11/16/2014

10月17日 カンタクローム社との打合せ

別に守秘契約を結んだわけでもなく,また,宣伝にもなるだろうと思うので,記載しようかと。誰かの参考になれば幸いです。

カンタークローム社のHydrosorb 1000の開発者さんが次世代機を開発して日本での販売が開始されたということで,打合せをさせていただきました。セメント系でカンタクローム社製品でデータを世界でもっとも多く取得して公開しているのはうちの研究室です。





最近のCCRやACT論文をお渡しした上で,吸着試験の場合,前処理時間を途中中段してでも実施すべき場合があることをお伝えしたところ,次世代機でもより合理的にこれらの目的を達することが,理論上可能であることがわかりました。それ以外にも測定範囲が拡大されているので,非常に興味深い装置と思われました。また,Oリング数がHydrosorbで10以上あるのに対して,次世代機は1つになっており,その他は別の接合機構になっているので装置のリークチェックが極端に楽になっていること,また,清掃が楽になっているということがアピールされました。性能評価のため,サンプル測定をしていただくことになったので,結果を年度内を目処に評価できると思います。ちなみにお値段は高めで,最小構成でHydrosorbの倍くらいのイメージです。大学では,ちょっと厳しい感じがします。

Hydrosorbを8年ほどつかってきたわけですが,初期の立ち上げに1年かかり,その後,再現性試験の獲得にもう1年かかりました。実質的なデータは,さらにその後になっているので,新しい装置で外に出せる目で2年くらいは優にかかります。超音波装置や載荷試験装置はかなり慣れている部分もあって早かったですが,この装置は初期に結構時間を取りました。

後継機導入を考えると,データ互換があれば,すぐに出せるとは思いますが,研究室内のマニュアル整備を学生諸君の熟練を考えると,やはり1年はかかるだろうな,というのが実感です。
Hydrosorbは,バルブや配管などがやはり劣化します。最近はデュワー瓶を交換しました。デュワー瓶は送水パイプの部分に設計の問題を抱えていて,文句をいおうかな,とおもったら新品ではさすがに対応ずみでした。
バルブは,すでに5種類交換がすすんでおり,パイプもいくつかには穴が合いて修理しました。また,圧力計および内部の配線の接触不良があるので,この点も今後改善しないといけないです。現状では,大体,年50~100万くらいのメンテナンス比がかかっているのでリースも考えれば,次世代機に変更しても良いのかもしれません。

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