7/21/2013

6/15~7/20 メモ

気づいたら,もう,ひと月でした。本来ですと,前期は授業が比較的少ないので,いろいろ後半に備えて戦略を考えたりするわけですが,もう,トップスピードで打ち合わせも9月末くらいまで,ほぼ,フルに近い状態で入ってしまっております。今年は,ASME+ORNL,イタリア重要構造物調査,チェジュ島の母校OBとの交流会,IFE-Norwayの出張がすでに決まっていて,その他に,あと,1,2件,海外にいかないといけないかもしれません。

一方,学内のいくつかの表に出てこないプロジェクトに組み込まれたので,それもスケジュールがパンパンです。

さて,メモ程度に。6月17日から。



17日は旭化成基盤研究所さんの方に訪問しました。現在行なっているSAXSによるC-S-Hの変質に関する研究について,解析方法についてのディスカッションをするためです。SAXSは,モデルベースで解析することになるため,モデルの妥当性をどのようにゆうかどうかで,論文が書けるかどうかが決まります。最近でてきて,MIT,BASF関連の論文は大変参考になるものの,いくつかの点で疑問が残ります。Allenの昔におこなったSAXS論文での考察は多くの示唆を与えてくれますが,実のところ,他のデータとの組み合わせで理解された現象があってこその結果であると最近気づきました。SAXS単体で,それを言ってもよいものか?,というわけです。モデルベースの分析の限界なわけですが,その点について,今年度中に論文を記載したいと思います。

20日は,AIJのマスコン委員会に参加してきました。AIJのマスコン指針は,増刷もしないことになって廃刊されそうだそうです。あの,チャートというか,簡易式というのは非常に優れたものになっていて,土木でやっていれば,間違いなく引用されるようになるんでしょうが,残念ながら建築なのであまり評価されていません。建築の耐久設計指針のあり方などもかなり先進的ですが,評価が適切ではないように思います。まあ,歴史的事実はひとつだから良いんですけどね。歴史書というのは,その時の権力の側にあるものですから,本来の評価は後世が決めることでしょう。

21日MRI受託案件の総括検討会に出席しました。残念ながら,委託元との契約が成立していなかったので,委託元はいらっしゃいませんでした。今年は,さらにプロジェクト予算が大幅減額になっていることと,円安で照射試験に関する予算が非常に混乱してきました。かなり削って最小限スペックを確定しましたが,今後,フォローアップの枠組みを再構築する必要があります。
今年度,引き続き,実験データの蓄積,シミュレーションコードの開発,評価方法の具現化を軸にやっていきます。ONRL+NRAとの定期的なミーティング,米国での実機からのコア抜き試験と我々の知見による評価方法の高度化の取り組みは,評価が少しづつ高くなって来ました。幾人かのキーパーソンの理解・信頼を得られたことは本当に嬉しく思います。夜,深酒でした・・・。

22日は,退職された教授の先生のパーティに参加しました。

24日ゼミを実施しました。今年度も4年生は3人来てくれて,それぞれの研究がスタートしています。一人は塩分移動の研究を行うことにしました。結晶や水和物の変質の観点から再整理するともう少し新しい知見が得られることに自信が持てたからです。中性化の研究は,昨年JCIで発表しましたが,今年度中にジャーナル投稿を目指したいと考えています。
その他は,微細損傷の影響,C-S-Hの研究です。C-S-Hの研究を文献調査からはじめ,英語論文をごりごり読んでいる,(読まされている?)4年生はなかなか頼もしいです。お陰でこちらも相当に頭が整理されました。結晶構造,Alの置換,その影響でかなりの分量が整理できたんですが,こういうの文献調査にまとめておいた方が良いんでしょうねえ。本当は。
日本でなぜ,C-S-H中のAlの研究が本格化されなかったのかは,よくわかりません。なんでそういう方向に向かなかったんでしょうか?

26日,他の国プロの委員になることになりました。諸事情あって,内容はブログにかけないと思いますが,新しい分野の人と話ができることは嬉しく思っています。

27日 共同研究先とブレーンストーミングを行いました。確たる方向性が予めできていたので,方向性だけ示しました。具体の問題については,今後,実験的に示す必要があります。何を開発するにしても,コンクリートの挙動に関するメカニズムに立脚した深い洞察力がかかせません。

7月。ACIに2編の論文を投稿しました。乾燥中のコンクリート中の骨材の役割についてと,太平洋セメントさん,安藤建設さんと実施していた超高強度コンクリートのひび割れ抑制研究についてです。ACIの論文は,ダブルユニットなので,面倒くさいですが,今後指針類などに反映させることを考えると,重要なステップです。
今後,健全性評価関係は,ACIに投稿することを考えています。メカニズムはCCRなどに譲るかもしれませんが,規制や標準を意識したデータについてはすべてACIベースで行こうということにしました。黄表紙に投稿ということも必要なんですが,二重投稿の問題もあるし,どうせ英文にするなら,最初から英語で書きたいし,ともおもっています。
黄表紙は国内でのリアクションの確認や,海外の複数投稿のサマリーを目的とした論文になるかと思います。修士学生に英文は厳しいから黄表紙,というのもありそうです。

7月9-11日 JCIの年次大会がありました。今年度は名古屋大会で,金山の国際会議場で実施しました。(過去と一緒です。)今年度は,ホスト側ということで,裏方にまわり,講演はひとつも聞けませんでした。人にもほとんど会えませんでした。残念。
今年は,7本の論文投稿があり,5本の奨励賞をいただきました。正直いうと,全勝を狙っていましたが,そうは問屋がおろしませんでした。まあ,当たり前ですね。
当初は,4年生の卒論がJCIの年次程度にはなるように,ということを考えて研究室の研究進捗を考えてきましたが,大分,定着するようになってきました。ただ,そういうことをすると,時間のかかる研究をどのように位置づけるかという問題が出てきますが,現在は,複数研究を同時にすすめるとか,バイト的な扱いの作業をするとか,そういった形で,学生には複数の研究に関連してもらい,いずれ頭の中でつながる,ということを期待しています。そういったことも段々,進められるようになってきました。
賞というのは時の運ですから,できるところまでは努力して,あとはうまくいったらよいかな,くらいに考えたいとおもいます。学生さんは一喜一憂してしまうので,そのあたりのさじ加減,理解してもらいたいと思います。

12日は,今年度の照射影響を評価するプログラムについての高度化の方針について議論しました。JPDRの再評価を実施したいなと考えています。あの炉は照射量自体はすくないので,乾燥影響がメインになっているはずですから,今のコードでも十分評価できるのです。


16日,共同研究の打診というか,意見照会のようなものがあったので対応させていただきました。研究プロジェクト的にはほぼ,飽和しているので,どんなものかなと思っていましたが,非常に技術力のある地元の企業さんでして,なんらか面白いことができそうです。1年くらい遊びで実験をしてみる,くらいのところから始められたらとおもいます。

17日 現在,世界に多くの廃炉がありますが,安全向上の目的で廃炉を用いた研究が世界的に活発化しています。これらの廃炉についての知見をIAEA中心に,持ち寄って成果を出そうということが企画されていて,日本国内で会合があり,参加してきました。
コンクリートも重要なんだぜ,というメッセージは届いたようで,なんらかアクションがとられるようです。コンクリート業界から見ますと,かなり前進ではないかと思います。

その後,JASS5の委員会に出席しました。背景ってあまり書かれていないですね。やっぱり。もう少しわかりやすい形が良いかなあ,と議論を聞きながら思っていました。
一方で,分厚くなっている事自体問題ではあるんですが。







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