2/15/2008

一月ぶり

いくつか考え事があったのだが,年度末っていういのはやっぱり忙しい。
ブルーな気分になるのがよくわかる。

近況
・豊田スタジアムプールの天井落下事故の調査委員会に入った。これ以上のことは,もう言えない。学会活動として行動できれば,もっといろいろ書きたいことがあるのだが。
ケイ酸カルシウム板の実験をやる。プール建築は,材料設計として非常に難しい。

・11月に投稿した黄表紙の査読結果がまだこない。どうなっているのやら。1月にも1本投稿した。

・久しぶりに広大に行った。ACIの報告書で,微量アルカリが伸びひずみに影響を及ぼすというレポートを再度見直したが,なかなか興味深い。アルカリはアルコツの問題だけではなさそうだ。ただ,なにをポイントで研究するか,というのはもう少し洞察が必要そう。

・大前研一の戦略論を読んだ。論文自体は90年代のものであるが,この人の合理的な思考は本当に理解しやすいし,本質をついていると思う。振り返って思うのは,少なくとも建築材料の範囲では,各大学単体で研究をやっていては,もはや社会的に必要なことにキャッチアップできないのではないか,ということである。セメント化学もそうだが,やはりアライアンスというか協働というものが必要になっていると思う。サイエンティフィックにつめる部分,工学的判断を役にたてる部分の両者のバランスが大学の特色を決めそうだ。

1/12/2008

ひび割れポテンシャル

今月号の黄表紙の論文2編目の方で,「ひび割れポテンシャル」って要は何ですか,という質問を受けた。

ひび割れポテンシャルが高い,とはひび割れが発生しにくい,という意味合いで使っていて,数値の正の方向は,ひび割れを発生させない方向になる。

つまり,コンクリートがひび割れまでにどの程度の余裕度をもっているか,という意味合いでつかっており,ある時点のコンクリートの応力と(応力履歴,温度履歴等に依存したその時点での)ひび割れ発生強度の対応をもってひび割れポテンシャルと提議している。

なぜ,ひび割れポテンシャルという言葉を使ったか,という背景には,そもそもひび割れ発生強度は上述したように養生履歴(温度,湿度),応力履歴等々の依存性があること,また,その時点で発生している応力にも,ひび割れ発生強度は依存していることから,両者を応力/割裂引張強度のようにそれぞれが独立な特性値として評価すべきではないでしょう,という思想がある。

また,別の意味合いでは,様々なコンクリートのひび割れ危険性を評価するときには,収縮応力とその収縮応力履歴を受けたコンクリートのひび割れ発生強度の対応から評価したら良いだろうと。

材料選定,調合時において,セメント,骨材,水セメント比をひび割れ危険性の評価から選定するには,潜在的にひび割れしやすいかどうか,つまり,完全拘束条件下での自己収縮応力と各材齢時でのひび割れ発生強度との時間依存性を評価する必要がある。本論文は,ひび割れ発生強度の時間変化を完全には切り取れないものの,二つの材齢を抽出して評価を行っている。

で,本論文では,自己収縮,乾燥収縮によってひび割れた時の強度,収縮応力が発生している状況において直接引張によって得られた強度を同一のものとしてとらえ,コンクリートがどれだけひび割れ発生しやすい状況にあるか,ということを「ひび割れポテンシャル」と呼んで議論している。

「ひび割れ発生の潜在可能性」という言葉の意味は,ある拘束条件下のある材齢で応力が生じているときに,ひび割れまでどれだけの余裕度があるか,というのを評価する目的でもちいている。我々は,応力履歴を経たコンクリートを所定の材齢で直接引張をした時の強度をもって,その余裕度をみたので,ひび割れたコンクリートだけでなく,ひび割れないコンクリートの潜在的余裕度も評価した,という意味合いである。

ひび割れポテンシャルは,コンクリートの一意な履歴条件上,ある材齢において一意に定まるのが本筋だが,また,拡大解釈として,コンクリートがひび割れしやすいかどうかを判断するに際して,ひび割れポテンシャルの時間依存性も含めて,たとえば「このコンクリートはひび割れポテンシャルが高い」といったように用いてもよいものと考えられる。

ポテンシャルは,場の意味ではなくて,語義通りひび割れまでの潜在可能性を表している。

12/26/2007

再インストール

久しぶりにPCの再インストールをおこなった。実に2年ぶり。落ち着いたOSになると,やはり便利なものがいろいろ出ていて,DriverMaxは秀逸:http://www.forest.impress.co.jp/article/2006/09/15/drivermax.html
すくなくとも,ドライバーが入ったファイルなり,CD-ROMを探さずにすむし,一度やるとOS再インストールが怖くなくなる。

