6/26/2010

訪問

昨日は,旭化成の基礎研究所を訪問。旭化成グループ全体の基礎研究部門だけあって,網羅的な研究グループ,研究設備,人員配置。

セメギに参加されていた方は,ご講演を聴いたかもしれませんが,今度のJ.Am.Cer.Socに掲載される,Spring8でのInSituのALC生成中の反応プロセスで,特に,溶液の組成が同等なのにトバモライトが生成する時とそうでない場合に関するデータを拝見して,ディスカッションをさせていただきました。
熱力学平衡計算を否定する反応プロセスで,光田先生が指摘されたという,トポケミカルな反応であって,形態が反応系を律速する好事例だろう,ということでした。

C/S比は違うのですが,セメントのC-S-Hの中性化とか,溶脱中のC-S-Hの挙動推定には共通する部分があって,個人的には,非常に研究的な刺激を受けました。

また,ALCの収縮挙動とセメントの収縮挙動についてのディスカッションもよかったです。Ca/Si=0.9程度以下で,ポロシ,N2吸着によるDH理論では,10nmあたりにピークができます。これが・・・・,と書いてみましたが,ちょっと研究ネタになりそうなので,やめておきます。
なんにしても,N2吸着,水蒸気吸着は,今後,さらに有用なツールになるのは間違いありません。


また,非常に多くの文献をご紹介していただき,読むものが増えました。
思うに,最近の大事な文献の発表速度は非常に速くて,さらに,そうでな文献もまして多いので,探索範囲が広くて網羅しきれません。そういう意味では,ヨーロッパのようにコミュニティをうまく生かし切るということは重要なように思います。
そういう,小グループながら,先鋭的な研究をやっているコミュニティを生かす研究形態を模索していきたいと思います。

今回,3本程度,本当に重要な論文を見逃していたことを知り,ちょっとショックを受けました。ACTに投稿した際に引用すべき論文があと3本はありました。

1日,2本程度は目をざっと通すのですが,先日の書物になるとまとまった時間が無いと,読んだとしても血肉にはならないので,時間の創出が重要です。

学内の仕事は最優先事項ですので,対外的に少し調整してもらわないといけないかもしれません。

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