11月17日~のことであるが,新潟大学のS先生のところに,私と学生2名で訪問した。ご存じのように,S先生のところはC-S-Hの研究を始め,多くの基礎的な研究をあらためてやっているところであり,先生の論文にはインスパイアされる部分が多くあった。
S先生のところは,耐久性関係からのアプローチで,塩分の収着挙度やイオンの移動挙動からC-S-Hをはじめとしたセメント硬化体中の水和生成物の問題を取り扱っているが,我々のところは,水和-発熱/自己収縮-乾燥収縮-ひび割れという形の中でC-S-Hの構造および性状が問題になってきた。
当日の最新のデータ報告やディスカッションでは,まったく違うアプローチではあるが,同一の現象を研究していることを相互に確認し,その相互依存性や物性の統一的記述についての相互理解が深まった点は非常に有意義であった。
また,高炉系の研究ではアルミの挙動がどうなっているか,という点がやはり確認できない部分で,既存の理論では整理できない点も浮き出てきた点と課題の共有ができたことも,今後へつながる成果であった。
他の研究者のデータ・検討の問題点,信頼性の問題などについても少し話をしたが,こういった点はなかなかオープンにできないことではあるが,なんとはなく,共有されているのがわかっていて,やはりそういうもんなんだなあ,と改めて感じた。
また,実験のディテールなどについても,つつみ隠さず教えていただいた点に心より感謝。
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