Delftの友人 Ye Guangが来ていたので,大学を見せるのとひつまぶしを紹介した。中国人には,ひつまぶし,結構ヒットのようでした。
研究のスタンスは,デルフトの時から両者は大分隔たりがあったのですが,最近の研究テーマ,とくに高炉の部分というのはディスカッションがあって面白かったですね。
自己修復コンクリートの話や軽量骨材関係の話も,わりとかぶる部分があいかわらず多いので,うまくいけば共同研究を張れるかな,という感じ。
しかし,マイクロラボの予算規模は,すごいですね。普通に数億円ですからね。
ただ,お金が自由に使えないって,こぼしてたけど・・・。
AIJ大会 8月26日~29日
AIJ大会は仙台でした。いろいろタイミング的にかぶっていて,這々の体でたどり着いた感じ。
骨材関係のデータが多く出てきました。一回忘れられた文化だ,というのは今本先生がJCIでご指摘した通りで,戦前では日本でも普通にディスカッションされていたのに,あるいは70年代より前の論文でも考えている人が多かったので,いつのまにか消えちゃった。
でも,データがまた出始めたのは良い。Tセメントチームの微粉にすると収縮低減効果が無いという結果は,メカニズムを考える上では面白い。
今回,猪飼さんの発表で解析で追えるかとおもったのですが,ひび割れを考慮しても,結局平均化した値で評価すると相似則になってしまってうまく引き出せなかった。
司会の今本先生のご指摘の仕入先生の論文を読んでみたが,たしかにこういった考え方は起こりうるとおもって解析したんだが・・・・。
仕入先生が使っている骨材のヤング率は相当に小さいので,データが整合しているといっても問題はあるように思う。
我々の推察では,骨材周囲の遷移帯が相当にクッションの役割をになっているんだ,ということになる。なかなか検証が難しい。
でも,まあ,ペーストからコンクリートをつなぐっていうことをちゃんとやっても良い時代。
是非,実験・解析から解明したいところ。
中性子のセッションで,発表された木材中の釘の応力測定はいかしてる。可能性が相当にある研究。長期挙動,乾湿の影響,錆びの影響などがとれると面白い。
あとは地震時の釘の応力なんていうのは,本当にいけてる。
ただ,RESAって結構データとるのに時間かかるので,むずかしいかな。
その他
今回は建築材料では仕上げ,環境関係がやや増えたかな。コンクリートのセッションはぼちぼちでした。なんか,メカニズム的な研究というのがほとんどなくて,データ取ったらこうなりました,というのが多くで聞いてて疲れた。
JASS5とか大臣認定とか,本来は考えて設計するもののように思うんだが,結局ルールありきでデータをとってて,なんだか主旨とちがってきているのではないか。データが適合すればOkみたいな風潮,その極端な例が火災規格関連の事件だと思うが,困ったものだと思う。
そもそも,建築材料系の教員が少なくなっているので,特に若手はメカニズムとか原理とか,なぜ,問題がおこるのか,新しい材料設計とはなにか,とかそういったクリエイティブなことにシフトしていかないと。
大学の先生まで,指針づくりのデータをとることは無いでしょう。ああいういのは,建築研究所とかゼネコンとか,国の金を使って,決まった手続きでやればよいのでは,と。
(ゼネコンの研究所が縮小気味であるときに,こういったことも一部の大学でやるのはやむを得ないのではとの意見をいただきました。個人的には,そういうのこそ試験所とかコンサルに金を払ってやるべきで,最終的には施主が負担すべきもののような気がしますが,反省として消します。)
論文ネタが無いからかもしれませんが,手法ありきの研究が増えてきましたね。分析系。
別に技術の向上という意味で,否定はしませんが,結局それでなんなんだよ,とつっこみたいようなものも。
マニアックなパートで世界で初めてのデータを取るというのも快感なので,時として私もそちらの方向に心奪われることもあるが,そうはいっても,基本的に水和から構造性能を予測するためのパーツ以外は,現在のところ触れてない。
論文の立ち位置と意味合いくらいはしっかりしておきたいところ。
(私の想像力が無い,という批判もあるかもしれません。そういう場合は,方向性とか,何につかうのか,とかあるいは結論の書き方は工夫していただきたいところです。自戒もすべきですが・・・)
水分移動のデータとりまとめに,潜熱の影響を持ち出した人がいましたが,もう少しオーダーの議論とか工学的判断とか,データの取り扱いとか考えた方がよかったですね。化学ポテンシャルの算出で293K をつかっていて,そこに0.2度程度の誤差があったとしても1/1500くらいの差異なわけで・・・。
まあ,あまり,そういうのに詳しく無い人なんだろうし,しょうがないんですが。代入計算くらいはできるんじゃないか。
乾燥収縮試験のV/Sについては,V/S比の意味合いから考えて関数系をつくらないといけないんでしょうね。
ま,計算でコンクリートの収縮出すのが早いとおもいますけど。
FEMで遷移帯いれるのは,ちとしんどいかなあ。
0 件のコメント:
コメントを投稿