12/30/2013

2013年を振り返って

毎年,年の瀬は一年を振り返るどころか,正月にどういった報告書のパーツを仕上げておくかとか,東京でどこに挨拶にいくかとか,忘年会で取り過ぎたカロリーをどこで落とそうかとか,いろいろ考えているとあっという間に終わってしまう。今年は昨年よりも東京出張の回数を少なくなるよう仕事の最適化をはかったが,それでも週1.5回くらいは東京に行っていた。これは,通常の委員会仕事というよりは,国のプロジェクトに参加させてもらったり,各種の受託研究の内容が高度でさまざまな人と共同で仕事をしなくてはいけない部分が多いことによる。多分,AIJやJCIの委員会は,昨年よりは少なくなっているのではないかと思う。

11/24/2013

東京での講演会

21日は,東大生産研で岸先生の研究会で講演させていただく機会を得ました。なにを喋っても良いということでしたので,最近の研究を好き放題講演させていただきました。
内容的には,ここ3,4年やってきたもので1,2年の間に対外発表したもので,セメントペーストの処女乾燥化の変質とそれがコンクリートの諸物性にどのように影響するかというものです。コンクリートの物性というのはマトリクスであるセメントペーストの変質と,骨材とペースト部分の体積変化ギャップによって生ずる損傷から説明できるという流れで解説しています。コンクリートの強度等はAIJの大会に少し公表しましたが,多くは現在ACIに投稿中のものだったので,handoutへのデータ公開が出来ませんでした。


質問をいくつかいただきました。今日はその一つについて少し詳細に意見を述べたいと思います。


コンクリートの健全性評価について

もはや,11月です。これから駆け足で,いろいろなことが進んでいきます。

11月8日は,あるプロジェクトの総括検討会でした。コンクリートに関わる問題では,原発の40年運転延長におけるコンクリート構造物の評価が話題になりました。コンクリート構造物は,取り替え不可能なものであるので,徹底的に健全性を評価しなくてはいけないというスタンスを規制庁は打ち出しましたが,その手法があらゆる箇所からコア抜きをするというものになっています。


10/30/2013

10月30日 その1

最近、よく更新しているじゃん、と思ったらもう、このていたらくです。毎年、10月から2月までは、各種報告書のためのデータ取得と解析をしこしこやっていて、あまり、自由奔放な考えができず、頭がやや堅めです。学生さんと話をするのが楽しい。

実験や解析も失敗がディスカッションして楽しいのですが、報告書が目前にあるとそうもいってられなくて、こういうのも善し悪しだな、と思います。

10月頭は、ノルウェーにいってきました。実験の進捗を確認しに。これって書いたっけ?ああ、書いてなかった。コンクリートを原子炉の中にいれて、その後圧縮試験、という1行で済むような実験では有るのですが、原子炉の中のコンクリートにはいろいろ生じていて、ビックリ。
いや、びっくりっていっちゃだめで、かなりいろいろ想定していて、こういうこともあるから、ちゃんとしてねっていってあったのにうまくいかない事もあって・・・。こっちでは予備実験もして、データまで見せたのに。

というわけで、走りながら、軌道修正というつらい状況にあります。心休まらない。
まあ、最低限のデータはかならずとれるようにセットアップしてあるのですが、最大のパフォーマンスを引き出すのが私の役割なわけで、なんとかしたいと思います。


今月は、湿度制御型TGが導入されました。湿度発生器は、旧Bruker、現ネッチェの製品です。QuanterqromeのAquadyneという装置が質量型吸着等温測定装置として保有していましたが、水の注ぎ足しができないので、超長期測定ができず、高温・高湿度領域のデータに不満がありました。
ノズル式の分流法による湿度発生装置は、圧力制御の観点から水の追加が難しいらしいのですが、水頭差を用いた制御でうまくいくようになっていて、こちらは理論上は無限に長い測定が可能です。TMAと測定温度範囲が異なってしまうのですが、それでも有用な試験機になりそうで、重要なデータが今後、出てくるでしょう。TMAと両者が同時に測定できるというのも重要で、これで、10年来の装置が整備されました。
今後は、収縮メカニズムについて、よりマニアックな研究ができますし、骨材・粘土鉱物関係にもこれらの研究は展開する予定です。

