卒論,修論,博論の発表会が一回りしました。学生諸君はご苦労さまでした。
卒論:みなよく頑張ったと思います。教員側の質問は,人によってクオリティが異なっている点は私自身の反省も含めて,今後検討していきたい課題です。卒論発表時における良い質問,というものは,学会時のそれとは大きく違うようにも思います。
学生は,あるスタディとして卒論を行っていると思いますが,頑張って専門的に深くいくと,一般論になるほど答えにつまるという傾向があるように思います。エンジニア,という立場から考えれば,研究の背景・位置づけを理解しておけよ,ということになるのでしょうが,業界全体を見渡すことのできない学生にとって,導入部の質問について,臨機応変に答えるというのは結構な力量がいるでしょう。卒論の研究に関する質問としては,やはり半分くらいは相手の懐に入って行う質問が適切なんではないか,とも思います。
一般論的な質問というのは,答えることができて当然という雰囲気が出ている分,答えられない卒論生にはこたえる質問なんじゃないか,と思います。
褒めればよいわけでも無し,このあたりの間合いの見極めが重要という感じです。先生の技量を見るという形で学生からの楽しみとするくらいのゆとりがあってもよいかもしれません。
修論:それぞれのそれぞれなりの個性が結果として出た発表会だったように思います。普段から,どのように深く考えるかということを課題として課してきましたが,その実力が良くも悪くもそのまま出たように思います。修論の完成度をどの立場からみるか,というのは非常に難しいです。修論くらいになりますと,研究量,実験量,考察量が膨大であるから,というのと,そうはいっても学問的深化というのは,そうは簡単にいくわけもなく,ましてやコンクリートのように100年使われていて,まだ理解されていないことの方が多いというような材料を相手にしている場合に,これだけ深化させました,なんてことはなかなか言えないから,というのが理由です。
膨大なデータで,かなり良い線を行ったとしても,これはこういう新しいデータをとってここまで肉薄しました,ということにとどまっているわけですが,その地道で重要な研究上の前進をどのように表現するか,というのはなかなか難しい課題です。プレゼンでも悩んでいましたが,そのプロセスこそが大事かな,と私は思います。
華々しく,これができました,という論文は,本当にすごく突き抜けているか,大した研究でないかのどちらかです。個人的には後者の方が多いと思います。
工学とは,皆がイメージするよりは,ずっと地道なものです。
博論:私の博士第一号(になるはずの)学生の発表が終わりました。彼もまた,彼の業績に反して,発表に苦労していましたが,それでよいのじゃないか,と思います。やったことを全部いうのは間違いだし,何がわかったか,ということを伝えるプレゼン上の技術は,研究成果のすべてでではダメです。博士論文自身の骨格以外は,参考論文とか付録にしてしまえばよいわけで,その「捨てる技術」こそが工学です。
学問だけでなく工学は,「捨てる技術」が大事です。なにかを取捨選択するそのプロセスにおいて,考え抜き一つを選ぶという行為は,自分の脳みそと胆力と責任の問題なわけです。何百億円のプロジェクトを背負っても,自分の経験と知識(人脈含む)で責任をとれる,ということが重要です。こういう可能性もある,とかいって逃げてはいられない場合がいつか来ます。
あるいは,日々の生活がいつでも,そういった取捨選択の積み重ねです。
学生諸君の一日の重みについては,もっと真剣に考えてもらいたい時があります。
奥の間
このブログは,研究者丸山一平が作製しているものです。 このブログの内容は,私的な立場からのメッセージであるとともに,備忘録も兼ねています。
2/12/2012
2/03/2012
2月
週に1回くらいは更新しないと,とも思っているのですが・・・。やはり,1~3月はなかなかいろいろあります。
1年生の授業で基礎セミナーというものがあります。最大10名程度の学生に対して,「大学的な何か」を教えるのが目的です。私の講義は,学生主体型の文献調査を行なって,発表をさせ,独自の意見をつけて,最後は2枚程度の論文に取りまとめるというものです。最初は建築材料に限ってやっていたのですが,題材も限定されるし,学生の興味いろいろなので,建築・建設業全般をテーマとすることをここ1,2年行なっています。
毎週発表があって,学生同士,あるいは私のコメント(結構厳しい+宿題が増える)があるのですが,だいたい半分くらいは脱落します。(選択必修なので取れなくても良い授業なのです。)
残った学生については,それなりにテーマについて詳しくなるし,ちょっとした卒論レベルくらいになることもあります。批判はあるかもしれないけれど,少数の伸びる学生が伸びる場所が提供できれば良いと考えているので,当座はこの調子です。
今年の一人に建設関係の企業が海外にいって赤字がでるのは何か,というテーマを選択した学生がいました。なかなか深いテーマだし,本来的にはフィールド調査の必要があるテーマなのですが,国内の文献調査でどこまでやれるかやるのもよいかな,と思って支援することにしました。契約のはなし,マネジメントの話,利益を出す構造の話,ゼネコンの下請け構造の話,などが毎週出されてきたので,多分,他の学生は相当に知見は広がったんじゃないかな,と思います。
私も往復の電車で読む本をそういったテーマにしたものをいくつかピックアップしました。特に契約に関する「日本人の法意識(川島武宣)」,「ビジネスパーソンのための契約の教科書,福井健策)」というのは面白かったです。前者は,ハイライトだけ読んで全部は読んでいませんが。日本の民族的問題というのは,確かにあるなあと思って反省しました。
契約については,一つには契約を作成するプロセスでリスク評価,問題制御,プロジェクトの設計,フェールセーフ的にうまくすすめるという姿勢が,条項として適切に入っている点が重要と思いました。日本は契約をあうんでおこなってしまいますが,この時にプロジェクトについての詳細を詰めていない,ということ自体が大きな問題なのでしょう。
福井健策氏の本には,いくつかの契約例がのっていてわかりやすいのですが,米国の契約が分厚いのは,逆にプロジェクト前に詳細にリスク評価を行い,契約書に盛り込んでいる姿勢として評価できるように思われます。
原発の設計思想の陳腐化なども議論されはじめておりますが,安全を確保するときの設計思想,プロジェクトをいかに適切に進めていくかというときの多重性を考慮し,かつディテールまでも詰めた具体的な設計ということが重要なわけで,こういったことが習慣化されていない日本の業態というのは,反省すべきではないかと思います。
実は,科研とかもある意味そういった観点の書類が評価されているんだろうなあ,とは最近思っていたところなのですが。
一方で,契約書を自分に有利にすることだけで,ビジネスが成功するかというとそうでもないと思います。
日本の非常にきめ細やかな設計・施工のプロセスは,ある場所ではカルト的信頼があります。一般的な表現では,ブランド力があります。当然,アジアを始めとして日本のゼネコン等に期待するのは,こういったきめ細やかな建設物であり,高度な技術力でできる素晴らしい建設物・建築物であるわけです。
採算性がわるいからといって,なるべく当地のビジネスに合わせるという事自体は,建設業の電化製品化ではないかと思います。すなわち,利益の採算をアジア的な人件費問題にすり替えて,薄利多売モデルで行こうとすると,これはもう,中国や韓国にはかなわないでしょう。
