11/27/2011

11月23-25日

現在,ノルウェー,というか,帰りのフライト中によったヘルシンキ。
来年以降実施予定のコンクリートの中性子照射実験の研究打ち合わせのため,ノルウェーのHaldenおよびKjellerのIFEに行った。初日は,rig(試験体を格納して,原子炉内に設置するコンテナのこと)の設計者や原子炉実験の専門家と,当方の研究計画および想定する結果,および測定中注意しなくてはいけないことなどの情報提供を行って,また,rigの設計図をもとに起こりうる問題について,片っ端から議論した。


想定しうる実験の失敗局面などをリスト化することは,今回の実験実施上,かなり重要な思考実験で,おかげでこちらのスペックがよく相手に伝わった。
詳細を詰めるためには,さらに設計用データを相手に渡す必要がでてきたので,結局,最終決定にはいたらなかったけれども。

その後,Halden原子炉の方に訪問させていただき,研究用原子炉の見学を行った。私は研究用原子炉に訪れたのは,JRR-3以外では初。こちらは商用原子炉のためのあらゆる実験ができるようになっており,多くの実験設備および技術者の数に圧倒された。

ノルウェーは,水力発電で国の電力のほとんどをまかなっているため,商用原子炉は持っていない。しかし,これだけのスタッフを将来の技術オプションとして確保している,ということに文化の厚さを感じさせられた。
近年は,電力が自由化されたため,逆に売電することが多くなって周囲の国の電力需要に従って電力価格が上がってしまったらしい。一般家庭では,暖房用に暖炉を作ることなどが最近流行しているということだった。

電力自由化は,国民という単位でみたときのメリット,デメリットはよく考えた方がよさそうだ。他国と電力融通できない国ではあるけれども,電力価格は上がりそう,ということだけは確率が高そうだ。

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