ただ,IntelのChipsetドライバがだいぶん更新されていたことや,HDD用の最適化ツールが進歩していたので,それをUpDateしてみた。

セキュリティパッチはめちゃくちゃあるので,面倒くさいのでSP3のRC版をインストールしてみたが,今のところ快調に機能している。

12/25/2007

処々

1.JCI,耐久性力学WGのシンポが21日にJCI/半蔵門で開催されました。おかげさまで想定人数に達し、無事採算が取れるとともに、それなりの反響をいただいて終了することができました。ご参加いただいた皆様には心より御礼申し上げます。幹事・N先生、お疲れ様でした。

2.本
・11/17 ダイヤモンド ウェブの真贋
二極化する人材活用,女性の人材活用は今後の日本企業の大きな課題。労働力が少なくなるなかでは多角的な人材活用が重要。男性型にすることでは,長期的にデメリット。オランダ等のシェアプログラムはある意味で見習うべき。(中間マネジメントコストが発生する点については,従来から日本企業のマネジメントには問題があったので,模索していく必要がある。)
山崎氏(楽天証券)の投資信託銀行窓口販売の今後の課題は,もっともな意見。基本的に企業は自社の利益を追求しているのだから,メインバンクから投信を買うなんていうことはシナイほうがよいという意見。
フィンランドの義務教育の話。ゆとり教育だが,教科書の中身はすごく高度。
ドラッカー:意志決定において重要なことは,意見の不一致がないときに採決を行わない。

要読:経済大国興亡史,キンドルバーガー,岩波書店

年金の財源方式は政治と企業のご都合主義(野口悠紀雄氏),まったく同意見。

・11/27 週間アスキー
ミニPCに興味があって買った。情報は特になかった。

12/15/2007

経済格差・情報格差・企業モデルとウェブ

最近,日本経済新聞の提灯記事(消費税を賛成する人間が6割を越えたというもの)を見て,いろいろ疑問に思っていて考えたことがある。

基本的にウェブ上のサービスは無料モデルが支配的で,金銭を払った会員制のサービスモデルというのはなかなかはやらない。よほど専門に特化したものであるなら,可能なのだが一般大衆向けサービスでは無料モデルにかなわない。

無料モデルは結局広告収入に頼ることになる。古くはYahoo,現在ではGoogleが多くの宣伝を代理店として取り扱っている。思えばこれは,テレビと同じ構造で,スポンサーがいて,一般の人は無料で情報を享受している。ただ,最近のテレビ報道でわかるように多額のスポンサーの支払いでなりたっているので,スポンサーに不都合な情報というのはテレビを通じて我々には来ない。
本来は報道と新聞というのは独立関係になっていて,異なる報道機関の独立によって報道の自由度というのはトータルで担保されるべきと思うのだが,日本の報道は新聞とテレビ・ラジオはいずれも同族企業になっている。

結局,資本家の暗黙の制御が報道には働いていることになり,お金を持っている人に有利な情報しか,テレビ・マスコミには流されず,いくらジャーナリズムといっても,所詮は資本家の手の上で踊っている。完全に独立したジャーナリズムというのは,NHKであっても無理であり,それは国のお金が投入されているために,結局のところ,政府(すでに国民と政府・官僚は対立関係にある部分がある。不思議なところであるけれども。)の意向にそったものしか作れない。

そうはいっても,民間の資本家の意見が反映されないと言う意味で,NHKの独立というのは守られるべきで,それゆえ,NHKは視聴率争いから独立したジャーナリズムを歩むべきであるのに,そういうことを彼らはやっていない。
僕はテレビをもっていないが,NHKがこうした報道をするようになるのであれば,金を払う。テレビが無くてはも払いたいと思う。

そういう意味で,個別の人間がブログにニュースを書くという行為のみが真にジャーナリズムの形に違いが,そこに費用と責任が生じない限り,生計を立てることは難しいだろう。

そういった観点から,ウェブというのはインターネットができた当初からジャーナリズムを変えるといわれてきたのだが,それでも,結局広告モデルがはびこったため,資本家の手の上で踊ることになる。

情報格差はますます生じ,無料モデルを好む庶民は暗黙の上で,資本家の息のかかった情報にしか触れなくなり,マインドコントロールされてしまうのだろう。

そういう意味で,インターネットを用いた個の独立というのは,結局のところ広告ビジネスによって旧来型のマスメディアと同等な手順でうまく型にはめられた,といえるのではないだろうか。結局独立するには,資本から独立しないといけない,ということです。