粘土鉱物関係ということでは、砂岩系骨材についてセメギで発表しましたが、これを、より詳細にとりまとめました。地球化学的に間違ったことを記載してはいけないので、全体レビューを博物館の吉田英一先生にお願いし、連名になっていただきました。新しい方向性の研究の一軸として、海外投稿を11月中にはしたいと考えています。

一方、ACIに投稿した画像相関法論文については、リジェクトされました。海外投稿の査読は、いままで大抵、自分が反省させられる良い指摘だったのですが、今回は、査読がたらいまわしにされ、6名のコメントが帰ってきましたが、到底、納得できる理由ではありませんでした。まあ、ACIむきじゃなかったということなのかもしれません。もう少しブラッシュアップして他所に投稿しようかと思います。

現在、セメント硬化体の物性関係の論文をとりまとめているところです。少し廻りを見回すと、もう少し、英文でとりまとめておいた方が良いデータが、いくつかあることに気づきました。年内、もう、数本かければよいかな、と思います。

現状の戦況:
MAAS 超高強度      → 査読中
ACI DIC           → リジェクト →再投稿用準備
CCR HCP-変質      → 査読中 R2
ACI コンクリート熱・乾燥 → 査読中
ACI 骨材 来月投稿?
ACT 硬化体物性 来月投稿?




9/23/2013

連休

イタリア出張で9月のはじめの3連休がつぶれてしまったので,2回めの3連休は,子供と過ごすことにした。

初日は,伊賀に行ってみた。2歳時が忍者を理解するとはおもっていないが,4歳時ならそろそろ興味をもつだろうかと思って。

伊賀・甲賀,どちらでもよかったのだけれど,なんとなくウェブのヒット率から判断して伊賀にいってみた。忍者屋敷のからくりとか,忍者ショー,は子供は甚く感動したらしい。帰りの自動車の中では,ずっと口でチャンバラをやっていた。

イタリア出張 その2

震災に関連するものでは,組積造のモニタリングなどに参加させてもらい,ああだこうだと議論してきた。フィールドでの議論は,その場で頭のフル回転させること,その場に多種多様な人の考え方があることで,本当に勉強になる。

イタリアの調査チームは,構造,RC,材料で,それらの分野もかなり広い領域で網羅されているので,補完関係にあって,非常に良く出来たチームだと思う。いつも,勉強させてもらっている。

さて,イタリア調査の後半では,ベネチアのブラーノの塔屋およびそこでのレンガの劣化について調査した。ブラーノには地震がわるわけではなく,人工地盤の上の塔がただ傾いて,それは進行しているのか,あるいは修正の必要があるのかどうかを議論する課題だが,それとともに沿岸部にある構造物なのでさまざまな劣化をみて,材料的にそれを勉強しようというものである。

イタリア出張

ラクイラの復興について考えたこと

○復興のスピード,その順序,原理
ラクイラの復興は非常に遅い。東北地方との比較で考えれば雲泥の差である。2013年9月時点において復興が決まったものは,中心市街地における公共建物,特に,市庁舎,教会,大学関連施設,その他の公共施設である。個人の住宅は,手がついていない。
かれらの復興は,必ずしも,現状復帰ではない。中心部で必要不可欠な部分をまずなおし,その上で,経済の回転とともに,市場原理に則り,必要部分から手を入れることを期待しているようだ。
これは,すぐに現状復帰原則にもとづいて元に戻したとしても,失われた人,秩序,活気は元に戻らないと考えていないことを意味する。新しい復興には,その場で生じる経済の活動の動きが必要と考えており,それにのっとる復興は,時間はかかるが,継続的であるという点で至極まっとうな考えのように思われる。


9/01/2013

AIJ大会

日本建築学会大会に参加してきました。今年は,木曜,月曜日に学内の重要会議があるために初日入り,最終日出,でした。北海道なのに。札幌なのに。あんまりです。

8/29/2013

8/4~8/29

月一ベースになってきました。書きたいことは結構あるんですが,どうも,素直にいろいろ記載するのに抵抗が出てきました。そんなブログに意味があるのか,という意見もありそうです。

