺麗なデータが出る。M1諸君の今後の実験については,来年の実験棟改築と新規購入装置との兼ね合いで,多少,方向性変更がありうるかな。

7/28 333委員会に出席予定だったが,残念なことに出席できなかった。本当に2連泊で東京の予定だったのだが,急遽学内会議。

7/29 午前中にランドマークの委員会。反省会,今後,どうやってオフィシャルにしていくか,等々の打ち合わせ。午後は,テクストの多田さんのところに収縮理論についてのディスカッションのために訪問させていただいた。
・構成則の理論性 →従来理論の延長から入っているので,不明瞭なところがある。
・比表面積の算定 →吸着,脱着(脱離)のどちらでやるかは考えどころである。一般的には脱離でやることが多いとのこと。たしかに105度乾燥させると疎水化した上での吸着挙動になるので,比表面積は小さくなる。脱離側とで比較すると大体ポルトランド系列で1.2倍程度,高炉では1.5倍程度になる。
英語論文化の時には,検討しないといけない。脱離側もとっておいて良かった。そういえば超高強度の実験についても,両者で比較しないといけない。温度履歴の影響などがでてくるかも。
あるいは,C-S-Hの量がわかったりするかもしれない。


7/30 午前中はAIJの中性子委員会。大分,文章が上がってきたので格好になりそう。後は,最終の講演会での人集めかな。でも,結構おもしろいと思いますよ。実用とか抜きにして。

7/31 本日,秘書および日比野助教が退職された。3年,あるいは2年半,お疲れさまでした。
強力なメンバーを失ったので,しばらくきつそうです。

7/25/2009

7/11~7/24

7/13 鹿島の技研におじゃまする。水和モデル等に関するディスカッション。モデルは利用してもらうには複雑化してはいけない、ということがよくわかる。今までのデータをもう一度見直した方がよいなあ。自分の時間をつくるよう努力しないと。ついつい、いやな仕事が残るとその間のペースが落ちる。

7/14 寺本君が鎌田先生のところで、超音波関連の予備実験に行く。結果は、そういえばまだ報告されていない。どうなっているのか。

7/15 午前中に引っ越し先の5号館の電源まわりの整理。午後は広報委員会。JCIの環境委員会は学内委員会のために欠席。環境学研究科のロゴの話が。あったらよいが、こういうのって一筋縄ではいかない。結構、予算と覚悟がいるかなあ。広大のロゴは800~1000万くらいだったと聞いた覚えがある。

7/16 PANALyticalとの打ち合わせ。頑強なのは有名のようだ。ソフトも良さそうだけど、セメント分野での評判はさまざま。午後は学内委員会。 JCI編集委員会は欠席。

7/17 10時~外装材の委員会。依然、方向性模索の状況。午後JCI自己治癒委員会。前回委員会の報告書を見たが立派だ。これを超えるのは難しいので別の方向性ということで。共通試験の話が出る。モデル化、簡単なのはやれそうだな。データがいるけど。

7/18~20日 JCIテクニカルレポートのプロットを考える。半井先生にもご協力を得る。いや、結構重たいな。これ。やっぱり。

7/21日 SII、Brukerとの打ち合わせ。TGは、SIIとはちょっと値段のすりあわせが難しそうかな。Brukerとは、オプションの説明をしてもらう。底角側のバックグラウンドを抑えるためにスリット幅の話を伺う。絞れば当然、測定時間が増加する。 

7/22 朝一にRigakuが来る。デモをしてもらうが、ソフト的にはセメント分野ではまだ、全然利用できなさそうだ。やはりTOPASで行くしかないということで、機種選定は終了。Brukerで行くことに。


7/24 安藤建設の技研に行く。太平洋セメントと3者での共同研究に関する打ち合わせ。昨今の経済的状況から、長期的ビジョンというのは書きにくい。どこで成果とするか。頭を悩ます。予算は、住宅局じゃなくて、別のところからとってくることを考えた方が良いのかもしれない。

7/15/2009

7/14

院生の五十嵐豪君が,建築学会の優秀卒業論文賞をいただけることになりました。
応援いただきました皆様に心より御礼申し上げます。
ありがとうございます。

7/11/2009

6/30~7/11

6/30~7/1
東海村での実験。軽量骨材の乾燥プロセスの可視化について。
実は,JRR-3Mは,前々日まで緊急停止していた。ただでさえ,実験日数がすくないのでやきもきしていたのだが,誰かの日ごろの行いがよかったのだろうが,実施にこぎつけた。まことにありがたいことである。
昨年度までは,自己養生の可視化を行っていたのだが,今年は乾燥プロセスで影響をみれるかどうか,ということで検討した。
実は,結構複雑ですね。
軽量骨材の練り混ぜで結構,分離が生じやすいこと,軽量骨材中の水分は重力の影響をうけやすいことが推察された。
全体挙動は,もう少し見ないとわからないかな。

それと3次元CTに挑戦した。これはこれでよいのだが,飽水状態でサチル現象がでるのでこの補正について検討しないといけなさそうだ。

7/2
学内の授業。今後の方向性についてM2が発表。まあ,よかったんじゃないでしょうか。

7/3
東工大の坂井先生のところを訪問。X線関連の意見を伺いに。どっちかっていうとメンテナンスの大変さを強調なされていたので,気になった。X線の試験機自体はずいぶんと歴史のある装置だし,ソフトの問題も大きいかもしれないなあ。あとは,セメントをどうやってフィックスするか,ですかね。
すっきり,というより,さらに混沌としてきた。

午後は,学内引越しの話。面積がたりない。やっぱり,実験は来年できないのか・・・。つらいなあ。

7/6
午前中は,学生との面談と業者との打ち合わせ。
ペースト用の引張クリープ試験機の最終打ち合わせ。
新しい知見を得るには,その目的に合致した試験機が必要。既製品でできることには限りがある。
今回は,もとのアイディアを学生に出して,学生自身に設計させた。
ものが来ると感動するだろうな。

午後はゼミ。研究の状況を発表。まあ,4月から3ヶ月しかたっていないので,進み方は人それぞれ。しかし,1年をとおすときっちり差がでるので,学生諸君は,日ごろの研鑽を忘れないでほしい。

7/7
JCIの移動日。打ち合わせなど。

7/8
午前中はランドマークセッションと自分のマスコンの発表。
ランドマークでは,私が大野和男先生について発表した。1935年時代にすでに拘束試験を行うとともに,若材齢のひび割れについて,考察し,ほぼ現在の研究手法の枠組みを確立している。
また,収縮は打ち込み直後から測定しないと本当のことはわからない,という指摘など今にも通じることがすでになされていた。
こういったことが研究者魂として受け継がれていれば,もう少し現在はちがったのではなかろうか,とも思う。それでもむずかしかったのだろうか。
開会式の阪田会長のお言葉に始まったランドマークだが,存外好評であった。
マスコン発表は,奨励賞をもらいました。恥ずかしながら,まだ2回目をもらっていなかったんです・・・。
午後は,寺西先生とASCOTの件で打ち合わせ,その後,企業の方と実験に関する打ち合わせ。

7/9
午前中,強度・力学Iのセッションの司会。
注目する研究は,・谷口氏の強度発現の温度依存性と鉱物組成の関係に関するものと,・溝渕先生グループの直接引張強度試験によるもの,の2編。この論文は実験と考察ともにすぐれていたと思う。
直接引張試験のばらつきの話は,嵩先生のご指摘のとおりで,嵩先生がいわなければ自分が言おうと思っていたことだった。
建築の法律体系の中の論文がかなり多かったが,土木の人の関心は薄いだろうな,とも思った。
テクニカルすぎてデータとしては貴重なのだが,論文とか新規性という意味では評価が難しい。

午後は佐藤先生の科研に関する打ち合わせで,PS三菱の北海道支店に伺った。
今回のJCIでは,骨材研究が相当に出ていて,これらを横並びに見るといくつか着目点がある。
気づいている人は気づいていそうだが,関連ポイントを整理すると研究のポイントが抽出できる。佐藤先生や谷村さんなどは,やはり,ばっちり問題点を捉えていた。
ただ,骨材の問題がわかったとして,そのあとどうする,という実学的な部分もまた課題である。


7/10
午前中,ランドマークに出席予定だったのだが,急遽CONMATの打ち合わせが入った。学生の発表を聞いたが,やっぱりちょっと勉強不足の観がある。

そういえば,7/9の学生発表は聞きにいけなかったのだが・・・。
岸の熱伝導率の論文における飽水時に水分が移動するかどうか,というご指摘は非常にありがたいご指摘だった。個人的には圧力勾配が生じるので流れると思うが,空隙がある場合と同じだけの速度を有するかどうかという点はあきらかではない。
しかし,今,実験データを改めてみると,飽水時のデータは,低含水率側の点を伸ばしていくとあきらかに寝ている。これが飽水時特有の問題なのか,そうでないのかは,ちょっと考える必要がありそうだ。

一方,五十嵐の発表におけるゲル空隙比理論において,破壊力学的考察を欠いているという指摘はあまり意味がない。圧縮試験という特性値をインデックスとしてゲル空隙比で整理することは,破壊の起点となる脆弱部の存在確率という現象と相関するであろう値で整理するということであり,従来より評価を行ってきたものである。今回は同一条件で行った試験という共通結果に対してある一律の関係がえられたという点が評価されるべきであり,かつ,高温履歴で水和が停滞すると考えられている状況も包含して説明できたという点が新しい。
圧縮破壊自体,試験機や寸法,端面の拘束,試験体の乾燥条件に依存するもので,物性値ではない。

