9/26/2010

教育 動向

http://jp.techcrunch.com/archives/20100919the-global-education-race/

だいぶん,こういうのが常識として普及しはじめましたねえ。
断固として,耳をふさいでいる教員も多くいますが。

9/25/2010

新しい試験体




近況ですが,新しい試験装置が導入されて,厚さ500μmのセメント硬化体の試験体が作製できるようになりました。
目標は300μmなんですが・・・。
いろいろ夢がふくらみます。

いやあ

こじれると戦争になっちゃうかもしれないなあ・・・。
国,というのを見直していかないと,本当に漂流してしまうなあ。

9/16/2010

AIJ大会 質疑補足

AIJ大会の最終日、丸山セッションと揶揄されるセッションがありました。私は参加できなかったのですが、うちの研究がなぜかそこに集約されていた・・・。

学生からあげられた質疑の結果に対して、私がコメントを追加しました。


○爆裂に関する研究

質問1 
実際のコンクリート部材にどのように応用していくか。
回答1
最終的には爆裂の解析モデルを構築することを目標としていす。
補足
今回の実験は、たとえばFEMの一要素の破壊基準に相当するものと考えており、水熱連成移動と爆裂のクライテリアから、部材中の爆裂挙動の予測ができないかどかを検討する予定。モデルとしては、空隙構造(我々の場合は水分吸着曲線)と水分移動、熱移動を考慮して、内部の化学ポテンシャルがある一定の状態になったときに破壊点が定まるというものになる。

質問2 
骨材を入れた場合、今回の実験結果がどのように変わると予想されるか。
回答2
現状確かな見解を持っておりませんので、今後の課題とさせていただきます。
補足
骨材周囲に損傷ができ、そこか水蒸気が逃げる場所になる。実際のコンクリート部材の場合には体積変化、力の釣り合い、ひび割れ-水分移動モデルの複合、という観点の考慮が必要である。
一方、爆裂は内部に水分が押し込まれる現象になるので、この損傷がどちらに重要なやくわりを果たすかは、今後、解析的に明らかになるものと思われる。


○ヤング率の含水率依存性について

質問1
引張強度はどのようになっているか。
回答1
引張強度には特に傾向が見られなかったため,今回の発表には載せませんでした。
圧縮では乾燥により強度が増加するという報告があります。
補足
今回の実験では、ユニバーサルジョイントを用いていても、破壊近傍の応力度では適切に引っ張ることができておらず、強度に多きなばらつきが見られ評価ができなかった。今後、曲げ試験を行い、評価を検討する予定である。
質問2
概念図はこれで正確か?本来の吸着水を表していないのではないか。
回答2
あくまで簡略化したものなのでこのような図としました。今後検討したいと思います。

質問3
セメント硬化体でこのようにヤング率が変化したのは引張特有のものか。圧縮ではどうなるのか。
回答3
コンクリートでは圧縮でもヤング率は低下する傾向となっています。またSeredaらのデータでも高湿度領域ではヤング率は低下する傾向が出ています。
補足
コンクリートの場合は、骨材周囲の損傷(ペーストの乾燥収縮による)が原因と考えられ、さらにヤング率の低下が認められる。


○モルタル用温度応力型枠に関する研究
質問1
試験体は、それぞれのセメントに対して1本ずつしかないのか?
回答1
それぞれのパラメータに対して試験体が2つずつあり、示したデータは2本の試験体の平均を用いている。

質問2
結局、この研究の目玉は、高炉セメントの品質を比較して、それぞれ異なると言うことが判明した、と言うことで良いか?

回答2
研究の根本的な目的としては、セメント品質を簡易評価可能な拘束型枠(拘束試験法)を提案した、と言うことになる。その上で、今回の実験では、市販とサンプル品の高炉セメントの品質を相互比較している。
補足
今回の結果は、そういうことを示している。判明というべきかどうかはわからないが、JISのセメント規格内でも相当のばらつきがあるということは、知る人にとっては認識されていた問題であると思う。高炉の混和率の違いはB種といってもかなり大きな違いが以前はあったという報告もある。
本試験はスクリーニングとか、ひび割れしにくいセメントというの簡易にチェックするような目的で開発したもので、研究の目玉としては、あくまでもそういう手法を提案したという点にあると考えている。