パナソニックやソニーと同じ構図です。ここはやはり,アップルと同じように,日本の建設業もブランド化して,高くても良いものを作り,しかも採算が取れるように差別化を図る努力をすべきです。
IT化・機械化がすすみ,実質的に建設業のホワイトカラー的なビジネス部門は少なくなっておりますが,その中で,きめ細やかな建設ができるプロセスで不可欠な部門を抽出するか,抽出できるような枠組みを作成し,残りはアウトソーシングしたとしてもブランド力をそこで確保できるような構造転換が望まれます。
ノウハウが蓄積する部門は絶対アウトソーシングしてはいけません。内部化をはかるべきです。
一括生産と呼ばれる中でも,部門を見期分けて,細分化して,再構築する作業が必要ではないかと思われます。
部品は台湾・日本・韓国で占めるiPhoneであっても,ブランドはアップルにあるわけですから,建設業のブランド力とはなにか,ということを考える機会をもっと増やすべきではないかと思います。
ODAの枠組みの中で,ぜひともそういった知見は蓄えて欲しいと思う次第です。
まあ,現業の人間ではないのでまとはずれかもしれませんが,建設業が家電製品と同じ道を行こうとするような気配があったので,あえて苦言を呈してみた次第。一意見です。
1年生の授業で基礎セミナーというものがあります。最大10名程度の学生に対して,「大学的な何か」を教えるのが目的です。私の講義は,学生主体型の文献調査を行なって,発表をさせ,独自の意見をつけて,最後は2枚程度の論文に取りまとめるというものです。最初は建築材料に限ってやっていたのですが,題材も限定されるし,学生の興味いろいろなので,建築・建設業全般をテーマとすることをここ1,2年行なっています。
毎週発表があって,学生同士,あるいは私のコメント(結構厳しい+宿題が増える)があるのですが,だいたい半分くらいは脱落します。(選択必修なので取れなくても良い授業なのです。)
残った学生については,それなりにテーマについて詳しくなるし,ちょっとした卒論レベルくらいになることもあります。批判はあるかもしれないけれど,少数の伸びる学生が伸びる場所が提供できれば良いと考えているので,当座はこの調子です。
今年の一人に建設関係の企業が海外にいって赤字がでるのは何か,というテーマを選択した学生がいました。なかなか深いテーマだし,本来的にはフィールド調査の必要があるテーマなのですが,国内の文献調査でどこまでやれるかやるのもよいかな,と思って支援することにしました。契約のはなし,マネジメントの話,利益を出す構造の話,ゼネコンの下請け構造の話,などが毎週出されてきたので,多分,他の学生は相当に知見は広がったんじゃないかな,と思います。
私も往復の電車で読む本をそういったテーマにしたものをいくつかピックアップしました。特に契約に関する「日本人の法意識(川島武宣)」,「ビジネスパーソンのための契約の教科書,福井健策)」というのは面白かったです。前者は,ハイライトだけ読んで全部は読んでいませんが。日本の民族的問題というのは,確かにあるなあと思って反省しました。
契約については,一つには契約を作成するプロセスでリスク評価,問題制御,プロジェクトの設計,フェールセーフ的にうまくすすめるという姿勢が,条項として適切に入っている点が重要と思いました。日本は契約をあうんでおこなってしまいますが,この時にプロジェクトについての詳細を詰めていない,ということ自体が大きな問題なのでしょう。
福井健策氏の本には,いくつかの契約例がのっていてわかりやすいのですが,米国の契約が分厚いのは,逆にプロジェクト前に詳細にリスク評価を行い,契約書に盛り込んでいる姿勢として評価できるように思われます。
原発の設計思想の陳腐化なども議論されはじめておりますが,安全を確保するときの設計思想,プロジェクトをいかに適切に進めていくかというときの多重性を考慮し,かつディテールまでも詰めた具体的な設計ということが重要なわけで,こういったことが習慣化されていない日本の業態というのは,反省すべきではないかと思います。
実は,科研とかもある意味そういった観点の書類が評価されているんだろうなあ,とは最近思っていたところなのですが。
一方で,契約書を自分に有利にすることだけで,ビジネスが成功するかというとそうでもないと思います。
日本の非常にきめ細やかな設計・施工のプロセスは,ある場所ではカルト的信頼があります。一般的な表現では,ブランド力があります。当然,アジアを始めとして日本のゼネコン等に期待するのは,こういったきめ細やかな建設物であり,高度な技術力でできる素晴らしい建設物・建築物であるわけです。
採算性がわるいからといって,なるべく当地のビジネスに合わせるという事自体は,建設業の電化製品化ではないかと思います。すなわち,利益の採算をアジア的な人件費問題にすり替えて,薄利多売モデルで行こうとすると,これはもう,中国や韓国にはかなわないでしょう。
パナソニックやソニーと同じ構図です。ここはやはり,アップルと同じように,日本の建設業もブランド化して,高くても良いものを作り,しかも採算が取れるように差別化を図る努力をすべきです。
IT化・機械化がすすみ,実質的に建設業のホワイトカラー的なビジネス部門は少なくなっておりますが,その中で,きめ細やかな建設ができるプロセスで不可欠な部門を抽出するか,抽出できるような枠組みを作成し,残りはアウトソーシングしたとしてもブランド力をそこで確保できるような構造転換が望まれます。
ノウハウが蓄積する部門は絶対アウトソーシングしてはいけません。内部化をはかるべきです。
一括生産と呼ばれる中でも,部門を見期分けて,細分化して,再構築する作業が必要ではないかと思われます。
部品は台湾・日本・韓国で占めるiPhoneであっても,ブランドはアップルにあるわけですから,建設業のブランド力とはなにか,ということを考える機会をもっと増やすべきではないかと思います。
ODAの枠組みの中で,ぜひともそういった知見は蓄えて欲しいと思う次第です。
まあ,現業の人間ではないのでまとはずれかもしれませんが,建設業が家電製品と同じ道を行こうとするような気配があったので,あえて苦言を呈してみた次第。一意見です。
1/24/2012
気づいたら
驚くべきことに,もう,1月が下旬になっています。
ここ最近は,大学では主として卒論生,修論生へのアドバイス,家ではいくつかの長期的な家庭のビジョン策定と双子の育児の一部,ということで,思索時間はほとんど電車の中しかとれていないので,どうも,論文を書こうと思っても伸びやかさがなくてやめてしまい,図版だけをつくっておく,というような状態が続いています。
1月上旬でのイベントとしては,一つはJCIの投稿がありました。今年,3人の4年生全員のJCI投稿を目指していましたが,残念ながら一人の学生は投稿できませんでした。収縮の構造挙動への影響をFEMで解析するというものでしたが,付着モデルの集束計算でつまづいてしまい,間に合わなかったという次第です。これは,全体のスケジュール計画における工数,日程の読み間違いで,出だしの好調さを考えると私のスケジュール管理の甘さが露呈した,ということになると思います。
今から考えると,各工程において目標点はいくつかあり,そのときに不安要素は無いわけではなかったわけです。というわけで,プロジェクト運用上の問題として今後,もっと自分の感覚を信じて強く指導するという形に反映させたいと反省しました。
