10/06/2016

英国出張

おそくなってしまいましたが、9月11日から23日まで英国出張に行ってまいりました。9日からいくはずだったのが、8日にアクシデントがあり、急なフライトの変更を余儀なくされました。みなさん、体調管理には気をつけましょう。

英国は、最初の1週間にSurreyとLondonに滞在しまして、1H-NMRの分析技術を学びにSurrey大学のMcDonald先生のところに滞在しました。今回の滞在は、Daiwa-Foundationの支援を受けました。
非常に懇切丁寧に実験方法とメカニズムについてレクチャーを受けました。
13日はミニシンポを行い、Gartner博士、Vandamme先生、Muller博士、Hong博士、らと意見交換を行いました。Muller博士と仲良くなれたのは非常にラッキーでした。
翌日は、LondonのImperial Collegeでクリープ現象に関するWSを行い、マイクロインデンテーション技術の応用を始め、多くの実験データについて議論を行いました。午後は市内観光。
翌日は、Surrey大学で、EPFLのScrivener先生にお会いして、最近、Gartner博士と共著で論文を投稿した新しいC-S-Hモデル、および、SAXSを始めとした乾燥時のセメントの変質に関するデータの説明を行い、議論を行いました。EPFLでの現在進行中のプロジェクト、投稿予定の論文についてご教示いただくとともに、ほぼ同様なモデルが議論されていることを知って驚きました。
加えて、最新のEUの研究知見と過去の論文の批評などを伺い、日本とはまったく違うレベルで議論が進行していることを、あらためて認識しました。年に1回は、EUを回って研究知見を自分の足で稼がなくては、そして、自分のネットワークをつくって常に研究データや論文が回ってくるようにならなくては、日本の中だけで研究していてもまったくだめなことがあらためて理解できました。

Surrey大学の次は、Aberdeen大学に移動し、Glasser先生やMacphee先生と意見交換を行いました。新しいセメントのプロジェクトで、現在、カタールにパイロットプラントを建設中のもののご研究や、ガラスの溶解速度、触媒反応に関する研究などについて意見交換をさせていただきました。また、地質学者の方とも議論が行えましたし、多くのネットワークづくりができました。

その後、Leeds大学に移動し、Richardson先生とC-S-Hモデルについての議論を行いました。結晶学的な欠陥と実際のC-S-Hを結晶として考えてよいかについては、かなり異なる見解ではありましたが、多くのことを優しく説明いただきました。

Richardson先生とMcDonald先生は2017年度に来日していただけるということなので、今後、日本においてもなんらかのイベントができたら、と考えている次第です。

0 件のコメント:

コメントを投稿