2/12/2016

近況 20160212

さて、近況です。

1.今日はセメギの締め切りでした。5人、全員英語で提出できました。だんだんと根付くとよいと思います。やはり、普段からの文献の読み込み、書く量、そして頭の中の論理性が重要です。英語的なスタイルで思考できるというのは、それなりに論文を書くときに大事です。M1にもB4にも英語が上手な学生がいて驚くとともに、心強く思います。

2.SAXS論文をCCRに投稿しました。とりあえず、査読まで回ったので、あとは天に任せます。骨材ひび割れ関係論文は2回目の返答をしました。今回でうまく査読が通ればよいと願うばかりです。JACTに照射によって劣化したコンクリートの強度予測の論文を投稿しました。

3.本日は、修論も締め切り日でした。みな、最後まで頑張りました。ただ、フィードバックはもっと早くほしいです。もっと伸びれたのに、と思うことが多いです。情報をいかに早く、適切に回すか、というのは常に考えてもらいたい点です。年をとったというのもあるのですが、研究も教育も自分の寿命を削ってやっているというのが身に染みてわかります。振り分ける時間に空白ができると、本当に焦るようになってきました。これも40を過ぎたからかもしれません。

4.JCI中部支部の講演会で、軍艦島と国立競技場の現場調査の研究について拝聴しました。生意気な意見であることは承知していますが・・・。マスで研究をやってそれに乗ることができるのは関東の先生だけだとおもいますが、なるほど、こうやってゆっくりと全体を少しずつ動かすのか、あるいは、その流れに身を投じるものか、という点で勉強になりました。私はとがった研究スタイルしかやってこなかったので、まったく逆視点ということで大変勉強になりました。

5.日本のよくない点は研究の多くが補助金であること、そのために教員等の人件費がまったく無視されている点にあると思います。大学に研究費が来ることは良いことです。しかし、そこに人件費が乗っていません。ちゃんとマネジメントができる先生であれば、そこに研究員や秘書、その他のマネジメントフィーを適切に載せると思いますが、そうでないところで足元を見られることも多いです。政府自らが、大学教員をそのように扱っているので、民間から見ても同様と考えられる方も多いように思います。
大学に来る研究の一部は、1)人件費を見ていないので安いから来ている、2)成果よりもその取り組みを含めて大学のブランドを適宜使いたい、というものがあります。こういった研究は民業圧迫、研究経費見積もり算定根拠の破壊、若手の学生のただ働きの上になりたっている、というような点で大変危険だと思います。
建築には、デザインの徒弟制度があり、デザインの魅力ゆえに、ということも別途議論されていますが、適切な経済活動に取り組むことを大学が率先してやらないと、本当に悲しい将来がまっているように思います。最近、特に学内で行われている研究に危機感を持っています。

6.最近、さまざまなところで将来構想の委員会に入っていることを紹介したと思いますが、建築としての学問の進化というのはなんだろうかということをずっと考えています。大学教育をプロフェッショナル教育にするということは、ただの専門学校化と何が違うかも気になります。もう、いっそのこと、一度、建築の枠を外した方がもっとものごとがよく見えるんじゃないだろうか、と。あまりに法律やルールに縛られすぎているんじゃないでしょうか。



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