さて,この間も波瀾万丈でした。ブログ上で大きかったのは,エルゼビアの契約問題についてスラッシュドットにリンクされたのでびっくりするくらいアクセスがあってなんじゃこりゃ,と思いました。なるほど大手サイトと関連するとこういうインパクトがあるのかと,奥の間であるはずの本ブログが表玄関にでちゃった感じで困惑しました。

大分沈静化してきたので,粛々とささやく日常にもどりたいかと。

8/05/2013

7/29~8/3

この期間は,海外出張でした。前半はオークリッジ国立研究所に,後半はボストンでの国際会議に出席してきました。

米国および関連諸国で実施されている放射線がコンクリートに及ぼす影響に関する研究動向について伺ってきましたが,あちらでは廃炉をベースに実験を実施する方向で検討がすすんでいます。チェコ工科大は,施設的にも研究上の経験的にもトップランナーですが,そこでの実験を中心的に進めている様子がわかりました。

コンクリートは,地産地消,さまざまな材料が利用されるので,平均化したデータというのはあまり意味がありません。結局は,遠回りのようであっても科学的立場での知見の集約が必要と考えています。日本側は,この方針にのっとり研究をすすめており,相互の知見交換は極めて相互補完的であり,安全評価の確立の上でも大きな実を作り出します。

今後は,US-JAPANでの知見交換会を拡大し,本研究分野を実施している各国の研究者が行う実質的な会合を半年に一回実施するという方向で,検討を進めることになりました。日本のプレゼンスはさまざまな部分で落ちつつありますが,コンクリート分野では引き続き,プレゼンスを示していけたらと思います。

7/21~7/28

7月22日
AIJの第二次提言と大会総合研究協議会に関する会合に,代理で出席しました。放射性物質の汚染と建築に関する問題に関して,報告書をとりまとめましたが,それと併せて材料施工委員会としての提言をとりまとめました。
このあたり,どういう方向性かという問題もあるのですが,科学技術的に問題を解決するというスタンスで望みたいと思っています。

その後,翌週に計画された海外出張のための打ち合わせを行いました。前期としては異例の忙しさで打ち合わせが入っているなあと実感しました。

23日
午前は,東京都市大におじゃましました。最寄り駅からあんなに離れているとは思わなかったよ・・・。友人宅があったので,学生のころは駅には時々行っていたんですが。
実験室などを見させてもらいました。
その後,大学に戻り,ゼミと授業,その後また,東京に出ました。
多田博士と吸着やら長さ変化に関する意見交換をさせてもらいました。

24日
午前は,国プロの委員として意見を申し上げてきました。今まで,SAはマネジメント対応ということと理解していましたが,今後は,設計としても組み込むような形で進むということが理解できました。コンクリート工学上は,いくつか明解にすべき課題があることがわかりました。

大学に戻った後,夕刻にゼネコン技研の後輩が訪ねて来てくれました。民間の大型研究について意見を述べました。大金をかけるのであれば,既往文献の精査,トップリサーチャーに対するヒアリング,実験パラメータの吟味などに1,2年はかけてもらいたいと思います。現状,コンクリート工学で新しいデータを確実にとるためには,それくらいのスタディが必要です。一度波にのれば,そんなに苦労することは無いですが,なにもないところから始めると,それなりの先行投資が必要です。

25日
午前中にも名大で同様の打ち合わせがありました。自分の研究テーマも含めると,おおよそ20弱の実験を見ていることになります。おかげさまで,知識はここ数年で飛躍的に伸びましたし,自分の直感力についてはかなり自信が持てるようになりました。足下すくわれないように謙虚じゃ無いと,コンクリートは正体を見せてくれない,ということも。

教室会議,50周年関連会議のあと,土木の中村先生のところと飲み会を実施しました。2年ほどまえまではかなり頻繁に実施していたのですが,最近ご無沙汰でした。加えて,国枝先生,上田先生が出て行ってしまい,人も変わってきたので,再度やりましょう,ということで。
本音がでる飲み会というのは楽しいです。

26日
午前,午後と学内の重要な会議でした。私自身はあまり活性化しませんでしたが・・・。
夕刻は,学生実験の打ち上げで3年生も含めて皆で飲みました。今年は(も?),マジシャンがいたり,うちの助教がはしゃぎすぎたりで,そこそこ盛り上がりました。


