12/31/2014

今年を振り返って

大晦日になってしまいました。部屋の大掃除もしていないのに・・・。
家族はすでに実家にいるのですが,さすがに年越しに顔をみせないわけにはいかず,今は新幹線で移動中です。
この時間を利用して今年を振り返ってみたいと思います。

今年の丸山研の状況について
・日本人の博士がいなくなり,研究の厚みは少し薄くなりました。分かっていたことなので,なるべく私が学生にレクをするということで,積極的にゼミを運営したつもりでしたが,10月以降は出張が多くなってしまい,やや手薄の感が出ました。学生の成長具合を見ますと,結局のところ学生それぞれのポテンシャルにしたがって成長しています。実験系で力を発揮する学生,数値解析で力を発揮する学生,両方やれる学生,人それぞれですが,少なくと研究室に所属した時を考えれば,だんだんと楽しめるようになっているのではないかと思います。今年のはじめに決めた方針で,なるべく自分が学生に具体的なやり方を示す,という指導は達成度70%くらいだと感じています。ただ,なんでも教えるのがよいのか,というのはずっと疑問でもあったので,そのバランスを試行錯誤した結果と捉えています。





・飲み会は,ほぼ毎月できました。勅使川原先生が発案して,その後,学生のみなさんはよく我々の調整をしてくれました。研究室の一体感が向上したと思います。ゼミ旅行は楽しかったし,学生さんと研究について酒を飲みながら話すのは無上の喜びを感じます。(アカハラになっていないといいんだけど。)

・今年は,科研が1件,国の受託研究が5件,民間との共同研究が5件(N社,M社,T1社,T2社,K社)でした。それ以外に,国プロ研究の委員が2件,民間の研究会委員が1件ありました。これに自分のやりたい研究もあるので,常時13~15くらいのテーマを考えている事になります。研究は大好きなのでなんの問題もないのですが,委員会などの出席で物理的に時間が使われたので,手をつかって考える時間が減りました。

・チャレンジングな研究をということで引き受けてきたさまざまなプロジェクトですが,少しボリュームが多くなってきました。自分でできないものは受けない,ということを徹底しないとまずい,というのが今の実感です。受けすぎて考察がおざなりになると,成果のクオリティが下がりますし,これでは研究室の評判も落ちてしまいます。10年前にはいくらでもできると勝手におもっていた研究ですが,結局,研究もスケーラブルなものではなく,労働集約的な高級技術であることを認識しました。今年で終わるものもいくつかありますが,研究ボリュームはこのあたりが上限で,できるところは,寺本先生や五十嵐先生にお願いした方が良さそうです。

・今年は頭の中で考えておいて,休日や空いている時間に一気に研究をまとめていくという形にスタイルが変わりました。問題点は,参考文献を読む時間が減っていることで,PC上では見れないので今年は大量に出力して,つねにかばんにつっこんでおいて,疲れたら図と結論だけを読むというようなことをしました。最新の実験データは頭に入りますが,正確な実験手法やロジックの習得は,結局,机に向かって手を動かしてよまないとできないので,深読みした論文数は去年より減りました。


・海外ジャーナルは5本公開されました。CCRが2本,JACTが2本,MAASが1本です。昨日も記載しましたが,現在,JACT1本(乾燥影響実験系),CCR1本(収縮メカニズム系),BCM(骨材収縮と岩石鉱物)1本が投稿中です。JACTに数値解析系を2本,CCRに収縮メカニズムと収縮低減剤の効果,Langumirに多孔体の収縮について記載しようと,プロットだけを練っていますが,これらななんとか来年度中に投稿したいです。これ以外に,放射線影響,高経年対応の論文やReviewを書きたいと考えています。

個別の研究について


・放射線影響の研究では,ICICという国際委員会を立ち上げ,副議長に選抜いただけました。このプロジェクトは,珍しく研究的には日本がイニシアチブをとっている研究で,米国をはじめとした研究機関からも多くの意見交換を望まれている課題です。あと1年で規制庁の研究は一度閉じることになるようですが,なんらか,関連研究をやっていきたいと考えています。予算の係る研究ではありますが,工夫によっては関連の研究ができると思いますし,欧米のようにもっと,多くのエキスパートに参加をいただけたらと思っています。地質,結晶構造,放射線物理,第一原理計算などの専門家が活躍できる分野です。なんとか,ICICにおいて一定の成果を出せたらと思い,頑張りたいところです。

・放射線影響からスピンアウトして出てきた高温・乾燥影響の研究ですが,今年度の2編のCCR論文でおおよその考え方は整理できたのではないかと思われます。唯一,研究として欠けているのが,遷移状態,あるいはシール状態の高温時の物性変化です。大断面部材の水分移動は緩慢ですので,温度とともに中の含水状態が平衡にはならないので,高経年評価をする上ではこの点のデータ構築が重要と考えています。来年はこの方向での実験にとりかかりたいと考えています。乾燥影響の研究は,従来やっていた線膨張や収縮がそのまま,コンクリート物性値に影響できるという意味で,過去の蓄積がそのまま反映された良いテーマの発展が出来ました。

・コンクリートの物性に,セメントペーストの体積変化・C-S-Hの変質がダイレクトに影響を及ぼすことを実験で示すことができたので,いよいよ,細かい分析が実務上のコンクリート工学・技術につなげる時代になったと感じています。最近はやりの1H-NMR,SAXSについての研究は,後追いのものですが,それでも応用が広いと思われ,日本でも適切に標準化できることが望ましいと考えています。SAXSはすでに5年目ですが,やっとパラメータがそろってちゃんとしたデータが取れたという状況です。来年はなんとか論文投稿したいです。1H-NMRについては,まだ,測定パラメータをさぐっている状態で,半年はデータが出るのにかかりそうといった状況。今後は,放射光を用いた分析の時代ですが,論文のための研究ではない研究として,放射光と使いこなしてみたいです。

・すでに4年目に入った天然コンクリーション(特定元素の濃集現象)についての研究ですが,炭酸塩コンクリーションに加え,酸化鉄のコンクリーション研究が加わりました。今年は初めて,フィールド調査を行いましたが,生まれて初めて建物のないところに出張しました。実験で再現できない対象物に対して,ロジックておっていくというのは,ある種推理小説のようで大変楽しく,かつ勉強になります。論文一つとっても,書き方のマナーなどがいちいち勉強になっていて,基礎というかしっかりとした立ち位置の確保が研究者として重要だということに気付かされます。来年も,ぜひとも調査と実験を行いたいと考えています。



個人として

毎年思っていますが,今年も激動の時代でした。価値観が大きく揺さぶられ,公私ともに考え方が大きく転換しました。正しいかどうかは,あとになってからしかわからず,研究と同じで仮説と検証を,ひび地道に繰り返していくことしかできないというのを改めて思います。その結果が良い結果を生むことを信じるだけでした。
多くの不安な事案を抱えているのは当然のことであり,場合によっては孤独になるのは必然で,それをどうこうしようとすることが適切なのかどうかもわかりません。
瀧口先生には,研究をわかってもらえると思うのは期待しすぎ,という戒めの言葉をいただきましたが,実にその通りなのでしょう。

来年も,関係の皆様が共に楽しくプロジェクトなり研究を一緒に楽しめるjことを,あるいは委員会等を通じて実りある議論ができることを祈念する次第です。














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