3/30/2014

バルセロナ

3月12ー15日で,バルセロナに海外出張に行ってきました。国のお金でいってきましたので,いつも通りここに報告します。ただし,守秘義務もあるのですべては話せません。ORNL主催,現地ホストはAnderade教授とスペインの原子力規制当局,というような会合で,主題は放射線がコンクリートの及ぼす影響に関する知見交換会というものです。





これまた,ずいぶんマニアックな会合ではありましたが,現在,研究を実施ている米国,スペイン,フィンランド,チェコ,日本が参加しました。各国研究のメモと私の雑感。

米国:NRCとORNL,EPRIが参加。規制側も推進側も必要なコア技術としてかなりの力を入れているのは,いままで報告した通り。廃炉したZIONのコア抜き結果については報告がなかった。ORNLは既往データを元に評価方法について議論していたが,米国研究者の既往研究サーベイ能力には目を見張るものがある。(でも,自分で実験はあまりしない。)議論としては,HilsdorfやDubrovskiiが指摘していた以上のものではない。それ以外にも経年劣化事象についていくつか新しいものを検討中であることがEPRIから報告された。

フィンランド:電力事業者自体が,現在運転中の原子炉からコア抜きして追加照射試験を実施した件,実構造物環境を利用した実験の件,について報告があった。詳細はここでは書けないが,非常に合理的な取り組みだった。その他,VTTも関心をもっていて,照射環境用の研究環境をコンクリート用に構築したとの報告あり。

チェコ:CCRでも時折ガンマ線照射の研究が報告されているように,現在でも照射研究を実施している数少ないチームが存在する。ドイツの廃炉から,サンプルを購入して評価を実施するなど,いくつかのプロジェクトの紹介があった。2,3年の内にかなりのデータがでるのではないかと思うが,公開するかどうかは不明。

スペイン:大学・規制当局が参加。ZORITAを用いた国際プロジェクト(コンクリートだけでなく,機器類もすべて含まれる)の現状について報告があり,EPRIともAgreementが交わされたことが報告され,米国もここに参戦中。ただし,コンクリート研究としては照射量はあまり高くなく,JPDR炉の照射量と同じオーダーなので,我々としてはデータ自体に興味がない。が,この国際共同研究で,廃炉を用いた研究のプロトコルなどが出てくる可能性もあるので,注力する必要がある。

その他:今後,定期的に開催することを前提にCharter原案作成を実施。その他,おそらくデータをもっているはずのフランス,ロシア等の参加も要請していくことなどに同意。日本チームは,政府関係者が出ていないのでこの辺りについて検討の必要あり。

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