11/16/2014

11月3ー4日 ICMST-Kobe

ICMSTという日本保全学会の国際会議に11月3-4日と参加してきました。あまりコンクリート分野の人は入ってきたわけではないのですが,廃炉を用いた研究について国際的に議論が高まっており,特に先進的に実施しているスペインのZoritaプロジェクトについて議論することも目的の一つとして,CSICのC. Andrade教授に来日していただき,関係者で議論をしました。




そもそも,コンクリートの安全について,日本はつねに地震を含めた構造性能まで持って行かなくてはいけないのに対して,欧米では,材料ベースの劣化と要求性能の関係に注視すればよいという立場が異なっており,廃炉を用いた研究のあり方ではスタンスはまったく異なるわけです。この点について議論が深まり,お互いの立場を理解した点は,良いスタートとして位置付けられます。

廃炉を用いたIAEA-CRPが開始しつつあります。正式にはまだ開始していませんが,これはコンクリートがメインというよりは,炉内,機器,配管などがメインなわけですが,LTOを目的とした場合には,全体安全性の基盤と考えられているコンクリートについても評価せざるを得ないというこということでコンクリートも議論に入れてもらえるようになりました。各国は,かなりコンクリート研究に注力しているので,日本でもそれなりのプロジェクトを検討しているようです。

日本では福島の廃炉が問題になっているため,安全研究として何をプライオリティを与えるかはかなり難しい問題とは思いますが,このIAEAを中心として,コンクリートの評価手法が国際的に先に決められてしまうと,異なる考え方の日本の立場を表明するチャンスがなくなってしまうので,この点は考えておく必要があると思います。
特にトルコなどの地震国に軽水炉を作るということを考えた場合にも,地震国の維持管理を含めたAging Managementを適切に示していく必要があります。
ですので,国内事情とともに,国際事情との関係,今後の日本の原子力産業の行く末を考えつつ,リソースを配分していくことが重要ではないかと思います。


ICMSTでは,嵩先生に原子力を前提とした現状のコンクリート研究の問題点を講演していただきました。非常にうんちくのあるスライドで,最終スライドは英語で書いてくれていたら,と思いました。無理をいってお願いした手前で我儘なコメントになるわけですが。
国立環境研の山田さんはアル骨研究について方向性を示していただきました。規制庁プロジェクトの立ち上げに際して,議論したポイントの幾つかが入っておりました。アル骨研究は,非常に幅広の問題で,さまざまな仮説を立ち上げて手法を検証していきながら進めるほかありません。原子力特有の要求性能にどのように対応させるかについては,もう少し幅広な実験が必要なのは言うまでもありません。このあたりは,現在,原子力学会で進めているロードマップのどこかに入らないといけないのでは,と思います。

AIJの原子力維持管理指針に関連の皆様にご参加いただいたことについて,心より御礼申し上げます。

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