7/09/2012

6月26~28日

東京出張のまま,そのまま,シカゴへ海外出張に行きました。今回はICAPP'12というアメリカ原子力学会での論文発表と研究打ち合わせがあったので,シカゴ行きを決めました。論文は,ガンマ線照射条件下によるセメントペーストの挙動ということで,かなりニッチな内容で,そもそもICAPP自体,コンクリートのセッションが一つしかなく,その中でも,残りは全部耐震設計という具合で,材料側の人はほとんどいませんでした。処分関係の人などが数名いて,リアクションをもらえました。



国内の原子力学会なので参加費はたいしたことないだろうとタカをくくっていたら,なんと10万円で,肝が冷えました。調べていないのもどうかと思いますが,国内学会の参加費でそんな値段とはおそるべし,アメリカ原子力学会。

翌日は,NRCのコンクリート関係の責任者の方,ORNLのDr. Naus他,ヒューストン大のProf. Wiliam,コロラド大のProf. Xiのみなさんと情報交換および今後についての打ち合わせをしました。アメリカの原子力は,ライセンスリニューアルという制度をとっていて,最初の40年,その後,20年ごとにライセンスをリニューアルするという形で安全性をNRCが検証しています。コンクリートに関する検討としては,特にアルカリ骨材反応と放射線影響についての検討が現在の課題とされているようで,熱影響に関する2011年のORNLの詳細なレポートに加え,現在は放射線影響に関するレポートをコロラド・ヒューストンでORNLから請け負ってレポートを作成しているとのことでした。10月頃にはパブリッシュされているだろう,ということでしたが,同席した人のコメントでは,ORNLの査読が長引くので,10月は無理だろうという見立てでした。

この検討は,そもそも,放射線影響かでの温度制限値を緩和するための基礎検討と位置づけられていたようですが,日本側の研究動向を受けて,もう少し幅広に検討をするようです。

先月のIAEAのカンファレンスでも言っていましたが,廃炉したものから,コア抜きをして放射線影響に関する検討をするというプロジェクトを現在企画されているようです。実機データがそろうことと,日本側のメカニズムベースの研究によって相互補完の形をとれると,より現実的・合理的な規制のあり方が見えてくるのでは,と思います。

引き続き,意見交換を継続するということで打ち合わせを終了しました。


シカゴでは,せっかくなので牛肉を,とおもって探しました。アメリカにもKobeBeefがああって,シャンパンを飲んで,マッサージを受ける牛がいます。赤身の中にスポットがたくさんある素晴らしい肉でしたが,想像力の無いステーキ屋が焼くと悲劇としか形容しようのない肉が出てくることがわかりました。
日本の鉄板焼き文化は,もっと輸出した方が良いです。あれでは,マッサージもシャンパンもまったく意味が無いです。
いやあ,興奮と絶望をあんなに短時間にあう機会というのはあまり無いものと願いたいです。

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