7/21/2013

6/15~7/20 メモ

気づいたら,もう,ひと月でした。本来ですと,前期は授業が比較的少ないので,いろいろ後半に備えて戦略を考えたりするわけですが,もう,トップスピードで打ち合わせも9月末くらいまで,ほぼ,フルに近い状態で入ってしまっております。今年は,ASME+ORNL,イタリア重要構造物調査,チェジュ島の母校OBとの交流会,IFE-Norwayの出張がすでに決まっていて,その他に,あと,1,2件,海外にいかないといけないかもしれません。

一方,学内のいくつかの表に出てこないプロジェクトに組み込まれたので,それもスケジュールがパンパンです。

さて,メモ程度に。6月17日から。

6/15/2013

6月2日~6月15日

6月3日は、急遽入った大学の打ち合わせで、JCI委員会には出席できませんでした。


グローバル人材

FBの方に書いたのですが、見回してみると違和感を感じている人は思ったより多く、これなら、いずれは大丈夫かな、とも思いますが私の所属している大学は、少し横道にいってしまうかもしれないなあと。

まず、グローバル人材というものの定義をしっかりしましょう。名前はなんとなく、ほんわかついていますが、何が目的なんでしょうか。あるいは何が出来る人がグローバル人材なんでしょうか。
英語ができる人なら、バイリンガルで十分ですよね。

国際的に活躍するにしても、日本企業でない企業で活躍できる人でしょうか。日本のために、日本企業を海外で活躍させることができる人でしょうか、それとも海外で新しく起業できる人でしょうか。
最近の文部科学省の方向性は、安倍首相のとりまきが経団連でることもあるからかもしれませんが、大学においてもなんだか、職業訓練所になってくださいというような要望が多くて愕然とします。


6/01/2013

5月27日~6月1日

今週は、飲み会がやや多かったです。

月曜日は国際会議で司会をしたあと、研究打ち合わせを別所で行い、その後に大学のときの同窓生と最近の情報交換をしました。
木曜日には、東大のI先生の研究室と研究交流会をしました。久しぶりに1日時間をつかって研究にだけ頭をつかったので、非常に爽快感がありました。現状の考え方など問題意識などが共有できましたが、存外、同じような問題意識の点が多く、ディスカッションが非常に有意義でした。
金曜日は、地元の企業と共同研究の打ち合わせをしました。非常に面白い傾向がでてきたので、次のステップとしてのメカニズム解明のための基礎研究の方向性が定まりました。

黄表紙の7月号掲載の論文は、ケイ酸カルシウム板の劣化についてです。非構造部材の耐震性が問題となっていますが、想定していない利用環境で大きく留めつけ強度が劣化する場合があるので、その問題点を指摘したものです。トヨタスタジアムのプールの天井板落下事故の採取品を細かく分析した結果と留めつけ強度を論じたものなので、案外、面白い(ただし専門家としては当たり前の)結果が出ています。谷川先生と初の共著論文です。

事故関係では、今後、アンカーとか定着の問題をなんらかやっていきたいと考えています。個人的に、某トンネルの報告書には、質問したい点がいくつかあります。今後、関連業界の出す指針類に注目です。

今週は、さらにCCRにリベンジ論文を投稿しました。セメントのC-S-Hの変質とペーストの物性変化を論じたもので、包括的データとしての価値は高いと自己評価していますが、C-S-H変質部分には、若干、噛み付かれる余地があるかと思います。査読者とディスカッションできる余地があるとよいのだけれども。

次は、ACIに骨材とひび割れの論文をとりまとめたいと考えています。SI単位系とヤード・ポンド単位系の両論併記なのがやや、面倒くさいですねぇ。

5/29/2013

気づいたこと

全然,こちらに書くことができず,日々が過ぎております。その間,年とったんかなあ,と思って気づいたことなど。

・新幹線での内職が辛くなりました。新幹線が揺れているんだと思ったんだけれど、子供とボール遊びをしていて気づきましたが、自分の目のブレ補正機能が低下していました。あきらかに目の周囲の筋力低下なので、なにか検討しようと思います。子供とサッカーするのも大事かも?