○セメント硬化体の水和反応と各種物性との関係に関する研究

質問1:
C-S-Hの封緘状態の結合水量は4.0ではなく2.0とした理由
回答1:
11%RH以上の結合水は水の体積と同様に扱われることが多いため,11%RHと同じ値を用い,C-S-Hに弱い拘束を受けているものの,ふるまいとしては,C-S-Hではなく,自由水として取り扱っている。
補足:
異論はあるとおもうが、これより大きな水はかなり用意に脱水し、自由水との区分は明確ではない。そのため、暫定的に11%をクライテリアとして用いている。ヒステリシスの性状や乾燥プロセス中の比表面積の研究などを追加していけば、今後あきらかになるものと考えられる。

質問2:
強度や剛性の評価として,ゲル/スペース比ではなくセメントの水和率では評価できないのですか?

回答2:
今回の検討におけるパラメータの範囲では,おおむね評価できるものと考えられますが,
今後,様々な鉱物組成のセメントで統一的な評価をする際には,セメント硬化体中の相組成に基づいたゲル/スペース比で評価を行ったほうが適当と考えております。
補足
水セメント比の違いは乗り越えられない。温度履歴の違いはおそらく無視できると考えられるが、水セメント比の違いは水和率ではうまくいかない。あくまでも単位空間あたりの水和物量という指標が重要であるという認識。ヤング率は、相組成でも評価できないという点は興味深い。他の研究者で評価できるとしているものもあるが、なぜ、うまく評価できているかに注目している。

9/11/2010

AIJ後

AIJでは,収縮・クリープのセッションを聞けるときには聞いた。9日のこと。
おそらく意図していないのだろうけど,やっぱりそうなるよね,といういいデータが2,3編でていた。
北方建築総合研究所さんの研究で,細骨材率の件は,当方も骨材寸法によって収縮に対する抵抗性が変化することのひとつの裏付けを行っていた。発表者さんの方では,別の要因に影響を求めていたけれども,たぶん,骨材寸法の影響の方が大きいと思う。

建築研究所,ベターリブングなどの実験結果が水セメント比の影響が乾燥収縮にほとんど影響が無いという点も非常に面白い点である。エーライトの反応の観点からみると良いんじゃないかな,と思っている。発表者の方もいっていたように,脱水量は異なっているのとヤング率等も違っているので,全体的なバランスの問題でもあるわけなんだけれども。

V/Sの検討もいくつかあったけれども,水分移動の観点から考えれば,寸法の絶対的な大きさの議論がかならず必要になるので,小さいところで議論しても意味がないだろう。


膨張材関係では,膨張材の収縮ひずみ換算の話が出ていた。これは厳密に議論することもできないし,膨張材の温度依存性の話もわからないので,初期に蓄えられる圧縮ひずみをその後の収縮に換算するモデルをつくって,評価する,というのがおとしどころだろう。建築ではエネルギー一定則もなりたたない部位が多いので,適当のクリープで有効ヤング率法で応力の蓄え具合を予測する方のモデル化も必要。その場合の有効ヤング率に関する係数は,鹿島の法から出ているデータで整理するか,あるいはいろんな拘束度試験の条件から逆解析して合意をとる方法があるかな。


2日目は,原子力の再生骨材の方に顔を出した。再生骨材Hのクオリティというものに興味があったので。砂利ということも考えると,かなりのメリットがあるけれども,凍結融解抵抗性が良くないというのは興味がわいた。後で聞くと,別の産地の骨材だと凍結融解抵抗性も良いらしいので,骨材由来らしいのだけれども,そもそも,凍結融解に対する骨材のクライテリアってなにかあるのかしらん,と思って調べているところ。勉強不足でした。


あとは,なんかもう,それそもそも目的がまちがっているんじゃないか,とか,目的に対してアプローチとか実験水準がまちがっているのでは?というものが多数あったけど,初っぱなで脱力して,それ以後,なにもいえなかった。でも,こういうのいってかないと,学会としてのレベルはあがっていかないよな。
特に学生さんは,自分で考えてこうなったのか,教員がそもそもまちがったのかもわからないけれども,本人には教えてあげた方がよいよなあ,と思うことがしばしば。


