8/17/2009

最近の読書



気づけば,最近,結構本を読んでいるのだが,紹介ができなかった。
まず,一つめ。「天才」。IQ信仰以降の「天才学」が対象でいかにして環境が人をつくるか,ついて言及したもの。いわゆる成功となるためにはどういった環境が必要だったか,という点が個別から体系化へのステップを踏んで記載されている。
習熟には1万時間が必要,ソーシャルスキルは家庭ではぐくまれる,時代的タイミングの問題,等々がかかれているが,いずれもしっくりくる内容。
なんというか,子供も出来たことを踏まえたり,あるいは,自分を振り返ったりしながら読むと面白いです。





ホリエモンのブログで知った本。竹中平蔵のアメリカべったり政策は,時として選択的に利益が生じたりしたし,本当の公益とは何か,という議論がとりのこされていたりしたので,かならずしも評価されていない。一方,どんな議論にも客観的な事実にもとづき,反論するさま,また,頭の回転の速さは目を見張る。テレビに出てくる噂だけを拾ってコメントする人たちとは,そりゃあたりまえだが,全然違っていて,それなりの情報がある。
と,そんな考えを抱いたときに読んだ本。非常に原理的に社会・お金について記載してあって,学生には是非読んでもらいたい。工学をやるのなら,お金のことも考えないと駄目です。教育も研究もお金がかかるし,お金をかけたらそれだけの生産性を示さないといけない。それが社会的責任。
選挙の前に一人でも,学生が読んでくれたら,と思う。




これ,前にも紹介したかな?
読み直してもそれなりの発見がある。統計上の有意,ということがこれだけの情報戦になったときにいかに重要か,ということが示される。「天才」に示される結果が直感的なもののうらづけであるのにたいして,ここでは,超大量のデータがいかに直感とは独立の結果をもたらすかを示す。
結構,研究についての立ち位置もこれで,少し動いたかもしれない。

8/09/2009

HDD

JCI札幌で、ポータブルHDDを紛失して顔面蒼白になりました。結局、落とし物で届いていて、本当にありがたかった。

その後、セキュアなHDDを探していたのですが、FujitsuのHandyというHDDが、最近新しいソフトを導入していることを知って、購入しました。
これは、あらかじめアプリをインストールしたPCでないと、USBのHDDが認識されません。
紛失した場合は、機械的に認識をオフにしているので、取得者は結局分解して中の円盤から読みとらないと、復元はできないということのようです。

これは、結構安心な機能で、大変満足しています。

収縮理論

今月号に収縮理論の論文が掲載された。
いろいろ反響のメールをいただいて、ありがたいことです。
お読み頂いた皆様ありがとうございます。

なんで、こういった形の式に成ったかは個人的にすっきりしていない部分や、未解明な部分もある。
ようは、ある平衡状態で、含水率と比表面積と弾性率がわかっているとひずみは一意に定まるよ、ということがいいたかったわけです。

体積含水率は、比表面積および吸着厚さの関数なので、本当は相対湿度の関数になるのかもしれない。
体積を変化させる分離圧と水分を移動させる化学ポテンシャルがなぜ同一にならないのか、は疑問ののこるところである。多田さんにご指摘いただいたように、Derjaguinの言っている分離圧を変化させるなにかの作用素が変化して、分離圧自体が変化するメカニズムがありうるという形の立式も可能だったかもしれない。その点については勉強不足だったし、ヒステリシスの部分のデータが不十分であるので、現在、さまざまなヒステリシスループのデータを取得している。


今から考えると、もっと良い書き方があったように思うし、式の形ももっとわかりやすいものがあったように思う。分離圧を差分として支配方程式に組み込むかどうか、は最後まで悩みました。ただ、平衡状態を基準として立式されるという前提にたてば、分離圧は差分でなくてもよかった。一方、水-表面間に作用する分離圧のユニバーサルな式と、それを用いてセメント硬化体に組み込む場合には差分形式になるということは補足すべき事項だったと思います。
英文化の際には、もっと洗練したものにしようと思います。

私はセメント硬化体のように様々な空隙が多様に分布しており、吸着水が基本的に連続的になるような硬化体においてインクボトル効果というものが存在するとは考えていません。
吸着のヒステリシス挙動を説明するための別の仮説はまだ、2,3は存在します。近々にどこかに仮説だけは言おうと思います。立証は難しいんですが、J-PARKの力があれば可能と思っています。

8/01/2009

7/27~7/31

7/27 研究室ゼミ 大分方針が決まった。Iさんの実験がどうもうまくいかない。なかなか苦労の産物である。寺本の温度履歴条件下のひずみ測定は,相変わらず綺麗なデータが出る。M1諸君の今後の実験については,来年の実験棟改築と新規購入装置との兼ね合いで,多少,方向性変更がありうるかな。

7/28 333委員会に出席予定だったが,残念なことに出席できなかった。本当に2連泊で東京の予定だったのだが,急遽学内会議。

7/29 午前中にランドマークの委員会。反省会,今後,どうやってオフィシャルにしていくか,等々の打ち合わせ。午後は,テクストの多田さんのところに収縮理論についてのディスカッションのために訪問させていただいた。
・構成則の理論性 →従来理論の延長から入っているので,不明瞭なところがある。
・比表面積の算定 →吸着,脱着(脱離)のどちらでやるかは考えどころである。一般的には脱離でやることが多いとのこと。たしかに105度乾燥させると疎水化した上での吸着挙動になるので,比表面積は小さくなる。脱離側とで比較すると大体ポルトランド系列で1.2倍程度,高炉では1.5倍程度になる。
英語論文化の時には,検討しないといけない。脱離側もとっておいて良かった。そういえば超高強度の実験についても,両者で比較しないといけない。温度履歴の影響などがでてくるかも。
あるいは,C-S-Hの量がわかったりするかもしれない。


7/30 午前中はAIJの中性子委員会。大分,文章が上がってきたので格好になりそう。後は,最終の講演会での人集めかな。でも,結構おもしろいと思いますよ。実用とか抜きにして。

7/31 本日,秘書および日比野助教が退職された。3年,あるいは2年半,お疲れさまでした。
強力なメンバーを失ったので,しばらくきつそうです。