4/16/2007

4月16日までの書籍 東大のこと教えます。

・東大のこと教えます。 小宮山宏,プレジデント社
むかし,この人の授業を受けた。物質移動の教科書は2冊もっている。かなり合理的で単刀直入にものごとを解説してくれる人でわかりやすかった。この本を読むと,東大はやっぱりいいかもな,と思う。
でも,世界の中の日本を考えると,東大中心で考える必要があると思うけど,日本の中を考えると東大一つにさせてはいけない。東大にものを言える人間が,東大外に何人いるか,というのが日本の層の厚さ,多様性というものだろう。打倒東大を論文でもって示せる人間を目指したい。

・1001必ず見ておくべき世界の絶景 マイケルブライト 昭文社
いろいろ一段落したので,もう少し横にいろいろ広げようと考えた。国際会議もうまく活用しようかな,と思ったり。学生にも,いろいろ体験してもらいたい。写真が秀逸。

・天才の栄光と挫折 数学者列伝 藤原雅彦 新潮選書
あんまり,面白くなかった。刺激がなかった。軽妙な語り口が失われているような。初期のころのエッセイが好きなんだけれども。まだ,国家の品格は読んでいない。

・Kalliopi Aligizaki Pore Structure of Cement-Based Materials, Taylor & Francis
コンクリートにおける空隙構造というのは最後まで謎だ。難しい。
マルチスケール問題に相当する。工学的にいかにとらえるかという歴史は深く,長い。最新の論文が引用されているので,良い研究の扉本になるだろう。
学生への指導のために購入した。

・麻生太郎の原点,吉田茂の流儀 麻生太郎 徳間文庫
白州氏の話が頭に残っていて,ふと,本屋をみたら平積みされていたので,購入した。軽く読める本。 断片を重ねると,すかしのように全体像がかいま見られる文章。何も無い人間が,ある人間に批評するというのは陳腐だな。

・マッキンゼー式世界最強の問題解決テクニック イーサン・ラジエル他 SB文庫
修士課程の頃,こういった類の本を結構読んだ。いろんな人にも貸したりして,びっくりするくらいくたびれて返ってきたこともある。本というのは,そうやって読み込むものだ。学生に読ませようかとおもって購入した。
要点は短く。自分の意見をどのように表現して必要十分な情報を伝達するか。
論文の文章にも,そうやって鍛えた日々の品がにじみ出る。

ビジネスというのはお金を基準に考えることだが,研究・勉強の規範は必ずしもそういうことではない。常に矛盾する価値観やデータの中で自分の立ち位置を見つけるということも重要なので,この本に肩入れすぎると研究はうまくいかない。ベターを積み重ねたからといって良い研究結果には成らない。

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