C-S-HのH/C比のご指摘は,従来研究と比較すれば当然のご指摘である。ただ,過去のC-S-Hの研究,代表的にはYoung博士らの研究を見てみるとC-S-HのHは,基本的にゲル水に相当する水で本当に容易に脱水する水を包含している。われわれのスタディでは,Hが2.0以上の水は強度に寄与しない流動的な水であると考えている。
このことが,ゲル空隙の適応性の改善につながっているのである。

昼は,谷村さん,細田先生らと膨張委員会のWG2についてディスカッションした。設計上の問題でどこまで示すことができるか不明だが,課題を明らかにして委員のみなさんのご協力を仰ぎたい。
目標を示すことが幹事団の使命であるが,こういった整理ができると委員会も円滑になるだろうし,問題点を他のWGとあらかじめ共有する上でも有意義だと思う。

今回のJCIは,学生2名が奨励賞をいただけたことが大変誇らしい。


7/11
帰宅。久しぶりに家に帰ったら,子供が微妙に目をそらす。なんか,人見知りしているみたいだ・・・。
がーん。

お土産にルタオのチーズケーキ,花畑牧場のキャラメル等々を買った。

6/20~6/29

ずいぶんと間隔があいてしまった。怒涛のように時間が過ぎる。毎度のことになってしまった。

6/22
私的な高炉セメント研究会。最近の実験データについて出し合って議論を行う。建築で高炉を増やす手法についてディスカッション。それと,最近投稿した論文3編についての紹介。大学教員は,法律を動かすことができる立場にいるのかもしれないが,実学への認識が少ない上に,材料そのものについて十分な調査・研究がすすんでいるかどうか疑問。もう少し,集中してじっくり議論した方がよいのではないか。
JASS5なども,出版ありきで委員会を進めるような時期ではないように思う。

6/23
学生実験+ASCOT 学内の打ち合わせでASCOTの委員会に出席できず。

6/24
午前中は,TGについての打ち合わせ。既存のTGだけでなくて,改良を加えることを条件とすることにした。C-S-Hの研究を深く進めたいので,ダイナミックTG+Isobarが測定できるような特殊環境を整備する方向でうごくことに。真空TGオプションが安く利用できるということと,ダイナミックTGができる,さらに精度と安定性を考慮すると2社に絞られる。この後は価格の問題になるかな。

午後は超音波速度測定の試験機の打ち合わせ。超若材齢時における硬化プロセスを確認したいので,超音波法を導入することを決定した。最初は,提案した収縮理論の自己収縮現象での検証に用いるが,おいおいは凝結の問題,水和制御の方向で進めて生きたい。

6/25
教室会議 GCOE関連,人事・予算の問題で若干もめる。
議論というのは,実行力・権限が伴った人間がやるべきだと思う。提案してこいっていうのであれば,個人ベースで羅列の提案だけだろう。若手でディスカッションして,問題点をあげつらって妥協点・合意形成を行うことにあまりメリットを感じない。
これは,たとえば,署名活動とかリコール運動などにも通じる。民意がそこにあることは通じるだろうが,日本でのものごとの決定構造は,えてして民意とは独立に行われるものだったと思う。
大学もたいていの場合,そうだ。官僚構造に近いと思う。

形だけ民主主義をとるという空論で,若手は疲弊しているので,タスクは減らしてほしい。
また,そういうことを当然のようにやらせるから,結局,若手の中で意見をとおせるような人間がいても,変に権力構造によりすがって人脈だけを誇示するようなのがはびこるのだとも思う。

まあ,そうはいっても,大学でそういう立場になれる若手というのは,えてして如才なくて,才能もあったりするからよいのかもしれないけど。
でも,強烈なリーダーシップとかカリスマっていうのにはなれないような。

6/26
久しぶりに時間があったが,結局,たまった事務処理をするだけだった。

6/29
午前中はCONMATの会議。名古屋での運営について。CONCREEPと比較すると,驚くほどにものごとが進んでいなくて,びっくりする。これで本当に運営ができるのか。まさに個人の尽力にかかっている。
午後は,東京理科大学の今本先生のところを訪問。ランドマーク会議(JCI)に関する最終打ち合わせ。
いろいろ意見はあるだろうか,それなりに意義のある発表になりそうだ。

そういえば,JCIのテクニカルペーパーをとりまとめるんだった。まったく進んでいない。まいったな。

6/17/2009

6/9~6/16

6月10日 安藤建設の相模原工場にSFPC関連の実験結果を観察にいく。鉄筋周囲のひび割れの形状がはじめてわかった。鉄筋縦切りはやはり,東京の業者さんはなれているのかもしれない。これを制御する手法についても,だいたい目途がつきました。

6月11日超音波計測に関する打ち合わせ,SEMに関する打ち合わせ。勉強不足ですねえ。情報処理スピードがおちているかも。

6月12日 午前JCI混和材委員会,午後,セメコン関係,その後JCIにもどって委員会出席。委員会ずくし。これくらい用事がかたまっていると東京出張も疲労感が無くて良い。1つだけだと,時間がもったいない。

6月13-14日 後輩の松下氏のデータ整理。エーライトとビーライトの水和について面白いことに気づく。といっても,実は2年前にその内容は国際会議には発表しているんだけど。

6月15日 G-COEに受かりました。うれしい・・。けど,大変そうだ。文理工の協業がどこまで本格化するか,ということについてシステム作りが必要。

6月16日 午前中Brukerと打ち合わせ。午後,Rigakuと打ち合わせ。X線回折,相当に悩む。夜,G-COEの打ち合わせ+懇親会。

6月17日 NIMAが通りました。
・I. Maruyama, M. Kanematsu, T. Ngouchi, H. Iikura, A. Teramoto, H. Hayano,
Evaluation of water transfer from saturated lightweight aggregate to cement
paste matrix by neutron radiography, Nuclear Instruments and Methods
in Physics Research A, Vol 605, pp. 159-162, 2009

・M. Kanematsu, I. Maruyama, T. Ngouchi, H. Iikura, N. Tsuchiya,
Quantification of water penetration into concrete through cracks by neutron
radiography, Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A,
Vol 605, pp. 154-158, 2009

6/08/2009

6/1~6/8

1週間ぶりです。いや,予想もしない人に読んでいただいたことがわかりましたが,うれしいというよりは恥ずかしいです。一般公開なんですけどね。このブログ。

6/1 学内のX線講習。一通り学習しました。X線作業主任者の試験をうけようと思っているが,なかなか勉強できないなあ。

6/2 午前は知財部との打ち合わせ。なかなか公的なお金と知財って矛盾する部分があるような気も。国際的なものであれば問題無いんですが。

6/3 教授会があって,JCI中部支部の総会に出られませんでした。残念です。午前中は業者との打ち合わせ。あたらしい試験機を作ろうと思っているのですが,なかなかニーズにあったものが出てきません。無線機器ってもう少し小型にならないもんですかねえ。

6/4 JCIの環境委員会。全然出ていないので,出席しました。愛知県の物流についての検討をしようかな,と思っています。でも,二番煎じなんですけどね。せっかくの「あいくる」制度がどの程度成功しているのか,ということは定量評価したいと思っています。これから勉強です。午後は新4号館の実験棟に関する会議とか,学生の授業とか目白押しでした。

6/5~6 関電さんの大飯原発に見学に伺いました。いやあ,コア抜きで20年のデータというのは圧巻です。驚異的なデータですね。α値とかいってますが,もっと長期的な観点から構造物を見てもよいと思いますね。高温履歴と水和組織,大変気になります。

6/7 午前中に大学のデータを回収して,家で作業をしました。引越関係と実験データ。高炉の良いデータが出てきました。結局水和生成物的には,あたりまえですが,普通ポルトランド系と影響力はほとんど変化無いですね。高炉がひび割れしやすい,というのは原理から言えば線膨張係数の時間依存性が大きいことと,水和による水分消費が大きいので自己収縮に起因するところが大きくなるということになりそうです。水分消費が大きい,という点についてというのが,これまた微妙なんですけどねえ。

6/8 今日は,午前中は事務処理ばっかりでした。これから,やっと物書きができるようになります。と思ったら,JRR-3が止まったというニュースが入ってきました。地震でしょうか,それとも人為的なものでしょうか。気になる。

5/31/2009

5/15~5/31

怒濤の忙しさでした。5月なのになんで,こうなっているかというと現在,居室を構えている4号館が新築になるからです。補整予算がついたので建て替えになりました。
・研究室にある引越計画
 ・備品番号の整備とそれらの移設費用の見積もり依頼
 ・備品番号が無いものが大量にあった。(全部で70くらいあった。)
 ・備品の寸法測定
を行いました。いやあ,実験棟大分わかった。いくらなんでも。
恒温恒湿室の引越がもったいなくて,あとちょっと出すと新しくなる金額なわけです。これはびっくりでした。
アムスラーの移設もしんどいですね。移動後に反力とれるところがないので,引張試験はむずかしそうです。かえってくれば床を整備するので大丈夫でしょうが。