4年生のJCI投稿では,骨材関係の論文と中性化関係の論文を出しました。耐久性関係の研究はずっと外には出していませんでしたが,そろそろ,名大では耐久性的観点にも応用が利くんだぜ,というところをアピールして置いた方がよいかな,と思って投稿した次第です。JCIの論文自体は,論文だけを抽出するとオリジナリティという点をどのように評価するかは査読者の方次第ではないかと思いますが,一連の論文をつなげますと,大変深い結果が出てきます。この点は,さらなる追試を今年10月くらいまでに終わらして,年内に黄表紙か英文ジャーナルに投稿したいと考えています。
骨材関係は,ずっとその影響について吹聴してきた仮説があるのですが,あらたな手法を採用することで,個人的には非常にインパクトの大きい論文に仕上がったと思います。なぜ,このデータが今までなかったのか,(いや,本当はあるのかもしれない。既往研究不足かもしれない。でも,JCIなどの報告書にはほとんどリファーは無い。)というようなデータです。
個人的には,収縮メカニズム論文以降のヒットですので,採用された暁には,是非JCIでもんだくださいませ。
今年は,勅使川原・丸山研で10件でした。(T:6,M:4)4年生のJCI投稿率は8割で,これはなかなかの研究室ではないかと自負します。M2にの投稿の有無で差が出てしまいましたが,この調子を継続したいと思います。
次のイベントは,センター試験です。毎年,必要以上にというか,ある意味では学生の人生がかかっているのであるからそれ相応に,緊張するイベントで,今年も試験監督をしました。あらかじめレクチャーを受けましたが,今から考えるとこれまた課題は多かったように思います。名大の先生は比較的まじめで,事前講習にも参加されるとともに,当日にも質疑があり,それによって多くの人が救われる事態があったように思います。
試験問題は隠匿すべきとは思いますが,試験方法くらい公開にすれば,ああいった問題はなかったように思います。なにゆえ反省事態をセンター試験の事務局だけですべきなのか,抱え込んでなんなのか,という問題があるように思います。
公共のイベントであることを考えれば,受験生のことを考えて,なるべくわかる部分は公開し,必要ならみなで反省して,それで次に進めばよいのでは,と思います。
過剰に抱え込んで,極度に緊張感が高まる故,ミスが多発することだって多いのではないかと。
なんにしても,心理的圧迫感は半端無く,この担当をしたくない,と主張する人が出てきても文句は言えないのではないかと思います。もう少しなんとか良い方向にもっていく手立てを国は考えた方が良いと思います。
話は前後しますが,12日は豊田講堂が文化財に登録されたということで,槇文彦氏の講演会がありました。私の大学の先輩ではありますが,もはや伝説の域にありましたし,私自身お会いしたこともないので,失礼ながら「まきふみひこ」と呼び捨てでした。なんというか,聖徳太子,と呼び捨てにするのと同じです。しかし,お会いしたからには,槇先生とお呼びすべきだとつくづく思いました。
私は,学生の頃にはデザインで食べていけたらと思うところもあって,いろんな設計者の講演会にも出席したことがあったし,それなりに文章も読んでおりました。磯崎新氏の文章も頑張って読みましたが,今から考えると半分も理解できていなかったと思います。槇先生の文章も同様ですが,ああしてご本人に時間と場所,その経緯についてざっと通して話していただくと,非常に合点がいく点が多く,今一度文章を読みたいという気になりました。
で,いろいろ講演会に出席しましたが,槇先生は私の意見では段違いに頭の回転が速いです。
その後,学生からの質疑の応答を見ましても,今もって現役で,脳みその回転音が聞こえてくるくらいの回転速度の速さでした。安藤先生とはまた別の意味での巨人でした。
おまけにジェントルマンでありまして,ああ,私なんぞは,隣のT川原先生とともに大学教員になってはいけなかったのではないか,と反省した次第です。私は,まったくもって庶民です。
最近もさまざまなプロジェクトの関係で分析装置を導入しています。今期も,いくつか導入しましたが,そのうちの白眉は湿度制御型TMAです。迅速に長さ変化等温線を測定できる装置で,長さ変化測定精度も含めて,非常に満足のいく装置でした。これについては,セメギで発表できれば,とも思っていますが,論文としての落としどころをどうしたものか,と悩んでいたりします。今まで1年くらいかけて長さ変化等温線を測定していましたから,これで収縮や水分に関する研究はさらに進めることができるのでは,と思います。おそらく長期で測定する意味も別の観点から再評価できると思われます。
ねりまぜきについては,複数の人から問い合わせをいただきました。もはや,広告料をとってもよいのでは,と思って利しますが,そういうことをやると大抵,後ろ指を指されて研究者生命が終わってしまいますので,けなげに研究者としてのコメントを継続したいと思います。
ここ最近は,大学では主として卒論生,修論生へのアドバイス,家ではいくつかの長期的な家庭のビジョン策定と双子の育児の一部,ということで,思索時間はほとんど電車の中しかとれていないので,どうも,論文を書こうと思っても伸びやかさがなくてやめてしまい,図版だけをつくっておく,というような状態が続いています。
1月上旬でのイベントとしては,一つはJCIの投稿がありました。今年,3人の4年生全員のJCI投稿を目指していましたが,残念ながら一人の学生は投稿できませんでした。収縮の構造挙動への影響をFEMで解析するというものでしたが,付着モデルの集束計算でつまづいてしまい,間に合わなかったという次第です。これは,全体のスケジュール計画における工数,日程の読み間違いで,出だしの好調さを考えると私のスケジュール管理の甘さが露呈した,ということになると思います。
今から考えると,各工程において目標点はいくつかあり,そのときに不安要素は無いわけではなかったわけです。というわけで,プロジェクト運用上の問題として今後,もっと自分の感覚を信じて強く指導するという形に反映させたいと反省しました。
4年生のJCI投稿では,骨材関係の論文と中性化関係の論文を出しました。耐久性関係の研究はずっと外には出していませんでしたが,そろそろ,名大では耐久性的観点にも応用が利くんだぜ,というところをアピールして置いた方がよいかな,と思って投稿した次第です。JCIの論文自体は,論文だけを抽出するとオリジナリティという点をどのように評価するかは査読者の方次第ではないかと思いますが,一連の論文をつなげますと,大変深い結果が出てきます。この点は,さらなる追試を今年10月くらいまでに終わらして,年内に黄表紙か英文ジャーナルに投稿したいと考えています。
骨材関係は,ずっとその影響について吹聴してきた仮説があるのですが,あらたな手法を採用することで,個人的には非常にインパクトの大きい論文に仕上がったと思います。なぜ,このデータが今までなかったのか,(いや,本当はあるのかもしれない。既往研究不足かもしれない。でも,JCIなどの報告書にはほとんどリファーは無い。)というようなデータです。
個人的には,収縮メカニズム論文以降のヒットですので,採用された暁には,是非JCIでもんだくださいませ。
今年は,勅使川原・丸山研で10件でした。(T:6,M:4)4年生のJCI投稿率は8割で,これはなかなかの研究室ではないかと自負します。M2にの投稿の有無で差が出てしまいましたが,この調子を継続したいと思います。
次のイベントは,センター試験です。毎年,必要以上にというか,ある意味では学生の人生がかかっているのであるからそれ相応に,緊張するイベントで,今年も試験監督をしました。あらかじめレクチャーを受けましたが,今から考えるとこれまた課題は多かったように思います。名大の先生は比較的まじめで,事前講習にも参加されるとともに,当日にも質疑があり,それによって多くの人が救われる事態があったように思います。
