6/29/2016

Action Mechanisms of Shrinkage Reducing Admixture in Hardened Cement Paste

Journal of Advanced Concrete Technologyから論文が出ました。収縮低減剤の作用メカニズムに関する論文です。従来研究は,処女乾燥中のC-S-Hのコロイド的挙動があるためにはっきりしなかった問題が多かったため多くの誤解がありました。それらを区分して実験し,今後議論すべき多くの事象を解明しました。 ・Vycorグラス+収縮低減剤の有無の比較から,毛管張力説が存在することを実証しました。これで収縮低減剤が自己収縮とプラスチック収縮に有効なことを実証したといえます。 ・十分硬化したセメント硬化体において,毛管張力理論による収縮量は無視できるくらい小さいことがわかりました。 ・十分硬化したのち11%で2年間乾燥させ,C-S-Hが安定化したセメントペーストについて実験を行い,収縮低減剤の有無のサンプル比較において収縮の全量が同じであることから長期乾燥では収縮低減剤が揮発し,気液界面に収縮低減剤が存在しない場合があること(揮発してしまうこと),固体と収縮低減剤が相互作用しており,それが40~70%RHあたりの収縮挙動に影響を及ぼすことを明らかにしました。 ・十分水和したあとの収縮低減剤の収縮低減メカニズムは処女乾燥中に生まれ,固体と収縮低減剤の相互作用が主要因であること,一次的が二次的かはわかりませんが,水酸化カルシウムが変質して微小結晶になることを確認しました。既往のアルコールとの研究結果から,CaOH基とアルキル基の相互作用は明瞭で,CHだけでなくC-S-Hも相互作用していると考えられますが,今回の研究ではやんわりとした表現にとどめています。現在,新しいC-S-H構造モデルの提案とともに,今回報告した収縮低減メカニズムの他のC-S-Hに関わる収縮低減剤の作用メカニズムについてCCRの方に投稿中です。

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