あとは,反力床・反力壁を入れるので,その寸法を決定したり,平面図をつくったり,養生室等の設計,電力量の見積もりなどを行いました。

建て替えは周囲の嫉妬を買いますし,面積バトルはえらいことになっています。確定する面積は,今後相当の期間FIXなので,妥協点の模索の難しい交渉が続いております。
いやあ,勉強になりますねえ。

5/17~5/18は野口研OBの研究者による意見交換会というのを行いました。現状の研究状況や今後どうしていきたいかなどの意見交換ができました。内容は非公開が原則ですのでここでは書けません。

5/20~22日 セメント技術大会でした。今年は,兼松先生筆頭で,セメント協会論文賞をいただきました。また,研究奨励金もいただくことが出来ました。頑張って成果を出します。

水和と収縮の関係は,特に温度履歴の観点から再度見直す時期に来ております。線膨張係数の経時変化が生む温度ひずみ,という新しい観点から見れば,高炉のひび割れの問題は再整理できる問題になります。
また,温度ひずみ,すなわち線膨張係数と温度履歴を制御するという問題と自己収縮を制御するというのは,時として背反,時として同じ方向を向きます。材料開発者,ユーザーは,この点を明確に把握しないといけません。膨張材や収縮低減剤の役割について諸処の問題が生じていたのもここに起因されます。

田澤先生が自己収縮の問題を指摘して以降,温度一定下の挙動というのは大分,工学的な把握がされてきたと思います。
一方,土木構造物の方で議論されている温度ひび割れ,その中に存在する自己収縮の問題は定量的議論がうまくできていません。この理由は,線膨張係数の経時変化を正確に捉えようという試みが,従来までに少なく,しかも,その目的が明確でなかったからだと思います。
加えて,従来研究の線膨張係数の問題は高強度の問題で捉えられてきていました。

この様な状況から,我々は薄片部材に温度パルスを与えることで温度履歴条件下であっても,線膨張係数が取得できる試験機を開発し,線膨張係数による問題と自己収縮による問題を区分することに取り組んで来たわけです。

今年度のセメント・コンクリート論文集では,高炉と普通を比較した場合の,水和による温度履歴条件下において,線膨張係数の経時変化に起因するひずみ成分と自己収縮成分を分離し,従来までのメカニズムの把握の問題点を指摘する論文を投稿しました。これはセメギでも発表したものです。
加えて,昨年度,線膨張係数の含水率依存性のデータを取得しましたが,脱離線上で相対湿度70%までは乾燥プロセスにおいて線膨張係数が増大することを再度確認しました。(オリジナルはMayer,1950かと。)
このことは,線膨張係数を制御するためには,骨材種を変えるだけでなくて,水分を供給することでも制御できることを意味しているわけです。
この観点から,含水人工軽量骨材を用いて,線膨張係数を制御し,温度ひずみ成分を制御するというこころみについても,検討し,論文投稿をしました。
この論文は,コンクリートの若材齢ひび割れ制御に一石を投じるものと考えています。

5/23 成田のオーバーレイの解析についての打ち合わせでした。膨張材の効きの問題,遅延剤の影響についてのディスカッション,FEM上での問題が議論になりました。

5/24 午後,打ち合わせ。収縮低減剤がどうして収縮低減できるかについて,理論的に説明できるようになったので(まだ,再査読後の結果が出ていない・・・),実際にメーカーと打ち合わせを行った。意見交換で,収縮が低減できる物質について経験則と理論の整合性についておおよその一致を見たが,分子の選択性,分子量の問題,影響範囲について,より分子レベルの分析が必要であることをご教授いただいた。第一原理計算や分子動力学を考慮した分子とC-S-H表面の相互依存性について検討する研究テーマが浮上した。1,2年で出来るとは思えないので,高分子系の研究や最近のICCCでの計算手法を検討しながら,研究テーマの模索を行う。

5/27 阪大の鎌田先生・内田先生のところにAEセンサや超音波測定について話を伺いにおじゃました。ノイズの拾い具合,型枠の問題を含めて,相当のノウハウの産物であることがわかった。これは一朝一夕に出来る者ではない。マシーンを借りてすぐにできるものではないことがわかったので,共同で研究をすることを再確認させていただいた。
Pietro(EMPA)の研究で,凝結時にAEのピークが来るという論文があり,これがメニスカス形成時の音であると説明している。大変興味を持っていたのだが,変形が大きいところなので型枠との摩擦面から発生する音である可能性も有るらしく,若材齢は発生源特定が相当に困難であるとのことだった。まったく,そこまでは頭がまわっていなかった。
AEセンサの受診側は1ポート100万程度とのこと。

5/28 ASCOTのひび割れ委員会。方向性が不明瞭かな。JCI,AIJの委員会との差別化,公共的な役割としてどこを向いていくのか,という点についてビジョン確立の必要があろう。これは委員長が決めないいけない問題と個人的には思う。委員の集合で決める種類のものでは無いような。
また,委員会で集合することの魅力が減っているようにも。ノウハウなり,新しい知見,自分の知識向上等インスパイアするようなデータの公開がないと委員からの求心力が薄れる。また,委員も自分のデータを公開して,ディスカッションして得られるものが無いと,公開する気にならないかも。ディスカッションのクオリティ確保についても方策が必要と思われる。
JCIやAIJの委員会は,いろいろなフィードバックができたり,共同研究の高度化が行われるなどという背景が自動的に醸成されている。同じフレームワークでの委員会活動にはならないことに留意が必要。
以上が,私の考察。

5/29 愛知減災協議会に出席。当初,JCI中部支部の委員会に出席予定だったのだが,4号館実験棟の問題が浮上して,結局協議会後の懇親会で協議することになり,そのまま滞留。予定が狂った。なかなか,得心のいかないこともあるが,そもそもの合意形成プロセスに問題があったわけで,大いに反省。

5/30 大学院説明会でした。

5/14/2009

5/4~5/14

GWの後半は,胃腸の調子が悪くてずっと,家にこもっていた。時間依存ひび割れモデルを組み込んだ2次元FEMの開発が大分進んだ。最初,ひび割れたエレメントの剛性マトリクスに必要なテンソル計算が間違っていて,なんだか,X方向ばかりにひび割れが入っていたが,それも今週には解決した。

五十嵐にPGPLOTのサブルーチンを作製してもらい,それを組み込むことで各ステップのひび割れ進展状況が画像ファイルで確認できるようにした。
と,言いつつ,実はこの時間依存ひび割れモデルを応力やひずみで検証するのは難しい。簡単な実験を補足で行うことにした。7月くらいまでにはデータがでるとよいなあ。

高炉の水和率のデータを根本から取得する環境を作る必要がある。ドラフトチャンバーが一番でかい買い物かな。後は,薬品管理が多様になるので,きちんとしなくては。早めに決断しないと。

コンクリートの圧縮強度というのは特性値なのだが,それが,基準法レベルで影響を持っているので,場合によっては非常に大きなインパクトになる。しかし,この特性値を根本から考えようという人は少ない。そういう意味で,圧縮強度の数値解析やコンクリートの構成則の議論は,再度評価されるべきかもしれない。今後,1万年コンクリートとか,原子力の建物とか,極めて厳しい環境や基準における材料品質評価を目的として,こういった研究は,もう一度サイエンティフィックに取り組む必要がある。しばらく,種まき的に勉強をしようと思う。

今年,X線回折装置だけでなく,うまくいえばTGが購入できるかも。ダイナミックの奴で再現性が高いものが良いなあ。やはり,高い製品はそれなりの価値がある。水和のデータ定量を考えると,ぐっとかがんで良いものを購入する必要がある。いろいろ話を聞くと,やはり垂直型の奴が良いみたいだ。つり下げ,キャンチの奴はどうも,繰り返し精度が低いらしい。

最近,超音波測定について勉強を始めた。かなり広がりのある試験方法だ。結構良いかも。

C-S-Hの合成,新潟S先生は5年位前から,ご自身のチームで実行している。なかなか自身がないんだよなあ。どうしたものか。

今日,やっと特許出願を行った。12月からなので5ヶ月の難産だったなあ。

5/04/2009

メッシュ2

いろいろ探してみたら,GiDのソフトとUSBキーが家からでてきた。
ので,メッシュ作製を復習してみた。
今はもう,修正されているのかもしれないけれど,GiDのHelpの内容とソフトの乖離はすさまじい。なんでこんなことになっているのか,と思ったら,これはスペインの会社でローカライズを適当にやっているからだ,という話が以前,ウェブにのっていた。
それでも,メッシュ作製機能とか,ポスト機能は秀逸で,しかもお値段もそれなりに安い(なんか,今は昔購入したときの3倍くらいの値段になっているけど)ので結構「買い」なソフトだと思う。

で,Helpに書いてあるメニューの名称と実際のソフトの名称が違うものだから,昔やったことと同じ勉強というか探りをやってしまったので,備忘録として残そうかと。

・サーフェスを作るときは,NURBS surfaceで作製。NURBS機能を使わなくても。

・Objectで四角形などを使うと,Surfaceも作られてしまうので,Surfaceは全部消してから利用する必要がある。

・メッシュの中で2種類以上の材料を設定するときは,
1)Data→ProblemTypeの設定で何かを設定して材料が2種類以上あるとして問題定義をする必要がある。Data→ProblemType→Example→problem_type_solid1はRCとしてDefaultで設定してある。コンクリートと鉄の2種類がすでに存在する。
2)その後にData→Materials→材料選定→assign→surfaceラインを選択,とすることで材料を設定できる。