試験問題は隠匿すべきとは思いますが,試験方法くらい公開にすれば,ああいった問題はなかったように思います。なにゆえ反省事態をセンター試験の事務局だけですべきなのか,抱え込んでなんなのか,という問題があるように思います。
公共のイベントであることを考えれば,受験生のことを考えて,なるべくわかる部分は公開し,必要ならみなで反省して,それで次に進めばよいのでは,と思います。
過剰に抱え込んで,極度に緊張感が高まる故,ミスが多発することだって多いのではないかと。
なんにしても,心理的圧迫感は半端無く,この担当をしたくない,と主張する人が出てきても文句は言えないのではないかと思います。もう少しなんとか良い方向にもっていく手立てを国は考えた方が良いと思います。
話は前後しますが,12日は豊田講堂が文化財に登録されたということで,槇文彦氏の講演会がありました。私の大学の先輩ではありますが,もはや伝説の域にありましたし,私自身お会いしたこともないので,失礼ながら「まきふみひこ」と呼び捨てでした。なんというか,聖徳太子,と呼び捨てにするのと同じです。しかし,お会いしたからには,槇先生とお呼びすべきだとつくづく思いました。
私は,学生の頃にはデザインで食べていけたらと思うところもあって,いろんな設計者の講演会にも出席したことがあったし,それなりに文章も読んでおりました。磯崎新氏の文章も頑張って読みましたが,今から考えると半分も理解できていなかったと思います。槇先生の文章も同様ですが,ああしてご本人に時間と場所,その経緯についてざっと通して話していただくと,非常に合点がいく点が多く,今一度文章を読みたいという気になりました。
で,いろいろ講演会に出席しましたが,槇先生は私の意見では段違いに頭の回転が速いです。
その後,学生からの質疑の応答を見ましても,今もって現役で,脳みその回転音が聞こえてくるくらいの回転速度の速さでした。安藤先生とはまた別の意味での巨人でした。
おまけにジェントルマンでありまして,ああ,私なんぞは,隣のT川原先生とともに大学教員になってはいけなかったのではないか,と反省した次第です。私は,まったくもって庶民です。
最近もさまざまなプロジェクトの関係で分析装置を導入しています。今期も,いくつか導入しましたが,そのうちの白眉は湿度制御型TMAです。迅速に長さ変化等温線を測定できる装置で,長さ変化測定精度も含めて,非常に満足のいく装置でした。これについては,セメギで発表できれば,とも思っていますが,論文としての落としどころをどうしたものか,と悩んでいたりします。今まで1年くらいかけて長さ変化等温線を測定していましたから,これで収縮や水分に関する研究はさらに進めることができるのでは,と思います。おそらく長期で測定する意味も別の観点から再評価できると思われます。
ねりまぜきについては,複数の人から問い合わせをいただきました。もはや,広告料をとってもよいのでは,と思って利しますが,そういうことをやると大抵,後ろ指を指されて研究者生命が終わってしまいますので,けなげに研究者としてのコメントを継続したいと思います。
1/08/2012
謹賀新年
1週間遅れですが,明けましておめでとうございます。
昨年度の総括もままならぬまま,時間がすぎます。
年明けは,横浜の方に家族でくるまで初めて移動しました。新幹線のありがたみがよくわかります。自動車は年をまたいで,高速道の料金が細々変わっていたので,ああ,今年も,NEXCOをはじめ,皆さん大変なんだなあ,としみじみ思いました。
電力も,自由化とか,送電・発電分離とかおっしゃっていますが,日本だけは予定調和の中にいて,経済合理性が良く動いているということは理解する努力をした方が良いと思います。官製談合は良くないと思いますが,世の中はいろいろ痛み分けでうまくいっているということは良くあるわけです。
先日,ノルウェーの話を出しましたが,ノルウェーはそもそも水力発電と需給のバランスが良く,国内必要電力を水力でほとんどまかなえて,電気料金も安い過ごしやすい国でした。しかし,電力を自由化し,他国からの参入を許すと,国内の安い電力は海外で高く売れるので,国内電力は海外にまわされ,国内電力価格が高騰,おまけに水力だけではまかなえず,他の高いコストの電力を購入せざるを得ませんでした。
エネルギー問題は,国防および国家経済の根幹をなすインフラの問題でして,なんでも自由化が良いというのは,利益を得られる側からの発言であることは理解しないといけません。
国際的な経済戦争の場において,日本のためを思って発言する諸外国がいるわけがありません。
正月早々,電力網を韓国とつなげるとか,送電を分離するとかいう話題が日経で出てきましたが,国民のメリットというよりは,自分がその産業で利権・利益を獲得したいという人間からの発言に経済産業省が動かされるような形が見え隠れします。
昨年の夏,一斉に韓国で停電があったように,しょっちゅう低減する国の送電網とつなげて日本の需要として何のメリットがあるんでしょうか。韓国の原子力で発電した電力を買う,というようなドイツとフランスのような格好をめざしているのでしょうか。しかし,韓国で原子力災害があったら,偏西風でダイレクトに被害にあるのは日本であるし,そのことを考えても,リスクの分散が適切にできているとも思われません。
どういうビジョンとどういう国民のメリットがあるのか,というインフラである電力政策については,政府および霞ヶ関の方々には適切な説明をいただきたいと思います。
送電と発電の分離についても同様です。電力需要は工業,その他の産業の高度化にともなって,送電網を維持し,更新していく必要があります。今,東京の大手町近辺で大型ビルの開発が行われますが,電力網にそのビルを組み込むと数億程度の工事が必要になりますが,これらは,東電が負担しています。送電・発電の分離を行うということは,送電の中で利益を出し,そのための負担は民間が背負うということになります。
ビル一つ建てるための単価は,極端に高くなりますし,これは個別マンションでも同様です。どういう隠れたメリットがあって,どのような便益を東電が与えてきたか,ということは,送電・発電分離の議論によって明らかになってくるでしょう。
世代の問題もあるのかもしれませんが,過去の熟慮されてできあがったものとか,過去の経緯で最適化されたものというのは,日本人のあうんの呼吸で成立されてしまっているがために,あらためて掘り起こすとああそうだったのか,ということが少なくありません。
また,最近の人は自分を含めて表層的であり,どうも考え方の裏をあまり理解しないで議論している風があります。一つは謙虚でないこと,一つは目に見える情報で判断をせざるを得ないという環境があると思います。ものごとが高度化しているので,体験的に体得した感性で判断ができないというフィールド,実線不足もあるかもしれません。
難しいのは,60以上の層の方と話しているとこれらの認識は,当然のことと捉えているために,我々が意識して掘り下げて情報収集することが難しい,という点です。相手は当然と考えており,こちらは,何がそういった背景なのか,場所も宝もわからない状態で知識として体系化するのは非常に困難です。
大きな流れとしては,戦後という断絶,その後のバブル期以後の実線不足は,今後,我々の世代における一つの大きな課題となるように思います。徒労を良しとは思いませんが,実践的体験というのを30台前半までにいかに積み上げられるか,というのはノウハウ社会,超高度化社会におけるキーポイントと思います。
