学生の多くは、最初、大学や大学院に一生を食べていけるだけの何かを求めている。その何かが、授業で教えてもらえるものの総体であると勘違いしている者も多い。5年先で自分がどうやっているかなど想像もできない現在において、一生を食べていけるノウハウなど迷信でしかない。一級建築士資格も同様である。そういった現実を学生個人個人が見つめることがまず、教育を受ける側の第一歩ではないか。
(子供一人育てあげていない私がいうのも恐縮だが、)親の教育と同様で、私が学生にしてあげられるのは、社会に出た時に自分の能力を信頼できるだけの、基礎能力の涵養を、研究・実験という実践的な場を通じた支援することだけだ。
情報を集め、自分の想像力・創造力で補完し、真理を見極め、仮説を立ててそれを実証する。しかもそれが、実験を通じて、最終的には論文という形で示せる研究という形は、こういった涵養に適切な材料であると思う。
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