9/01/2013

AIJ大会

日本建築学会大会に参加してきました。今年は,木曜,月曜日に学内の重要会議があるために初日入り,最終日出,でした。北海道なのに。札幌なのに。あんまりです。



初日は,千歳空港に11時くらいにつきまして,そのまま北大へ。12時すぎ。そういえば,今日は,研究協議会に出るんだった。PPTチェックしなくちゃ,と思いつつ,スケジュール確認したら1時半からでした。ギリギリすぎて,電車の中で,声をだしてびっくりしてしまいました。
いや,飛行機とったときは気づいていたんですよ。たしか。いきなり挙動不審人物になっている自分に本当にがっかりです。
私は,放射線対策という部分で発表を行いましたが,全体的には原発というタイトルではありつつも,エネルギー問題とリンクした環境・設備部門に紛れ込んでおりまして,まったく一人浮いた説明に全体がややまとまりにかける印象に。
といいつつ,表立って,原発で本当にハード部分実施するか,というとそれはそれでおっかなびっくり部分もあるわけですから,まあ,ある意味では政治的な意味合いもあったんでしょう。

いやあ,コメンテータの先生方お二人の読み込みは,非常に素晴らしいものでした。名大のF和先生が百戦錬磨というだけあって,本当にピリっとして。また,全体もテンポよくいろんな情報が出てくるし,で,この研究協議会は本当に素晴らしかった。
残念ながら,最初と最後はいれなかったわけですが,ある種のとりまとめとして。みなさん,ぜひ,AIJの第二次提言を解説つきで読んでいただきたく。

その後,最終処分施設関係で打ち合わせを実施しました。設計の考え方,すっきりしないので私なりに考えて意見したものについて検討いただき,最終案に近いものを見させていただきましたが,これで個人的にはなっとくです。
経済性と安心のバランスというのは難しいですが,このくらいで手をうてばよいんじゃないか,というのが少し見えてきました。

夜は,翌日の発表の壮行会と,東大材料研懇親会をかけもちでした。両方盛り上がっておりました。今回は,名大の学生も東大の方にジョイントさせてもらって,学生もいろんな学生と知り合いになれたのであれば,よかったんじゃないかと。
味彩 〆一みうら は素晴らしい刺し身でした。すごくよかった。
夜は,壮行会のはずが,まるで打ち上げになってしまい,2時まで飲んでしまったのですが,後悔はしておりません。

翌日は,構造・原子力のセッションで,材料の発表。今年は5編の連編を発表しました。会場に,結構厳し目の方が来てくれていたので,質問もそれぞれ専門的にすごくよかったです。
また,その後の嵩先生のチームの発表や,電力共同研究関係の発表なども,よく考えられた実験・研究で,あれくらいいろんな情報が集まり,濃い研究が毎年蓄積されるようになると本当によいんじゃないかと思いました。非常に良いセッションでした。

個人的なコメントですが,コンクリート内部,セメントゲルの内部では,乾燥途中で空気・水蒸気の相互拡散が生じるというのはあまりないんじゃないかと思います。セメントペーストのゲルの空間分布を考えると,円筒状モデルはそのまま当てはまりません。De Vriesの液島モデルの考え方に近く,空気はゲル水に溶解して内部に侵入する必要があるんじゃないかと。
また,粗大空隙に空気が入っているとしても,半結晶水となっている層間水に対して気相の空気の圧力がこの水の移動に影響を及ぼすのは,もっと高い温度ではないかと思われます。

たしかに,温度勾配があるときに水分を動かすため,空気をいれて気圧を1気圧よりも大きくすることによって圧力勾配を生じさせれば,簡単に温度勾配下の水分移動を考慮できますが,私はこの温度勾配による水分移動は,100℃以下ではほとんど生じなく,結果としては,温度に依存した脱着線カーブで落ち着くだけだと考えています。少なくとも私が実施している実験データではそうなっています。
私の黄表紙の高経年化コンクリートの強度予測で採用している水分移動モデルは背景としてそういうことを考えています。
100℃以下の温度勾配下の水分移動で,初期含水率を超える場合があるかというのは,もう少し緻密な実験を行った上で実施する必要があるというのが私の認識です。


午後は,メールでいろいろ仕事が降ってきたのでそのままホテルで作業をしました。副産物の研究協議会,材料懇親会には出席できませんでした。後日,副産物については複数の先生から意見を聞きました。いずれも,なるほどというものでしたが,AIJ自体が問題をどのようにとらえるのか,境界条件をもう少し明らかにする必要があるんじゃないかと思います。
みんな,いろんな思惑があるのはわかりますが,学会は中立であるべきだし,大学教員が関わる限りにおいては,公平でかつ,科学技術にもとづくものである必要があるかと思います。

夜は,ワインのみました。 Nirvaana おすすめです。私は詳しくないですが,美味しさだけはわかります。ここのワインとチーズは,まじで美味しいです。なんだか,抑えようとおもったのに二日目ものんじゃいました。恐るべし,札幌です。


3日目,個人的興味からRCのPDに参加しました。すみません。国際化の方に参加しませんでした。ごめんなさい。K松先生。
個人的には非常に内容が濃いPDでした。塩原先生のご研究の重要性がひときわ目立っていました。大変恥ずかしながら私は,論文をフォローしていなかったのですが,近年の研究とそれを設計に活かす方針について,大変感服しました。
PD後,設計者の方や大学の方と話をしましたが,実際の構造物でそれほどまで被害が出ていないことを考えると,雑壁,スラブの影響などを考慮した,実質的な柱・梁耐力比というか,接合部に流れる力の割合というか,そういったものが必要になるんじゃないかと思います。地震被害の経験では塩原先生がご指摘した崩壊型があまりないという事実と,塩原先生らの実験+文献調査による事実をつきあわせると,1対1で設計したとしても実際はそうなっていない別の要因があって,それを陽にするということが今後必要なんじゃないかと思いました。3次元的に考えるということなのかもしれません。

その後,来週のイタリア調査の打ち合わせを軽くして,空港へ。
空港では,一幻に初めて行きました。ずっといきたかったんですが。期待どおり美味しかったです。












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