8/17/2014

7月24-25日 一宮市役所

一宮市役所は、昭和5年に建築された愛知県で最初のRC造です。残念ながら、改築ということになり、先月に解体が開始されました。清水建設さんのご厚意で、この建築物の分析をさせていただくチャンスをいただいたので、コア抜きをして強度分布や含水率分布を取らせていただくことにいたしました。

もちろん、これは、現在持っている予測コードの検証に使われるだけでなく、近い将来に実施されるであろう、某プロジェクトに関する布石でもあります。

併せて昭和38年の部材もコア抜きさせていただきましたが、こちらの方が完全に低強度コンクリートでした。

現在、修士の伊藤君が分析を実施しており、近々とりまとめができる予定です。チラっと見ましたが、含水率分布はすばらしい精度でとれています。本当ですか、っていうくらい。
強度のばらつきはそこそこありましたが、それでも、傾向があるので、高経年評価にも応用可能なデータになっています。
どこかで発表していこうかと思います。

近況など 7月18日 ASR-JCIシンポ

油断すると、すぐ1ヶ月です。やれやれ。
この間のことを少し書いてみます。

7月18日は、JCIのアルコツのシンポジウムがあったので参加してきました。先日の方向のように原子力分野では、コンクリートのアルカリシリカ反応がホットな話題となっており、特に、発症リスクの同定と、発症後の維持管理をどのようにしていくか、ということの手法論の構築が目下の課題点です。

原子力で特に日本の構造物を対象とした場合には、水分供給が塗装、室内条件といったことから限定的なので、急激な膨張は考えにくいことから、どのようなモニタリングでどのように性能検証をすすめていくかという議論が必要です。

伊方原発の事例は世界に類をみない手法であるので、世界に認知されるものであるとともに、引き続きの部材のデータについて、詳細な検討、手法論の検証などに展開されることが期待されます。

そういった観点でシンポジウムを拝見していましたが、どちらかというと新工事のための骨材選定のあり方、という従来的観点の視点のとりまとめに偏っていたので、残念でした。少し、構造的観点の評価がありましたが、時間軸をどう考えるのか、性能評価をどう考えるか、という観点のコメントは少なかったように思います。

原子力と言葉の使い方も違うので、Aging Managementとしてどう考えるか、ということが別途取り扱われるとよいかな、と思ったという次第です。

7/12/2014

JCIが終わりました。

今年は、学内関係のさまざまな委員会の役職を拝命している関係で、JCIは残念ながら参加できませんでした。CD-ROMで、タイトルを概観し、興味あるものは流し読みをしました。編集委員でもあったので、おおよそのものは理解できているのではと思います。議論に参加できなかったのは残念でした。

今回のJCI年次大会では、以下のような論文を発表しました。それぞれの要点についても記載しましたので、もし、ご興味があればご確認いただけたらと思います。

[1079]コンクリート中の粗骨材が拘束試験体のひび割れに及ぼす影響についての解析的検討、
篠野宏, 丸山一平, 中村光

7/05/2014

OECD-RILEM Meeting 6/30 とか

6月30日にWashington D.C. で催された、OECD-RILEMのミーティングに出席しました。RILEMに新しいTC、”Technical committee on prognosis of deterioration and loss of serviceability in structures affected by alkali-silica reaction”ができ、そこのメンバーになったからです。

そもそも、ASR研究はほどんとやってきてなくて、照射研究の膨張挙動のAnalogとして実験を少ししていたくらいで、十分な知見はありません。体積変化による構造挙動評価とか、ジェネラルな問題であればそれなりに知見はあるのと、建築ではASRを取り扱っている人間がいないことを考え、さらに原子力では重要な問題になってきているのでメンバーになることを、山田さんの推薦を経て決意しました。

6/29/2014

最近の公開された論文について

最近,いくつか,論文がパブリッシュされました。
英文の論文は,なかなかアクセスしにくい部分もあるので,ここでアピールさせていただこうと思います。

Microstructural and bulk property changes in hardened cement paste during the first drying process (Research Gate Link)
I. Maruyama, Y. Nishioka, G. Igarashi, K. Matsui
Cement and Concrete Research,  01/2014; 58:20–34.


この論文は,セメントペーストのC-S-Hが,多孔性とコロイド性の両方があるということを定量的に示したはじめての論文といえます。特に,セメントペーストの強度が,C-S-Hの変質にもとづき数倍(0.5~3倍)まで容易に変化することを示し,これを微細空隙から説明した点が新しいと考えています。また,収縮メカニズムを考える上で,いつも悩ましいのが,C-S-Hの長期的な変質と脱水による収縮量の分離ですが,世界で初めて,長期的な長さ変化等温線と短期的な長さ変化等温線を比較するという手法を提案し,収縮メカニズムを明らかにした,という形にもなっています。


6/28/2014

JCI 封じ込めシンポ

25日にJCIの放射性物質の封じ込めに関するシンポに参加しました。私は委員でもありました。
終了後の懇親会でも話題になったのですが,委員会立ち上げ当初,本当に2年後に報告書が役に立つのだろうか,という状態でしたが,福島は残念なことですが,あまり進展していないように見えます。多くの案が出されていても,プロジェクト全体の合理性,柔軟性,経済性などがうまく判断されていないように見えます。

これは,マスコミによる情報偏向,個別の感情の問題なのかもしれませんが,技術論としてだけでも,合理的にはみえないような判断が多くなされており,結果として,進展がゆっくりとしたものになっているように見受けられます。