・メッシュ作製は,Mesh→generate meshでできる。

・メッシュの大きさは,Preferenceあるいは,Generate meshをやるときにダイアログを出させる設定にしておけば,寸法を指定可能。

・どこかを細かくしたい時には,Mesh→Unstructured→(Points?Lines?を設定)→数値(0~1)を入れる→Geometryを選択,とすることで選択したgeometryの周囲のメッシュを細かくすることができる。このときのグラデーションの具合は,Preferenceの中のMeshingの中のUntstructured size transitionsの中の値を大きい方(0~1の間)を設定することで設定が可能。

・出力はFiles→Export→Textでやれば,一応,作製したメッシュを再現できるだけのデータは詰め込まれたテキストが出力される。

・メッシュの形は,Mesh→Element Typeで設定して,Surfaceを選択するとその中は,指定されたTypeでメッシュが作製できる。なお,Quadで作製すると再分割は出来ないので注意が必要。


なんだか,これ探すだけで3時間もつかっちゃったよ。
でもまあ,4角形要素でオートメッシュのソフトが手元にあった,ということなんで,論文進められてうれしいな,ってかんじでしょうか。

やれやれ。

GW

GWは実家に帰った。初節句だったし。

だいたいGWは家族でBBQをするというのが,結構定番になっていて,いつも親だ佐渡の某所から,海産物をBBQ用に取り寄せる。
以前,NYステーキで感激したことがあったので,今年は,ここから,NYステーキ用の肉を1kg買って,家に送っておいた。焼き方などは,こういうところを参照すると良いと思うが,基本は6面全部に焦げめを付けた後,アルミフォイルで蒸すことですね。ワインやその他のアルコールを少し入れておくと柔らかく成ります。
味付けは塩,胡椒だけでよいと思いますが,焼いた後に醤油やわさびを使ってもよいかもしれない。
油が多いわけではないのだけど,ミディアムレアにするなら,わさびは合うと思います。

後は,母の日兼用で,プレゼント。
PF-50WGシリーズ
現在,私が調べた限りでフォトフレームでインターネットに接続する機能があるのはSonyのものとこれだけだと思う。これは,wirelessLANに接続が可能だし,GoogleのサービスであるPicasaや写真サイトのFlickerの任意のアカウントを設定するとそこをダウンロードして閲覧できる。

で,是が何が優れているとインターネットとかメールがよくわからない親に本当に少しリモコンの使い方に慣れてもらえれば,孫の写真を食卓に飾れるというところ。
こちらは,家から,設定したアカウントに写真をアップロードすると,親の方ではそれがスライドショーになるわけです。
妹達の家族の写真もアカウント設定して,アップロードすれば皆の写真が食卓に並びます。

親孝行するには良い品だと思いますよ。

5/01/2009

メッシュ

なんだかなあ。Gmshというソフトを引っ張り出して,使えるようになったのだが・・・・
三角形要素って,本当に固いんですなあ。計算してみて気付いた。
せっかく,クリープ解析とひび割れモデルが入った2次元FEMつくったんだけども,全然うまくいかな。
4四面体プログラムで作り直して,検証しないと安心して使えないよ。こりゃ。

プログラムがおかしいのかとおもって,解析ステップとかメッシュの精度とかいろいろいじったんだけど,結論はこれはまったくだめです。2日損したなあ。

GiDを買ったんだったな。アップグレードして使うかな。
誰か,OpenSourceな4角形要素が切れるメッシュジェネレータしらないですか?

4/29/2009

4月22日~29日

一通り考えたが結局物事はあるバランスの上で除々に変化していくので,劇的な解決法というのは無いのだな。民主主義の良さというのは,ドラマティックな進行ではなく,除々にバランスを取りながら変化をもたらすことなのでしょう。

短期的な躍進と長期的なバランスについて,どうやって民主主義の中で解決していくべきなのかは,歴史に学ぶ必要がある。アメリカの選択とフランスの選択の歴史は,我々の世代において学ぶ必要がある。品の無い発言を酒の場でしてしまったが,反省。


21日学生実験の授業と建築学教室の会議。なんか,自分でいっておいてなんだが,「べき論」で語る未来っておもしろくないね。好きなことだけでもよいような気がしてきた。なにしろ,べき論って,モチベーションあがんないもんな。大学が楽しそうに見えること,そういうスタイルはやはり大事だな。

22日ALA協会への昨年度プロジェクト報告。好評でした。可視化できる,っていうのはやはり手っ取り早い。人工軽量骨材内部の挙動を「見た」っていうのは我々のグループが初ですね。その後は,東大へ。JCIのランドマークセッションの話。

23日出張。島根原発の建設サイトの見学に行く。23日はホテルで論文を書いていたら,集合に遅れた。
まさか,待っているとはおもわなかったんで,大変失礼してしまった。24日に本番の見学。その後,松江市内の見学で,松江城,八雲記念館などを見学。県庁舎が丹下健三っぽいので,質問したら,普通に国の設計だった。飛行機が無かったので,25日の昼に名古屋に戻る。体調が悪くなった。気候の変動が大きすぎたんかな。風呂に入って回復を計る。

26日特になし。

27日某決定が下り,急遽,対策に入る。すでに,施設部の方では計画案を練っていたが,我々の方の方向性も決定しないといけない。AIJ中性子委員会があったのだが,申し訳ないが,欠席させてもらった。

28日Brukerと打ち合わせ。既にご存じの人も多いとおもうが,TOPASが12月にアップデートして,非晶質も結晶構造を仮定して定量するようになった。すでにセメント会社さんの方で試用が始まっているらしい。高炉の定量性は未水和のケースについて実績が日本でも蓄えられつつあるとのこと。
品質管理用ですね。やはり。
ただし,高炉スラグ微粉末単体を抽出した波形データが必要なので,現場でのコンクリートの評価につかえるかどうかは微妙かも。我々も超高強度関連でシリカフュームサンプルは200サンプル以上あるし,選択溶解したデータもあるので,誤差検証が可能になる。うーむ。早く発注したいが,設置場所の問題をクリアしないと。家族が先行して東京行き。
学生実験でミニチュア梁の設計と作製を行った。なかなか好評(だったのではないか?)
夜,人工軽量骨材の論文を黄表紙に投稿した。
これから,若材齢ひび割れの論文執筆に入る。
セメント・コンクリート論文集は,高炉の若材齢の話を書こうかな。乾燥収縮データが材齢的にはギリギリなんだよな。

29日体調は回復基調。白湯を飲むと気分が良い。頭のリハビリをしながら,若材齢ひび割れプログラムを新しく開発開始。過去のプログラムの検証を兼ねる。

4/20/2009

4月14~21日

14日は名大コンクリート系の飲み会。というはずだったのだが,その前にGCOEの作戦会議。うーむ。みなさん,会議の前には申請書を読んで来ましょうね。お忙しいのはよくわかるんですけど。時間がもったいないので,冗長な会議はしたくないんですよ。生意気ですけどね。

15日 ALA協会への報告のために論文作成作業。世の中うまくいかないですねえ。面白い仮説が思いついたんですけど,生憎,実験的に否定されておりました。でも,空隙構造分布を間接的に水分量で見るという案は面白いですね。今まで,分布っていうものはわかっていなかったので。NRの使い道はまだまだあります。

16日 初ゼミ。研究室立ち上げのゼミです。今年は,中国留学生が博士に来たので,英語半分です。

17日 東京出張。外装材の委員会に出席。なかなか,同時並行的にいくので,情報を早めに流すのと戦略会議をこまめにやるのが重要かなあ。
午後は,住宅局の補助金事業のヒアリング。ズバ!っと質問されました。すがすがしいくらいであります。

18日 この日は,節句人形をもとめて,知多半島を越えて,その向こうまで行ってみた。正味は30分もいなかったんだけれども。まあ,どんなもんか,よくわかった。帰りはベビザラスに行ってきた。ここは,わりと高級感の有る奴というか有名どころがならんでいた。結局,帰ってから塾考の末,WEBで決めた。

19日 久しぶりの休日。家の掃除をして,午後からワインを飲んだ。明るい時から飲む酒はうまいなあ。

4/13/2009

4月1日~13日

新年度も忙しいですね。
・3日 初の単願特許の件。なんとなく方向性が見えてきた。うまくいくといいかな。
・JCIの編集委員会のメンバーになった。しかし,名大では授業・会議が多いので,多くは名大で宿題的にやることになりそう。

・3日 祝!科研(若手(A))があたりました。皆様方のおかげです。気合いを入れて,期待をかけてくれた審査員の方々にお応えしたいと思います。

・6日 Brukerと打ち合わせ。X線回折装置が購入できそう。やっと自前でリートベルトか!?

