3/30/2014

バルセロナ

3月12ー15日で,バルセロナに海外出張に行ってきました。国のお金でいってきましたので,いつも通りここに報告します。ただし,守秘義務もあるのですべては話せません。ORNL主催,現地ホストはAnderade教授とスペインの原子力規制当局,というような会合で,主題は放射線がコンクリートの及ぼす影響に関する知見交換会というものです。


卒業

今年は,D学生1名,M学生2名,B学生1名が卒業することになりました。コンクリート研として,私共は,学生が自分が成長できたと感じられる教育,研究プロジェクトをどれだけ提供できたか,をこのタイミングで振り返ることができます。幸いなことに,最近は,周りの協力をお申し出いただいている方々のおかげで,材料・構造に関わる,おそらくもっとも困難な研究のいくつかに携わらせていただくことができ,学生もそれに関わることができています。
また,研究設備ももっとも,(マニアックな方向ではありますが)整いつつあり,疑問に思った様々な事柄を明らかにすることができる環境もそろいつつあります。
ただ,こういったインフラは,結局中の人がどうなっているか,というのが大事なので,中の人が使いこなさなければただのゴミです。
今年卒業した各学生は,ツールとして環境を使いこなすこと以上に,人として周囲の人間にインパクトを与えられる人間でした。


3/02/2014

H25年度プロジェクト

2月28日に、プロジェクトの報告会がありました。

今年度の報告会では、参加者(外部の方も自由に参加可能)の方にプロジェクトについて、目標、手段、研究組織、成果について評価していただく形になっており、その結果は、来年度の継続研究の有無、予算配分に活かされるという、国のプロジェクトとして、もっとも健全な報告会になりました。さらに、プレゼン資料を当該研究分野の研究者の方に送付してレビューをしていただく、ということでその点でも非常に進歩的です。

このプロジェクトではリーダーが、国際貢献とともに世界トップ水準のプロジェクトという覚悟で、という雰囲気を非常に上手に出していて、委員としての私も、いや、そりゃそうだよねっと思わざるをえなかった、という次第です。
でも、周りの人のご助力もあって、国際的にも研究の進め方や問題点についてディスカッションする場を定期的にえることができました。日本のプロジェクトとして世界に足りていないどのあたりのデータを取るのか、というも随時意見交換することができますし、では実際にどうするか、ということについては、国内にも沢山の素晴らしい研究者の皆様からのアドバイスのおかげで、常に先々と予備実験をおこなうことができています。自分の持ち出しも相当額になっちゃっていますが、その御蔭でプロジェクトとしては、かなり冷や汗ものですが、着実に結果が出ております。

こういう先進研究に30代で参加できたのは、自分の研究キャリアでは非常に大きな経験であり、大変に感謝する次第です。
来年度もうまくスタートが切れればと思いますし、これらの成果は海外ジャーナルに適宜発表していきたいと思います。

おおよそ、年度内の報告書関係は一息ついた(のかな?まだ、出していないのあったら指摘ください。)ように思います。3月中旬には、スペインで第一回、コンクリート放射線マニアの会を行います。私の行っている研究分野について、各国で検討されている研究者があつまって 議論を行うという大変マニアックな会でして、非常に楽しみです。


査読とか

最近も引き続き、大量の論文査読をやっておりますが、沢山こなすとともになんとなく考えることが変わってきました。

論文の査読を客観的にやれと言われましても、ジャーナルのポリシーが適切でないと査読はできません。どの程度の論文であれば掲載にふさわしいのか、というのは実は大変に難しいです。パラメータを一つ追加して、図版が新しくなればそれでよいのか、混和剤が変わっただけでよいのか、というのはジャーナルポリシーに依存するのでは、と。
オリジナリティをどこをもってオリジナリティとするのか、その評価は実に人それぞれであり、査読者の価値観だけで判断してよいものでもないように思います。が、実際にはジャーナルでは、この程度のレベルを採用としてくれ、というような依頼はなく、結局、どのジャーナルも玉石混合となっており、某米国誌などはその最たるものではないかと思われます。まあ、ページ数が厳密に制限されているので、大きな主張の論文が投稿しにくいというのもあるとは思うのですが。