逆に,実践を経験していない方々が前後のバランスとか,ポピュリズムの結果として権力を握りますと,非常に社会的にインパクトの大きい害となるので,その制御も今後の課題ではないかと思う次第です。
昨年度の総括もままならぬまま,時間がすぎます。
年明けは,横浜の方に家族でくるまで初めて移動しました。新幹線のありがたみがよくわかります。自動車は年をまたいで,高速道の料金が細々変わっていたので,ああ,今年も,NEXCOをはじめ,皆さん大変なんだなあ,としみじみ思いました。
電力も,自由化とか,送電・発電分離とかおっしゃっていますが,日本だけは予定調和の中にいて,経済合理性が良く動いているということは理解する努力をした方が良いと思います。官製談合は良くないと思いますが,世の中はいろいろ痛み分けでうまくいっているということは良くあるわけです。
先日,ノルウェーの話を出しましたが,ノルウェーはそもそも水力発電と需給のバランスが良く,国内必要電力を水力でほとんどまかなえて,電気料金も安い過ごしやすい国でした。しかし,電力を自由化し,他国からの参入を許すと,国内の安い電力は海外で高く売れるので,国内電力は海外にまわされ,国内電力価格が高騰,おまけに水力だけではまかなえず,他の高いコストの電力を購入せざるを得ませんでした。
エネルギー問題は,国防および国家経済の根幹をなすインフラの問題でして,なんでも自由化が良いというのは,利益を得られる側からの発言であることは理解しないといけません。
国際的な経済戦争の場において,日本のためを思って発言する諸外国がいるわけがありません。
正月早々,電力網を韓国とつなげるとか,送電を分離するとかいう話題が日経で出てきましたが,国民のメリットというよりは,自分がその産業で利権・利益を獲得したいという人間からの発言に経済産業省が動かされるような形が見え隠れします。
昨年の夏,一斉に韓国で停電があったように,しょっちゅう低減する国の送電網とつなげて日本の需要として何のメリットがあるんでしょうか。韓国の原子力で発電した電力を買う,というようなドイツとフランスのような格好をめざしているのでしょうか。しかし,韓国で原子力災害があったら,偏西風でダイレクトに被害にあるのは日本であるし,そのことを考えても,リスクの分散が適切にできているとも思われません。
どういうビジョンとどういう国民のメリットがあるのか,というインフラである電力政策については,政府および霞ヶ関の方々には適切な説明をいただきたいと思います。
送電と発電の分離についても同様です。電力需要は工業,その他の産業の高度化にともなって,送電網を維持し,更新していく必要があります。今,東京の大手町近辺で大型ビルの開発が行われますが,電力網にそのビルを組み込むと数億程度の工事が必要になりますが,これらは,東電が負担しています。送電・発電の分離を行うということは,送電の中で利益を出し,そのための負担は民間が背負うということになります。
ビル一つ建てるための単価は,極端に高くなりますし,これは個別マンションでも同様です。どういう隠れたメリットがあって,どのような便益を東電が与えてきたか,ということは,送電・発電分離の議論によって明らかになってくるでしょう。
世代の問題もあるのかもしれませんが,過去の熟慮されてできあがったものとか,過去の経緯で最適化されたものというのは,日本人のあうんの呼吸で成立されてしまっているがために,あらためて掘り起こすとああそうだったのか,ということが少なくありません。
また,最近の人は自分を含めて表層的であり,どうも考え方の裏をあまり理解しないで議論している風があります。一つは謙虚でないこと,一つは目に見える情報で判断をせざるを得ないという環境があると思います。ものごとが高度化しているので,体験的に体得した感性で判断ができないというフィールド,実線不足もあるかもしれません。
難しいのは,60以上の層の方と話しているとこれらの認識は,当然のことと捉えているために,我々が意識して掘り下げて情報収集することが難しい,という点です。相手は当然と考えており,こちらは,何がそういった背景なのか,場所も宝もわからない状態で知識として体系化するのは非常に困難です。
大きな流れとしては,戦後という断絶,その後のバブル期以後の実線不足は,今後,我々の世代における一つの大きな課題となるように思います。徒労を良しとは思いませんが,実践的体験というのを30台前半までにいかに積み上げられるか,というのはノウハウ社会,超高度化社会におけるキーポイントと思います。
逆に,実践を経験していない方々が前後のバランスとか,ポピュリズムの結果として権力を握りますと,非常に社会的にインパクトの大きい害となるので,その制御も今後の課題ではないかと思う次第です。
12/31/2011
31日
ひょんなことから,1994年の無機材料の内川先生の「セメントの研究動向」を読んでみた。例年書かれているような書式なのだが,前年の非常に重要な論文を集めて,トピックごとに整理しているのだが,その網羅性,重要性だけでなく,エッセンスの抽出の仕方などが素晴らしい。これを毎年やりつづけるのが研究者であって,こらだけ読み込んでいないという自分を深く反省する。
加えて,その最新と言われている内容が,2000年代以降の再発見の内容とほとんど重複していて,本質的な研究というのは90年d内以降,あまりかわっていないのかも,と思われる。
初期の潜伏期におけるC-S-Hの話とか,骨材の影響の話とか・・・・。
先の骨材特集とよい,やっぱり,ちょっと文献をよんでいなさすぎるかな,と思う。
加えて,その最新と言われている内容が,2000年代以降の再発見の内容とほとんど重複していて,本質的な研究というのは90年d内以降,あまりかわっていないのかも,と思われる。
初期の潜伏期におけるC-S-Hの話とか,骨材の影響の話とか・・・・。
先の骨材特集とよい,やっぱり,ちょっと文献をよんでいなさすぎるかな,と思う。
30日
実家に戻る。体調悪化はますますはげしく,葛根湯を飲んで体調を整えるも,寒くてしょうがない。新幹線はつらかった。
新幹線では,セメント・コンクリートの1981年の骨材特集を読んだ。今読むと驚愕なんだが,ほとんど同じことを議論している。ことなっているのは,砂利と砕石の出荷量の違いくらいなものである。
低品質骨材については,建築研究所でもプロジェクトがあったみたいなので,友沢先生に聞いてみないと・・・。私がしらなかっただけかもしれないが。水中養生と乾燥条件下で強度が大きくことなるケースがでてきたことをこの時点ですでに報告している。
また,鉱物学的考察も国交省の方が書かれていて,鉱物・結晶別にいろんな劣化シナリオが明らかになっている。これも,本来は教科書的に私たちがしならくてはいけないことなんではないだろうか・・・。
低品質といっても,技術的に制御可能だけど経済性が担保できないから,粘土分が入ったり,粒度,分布がよくなかったりという問題と,そもそも資源が枯渇して,という二つの問題を切り分けるアプローチについては,すでに吉兼さんがこの時点で指摘している。
冒頭の総説で岸谷先生が,骨材単味の問題だけでなく,これはコンクリート業界のシステムの問題なんだから,骨材の品質分布調査をはじめ,業態変化も含めて,研究・調査・政策を検討すべきだ,という主張は今もっとできていないことを考えても,その通りだと思う。それ以降,我々はなにをやっていたのだろうと気になってしまう。