そういう意味では,経済的自由主義というのと個人の自由というのは,なかなか同時に達成できるものではないな,とも思う。

12/12/2007

ゼミ用PC

今年から,学生の目の前で3日に渡って,FEMのコーディングをなにもないところからやってみせる,というゼミ・授業をやっているのですが,ノートっていうのが意外にPC上で面倒くさい。板書にかわらないものか,とも思うんだけど。

昔,ベンチャー企業の端っこにいたころ(2000年頃),ノートっていう,PCでは作成しづらいものをいかにプログラムかして,普及するかということに関して,プロジェクトノートを作成したのだが,その時やっていたことって普通にやられているんだよなあ。
大学生のソーシャルネットワーク的なものを,授業ノートを中心に作成するのと,授業ノートにXMLタグをつけて,検索,体裁すべて整えたデータベースを作成して,大学のE授業と連携させるというものだったんだけど。
当時は開発しなくちゃいけない要素技術が多すぎたけど,今だったら,過ぎ去った技術だよな。

という前振りですが,DellがタブレットPCを出したので,そろそろ買ってもよいのではないか,と思っているわけです。
http://japanese.engadget.com/2007/12/11/latitude-xt-pc/

12/11/2007

黄表紙,しびれた。

瀧口克己先生の討論,しびれました。こういう討論はもっと盛んにならないといけないと思う。大変勉強になりました。

12/05/2007

国の金

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20071205ib22.htm
「資産効果で国民を豊かに」国営ファンド求める議連発足

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20071205i113.htm
公的年金の運用、1兆6千億円の赤字…サブプライムが影響

何事もやらないと始まりませんが,よく戦略を練ってからやってほしいですね。国としては,ノウハウを蓄積ものと思いますが。



11/28/2007

豊田講堂の改修

豊田講堂の改修工事がそろそろ終わりそうだ。槇文彦の初期の傑作で,施工はT工務店が行っている。今回の改修工事もその流れを受けて,T工務店だ。

コンクリートの型枠には,表面に木目をつけるため,杉板が使われたが,今回どうような形で高強度で増し厚して補強を行った。(かぶりが少なく中性化が激しかったのだ。)
杉板をダイレクトに使うと,アルカリに触れて樹液が出てしまい,表面にダレが生じてしまうそうなのだが,それを防ぐために,アルカリ溶液の中に型枠をつけ,樹液をだして用いたと聞いた。
かなり,金がかかっている細工で,さすが豊田講堂(トヨタ出資)だ。

11/27/2007

セメント・コンクリート研究会


大学の先生方でやるマニアックな会議に参加してきた。
さすがに,大物先生の前にやるとなると,急に自分の用意したPPTがインパクトが無いと思い,急遽,昼から作り直した。

M先生の鉄筋腐食速度モデルは感心した。ただ,あれを突きつめようとなると,ちょっとしんどいな。
結局,不連続な問題をどのようにモデル化しますか,というひび割れの問題と同じ点に行き着いてしまうと思う。カオス的なモデル化であっても,人間はそのまま数式で表現しようとするのだが,どちらかというとコンピュータの離散的な性質をそのまま使った方がよさそうだ。

骨材問題の定義と写真はインパクトがあった。H先生。この人は,工学と政治の狭間にいられる人なんだな。すばらしい。T先生も似た傾向をもつけど,どちらかというと哲学に寄りすぎだな。

木材を切っても,二酸化炭素の固定したそのままなので,別に環境負荷は増大しないよな。

宴会は,中の出し物がエンターテイメント抜群だった。幹事をされたA先生には御礼申し上げたい。

次の日に閑谷学校に行って,論語の講釈を聞いた。
これも,素晴らしかったが,楷の木の紅葉がみれず残念だった。次回は是非,みたい。
 

11/19/2007

揮発油税の暫定税率、原油高騰で焦点に浮上

NIKKEI NET(日経ネット):主要ニュース-各分野の重要ニュースを掲載
そりゃ,個人も流通業者も大変だとは思うんだけど,そもそも,環境負荷低減で,イギリス,EUでは1L 200円あるいはそれより高い金額で流通しているのに。
どちらかというと,税金が何に使われているかをもってはっきりした方が良いと思うんだが。
景気回復に寄与するというなら,その論調でもう少し,説明して欲しい。