11/30/2010

年末・年度末

年度末になってきて、だいぶん焦りだしてきた。比較的大型のプロジェクトの締めが2件ほどありこれらの実験も最後の追い上げ状況になってきたからだ。
こういうときに限って、種まき研究でとんでもなく将来性のあるデータが出てきて、そちらの方に頭が動いてしまう。できれば、こういうホットな時に論文の骨格くらいは書いておきたいのだが、その時間が今はないので、ノートに走り書きして、プロットだけを保存している。

年度末に向けて実験をすべきものもあって、一つは建築研究所で超高強度柱のせん断の実験をする予定である。仕込みをしつつあるが、あくまでもスタディ的な実験で一発で良い実験がでるとは思えないが何がしかの結果は出るだろう。
でも、こうやっているうちに大成さんが超高強度コンクリートで軸力だけ負担させるという構法を発表していて、そりゃこうなるよなあ、とかなんで今までこうやってこなかったんだろうかなあ、などと思いをはせたり・・・。


学内では、概算要求のシーズンであり、慌ただしくひっきりなしに会合が開かれている。個人的には良いものもあるし、あんまり、と思うものもある。
イメージというか、言葉尻が良くても、結局実行ができない組織になると後が困ったことになるのだが、執行部は執行部で、花火だけは打ち上げておきたいという現象があったりで、なかなか困ったものである。
個人的にコンサバな人間だからなんだろうが、もう少しじっくりやって実態のある成果を出すようにしていこうよ、とも思って提案をしたりもするのだが、こういうのはあまり好まれないらしい。
リーディング大学院とか、なんなんだよ、とも思ったり。

そういえば、中日新聞で報道されたように、減災関係の組織が名大でできる。これに建築もかなり深く関わることになる。これはかなりユニークで医学関係も組織に入っているので、本当に分野横断方でのアプローチが可能になる。
一方で、大学として防災のなにをやるんだ、というと,問題を洗い出して体系化できる部分をする、という環境学と同じような枠組みになぞらえざるを得ない。なにしろ、学問体系の無いところで、なにかディスプリンを作ろうという試みなんだから、学問的深みというのは最初は無いに決まっている。

マネジメントでもそうだが、結局、言葉にできなかったり、分野を超えていたり、諸現象が複雑に絡まってひもとけない社会の矛盾なりリスクなりに対して、問題解決方で、局所の問題を拾い上げて、お互いがまず問題を認識して、それにむかってアクションとっていきましょう、というのはやはり重要だろう。たこつぼで成果を出すのは今の時代、戦略さえあれば、かなり容易にできることであり、困難なことというのは、学問と学問、人と人との狭間にあるように思う。


個人的には、補正予算、来年度予算に関連して、研究申請案件についていろいろご提案をいただいていて、軌道にのりつつあるものが数件。いずれも大型案件だけども、今の研究組織でこれだけの拡張路線でよいのか、という自問自答を最近よくしている。

超高強度関係では、宝の山である実験データが積み上がっているが、これはまだ、論文化がほとんどすんでいないし、その他の水分関係のデータも公開していないデータが山ほどあって、これを消化しないで先にいってしまってよいわけがなく、これをどうやって裁くのか、いつ考えていくのかというマネジメントが自分に求められている。夜な夜な時間があれば、論文を読んでは、データを整理して仮説を検証するというプロセスを行っているけれども、なかなかエレガントな結果にはたどり着けず、頭が悪いのか、実験のプロットが悪いのかは不明だけど、やはりセメント・コンクリートは複雑怪奇で非常に魅惑される。そういえば、以前に熱伝導の論文を書く、と宣言したのだが、未だ3ページ以降が書けていないなあ。

そんなわけで、全然、各関係委員会に出られていないんですが、私は日々こんな生活をしております。申請書を書いたり、学内会議に出たり、個人的には引越の手続きをしたり、自転車を整備したり、本や報告書の分担を執筆したり。

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