骨材単味の研究では解決しない,と言い切っている文章はしびれる。馬場先生の他,骨材種類とコンクリート品質の問題をもう片方でやっておられつつ,全体を俯瞰するこの意見は,すばらしい。
で
新幹線では,セメント・コンクリートの1981年の骨材特集を読んだ。今読むと驚愕なんだが,ほとんど同じことを議論している。ことなっているのは,砂利と砕石の出荷量の違いくらいなものである。
低品質骨材については,建築研究所でもプロジェクトがあったみたいなので,友沢先生に聞いてみないと・・・。私がしらなかっただけかもしれないが。水中養生と乾燥条件下で強度が大きくことなるケースがでてきたことをこの時点ですでに報告している。
また,鉱物学的考察も国交省の方が書かれていて,鉱物・結晶別にいろんな劣化シナリオが明らかになっている。これも,本来は教科書的に私たちがしならくてはいけないことなんではないだろうか・・・。
低品質といっても,技術的に制御可能だけど経済性が担保できないから,粘土分が入ったり,粒度,分布がよくなかったりという問題と,そもそも資源が枯渇して,という二つの問題を切り分けるアプローチについては,すでに吉兼さんがこの時点で指摘している。
冒頭の総説で岸谷先生が,骨材単味の問題だけでなく,これはコンクリート業界のシステムの問題なんだから,骨材の品質分布調査をはじめ,業態変化も含めて,研究・調査・政策を検討すべきだ,という主張は今もっとできていないことを考えても,その通りだと思う。それ以降,我々はなにをやっていたのだろうと気になってしまう。
骨材単味の研究では解決しない,と言い切っている文章はしびれる。馬場先生の他,骨材種類とコンクリート品質の問題をもう片方でやっておられつつ,全体を俯瞰するこの意見は,すばらしい。
で
12月28-29日
大学に戻り,特に4年生のサポート。できれば,3人ともJCI年次への投稿にこぎつけたい。いろいろサポートしたいところだが,私の体調不良もあって,思考力低下。ちょっとイライラ感がでてしまったかもしれず,反省。
1名については見通しがたったと思うが,もう一名は実験次第。ただし,ガッツやパラメータ数から考えれば,成功がいくつかあれば,報告はできそう。ラストは解析系なんだが,既往文献をどうしても読み解けず,技術的にどこを考えるべきかでともっており,私自身もいろいろと解析のシナリオを考えねばならず,夜半はたいてい,それについて考えている。
1名については見通しがたったと思うが,もう一名は実験次第。ただし,ガッツやパラメータ数から考えれば,成功がいくつかあれば,報告はできそう。ラストは解析系なんだが,既往文献をどうしても読み解けず,技術的にどこを考えるべきかでともっており,私自身もいろいろと解析のシナリオを考えねばならず,夜半はたいてい,それについて考えている。
12月27日
JCIの耐久性力学の全体委員会。報告書に向かっての議論で,既存の知見についてはおおよそ網羅できた感がある。収縮がRC,PCの構造挙動に及ぼす影響についての知見について,これは知らないだろう,というものがあれば,ぜひご教授ください。報告書に掲載させていただきたいと思っています。
12月26日
NISA事業におけるコンクリート劣化に関する研究情報交換会。コンクリート系のプロジェクトに関するざっくばらんな会議で,外部の人も招いて,研究の方向性に関する意見を伺う会議。昨年度まりはフランクな意見があってよかったと思う。
12月24日
車で東京に家族を載せて移動。移動しようとおもったら,子供3人が風邪をひいて病院にいくことに。年末なのか,朝一で電話したのに順番を80番以降になっていて,結局,15時くらいに通院。お医者さんも大変だなあと。
そのあと,家を出たので,夜の東名は結構疲れた。
そのあと,家を出たので,夜の東名は結構疲れた。
12月20~22日
12月に入って,卒論が佳境になってくるとともに,経験不足のケースについてはかなりトラブルが続出。CCDカメラを壊してしまったりと,学生自体もびっくりする事態が。JCI年次,卒論を考えると緊急性が高いので,もう一台購入することを検討。取次の会社の方に配慮をいただき,Fedexで即日出荷,27日には届くように配備。
実験系は,こういった修羅場をくぐることで学生が成長するので,それはそれでよいのだけれど,実験が高度化するとこういうのが続くと予算的には厳しいなあ・・・。
実験系は,こういった修羅場をくぐることで学生が成長するので,それはそれでよいのだけれど,実験が高度化するとこういうのが続くと予算的には厳しいなあ・・・。
12月15日
佐倉で実験の視察会。超大型の実験系プロジェクトで,その確認。T社の最新データロガーは,メモリカードを挿入するとデータ取得が継続されないバグがあり,名大でも被害にあったのだが・・・・。早めに対処してほしいところ。
12月14日
岡崎市まで出張。その後,名工大の吉田先生,竹本油脂の斉藤さんと大学でゼミ。お互いの学生がプレゼンを行う形態をとる。面白い傾向の出ているデータがいくつかあり,それについての解釈についてディスカッション。
12月9日
JCIのひび割れ進展に関する委員会とJASS5Nの委員会に出席。JASS5Nは,今後,これが適用されるのを望むばかり。
一方で,こういう指針類は60前後の方たちにノウハウのピークがあるわけだが,指針類を作るということよりは若い人に過去の履歴を伝達することが重要なような気がする。
指針脱稿も大事だけど,長期的に委員会を運営できるとよいと思う。
AIJは,旅費が出ない関係で地方の人間を呼べないのであれば,せめて電子会議システムを数百万投資して作るとか,そういうことを配慮した方が良い。
一票の格差問題をほっておいている行政とまったく同じ状態で,公平なシステムとはいいにくい。
私自身,いろいろな会議が重複してしまっているので,あれもこれも出席することができなくなってしまっているけど,各委員会で2,3人の若手コアメンバを想定して,その人たちにはもれなく出席してもらうような配慮が必要かと。
研究者の人口分布自体が,実際の人口分布を反映しており,あきらかにノウハウが欠如しそうな時代がすぐそこにあることは我々の世代も十分に意識していかないといけないかな。
一方で,こういう指針類は60前後の方たちにノウハウのピークがあるわけだが,指針類を作るということよりは若い人に過去の履歴を伝達することが重要なような気がする。
指針脱稿も大事だけど,長期的に委員会を運営できるとよいと思う。
AIJは,旅費が出ない関係で地方の人間を呼べないのであれば,せめて電子会議システムを数百万投資して作るとか,そういうことを配慮した方が良い。
一票の格差問題をほっておいている行政とまったく同じ状態で,公平なシステムとはいいにくい。
私自身,いろいろな会議が重複してしまっているので,あれもこれも出席することができなくなってしまっているけど,各委員会で2,3人の若手コアメンバを想定して,その人たちにはもれなく出席してもらうような配慮が必要かと。
研究者の人口分布自体が,実際の人口分布を反映しており,あきらかにノウハウが欠如しそうな時代がすぐそこにあることは我々の世代も十分に意識していかないといけないかな。
12月7日
年の瀬になると,卒論,修論,入試,院試関係でいろいろ業務が多くなってくる。国のプロジェクトは震災の関係で契約がおくれ,11月スタートのものもあり,これについては,かなり念入りに可能性を想定して仕込んでおいたものを一気に仕上げる必要がでてくる。大量のコンクリートを仕込んで,養生開始。いくつかのサンプルはJCI年次でお披露目できるかも。
12/08/2011
12月6日