・ビールは、モルツ、一番搾り、ヱビスなどが好きだったんですが、最近、これらのビールを甘く感じるようになってきました。ドライとか、黒生ってなにがいいんだろうと学生の頃おもっていたんですが、結局、そういう味覚になるんだ、とびっくりです。ビールがある日突然美味しくなった日と同じくらいびっくりしました。

・単調な日常を繰り返すと夢を見なくなる、という脳学者の本を読んでから、自分の夢について、メモを取るようにしてきたんだけど、最近のトレンドを捉えると、子供と遊んだ日と、知らない人とコミュニケーションをとった夜に、夢を見ることが明らかになりました。自分にとっての苦手な刺激がいかに大事か、ということがわかりました。(子供と遊ぶのは苦手ではないんですが、びっくりするくらい、つかれて仕事が夜に出来ないことが多い。)研究については、あと2,3年は忙しいと思うのですが、そろそろ違った研究・フィールドを探そうと思います。

気づいたら、今年は研究職について11年目でした。

3/31/2013

戯言

まあ,こんなところに書くことでもないのかもしれないんですが,最近,組織と人とか人と人っていうもので悩ましいことがいくつかあって,ああもう,これが大人なんですか,ああそうですか,というような事になっておりまして。戯言をオープンにするというのは,大人のマナーかどうかよくわかりませんが,こういうのもたまにはありかな,とおもって徒然書いてみたいとおもふ。


3/13/2013

近況

またもやあっというまに1ヶ月。

2月15日は、関連プロジェクトの総括検討会で東京出張でした。理解できたのは、想定することと(工学的)設計事象とは区別するという点だ。
設計は、たしかに外力を仮定する以上、外力以上のものを定量的に評価しようというのは、かなり難しい行為だ。特に建築物のようなものは。


2/10/2013

休暇と教育

2月末までにはなかなかいろいろ立て込んではおりますが,そうはいっても家庭は家庭でほっておくわけにもいかなく,また,子供の成長は確実に親が手をかけただけ成長することは間違いがないので,昨日は切り替えて休日を過ごしました。


2/05/2013

圧縮強度

なにかと問題になる圧縮強度ですが,我々もついにコンクリート物性全般に研究が拡大してきました。セメントペーストはかなりの部分わかってきたこともあり,コンクリート工学にもっていくには骨材との相互作用,そのあとのコンクリート物性評価が,やっぱりもとめられているところであります。

2/03/2013

研究近況


昨年度は、久しぶりに、研究面ではかがむ年でした。かなり重要な知見がぼろぼろとでてきたわけですが、その再現性確認試験を実施したり、別角度からの新しい分析にチャレンジするなどして、かなり研究技術的には飛躍の年でした。年末にラファージュの中央研究所で意見交換をしたほか、国内でも理学系の先生などと意見交換をするなどして、今回の研究がかなり良い線にいっている、ということを確認しました。
どこに論文投稿するかも悩みのたねで、結局、海外で直接勝負することにしました。コンクリート以外の人の意見も聞いてみたいような気もしたので。
ダイジェスト版については、セメント技術大会で5編、投稿しました。是非、いろいろ議論させていただければと思います。

乾燥、加熱、物性、メカニズム、アトミックスケール、ナノスケール、あたりがキーワードになります。

試験


1月は、試験のシーズンでもあります。今年もセンター試験の監督をしました。あの極度の緊張感はぜひ、みなさまにもしっていただきたいと思います。


既存不適格


例年1月から3月は、本当に忙しくて、周りを振り向く余力がなくなるのですが、びっくりすることに今年はすでに1ヶ月たってしまっておりました。恐るべしです。
1月に入って、一つ国の関連のお仕事に呼ばれて、出来る範囲で貢献をしています。

どこの分野でも難しいのですが、既存不適格の問題です。新しい技術があるのですから、安全・安心を確保すべきという観点では、間違いなく最新の知見、技術を用いて基準類は高度化すべきです。
一方で、難しいのは既存不適格で、この不適格が不安を生じさせるからとか、修正ができないからといって、逆に高度化を阻む慣性力が生じます。これは、日本独特の官僚文化によるものなのか、なんなのかわかりませんが、欧米でこういった問題は生じません。
原発の場合の安全強化も同じフレームワークで高度化が阻止されたことが民間の自己調査委員会で指摘されていますが、これはどうも、日本全般に渡って生じているもののようです。


1/08/2013