Comparison of shrinkage and mass change of hardened cement paste under gradual drying and rapid drying という題目で新しい論文が公開になりました。
修士の瀬川さんの論文です。1H NMR Relaxometryのお陰で、湿度と空隙の関係が明快になりました。そのうえで高湿度域の収縮、クリープを見直すと、不思議な傾向が浮かびあがります。含水率と収縮が対応しなくなります。数値解析を検討している研究者には困る現象ですが、現象理解に役立ちます。この研究は,以前の時間依存性吸着等温線モデルとも対応する概念になっています。
下記のように,各湿度に設置した試験体の含水率変化とひずみ変化をプロットしたのですが,直接,ターゲットの湿度に置くものと,ゆっくりとRHを下げていくものでは高湿度領域であきらかに挙動が異なります。特にゲル水が乾燥するよりも大きな湿度域でこの挙動が顕著なのが特徴的です。
ところで,この研究を実施するのに従来の研究を大きく実験系を変更させました。ここにあるように画像分析装置(精度0.1μm)で,厚さ1mmの円盤試験体をつくって,画像で寸法測定をすることにより,小さな試験体でデータ取得を飛躍的にやりやすくしました。透明なケースを用いることで,サンプルを取り出す必要もありません。
詳細は論文を読んでもらえればと思います。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2666549222000263
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