・午後は新入生ガイダンス。ご存じの方も多いと思いますが,今回の入試は,建設系(建築・土木)の希望者がのきなみ減りました。全体的に7がけくらい。名大建築も,ちょっと動揺しております。

・広報委員会で,副委員長に。ますます仕事ふえちゃうんだろうなあ・・・。今年もは編集します。

・8日 教授会。研究科長が替わったので,若干雰囲気が変化か。今年はどんな形になるのでしょうか。

・9日 名大土木チーム,大手ゼネコンチーム(土木),と私で意見交換会。繊維コンクリートなど。研究テーマができるといいんですが。

・10日 本日も大手ゼネコンの研究所さん(建築)と打ち合わせ。共同研究のための準備段階。なんとか,フレームワーク的に形を作りたい。やはり,現場再度だとスピード感と実益的にどこに落とすかという形の議論が重要視される。もうひとふんばりかな。
そういえば,この日,GCOEの予選突破の知らせ。うれしい限り。

・11日 阪田先生の退職パーティ。先生の最終講義で得るものが多かった。人も多くて300人越え。

・12日 AIJの締め切り。午前中は,住宅局の助成申請書をT村さんと電話ごしに共同作業。なんとか形になった。同時に学生の論文をチェック。なんであれだけいっているのにぎりぎりになるんだ。
結局,この日だけで,AIJ用のメールが50通以上。ファイルも一杯ついているし,やれやれです。
でも,まあ,なんとかなったかな。
インパクト重視,頭出し(陣取り),他の論文で必要だからここでパーツを出しておくか,っていう大体3つくらいに位置づけて論文を作成しています。ですので,時々なんでこんなのが出るんだろ,と思われる方がいるかもしれませんが,大体,一連の論文を通して見ていただけるとわかるかと思います。
そんなこと,期待しちゃいけないんだろうけれども。

・13日 査読者の方が斥力を反発力とかかれたので,すべてが合点がいった。いつのまにか滑らかに私は頭が移行しましたが,最初はたしかにそうですね。斥力っていうのは引張力で圧縮力じゃないんですよね。反発力って引張のように思いがちですが,そこで生じているのは圧縮だったりしませんか?人によってイメージしているものが違うでしょうけど。
というわけで,付録として,このあたりのことを大幅に加筆して,査読対応を行った。

3/31/2009

3月23日~3月30日

3月23日 建築学科の将来計画に関する委員会
・大学は,22歳までの人間を教育する専門機関ではなく,知の集積・文化の深化を目指す場所
・大学は行政機関ではないので,フィードバックを重視する。文化・学問は押しつけだけで成長するものではない。
・建築行政,建築設計,等々も押しつけでは限界がきている。そもそも,責任を国,県,設計者に追わせるのでも良いが,契約の主体は人々であるので,建築とはどういうものであるかを知らなければ,建築文化の高度化はすすまない。

ASCOTひび割れ委員会
どこも似たようなことをやっていますな。

・収縮の大きいといわれる骨材を,そうでない骨材と混合して利用することを提案した。再生骨材で,低品質骨材の利用で行われた研究そのもの。長滝・佐藤先生らの研究が生きるが,そうはいっても,骨材群としてどのように性能評価するかが鍵だが,いまのところ難しいか。再生骨材は付着物が一般的なモルタルであったので,吸水率をパラメータにしてもそれなりの歩留まりが見込まれたのだが。

生コン側も金銭的に難しいという話があるが,骨材業者が連合して品質別に出荷すればよいのではないか。(まあ,運賃の問題などもあるだろうが。)もし,そういった助け合いを行わないのであれば,骨材自体が選別されるということは,施主が希望する限り八百屋で果物を選ぶのと同じなので,留めようがないのでは。

・そもそも骨材に水をいれて抜けるから収縮するので,絶乾のままか,別の薬いれとけばよいのではないか,という話もある。


3月24日
骨材の影響を評価するためのFEMをつくっていた。そろそろ学生にもプログラムを担当してもらなわないと,首がまわらない。こまったもんだ。

3月25日
卒業式。謝恩会で学生からひげそりもらった。やっぱり,はさみで切るのは汚いのか。
ありがたくつかわせてもらう。

3月26日
学生があまり来ていなかった。教室会議が長引く。新1年生の研究室紹介を行った。

3月27日
AIJ,中性子委員会。京大原子炉の森先生とニーズ・シーズの意見交換。水和生成物の詳細がいろいろわかりかけているので面白い。C-S-Hの中性化って,最近のコンクリートみていると結構影響が大きい気がするので,研究を開始することにした。
建築の端っこでかなりマニアックな議論ができたので楽しかった。

3月28日
大学が停電。いきなりいわれるので困る。実験の都合もあるのに。
名大ってこういうコントロールができていないところが不満。建物自体が古いのでしょうがないのかもしれんが,もうすこしなんとかならんのか。
学生のご両親が挨拶にいらっしゃった。

3月29日
家でFEMを作っていた。いやあ,あたりまえなんだが,セメント硬化体って60%RHで3,4000μもひずむんですが,割れますなあ。解析して改めて確認。
しかし,セメント硬化体が割れる,ひび割れるっていうのは本質的になんなんだろう。
摩擦材料であることを考えると,ひび割れによって性状が一方向に卓越することが問題なんだろうか。


3月30日
本日から,中性子のデータの分析。いや,こりゃしんどい。

3/29/2009





本日は,子供が4ヶ月を過ぎたので,嫁に謝恩会をした。
スイスからの帰りに,免税店で購入したフォアグラを使った料理をつくろうということで,フォアグラと鳥のソテ-とチーズリゾット,野菜のスープとワインの夕食。

フォアグラの料理は初めてでしたが,小麦粉,塩,胡椒をふって,オリーブオイルでソテをして,ソテを取り上げた残りの油にバルサニコ酢であえてソースを作った。
鳥は,別でグリルで焼いたものとフォアグラのソテを重ねて,ソースをかけて食す。
バルサニコ酢は人によって好き嫌いがあるとおもうが,甘みのちょうどよいものを探しておくとよい。
フォアグラをソテする場合には,フォアグラが冷えていたほうが型崩れしなくてよい。
フォアグラの小麦粉は,焦げ目になるくらい焼くと,アクセントになるので私は好きだが,人によってうまく焼ける人は小麦粉を付けない人もいる。

塩の加減は,フォアグラにすでに入っている香辛料による。
私が購入したEdourad Artznerの缶詰は,さまざまなランキング(星の数)がある。私が購入したのは,3つ星で香辛料が多く入っているほうでソテに向いている。5つ星は,生に近く,パンなどに塗って直接たべたりもするらしい。
免税店のお姉さんに教えてもらった。

フォアグラの種類によるが,筋張った牛のステーキとあえたりするとよいそうだ。カモ肉と合わせる場合もあるが,今回は,普通にモモ肉にした。長めのローストで油を落とすとそれなりにいいかんじ。


リゾットは,以前デルフトにいるときに友人に教えてもらったが,いためる油は個人的にはオリーブオイルよりもバターの方が好きだ。
時間を省略するときは,コンソメを煮立たせたものを使うとよい。ヨーロッパや冬場の日本は乾燥しているので,米をアルデンテにするにはフライパンにふたがあるものを利用したほうがよい。
何回か,汁を加えるが出汁が濃縮してしまうので,ふたで蒸発を調節する。

今回は,スイスチーズを利用したが,チーズは溶けるチーズであればなんでもあう。ただ,チーズの塩見を勘案して,汁の塩見を調節するのが大事。
薄口に戻すのが難しいので,その辺は勘です。


ちょっと高めPinot Noirのワインで食しました。
よろこんで(というか自分が一番楽しんだかもしれないが・・・)もらえたのでよかったよかった。

3/23/2009

3月13~22日

13日は,T研究室の社会人博士の方との打ち合わせ。CFT関連。これも,最近業界で私がこそこそうごいていますが,あまりやると刺されるよというボスからのアドバイスがありました。でも,知っちゃったんだから明らかにしないと行けないと思いますね。落としどころを探るのも大事ですが。ただ,CFTの指針が出た当時は相当に疑問の声があったようですね。付着があると考えていない設計者も多かったみたいです。時間が過ぎて当然のように使われ出すと疑問も忘れられてしまうんですね。

16日は,技術支援機構の委員会。その後,研究科長と打ち合わせ。26,27日にはノーベル賞の下村先生がいらっしゃるというので,そこにインタビューするという話。しかし,老齢であることも考え,文書あるいは共同インタビューの形になりそう。下村先生の紹介記事というのは,実は日本ではほとんど出ていない。クラゲの話があるだけです。ので,勉強するアイテムを収集するのに手間と金がかかった。

17日は,JCI自己治癒委員会。報告書までの道のり。あまり貢献できていないなあ。反省。来年度からA種?の委員会になったということで,継続。
この日,突如,住宅局から報告書を出せと言われていてほとんど徹夜で提出した。

19日 JCI マスコンソフト作成委員会。水分移動の話。ひずみの話。ひずみの話は面白いことがいろいろあるので,今度纏めて書く。

20日 夕刻から東京へ。デルフトの時に知り合ったI黒さんとの会食。西麻布の豚組というわりとひっそり系のお店でトンカツを食う。かなりうまいです。となりに山○モナが飯食っていてびびりました。相方の男性はロースを頼んでおきながら,脂身を残していたので,つっこみそうになりました。

