AIJでは,収縮・クリープのセッションを聞けるときには聞いた。9日のこと。
おそらく意図していないのだろうけど,やっぱりそうなるよね,といういいデータが2,3編でていた。
北方建築総合研究所さんの研究で,細骨材率の件は,当方も骨材寸法によって収縮に対する抵抗性が変化することのひとつの裏付けを行っていた。発表者さんの方では,別の要因に影響を求めていたけれども,たぶん,骨材寸法の影響の方が大きいと思う。
建築研究所,ベターリブングなどの実験結果が水セメント比の影響が乾燥収縮にほとんど影響が無いという点も非常に面白い点である。エーライトの反応の観点からみると良いんじゃないかな,と思っている。発表者の方もいっていたように,脱水量は異なっているのとヤング率等も違っているので,全体的なバランスの問題でもあるわけなんだけれども。
V/Sの検討もいくつかあったけれども,水分移動の観点から考えれば,寸法の絶対的な大きさの議論がかならず必要になるので,小さいところで議論しても意味がないだろう。
膨張材関係では,膨張材の収縮ひずみ換算の話が出ていた。これは厳密に議論することもできないし,膨張材の温度依存性の話もわからないので,初期に蓄えられる圧縮ひずみをその後の収縮に換算するモデルをつくって,評価する,というのがおとしどころだろう。建築ではエネルギー一定則もなりたたない部位が多いので,適当のクリープで有効ヤング率法で応力の蓄え具合を予測する方のモデル化も必要。その場合の有効ヤング率に関する係数は,鹿島の法から出ているデータで整理するか,あるいはいろんな拘束度試験の条件から逆解析して合意をとる方法があるかな。
2日目は,原子力の再生骨材の方に顔を出した。再生骨材Hのクオリティというものに興味があったので。砂利ということも考えると,かなりのメリットがあるけれども,凍結融解抵抗性が良くないというのは興味がわいた。後で聞くと,別の産地の骨材だと凍結融解抵抗性も良いらしいので,骨材由来らしいのだけれども,そもそも,凍結融解に対する骨材のクライテリアってなにかあるのかしらん,と思って調べているところ。勉強不足でした。
あとは,なんかもう,それそもそも目的がまちがっているんじゃないか,とか,目的に対してアプローチとか実験水準がまちがっているのでは?というものが多数あったけど,初っぱなで脱力して,それ以後,なにもいえなかった。でも,こういうのいってかないと,学会としてのレベルはあがっていかないよな。
特に学生さんは,自分で考えてこうなったのか,教員がそもそもまちがったのかもわからないけれども,本人には教えてあげた方がよいよなあ,と思うことがしばしば。
一方,AIJ中は,実験・研究の打ち合わせが4件程度あり,聞けないセッションも多数あったのは残念だった。もう少しディスカッションしたいような話もあったのだけれども。
帰りは,特急で一本で帰ってきました。
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