12/29/2010
解析事例
先日もちょっと書いたけれども,ここずっと,あいた時間にこつこつと解析をやっています。以前の水熱連成をポイントだけついたような解析を,と思って。
潜熱項が大きくて,水分移動による熱輸送はそこまで考えなくても良いのかもしれない。ケースバイケースかもしれないけど。
添付は,熱輸送をオフして,熱移動→水分移動を解いた場合のマスコン内の挙動。
ただし,吸着等温線に温度依存性を考慮したモデル化を適用して,水分移動を化学ポテンシャル基準で評価した。水セメント比が0.45くらい。
なかなか複雑な挙動で,中心部が乾燥して,温度ピークから少したって冷却されてくると,外側の水分が中に入っていく挙動を示す。外側で始めに少しはねれているのは,内部の温度上昇時に水分が外に押し出された結果。でも,ほんの少し。
水分移動モデルは,水蒸気圧勾配で移動する,毛管圧を駆動力とするものなど,いろいろあるのだけれども,(前の黄表紙の水熱連成ではそのようにモデル化した。これは,de Vries以降,多くのモデルで提案されている。)基本的に圧力一定下(空気が入ってくる)の条件で考えるのであれば,化学ポテンシャルの勾配を駆動力とするほうが良いだろうということで,構成式を見直した。
初期の脱型などの問題に対応して,異なる空隙構造間での水分移動を少なくとも筋書き上は適切に評価する必要があるとか,温度勾配の時の移動を評価するとか,いろいろ要因はあるけれども,こちらの方が汎用性が高いのではないかと。
しかし,解析も簡単とはいいがたいけれども,これを実験で実証する方が何倍も難しい。
この解析だと,その様子が見られるのは温度が下がってきた打設後1週間後くらいとなっている。その後は水分移動が生じてしまって,だんだんと差が解消される。コンクリートサンプルからどうやって取り出して,どうやって含水率測定しようか,というのは,きっと皆が一度は考えたことがある実験なんじゃないかとおもうけれども,こればっかりは難しい。
将来的にはやりたい実験ではあるんだけれども。
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