セメントペーストの強度試験を行うと,ばらつきが,特に長期材齢で大きくなります。これは完全にシールできていないとか,練混ぜ時に気泡が入ってしまうとか,いろいろ考えられるので,東工大のS先生にご推薦いただいたミキサーをつかってみたら,驚愕のクリームのようなペーストができて驚きでした。
従来,増粘剤をいれて練ると気泡ができすぎて実験にならなかったのですが,これならうまくいきます。
これは,今後,これでやらんといけないなあ,ということで現在,予算建てを検討中であります。
基礎的なツールというのは,やはり適切なものを使わないとダメですねえ。
従来,増粘剤をいれて練ると気泡ができすぎて実験にならなかったのですが,これならうまくいきます。
これは,今後,これでやらんといけないなあ,ということで現在,予算建てを検討中であります。
基礎的なツールというのは,やはり適切なものを使わないとダメですねえ。
12月2日
ことしの授業でも例年と同じく,2年生の授業でモルタル作品コンペティションを行いました。
http://www.degas.nuac.nagoya-u.ac.jp/Lecture/2011_mortar/index.html
No.1,No.6,No.18,No.38
などは非常に優れた作品だと思います。
No.18は何がすごいかというと,モルタル作った後に指の形にほった彫刻になっていて,いったいコンクリートのメリットである可塑性について何を聞いていたんだ,という問題作品です。これはあっけにとられました。個人的には好きです。
http://www.degas.nuac.nagoya-u.ac.jp/Lecture/2011_mortar/index.html
No.1,No.6,No.18,No.38
などは非常に優れた作品だと思います。
No.18は何がすごいかというと,モルタル作った後に指の形にほった彫刻になっていて,いったいコンクリートのメリットである可塑性について何を聞いていたんだ,という問題作品です。これはあっけにとられました。個人的には好きです。
11/27/2011
オスロ
オスロに関するメモ
ベネチアに行ったときも思ったが,日本の円高は,我々一般の人間からするとほとんど円高ではないのではないか,と思う。オスロでは,消費税のような税金があってそのためにかさ上げされているのだと思うが,500㏄の水は500円以上する。とてもでないが,円高の恩恵なんてない。
食事も非常に高額である。
税金を高くして,その税金が日本の消費に再度利用されるのであれば,ため込んでいる人の消費を喚起したことと同様のようになるので,経済活性につながるようにも思う。税金で高くなって消費が落ち込むとのバランス次第だと思うけど。
ノルウェーはうまく回っているように思う。
お隣のスウェーデンは物価が日本に近いらしい。電車では,Haldenからの帰りに徴税官が来て査察していた。我々は関係なかったけれども。
市庁舎は,ノーベル平和賞の式典に利用される。時間を見つけて,中に入ってみた。壁画がすごい建物だった。礎石造というのは全部傾く運命なのか,床は微妙にうねってた。窓も垂直からずれている部分があった。
それでも,中の豪華さは一見の価値がある。
ノルウェーにはLofotenと呼ばれる非常に有名なレストランがある。ここでは,オイスターやノルウェイロブスターなどを食すと贅沢な時間になる。ノルウェイロブスターは,イセエビとは比べられないくらい濃厚な味わいである。アメリカロブスターよりもすごいということだった。(私は食べたことが無い。) オスとメスで味が違うらしい。私はオスを食べたが,海が凝縮されたような香りがした。好き嫌いはあるとおもうけれど,私は非常においしく感じた。
殻も含めて,味噌汁にしたらおいしいのに,と思ったけれど,あえなくウェイターが持って行ってしまった。なんだか,成仏してくれないんじゃないかと思って不安になった。
今の時期は,日が短い。9時くらいに明るくなって,2時くらいにはもう夕方(斜陽)である。時差ボケもあって,夕方8時にはくたくたになって寝てしまうが,夏ならこんなことはないだろう。
打ち合わせは何回か,今後も行う予定なので,良い時期にあたるとよいな,と思う。
ベネチアに行ったときも思ったが,日本の円高は,我々一般の人間からするとほとんど円高ではないのではないか,と思う。オスロでは,消費税のような税金があってそのためにかさ上げされているのだと思うが,500㏄の水は500円以上する。とてもでないが,円高の恩恵なんてない。
食事も非常に高額である。
税金を高くして,その税金が日本の消費に再度利用されるのであれば,ため込んでいる人の消費を喚起したことと同様のようになるので,経済活性につながるようにも思う。税金で高くなって消費が落ち込むとのバランス次第だと思うけど。
ノルウェーはうまく回っているように思う。
お隣のスウェーデンは物価が日本に近いらしい。電車では,Haldenからの帰りに徴税官が来て査察していた。我々は関係なかったけれども。
市庁舎は,ノーベル平和賞の式典に利用される。時間を見つけて,中に入ってみた。壁画がすごい建物だった。礎石造というのは全部傾く運命なのか,床は微妙にうねってた。窓も垂直からずれている部分があった。
それでも,中の豪華さは一見の価値がある。
ノルウェーにはLofotenと呼ばれる非常に有名なレストランがある。ここでは,オイスターやノルウェイロブスターなどを食すと贅沢な時間になる。ノルウェイロブスターは,イセエビとは比べられないくらい濃厚な味わいである。アメリカロブスターよりもすごいということだった。(私は食べたことが無い。) オスとメスで味が違うらしい。私はオスを食べたが,海が凝縮されたような香りがした。好き嫌いはあるとおもうけれど,私は非常においしく感じた。
殻も含めて,味噌汁にしたらおいしいのに,と思ったけれど,あえなくウェイターが持って行ってしまった。なんだか,成仏してくれないんじゃないかと思って不安になった。
今の時期は,日が短い。9時くらいに明るくなって,2時くらいにはもう夕方(斜陽)である。時差ボケもあって,夕方8時にはくたくたになって寝てしまうが,夏ならこんなことはないだろう。
打ち合わせは何回か,今後も行う予定なので,良い時期にあたるとよいな,と思う。
11月23-25日 Vol. 2
翌日は,KjllerのIFEを訪れた。こちらにはJEEP2という研究用原子炉がある。
ここの原子炉は重水炉で,γ線量が中性子に比較して小さいので,照射実験をした時にコンクリートの温度が高くなり過ぎないという良い点を持っている。日本のJMTRを使う選択肢もあったが,JMTRが停止中で再開時期が明確になっていないことを考えると,結果としてはやむを得ない判断だったのではないか,と思う。
Kjllerには,ホットセル(放射能を有するサンプルの様々な実験を行う実験室)もあり,こちらでは,PIE(Post irradiation experiement)の検討として,我々がやりたいことが確実にできるかどうかの確認のため,打ち合わせを行った。
コンクリートの実験はしたことが無い(実際は,60年代,70年代に実験が行われたあと,世界中で研究はおわってしまっており,文献は出てこない。)とのことだったが,セラミック等の実績があるため,逆にいろいろな提案もしていただいた。
さまざまなテクニシャンが,我々の研究に深い関心を持ってもらい,多くの提案を受けたため,あたらしいスキームも含めて再検討することにした。
