シルバーウィークに,1泊2日でカタールに行ってきました。秋田県ほどの国に人口200万人,ドーハには20万人がすんでいます。全人口の1割がカタール人で,その他は出稼ぎ労働者だとカタール人は言っていました。
カタールは産油国で,その利権をカタール人が握っていると聞きました。詳しい状況はよくわかりませんが,カタールを見ている限り,特権階級のように見えます。
厳密な宗教観を有しており,一切,お酒が飲めませんでした。ぜったいに裏口があるはず,とおもっていた私は奇しくもお酒断ちでした。
今回の調査の目的は,カタールが近年研究に資金を助成しているカタール財団の研究費がどのようなものか,というものでした。また,併せて,シビル分野でのコラボができないか,ということでプレゼンをカタール大学でさせてもらいました。
結論からいいますと,カタール財団による研究費は少しハードルが高そうです。極めて政治的な部分があるし,表の顔だけでないこともわかりました。逆にそういった資金をもらってしまったら,それはそれでしんどいだろうな,という部分もありました。野心の大きい人は,是非,日本からもチャレンジしてもらいたいと思いますが,私個人としてはメインでパートナーになるのはしんどいとおもいました。
一方,9月末で,朝方31℃,昼間40℃を超える土地での建設ということについては興味があります。耐久性も今後の大きな課題だと認識しています。現在,2022年のワールドカップにむけて都市が急成長のドーハでは,人口も車も増えており,大変な状態になっています。その後来るだろう経済停滞期も含めて,どのような成長を進めていくところか,都市設計をどうするのか,それぞれの建築がどんな人生をたどるのかということは,今後の中東建築を考える上では重要なロールモデルになると考えられます。
幸いにも,地下鉄工事を担当されているFujitaの方に現場の状況も伺うことができましたが,やはり土地土地の困難なことが多くありそうでした。
私個人としては,お酒がまったくないという時点で,生活面での興味がなくなっちゃいましたが,ホットエンバイロメントという観点で大変興味があります。いやあ,コンクリートってどうなっちゃうんでしょうねえ。
カタール大学では,カタール人の先生に大変熱い話を伺いました。たしかに資源がなくなったあとにこの国はどうなっちゃうのか,というのは重要な危機意識ではないかと思います。お金がなくちゃだめだけど,お金だけでもダメだ,という大変な問題に直面されていました。
今の日本政府もそんなかんじなところがありますけどね。
危機意識をもつ現場と権力が繋がることができない,というのは不幸な状態なんだな,と改めて思いました。
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