21日 後輩T埜君の結婚式。壮大な,というか気合いの入ったT埜らしい結婚式で,これはこれで語りぐさになるでしょう。名古屋にすぐに戻りました。

22日 雨。体の調子を整えるためにジョギングをしたかったのだが,できず。JCIの査読対応を行った。今年度の研究室は採用×4,条件付き採用×1でした。 調子が良いのはひいきにしてもらっているのかな。水和関係はもう少しえぐいつっこみがくるかと思いましたが,紙面の制限も考えてくれている指摘が多かった。
セメント・コンクリート論文集にもいくつか投稿しますので,その時には厳しい査読を皆様お願いします。

3/15/2009

Python Just in time complier

Psyco
のJust in time compilerを導入してみました。
数式処理がそれなりに早くなります。

仕組みは少しこれから詳しくなる必要がありそうだけど、使い方は簡単。
import psyco
psyco.full()
と、スクリプトの冒頭に入れるだけ。(リンク

3/14/2009

Pythonを勉強してみよう。




昔使ってみたけど,なじめなくてやめてしまったが,友人が楽しそうにPythonやっているので,久方ぶりにやってみた。


Python勉強のための資料
http://hp.vector.co.jp/authors/VA003670/python/
http://guutaranoheya.web.fc2.com/math/matplotlib_ex.html
http://lightson.dip.jp/zope/ZWiki/PythonRecipe

インストールするもの
・Python2.5.2 (2.6)はダメです。
http://www.python.jp/Zope/download/pythoncore

・numpy
http://sourceforge.net/project/showfiles.php?group_id=1369&package_id=175103
numpy-1.2.1-win32-superpack-python2.5.exe

・matplotlib
http://sourceforge.net/project/showfiles.php?group_id=80706&package_id=278194
matplotlib-0.98.3.win32-py2.5.exe

Pythonのグラフ出力でPyChartというのが良さそうだということで,インストールに試行錯誤したが,Windowsでうまくインストールできなかった。結局,上にあるmatplotlibというのを教えてもらった。
プログラムも簡単にできて,グラフ化(3D含む),入出力管理もできるので,実験データ整理にも効率的に成りそう。
久方ぶりにいじり直してみて,モジュールの豊富さと,すぐに利用できる便利さを体感した。是非,学生諸君も利用してみてほしい。

今回は,乾燥収縮モデルを自己収縮に適用できるかの勉強のためにやってみた。

上のグラフがmatplotlibでちゃちゃっと出力した結果。ヤング率の推移とか,自己収縮の予測結果を簡単に出力できる。
下は,実験値との比較。

合わせることができることがわかったが,物理定数が1桁変化してしまってお り,解釈に苦しむ。全体的な挙動を評価して,文献読み直さないとそういったことが起こりうるのか検証する必要がある。
今回のモデルは,ツールとして利用する分にはメカニズムに立脚していて良いし長期的にも水和モデルさえ合っていればあうことになるが,やっぱり,詳しい実験もやってみたい。
そうはいっても,超高強度の材齢24時間以内のこのぐぐっと縮む様子をちゃんとモデル化できたのは,結構画期的と思う。

論文のネタができました。

3/13/2009

3月9日~13日

http://www.flickr.com/photos/nagoya-maruyama/

Flickrのアカウントをつくった。気に入っている写真を投稿していこうと思う。時間があるときに。

3月8~12日のあいだ,スイスのEPFLに,K枝先生,N村先生とともに出張をしました。あちらのProf. Bruehwilerのところのリハビリテーション,繊維補強コンクリートの研究に関してディスカッションをすることが目的です。10日には,Bruehbiler先生の運転で,実施工した橋を見て回った。

繊維補強コンクリート(Bruehbiler先生が扱っているのはダクタル的なもの,鋼繊維)は,付着が良すぎるので鉄筋を入れると,ひび割れ発生後にいきなり鉄筋が降伏して脆性的な挙動をする。(鉄筋がちゃんと保てば鉄筋降伏が継続する。)

すごく大きなひび割れが局所化する(これはメカニズムの観点からはおかしい表現だね。)前には,ひび割れ分散性が大きいので,耐久性が非常に高い。RC構造物の供用状態よりもひび割れ幅が小さいということに重きを置いているという風にもとれる。

設計で,本当に最大の曲げ耐力をつかってよいのか,あくまでも鉄筋降伏をもってクライテリアとしてかんがえるのかだが,前者のようなピーク値をつかう設計がありなのであれば,柱などはもっと鉄筋を大きくしたり,軸力比を大きくすることがありになるので,そうしてこなかった経緯から考えると,やはりそういう破壊は社会的には許容されないのではないか。

そうなると,コンクリートの引張強度というのは鉄筋を入れたとたんに無駄になってしまうので,あの高い鋼繊維をどうしたろ,っていう話になってしまう。結構難しい話だ。

とりまとめ:

・鉄筋を入れた系では,どういう設計体系にするのか。
・付着が強すぎていきなり鉄筋が降伏してしまうのはよいのか。かなり急激な耐力低下が現れる。
・鋼繊維コンクリートの引張耐力を評価して,最大曲耐力で設計するというシステムは可能か?その後の脆性的な荷重低下は許容できるか。
・自己収縮応力がそれなりに入る点での問題点はないか。長期的な繊維まわりの付着クリープは,自己応力がかならず入る系では,評価が重要となりそうだ。ひび割れ幅,密度,耐久性の問題。
・ひび割れが入った状態での耐久性評価はどの程度できているのか。(私の勉強不足)
・高耐久性としての被覆としてのみ使うのに,鋼繊維というのは必要か。経済性として担保できるか。(私の不勉強)
・被覆するとなると,ほぼ完全拘束になるので,TSTM,VRTMの出番だ。TSTM+物質浸透システム計測っていうのができると良いな。


その他のメモ

・スイスは物価が高い。ほぼ倍。生活費は家族3人で月75万程度から。
・でも人は親切。ものすごく過ごしやすそう。
・ローザンヌは山谷が多い。ロールブレイングゲームのダンジョンみたいに複雑怪奇。
・ローザンヌはオリンピックミュージアム。あと,歴史博物館などがあるが,いかなかった。いくべきだった。
・公共交通はすごく発達している。
・冬は寒く,くらい。晴れ間は最終日のみ。

・ジュネーブの観光は1日くらいで済む。みどころは教会のてっぺんと噴水。
・噴水の下はくぐらない方がよい。スーツがずぶ濡れになって,大いに反省した。

・チーズフォンデュはうまい。チーズを食うモノで,パンやジャガイモを食うためのものではない。
・チーズフォンデュを食べるときには,胃の中でチーズが固まるのでビールは厳禁。ワインとか。
・私がスイスにいったら,体重10kg増ではすまないかもしれない。


機内映画
・レッドクリフ これを金出してみたら,憤慨すると思う。めぼしいクライマックス,見所なく,全編イントロ。金城武(孔明役)がかっこよい。なぜか主人公の周瑜よりも目立つ。
・怪人20面相 金城武がかっこよい。シナリオはねれているし,スピード感があってよい。
・メリケンサック 宮崎あおいの演技が良かった。シナリオはコメディなので考えない方が良い。
・007 毎回見ているけど,今回はシナリオが物足りなかった。前回の映画を見ていないと面白くないなど,いままでの脚本のスタイルが変化している。人が死にすぎ。この映画を見ると,体を鍛えなくてはとなぜか思う。
・スイートノベンバー キアヌリーブス主演のラブストーリー。シナリオは,結構矛盾があって考えると駄目。でも,マンガを読むように流されて見ていると良いかも。最後は,結構難しい人生観の問題になってしまう。素直に涙を流すのがよろし。

3gatu

http://www.flickr.com/photos/nagoya-maruyama/

3/07/2009

3月2日~6日

今週は,RESA-daysであったが,所用で東海村には行けなかった。楠チームがまたもやすばらしいデータを出した。鉄筋付着の完全非破壊測定は世界初だろう。
JCIにも投稿中だが,すばらしいデータである。

2日は午前中に特許関連の議論。なんというかコンクリートのカルチャーを良く理解されていないようで,議論がしゃきっとしない。本当にこんな方向性の議論が必要なのかどうかも議論で疲れた。
午後1時からは,NEDO若手申請のアドバイスをもらった。書式で数点意見をもらった。後はあまり,どうということもなく。
午後3時から,超高強度関連のミーティング。今年度のデータを一堂に解してみてみたが,これまたすばらしいデータ群である。新しい発見が様々にあって,4,5年はしゃぶらないといけないデータだと思う。これは決意して,時間をとらないといけない。報告書作成もあるし。

3日はJCIアジアモデルコード委員会。アンケートについて。世界的な動向を知るには良いチャンスかとおもうが,アンケートを模擬的に回答したがなかなか難しい。時間がかかるので,どれだけ返答がくるか。
その後には別所へ。委員会として,そもそも論の議論をしてしまった。方向性をしっかりするには親委員会をひっくりかえす必要があるかとおもうと,しんどい。でも,あまり無駄なことはしたくないし,時間も限られている。

