10/09/2010

ビーライトの水和

セメントの水和反応速度のデータは哀しくなるくらい難しい。モデル化をしようと思って、式をつくって検証するとデータをとればとれほど、大混乱に陥る。

結局、速度論はまだ、モデル化できるほどにデータが成熟していないということなんだろう。現状、各セメント毎にフィットするのが一番安全ではある。でも、それって、友澤先生の時代から変わっていないということいなってしまうので、少し悔しい。

特にビーライトとフェライトの水和のデータは、人によってまったくことなった挙動を示している。手元にあるサンプルのデータも本当にまちまちだ。
これは、測定手法のばらつきを含めたとしても、それでもトレンドとして、全然違う挙動をしている。

黄表紙で発表したようにエーライトの反応にビーライトの反応初期は相当律速されているというのは、何となくわかる。ただ、その後、特に材齢91日以降のデータはほとんと他の人の(Tayler、Copeland、あとその他少々くらい)データが無いので、判断に苦慮する。

五十嵐氏の1993年のセメント・コンクリート論文集に示されるエーライトとビーライトの割合を変えた場合の反応、というのは、当方の試験用セメントの水和データと非常に合致する。初期、ビーライトの反応は、エーライトに抑制されて、エーライトの反応率が80~90%くらいになってから急激に反応が増え、のちに停滞する。
一方で、Copelandとか、当方の黄表紙のデータだとビーライトは材齢91日以降に停滞しないでずっと伸びる(場合がある)。
そもそも、長期封緘を完全にやるということも、まま、難しい課題であるので相当に慎重にやる必要がある課題であはるが、そうはいってもこっちもそのつもりで実験しているので、困ったものである。

正直、何回追試をしたことか・・・。気を取り直して、また、取りかかろう。

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