4/25/2010

4/13~4/25

4/13 神栄の湿度発生装置について話を聞く。湿度センサをいろいろ検討されている人であれば,国内の湿度センサとして,神栄名前は一度くらい聞いたことがあるだろう。湿度センサとしては老鋪で,高温に利用することもできるものを販売しているし,かなりバラエティがある。私も,たぶん,過去にあるものを合計すれば10台くらいは購入している。
神栄の湿度発生装置は,1960年くらいから出されているものであるが,神栄のセンサの校正用に利用されている。いわゆるマスフロー制御式であるので,理論上,湿度センサの精度よりも高くなる。
収縮関係の試験装置を新しく開発しようとしていて,湿度発生装置をいろいろ検討しているのだが,結局,神栄の装置は,発生量が大きく,完全に窒素置換できないのが設計になっている点で,購入は見合わせることになりそう。
窒素ジェネレータも結局は,CO2濃度が上がってしまうし,セメントの実験をやる限りにおいてCO2を省くことが結構な難関になる。
価格面から考えれば,かなりリーズナブルな値段になってはいるんだけど,非常に残念である。

4/14 JCIのマスコン英文化WGに出席。世界に出していく,というときに日本のセメント中心で構築されたコードがどういう位置づけになるか,というのは再整理の必要があると思う。
また,ひび割れ指数というインデックスがコントロールボリュームに対して一つであるということは,解析を通して評価することで,逆にわかりにくくなっている。これは,改善しなければなるまい。

4/15 自衛隊の駐屯地からコア抜きしたものが届く。1940年代のコアになる。分析を開始する。

4/16 研究科パンフレットの修正についての打ち合わせ,耐震評定など,雑務多し。

4/19 A本先生とM井さんに名大に足を運んでもらう。収縮に関するディスカッション。私はALCの挙動とセメントペーストの挙動の間,あるいはクギリメに大変興味がある。合成したC-S-Hの吸着挙動などを見てみると,Ca/Si比が1.2~1.3くらいのところでトレンドが変わったりするので,そのあたりを詳細に詰めていきたい。M井さんには,非常に多くの文献を紹介いただいた。また,新しい実験方法の取り組みなども紹介いただいて非常に刺激を受けた。

4/21 イタリア・ラクイラにおける文化遺産建築の震災調査に関する科研の打ち合わせ。新しい人たちと知り合いになれることは,本当に刺激になる。一方で,震災調査にどういった貢献ができるか,ということには工夫が必要そう。現在,理学部の人たちと,コンクリート構造物中の同位体の動きに着目した研究を行っているので,その延長で,木材関係から14Cの調査に入るっていうのはありかもしれない。ラクイラ建築の補強の歴史などがあきらかになるかもしれない。

4/22 久しぶりに土木の先生方と懇親会。T先生とK先生は欠席だったけど。コンクリートというよりは,健康に関する談義になってしまった。いやあ,最近調子悪いんで・・・。

4/23 同位体の分析に関するディスカッション。成果がある程度まとまったので,工学的なとりまとめが可能なら,セメント・コンクリート誌に投稿ということになった。英文誌への投稿はApplied Geochemistyとかどうでしょうか,という話になった。同位体分別については,結構昔にセメント技術年報に1編論文が出ていることがわかった。ただ,ちゃんとしたデータはとっていなくて,あくまでも仮説で終了。セメント系でもだいぶん,中身の話がすすんでいることがわかる。酸素の同位体を測定していなかったので,こちらは至急の追加分析へ。

この間,大学事務が住宅局の助成事業の書類を私に伝達し忘れるという驚愕の事態が生じる。慌てて書類をつくるなど,変なロードがかかって非常に神経をいためた。
いや,事務の方は年度初めでいろいろ大変なのはわかるけど,こういうエラーはいただけない。

エーライトとビーライトの水和反応速度の相互依存性に関する論文が黄表紙に掲載されたので,アルミネート相とフェライト相の反応速度論に関する論文を投稿。近年,かなりこの分野はデータがでそろっているのであるが,ポルトランドセメントの系で話しをしている論文となると,少し,本数が少ない。分析が難しいこともあるのだけれども。ただ,相組成別にデータをそろえると,やはり相当量のデータ収集が必要になるので,これは今後の大きな課題である。温度別,というパラメータがやっかい。

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