4日は教授会等々。この日は2日での議論を思い返して書類作成。おもうようにはかどらなかった。

3/06/2009

政治的な事件

以前からゼネコンが絡んでいたので注目しておりましたが,以下の方がとりまとめられたのでリンクを張ります。

http://ameblo.jp/lancer1/entry-10219057191.html

個人的な意見は控えます。事実かどうかも別として,こういう情報がネット上にあるよ,ということです。

3/05/2009

2月23-28日

24日は,T辺先生と個人的に水分移動について議論をさせていただいた。水熱連成論文についてだが,議論の結果,私の論文に間違いがあることがわかった。これは,いずれどこかで修正しないと行けない。
水蒸気の移動を水分子の気相密度をポテンシャルとして評価しているのだが,これは,空気が存在して圧力一定の状態(たとえば空気の相互拡散が起きていて,1気圧が保たれる場合)を想定している。しかし,コンクリート中,とくに高強度では,これはおこりずらく,水蒸気だけど考えるべきだろう。
なので,ポテンシャルは水蒸気圧をポテンシャルとすべきことへの変更である。土壌の分野では,おそらく1気圧の中での水蒸気密度勾配で物質移動を検討している(未検証だけどしらべればわかるでしょう。)と思われるので,この議論をコンクリートにもってくるところで前提条件に差異が生じるということだ。
計算上は,若材齢の解析では,液状水の影響の方が大きいため,計算結果に実際はほとんど問題がなかったことがわかったが,やはり誤りは誤りである。

25-26日 東京出張 25日はALAの中性子実験データのとりまとめに理科大に行った。最大の問題は,実験機器の問題で,長期的に中性子を当て続けるとコンバーターが劣化することがあきらかになった点である。このあたり,中性子の照射量,時間の関数として整理ができるようなものかどうかが,最大の疑問だったが,相関係数0.99程度の高い関数として評価できることがわかって,安心した。
ただ,こういうデータは,どちらかというと機器側の方で提示して欲しい,あるいは前提条件としてあらかじめ明らかにしてほしかった,とも思った。
連続照射実験において,こういった問題がかつてなかったのか,トモグラフィで勾配がデータ上でてくるなどの現象は生じなかったのかが,疑問である。

それと,K松先生が指摘していたが,中性子が当たり始めた結果,原子の状態が変化して中性子の減衰に影響を及ぼすようだ。連続照射をするときは,アクリルの減衰が変化していた。当初,アクリルもそれなりの含水率があるので,その影響とおもったがそれよりもどうも大きそうで,このあたりは,再度,中性子の専門家と議論の余地がある。なんにしろ,今回は初期20分ほどのデータは捨てることにしたほうが良さそうだ。

26日は,電力関係の委員会。1年という期間,膨大なエネルギーと人的労力をかけて行った実験を,設定値がまちがっているから無意味と両断するのは楽だが,工学的な技術者,指導者としてはまちがった行為だろう。どんなデータにも理化学的知見は存在するし,工学的に必要な知見は,実験そのものにオリジナリティが無い場合以外は存在するはずだ。
最悪のケース,最良のケース,あるいは相対的にどのへんに位置するかという補足データをもって,成果の輪郭を明確にするのが,学識委員としての役割だろう。
その実験はまちがっている,というだけでは学生の域を出ない。

27日は,JCI混和材委員会。フライアッシュの反応の話題提供をいただいた。シリカフュームで検討していて,うすうす考えていたことがフライアッシュでも議論されているので,得心がいった。シリカフュームは,水和という形でなくて,固溶のような形でも反応が進むと思う。超高強度領域では結合水量が増えなくても,シリカフュームの水和率は増進する。
企画関連のWGでは,モルタルベースのひび割れ抵抗性試験について提案した。ちょっとお金をとってこないといけないな。

2/22/2009

2月16-21日

今週もまた,どたばたした1週間だった。
・月曜日は,中村先生,国枝先生とともに道路局の報告会にった。委員長は,大物感たっぷりの人でした。G大学の先生がその前に発表されていて,ずいぶんとへりくだっている人でへんなプレゼンだなあと勝手におもっていたが,実は,ちょー大物ということで,これも驚いた。

・17日はJASS5NWGの報告書で半日つぶれた。

・19日は,名大の博士の公聴会,午後はファカルティーミーティング,その後は内緒の委員会,構造系で行った,非常勤講師の先生方との懇親会でした。
博士の公聴会,シナリオ不十分もあって,個人的に納得できない発表があった。審査委員会に入っているわけではないが,名大の博士ということでもう少しクオリティを考えてもよいと思う。

・20日は,広大でS氏とK氏の博士公聴会があって,出席した。S氏については,佐藤先生の配慮で副査に入れていただいた。どちらも社会人で5年以上の年月がかかっていた。公聴会には田澤先生をはじめ50名を超える方が聞きにいらっしゃっており,これぞ博士の公聴会,晴れの場という雰囲気があった。
毎度のことであるが,佐藤先生の出す博士のブランド力というのは,相当に高い感服する。

2/17/2009

黄表紙3月号

黄表紙3月号は,超高強度の初期応力,初期欠陥に関する論文のその2が掲載される。
部材断面で,柱軸と直角方向の応力を検討した論文で,古くはJCI時間依存性の委員会のシンポジウムで発表した論文がスタートだった。
発見,の論文で示唆したものを解析・実験の両面から明らかにしたもの。

これで,自己収縮の部材への影響については一段落で,計6本の大作になった。広大で佐藤先生のご教授を得て以降の成果である。科研の若手(A)「超高強度コンクリートを用いた実大RC部材の検証」の成果ということで,審査していただいた方々にご理解いただければと思う。

・ひび割れ発見
・圧縮主筋の降伏問題
・初期応力・初期欠陥その1(夏・冬のひび割れリスクの相違)
・収縮の冬期が大きいことの詳細な検討(寺本筆頭)
・膨張材・収縮低減剤による鉄筋周囲のひび割れ抑制(鈴木氏筆頭)
・初期応力・初期欠陥その2(軸垂直方向応力,縦ひび割れ問題)

英文化もそろそろ検討しなくてはいけないな。

2月は,論文を黄表紙に2編投稿した。収縮関連。これは,材料的な奴で私が博士論文にとりかかってから,ずっと構想をねっていた論文なのでマニアックです。新しいシリーズの幕開けになります。
これも結構な大作になる予定。


超高強度関連の論文を1本提出してあったのだが,提出時にそうとうひっかかっていた。
結局,今月投稿した論文で自分の論文を否定することになってしまった。こんなに早くものごとがひもとけるとは思っていなかった。論文は取り下げをお願いしようと思う。査読委員会の方々にはお詫びしないと。


水和関連を早くとりまとめなくては,と思いつつもう1年が過ぎた。いい加減にしないと風化してしまうなあ。住宅局助成の報告書とりまとめもあるので,今月中には目途をつけたい。

2/12/2009

採用決定

Elsevierの
に採用が決定しました。2月5日です。

含水人口軽量骨材から,低水セメント比のセメントペーストマトリクスに水分が移動する挙動を中性子らジオグラフィで可視化したもので,セメント硬化体の水和にともなう乾燥より前に,セメントの反応によるイオン濃度増大にともなう浸透圧で水分がでていそうだ,ということを実験的に確認した論文です。

いわれればみな当たり前と思うんですけどね。
でも,気づく人もすくなかったんですよ。

ちなみに自己養生効果は,骨材からというよりは骨材の周囲で水セメント比がリッチになった箇所から養生されるかんじです。

中性子の実験も,もう少しハンドリングが良いとよいんですけど,なかなか東海村は遠いし,原発のハードルはちょっと高い。

理科大,東大,原研4者の共同研究です。




2/08/2009

最近のヒット : 文献整理

文献整理は非常に重要である。
論文を書くとき,モデルを検討するとき,実験結果を評価するとき,実験方法を考えるとき,すべての段階(なんか順番ぎゃくだけど)で必要。
で,最近は便利で論文を検索できるようになってはいるんだけど,それでも自分の中で,特に一度利用したことのある文献というのの整理は重要。

いろいろ,専用ソフトをかったり,出力してバインダーにしたりしたんだけど,結局完全版には至っていない。
現在,はじめた取り組みはPDFにして,メールソフトの中に入れ込む(あるいはG-Mailに放り込む)という手法。
メールに参考文献形式の記載と,キーワード,何の論文で引用されていたか,自分で何を引用したか,を記載すると,検索が容易。
ユーザーを研究室で共有する試みを行っているが,これはうまくいくかどうかわからない。

Beckyは検索機能も迅速なので,G-Mailからダウンロードして,検索してもよいしね。

というかんじで,新しい論文整理を初めてみた。しかし,文献名を入力するだけでも面倒くさいんだよなー。

昨日のつづき

あのあと考えてみました。
日本の個人資産総額1500兆円のうち,8割が高齢者のものだそうだ。
無利子国債の形にもっていくということのメリットは,それを短期的に吐き出すための施策である。
つまり,短期的に吐き出させるために無税という形で対応するということになるけれども,この部分のメリットが浮き出ていない点が問題なんでしょう。
利率が無い+相続税が減額+短期的にフローが出る

