3/04/2012

近況 その2

マーク・ピーターセンの「日本人の英語」、という本が岩波書店から出ていて、この本には「続」も出ている。日本人の感覚と英米人の感覚の違いにもとづいて、たとえば、冠詞の違いや名詞の使い方でいかに背景の意味が変化するかということを事例に基づいて説明してくれている本である。

日本の英語教育における英作文がいかに英語圏の文化を無視して進んだしろものか,ということがよくわかる。

高校のときか、東大の教養の時に紹介されて、一度読んだきり本棚の隅にあったわけだけれども、ふと手をとって読み直してみるとこれは本当に良書である。

どうも、私は成熟度にちぐはぐなところがあって、麻布とか東大教養のときの友人の言葉をふと思い出して、かれらはこういう感覚で当時ものをいっていたのか、と驚くことが最近でも良くある。そして,当時の自分を思い出し,比較し,自分の未成熟ぶりに恥ずかしがったりする。

この本もそうで、当時、A君がこの本は素晴らしいと熱弁をふるっていたわけだけども、結局、巡り巡って、私がこの年でこの環境になるまで、この本の良さは認識できていなかったことを思うと、A君というのはどんだけすごいんだろう、と思う。
本というのは、タイミング、というのは全くその通りで、本に見合うだけの知見なり考えなりの成熟度が無いとただの知識の断片として残るだけで、頭の片隅で終わってしまうものも多い。

まずはインデックスもないとこういった結びつきができないので、そういった入り口的に評価することも大事だし、もう一方で、本当の血肉とするにはタイミングに依存していて、そのときがくるまで、自分を鍛えておくしかないかなあと思う。

別に最後にもりあがって,なんなんだ,っていう結論は無いんだけど,本との付き合いは,やはり一生取り組んでいかなくてはいけないなあと。
あと,良書っていうのはあるところにはあるわけで,自分のタイミングで良書にどれだけ出会えるのか,っていうのは努力なのか運なのか・・・。

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