一方,AIJ中は,実験・研究の打ち合わせが4件程度あり,聞けないセッションも多数あったのは残念だった。もう少しディスカッションしたいような話もあったのだけれども。


帰りは,特急で一本で帰ってきました。

9/09/2010

AIJ

8日に富山入りしました。しらさぎで、延々電車にのって。
台風の心配もあったのですが、どちらかというと、社内の冷房の尋常でない効きが驚きました。こんなに冷やさなくても・・・。

富山は先月、出張で通りましたが、降りるのは初です。昔、車でも通ったことがあったっけなあ。

9/08/2010

9月初旬

気づいたら,9月になっていました・・・。

8月30日 JCI膨張委員会で,共同実験に関するうち合わせ,今後の指針の方向性などのディスカッション。共同実験ができれば,本委員会の目玉はできるんじゃないか,と思うのだが。予算の中でも落とし込みのプロセスで各位の思い込みがあるので,なかなか調整が難航。

昼に半井先生と収縮耐久性力学委員会の下うち合わせを行い,その後,蕨へ。

佐藤先生に紹介いただいた企業で,圧力系のマニアックな装置を作成できる企業で,広大のTSTMというか横型クリープ試験機も作製いただいたところであります。新しい試験装置の開発の下うち合わせに行く。
この企業の会長さんは,ポンチ絵と我々がやりたいことを伝えると図面を作ってくれるところがすばらしい。ここには書けないですが,本当にすごい技術力で,ノーベル賞級の研究の裏で,かなり,活躍していたりします。会長さんは,企業の工場などの機械を入れるときなどにも,名古屋によっていただく時に声をかけてくれたりします。飲みの場で,話せる範囲でいろんなことを教えてもらいます。

8月31日 東大で今後の研究方向性に関するディスカッションを野口先生と行う。そろそろ,次の10年から15年くらいの研究のための種まきをしていこうと思うのだけれど,全体との兼ね合いから,相談をした。ちょっと脱線気味だったけれども,いろいろインスパイアされる部分があった。

午後は,K社で某共同研究のうち合わせ。こちらも予算のタイトさから,理想的な実験ができないのだけど,なるべく,目的を網羅するパラメータの抽出作業が今後も残る。

9月1日 G-COEうち合わせ。最近,G-COEでは,理学系が主体となって活躍している部分が大きい。どうも,工学系がうまく入れていない。コーディネータや特任教員が自分の領域外に目を向けることをちょっと怠っているようにも思う。このままでは,中間評価は結構厳しいと思う。内部から見ても。

9月2日は,アルコツ関係の実験で,某さんが大学にきて,作業をする。骨材の特性がわかって非常に面白い結果が得られた。たぶん,わかる人はわかっているので,常識の範囲のデータなんだけれども,やはり,実際にそのデータを見てみると,いろんな可能性を感じる。
夜は,皆で飲む。理科大のK松先生と,名古屋の重鎮T川先生とが合流。名古屋のリーサルウェポンぶりは健在で,飲み過ぎました。自分の限界をよく知る,苦しい日になりました。やりすぎです。

9月3日 祖母が急逝。通夜,葬式の準備など。最近は火葬場がこんでいるので,結局,6日通夜,7日葬儀になる。両親と連絡をとりながら,調整。
なんというか,いろいろ胸にこみ上げるものがあるが,言葉にするのは難しい。

9月4日 一方で,最近,楽しい家族計画が大幅に変更になったので,引っ越し先の下見,車の買い換え,引っ越し手段などが目白押し。車の買い換えのために,各社を見て回ると,補助金締め切り,決算期などがかさなって,相当強引な勧誘があるが,営業でだめな人はだめだ,という見本を数名目撃し,こちらもつかれてしまった。こちらの時間,予算,パフォーマンスを考えて,最適な説明をしてほしい,というのにもかかわらず,だらだらすすめるのはいかがものか。こちらの購買意欲はみるみる減退していった。

9月5日も同様な一日。

9月6日,7日は千葉に移動。いろいろ思うところあり。両親の体調や,家族のことを考えると今後も時間をとって考える必要がある。