というときのフローが,どこにどう使われるから,どうなりますか,という形がもう少し明示的だといいんじゃないでしょうか。

昨日のリンク先のページにも,談話があるけど,「~いわれている」とか伝聞形で頼りない。
もう少し実行力のあるプランがあれば,その減税に対する効果っていうものがわかりやすくなるのだと思う。

http://news.livedoor.com/article/detail/4008551/


追記 文章少し変えました。 昨日のも同様。

2/07/2009

無利子非課税国債

まあ,また,こんなことを書くとおこられちゃうかもしれないんだけども。
景気対策で,公共投資をするとしても,本来は将来性のあるものに利用しなくては,金の循環は行われないし,景気浮揚感もでてきこないと思う。

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090207-OYT1T00174.htm?from=main1

でも,人口が減るなかで経済成長率がどうのこうの,という議論で今回の振れ幅を見てみると,見てみると日本の経済成長率なんてほんと微々たるもので,それがアメリカバブルの影響でしたなんて哀しくて見ていられない。今の日本はその変動幅自体が小さくなっているので,結局短期的な解決というのは,意味が無い。

むしろ,お金を使うので有れば,長期的な経済成長を促す枠組みが不況であっても重要なんじゃないか,というのが持論です。

そういえば,まったく新しい取り組みとして,ベーシックインカムの議論はおもしろい。
(リンク12
昨年,ホリエモンのブログから,山崎元氏のページへのリンクで少しだけ話題になった。時代がこういうものになっている,という視点は重要で,政策や政治を見る視点が70年代のつねに仕事があふれていて,常に税収が増えていって,常に人口が増えているんですというもので固定されていることから脱却することは重要でしょう。

2/06/2009

マスコン講習会

JCIのマスコン講習会で広島に行きました。
今回は、照査事例ということで、計算事例についてのご説明。
おかげさまで、今回のもので講習会における私の役目はごめんとなりました。
札幌もいきたかったのですけども、残念ながら行けません。

しかし、広島駅は近いなあ。東広島は遠い・・・。時間を買うのなら、広島行ってから戻った方がよいですね。

2/02/2009

Gmail オフライン機能の利用

すでに英語でオフライン機能が実装されていますが,これも日本語で利用できるようです。
http://google-mania.net/archives/1127

しかし,G-mailのβ版っていうのは,いつ正式版になるのでしょうかねえ・・・。

コンパイラ

今日は,家でずっとプログラムをいじっていた。
Intelコンパイラの最適化オプションでCPU依存のパラメータがあるのだが,大学と家でCPUが異なることをわすれていてそのままにしていた。
なんか,CCBMの値が感覚的にちょっと変だな,と思って全部チェックしていたら,最適化オプションがCPUに対応していない場合に変な値を吐き出す関数があることがわかった。

そういわれれば,そうなんだけどあまりCPUが変わった場合というのを意識していなかったので,今回は焦った。というよりも,時間を6時間ほどつかってしまってしょんぼり。

やれやれ

1/29/2009

ミニモニタ

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B001QVJ83C/gj_moji-22/ref=nosim/
USB接続らしい。これは便利そうだ。

ただ,モニタ自体安くなっているので,場所に困るとか,延長して別のところで見せたりとか,ちょっと変わった利用の仕方かな。
あるいはサーバーとか?

実験棟などでは,普段はPC単体でデータログして,確認のためにこれに繋いで見るっていうのはありかもしれないな。小型PCも中古だといくらでも手にはいるので,HDDを換装すれば信頼できるようになるし。

1/27/2009

非対称,構造対称マトリクスの解法 MKL PARADISO

備忘録。
水熱連成で,非対称マトリクスになってしまう場合について。
MKLのParadisoで非対称マトリクスを解くためのサブルーチンの一例。

サンプルコード:

INCLUDE 'mkl_pardiso.f90'
subroutine MainMKL()
use MKL_PARDISO
real(8) :: A(5,5)
real(8) :: val(13)
integer :: col(13)
integer :: ptrB(5)
integer :: ptrE(5)
integer :: m
real(8) :: alpha

!MKL PARAMETERS
type(mkl_pardiso_handle) :: pt(64)
integer :: maxfct=1, mnum=1, mtype=11, phase=13, n, nrhs=1, error, msglvl=0
integer :: iparm(64)
integer :: nnz
integer :: ncol
integer :: idum
real(8) :: ddum
real(8), allocatable :: value(:)
real(8), allocatable :: b(:)
real(8), allocatable :: x(:)
integer, allocatable :: columns(:)
integer, allocatable :: rowindex(:)
integer, allocatable :: perm(:)

integer :: i, j, k
integer :: nzidx
integer :: MAX_OF_NODES

pt(:)=mkl_pardiso_handle(0)
iparm(1)=0

A=0.D0
A(1,1)=1.D0
A(1,2)=-1.D0
A(1,4)=-3.D0
A(2,1)=-2.D0
A(2,2)=5.D0
A(3,3)=4.D0
A(3,4)=6.D0
A(3,5)=4.D0
A(4,1)=-4.D0
A(4,3)=2.D0
A(4,4)=7.D0
A(5,2)=8.D0
A(5,5)=-5.D0


!n x nを定義
MAX_OF_NODES=5
n=MAX_OF_NODES


!rowIndexを定義
allocate(rowindex(1:(n+1)))
allocate(b(1:n))
allocate(x(1:n))
allocate(perm(1:n))
rowindex(1)=1
nnz=0
do i = 1, n
ncol=0
do j = 1, n
if(A(i,j)/=0.D0) nnz=nnz+1
if((A(i,j)/=0.D0)) ncol=ncol+1
enddo
rowindex(i+1)=rowindex(i)+ncol
enddo
allocate(value(1:nnz))
allocate(columns(1:nnz))

nzidx=0
do i =1, n
do j=1, n
if(A(i,j)/=0.D0)then
nzidx=nzidx+1
value(nzidx)=A(i,j)
columns(nzidx)=j
endif
enddo
enddo

do i=1, nnz
write(*,*) value(i), columns(i)
enddo
!-------------------------------------------------------------
!Factorization & Solution
!-------------------------------------------------------------
phase = 13 ! only factorization

!ここで,OutFvecを代入
do i = 1, n
b(i) = 1.D0
end do

call pardiso (pt, maxfct, mnum, mtype, phase, n, value, rowindex, columns,&
& perm, nrhs, iparm, msglvl, b, x, error)
write(*,*) 'error', error
do i = 1, n
write(*,*) ' x(',i,') = ', x(i), b(i)
end do


b=matmul(A, x)
do i = 1, n
write(*,*) ' b(',i,') = ', b(i)
end do

!-------------------------------------------------------------
!Termination and release of memory
!-------------------------------------------------------------
phase = -1 ! release internal memory
CALL pardiso (pt, maxfct, mnum, mtype, phase, MAX_OF_NODES, value, rowindex, columns,&
& perm, nrhs, iparm, msglvl, b, x, error)
return
end subroutine MainMKL

1/23/2009

ぼー

なんというか,学生の卒論,修論データをチェックしていると,本当にいろいろなことに気づく。
まさしく,研究テーマの宝の山なんですが,あまりにおおくて,メモしていても忘れてしまう。
1年前の今頃,この実験はかならずやろう,と思っていたことを思い出したり,なんでこのデータをこのグラフで今まで整理してこなかったのか,と本当に愕然とするような事態にも遭遇する。

あと,うちでは,乾燥装置(11%,105度,冷凍)を整備したけれども,実験の材齢のデータで水和をとめておくことは本当に重要。11%RHは長期的にやるとC-S-Hが形かわっている感じがするけど,その他のデータは半年くらいなら融通が利く。東北のH先生には,ドモホルン方式だね,といわれたけど,追加的に確認実験をして,整合性がとれたり,仮説が立証されると本当に小躍りする。


しばらくは,表面関係の本を読みあさっていたけれども,また,水分移動,熱移動の話にもどってきた。今年は,JCIで熱勾配による水分移動を熱伝導率の含水率依存性から評価する論文を岸君が出した。ペーストの熱伝導率では,含水率が大きいときは,20%程度も水分移動で熱が運ばれることを実験的に示すとともに,熱勾配の物性値をある指標から定量的に予測できることも示した。
水熱連成大事だね,という前置きの論文です。

で,20日から,水熱の完全連成プログラムをつくっている。完全に連立するとマトリクスが対称にならないので,いろいろ思案していたけども,結局MKLの非対称アルゴリズムで対応することにした。来年度の科研があたれば,水・熱・応力完全連成を目指したいところです。

また,JCIでは4年生二人ががんばって,論文を投稿した。一人はセメント硬化体の温度履歴依存性について,相組成と反応率から説明する論文。収縮理論と絡めるとその大事さがわかると思うけれども,そこが記載できなかったので,ちょっと唐突な論文になってしまったかも。

もう一人は,高炉セメントの水和で温度履歴の影響。
彼の研究は,投稿には間に合わなかったけど石膏やアルミの挙動とひずみの関係について,ある程度の知見が得られた。石膏を多く添加することの意義,というのがあきらかになったと思っている。

寺本は,相変わらず超高強度のデータを示した。
私は,マスコンのひび割れ幅の式です。JCI指針のものを投稿させていただいた。

そろそろ,科研および国交省の助成のおわりが近づいているので,いままでのデータをまとめて論文・報告書を書かないといけないなあ。
頭にある奴を早くはき出したい。

1/04/2009

あけましておめでとうございます。

謹賀新年

あけましておめでとうございます。
今年は,ばりばり,がんばっていきたいと思います。