11/27/2009

米本昌平氏

先日のGCOEシンポで米本昌平氏の講演があり,環境政策と国際政治という内容で,時間が少なくて全部を伺うことができなかった。非常に残念であった。
基本的に冷戦構造がなくなった後で,世界が政治の枠組みとして環境問題というものが必要であったという考察で,冷戦・核という見えにくい不安と環境というやはり想像しにくい不安の対応ということにおいて合点がいくところが多かった。
最近のブッシュ外交における環境政策の再定義の問題まで話が到達しなかったのは残念だった。
気になったので,
地球環境問題とは何か (岩波新書)
を早速購入して読んだ。

これは,なんというか環境問題といううわっつらの話だけでない,生々しいところが書かれているので,物事を多角的に読む上では,ぜひ,学生には読んでもらいたい。

ついでに,Amazonで購入したときにお勧めされてしまったので,「独学の時代」という氏の考えが書かれたものも読んだが,実は先日書いたような,大学の再定義,あるいは建築学の再定義というのは大学紛争時代の問題であるということに気づかされた。
米本氏の大学・アカデミズム批判というのは大変に強烈で,教員をやらせてもらっている身にはちょっとこたえた。
が,疑問として当然であるところが明快に書かれていた点について,個人的にはすっきりもした。

考え続けることが大事だな,というぬるい考察で今日はおわる。

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