なにかと問題になる圧縮強度ですが,我々もついにコンクリート物性全般に研究が拡大してきました。セメントペーストはかなりの部分わかってきたこともあり,コンクリート工学にもっていくには骨材との相互作用,そのあとのコンクリート物性評価が,やっぱりもとめられているところであります。
乾燥下にある複合材料としてのコンクリートの挙動も定性的には,ほぼ説明できるようになってきましたので,最後はやはり,圧縮強度にチャレンジしたいと考えています。
今年のプロジェクトで400本くらいの試験体を載荷しつつあるのですが,乾燥の影響をうけた場合の,あるいは高経年化した場合のコンクリート強度について,かなり詳細なことがわかってきました。この観点でみると,多くの過去の実験データは間違った(あるいは配慮不足の)可能性が高いこともわかってきました。
ORNLで取りまとめられた熱影響データベースは半分くらいが誤ったものの可能性がありそうです。
日本では,嵩・岸谷先生の1000日データがやはり白眉です。φ100mmの場合,10日,100日データは遷移状態にある物性であり,いわゆる部材内部のコンクリートを代表するような状態にはなっていません。海外では,CCR1974のPihlajavaara論文がすごいです。こういうのが研究だ!っていう素晴らしい論文なので是非みていただきたいな,と。
うちの学生は,これじゃあ期間的に卒業できないじゃないか,と落胆していました。
今年中に論文にまとめられればと思っています。
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