原子炉の内部も見学させていただいたが,そこには,回折装置,SANS,NR(中性子ラジオグラフィ)があった。回折装置およびSANSはC-S-Hの構造解析に適していることを考えると,今回の実験で含めて検討した方が良いのでは,という提案はまったくそのとおりだった。C-S-D(重水)で検討した方がよいと思い込んでいたが,そうでなくても多くのデータは得られる。多くの影響が確認できると考えられるので非常にチャレンジングだと思った。
こちらのNR装置は,X線用のフィルムを感光して用いており,アナログ方式だった。デジタル化はされていない。そのため,解像度はかなり高いようだった。一方で,撮影時間は,核燃料のケースで8分程度ということなので,トモグラフィなどはちょっと難しそうだ。しかし,テクニシャンは,かなり熱い方で,コンクリート実験にもぜひ使うべきだ,という意見をもらった。まあ,実際は難しいと思うけれども,ぜひ,提案をいろいろしていただきたい,ということを伝えた。
これらは,ここ半年程度は余裕があるので,こちらでも検討を深めたいと思う。
滞在2日だったが,ビジョンの共有ができたこと,それぞれの責任者が明確になり,連絡を密にとれる体制を構築できたことは大きな成果だった。やはり,メールではなくて会わないとダメだな。
というわけで,今にいたるわけだが,残念ながら飛行機の状況がわるくてヘルシンキに2時間以上足止めが確定してしまった。やれやれ。午前中に家に帰られるとおもったのにな。
ここの原子炉は重水炉で,γ線量が中性子に比較して小さいので,照射実験をした時にコンクリートの温度が高くなり過ぎないという良い点を持っている。日本のJMTRを使う選択肢もあったが,JMTRが停止中で再開時期が明確になっていないことを考えると,結果としてはやむを得ない判断だったのではないか,と思う。
Kjllerには,ホットセル(放射能を有するサンプルの様々な実験を行う実験室)もあり,こちらでは,PIE(Post irradiation experiement)の検討として,我々がやりたいことが確実にできるかどうかの確認のため,打ち合わせを行った。
コンクリートの実験はしたことが無い(実際は,60年代,70年代に実験が行われたあと,世界中で研究はおわってしまっており,文献は出てこない。)とのことだったが,セラミック等の実績があるため,逆にいろいろな提案もしていただいた。
さまざまなテクニシャンが,我々の研究に深い関心を持ってもらい,多くの提案を受けたため,あたらしいスキームも含めて再検討することにした。
原子炉の内部も見学させていただいたが,そこには,回折装置,SANS,NR(中性子ラジオグラフィ)があった。回折装置およびSANSはC-S-Hの構造解析に適していることを考えると,今回の実験で含めて検討した方が良いのでは,という提案はまったくそのとおりだった。C-S-D(重水)で検討した方がよいと思い込んでいたが,そうでなくても多くのデータは得られる。多くの影響が確認できると考えられるので非常にチャレンジングだと思った。
こちらのNR装置は,X線用のフィルムを感光して用いており,アナログ方式だった。デジタル化はされていない。そのため,解像度はかなり高いようだった。一方で,撮影時間は,核燃料のケースで8分程度ということなので,トモグラフィなどはちょっと難しそうだ。しかし,テクニシャンは,かなり熱い方で,コンクリート実験にもぜひ使うべきだ,という意見をもらった。まあ,実際は難しいと思うけれども,ぜひ,提案をいろいろしていただきたい,ということを伝えた。
これらは,ここ半年程度は余裕があるので,こちらでも検討を深めたいと思う。
滞在2日だったが,ビジョンの共有ができたこと,それぞれの責任者が明確になり,連絡を密にとれる体制を構築できたことは大きな成果だった。やはり,メールではなくて会わないとダメだな。
というわけで,今にいたるわけだが,残念ながら飛行機の状況がわるくてヘルシンキに2時間以上足止めが確定してしまった。やれやれ。午前中に家に帰られるとおもったのにな。
11月23-25日
現在,ノルウェー,というか,帰りのフライト中によったヘルシンキ。
来年以降実施予定のコンクリートの中性子照射実験の研究打ち合わせのため,ノルウェーのHaldenおよびKjellerのIFEに行った。初日は,rig(試験体を格納して,原子炉内に設置するコンテナのこと)の設計者や原子炉実験の専門家と,当方の研究計画および想定する結果,および測定中注意しなくてはいけないことなどの情報提供を行って,また,rigの設計図をもとに起こりうる問題について,片っ端から議論した。
想定しうる実験の失敗局面などをリスト化することは,今回の実験実施上,かなり重要な思考実験で,おかげでこちらのスペックがよく相手に伝わった。
詳細を詰めるためには,さらに設計用データを相手に渡す必要がでてきたので,結局,最終決定にはいたらなかったけれども。
その後,Halden原子炉の方に訪問させていただき,研究用原子炉の見学を行った。私は研究用原子炉に訪れたのは,JRR-3以外では初。こちらは商用原子炉のためのあらゆる実験ができるようになっており,多くの実験設備および技術者の数に圧倒された。
ノルウェーは,水力発電で国の電力のほとんどをまかなっているため,商用原子炉は持っていない。しかし,これだけのスタッフを将来の技術オプションとして確保している,ということに文化の厚さを感じさせられた。
近年は,電力が自由化されたため,逆に売電することが多くなって周囲の国の電力需要に従って電力価格が上がってしまったらしい。一般家庭では,暖房用に暖炉を作ることなどが最近流行しているということだった。
電力自由化は,国民という単位でみたときのメリット,デメリットはよく考えた方がよさそうだ。他国と電力融通できない国ではあるけれども,電力価格は上がりそう,ということだけは確率が高そうだ。
来年以降実施予定のコンクリートの中性子照射実験の研究打ち合わせのため,ノルウェーのHaldenおよびKjellerのIFEに行った。初日は,rig(試験体を格納して,原子炉内に設置するコンテナのこと)の設計者や原子炉実験の専門家と,当方の研究計画および想定する結果,および測定中注意しなくてはいけないことなどの情報提供を行って,また,rigの設計図をもとに起こりうる問題について,片っ端から議論した。
想定しうる実験の失敗局面などをリスト化することは,今回の実験実施上,かなり重要な思考実験で,おかげでこちらのスペックがよく相手に伝わった。
詳細を詰めるためには,さらに設計用データを相手に渡す必要がでてきたので,結局,最終決定にはいたらなかったけれども。
その後,Halden原子炉の方に訪問させていただき,研究用原子炉の見学を行った。私は研究用原子炉に訪れたのは,JRR-3以外では初。こちらは商用原子炉のためのあらゆる実験ができるようになっており,多くの実験設備および技術者の数に圧倒された。
ノルウェーは,水力発電で国の電力のほとんどをまかなっているため,商用原子炉は持っていない。しかし,これだけのスタッフを将来の技術オプションとして確保している,ということに文化の厚さを感じさせられた。
近年は,電力が自由化されたため,逆に売電することが多くなって周囲の国の電力需要に従って電力価格が上がってしまったらしい。一般家庭では,暖房用に暖炉を作ることなどが最近流行しているということだった。
電力自由化は,国民という単位でみたときのメリット,デメリットはよく考えた方がよさそうだ。他国と電力融通できない国ではあるけれども,電力価格は上がりそう,ということだけは確率が高そうだ。
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