10/30/2013

10月30日 その1

最近、よく更新しているじゃん、と思ったらもう、このていたらくです。毎年、10月から2月までは、各種報告書のためのデータ取得と解析をしこしこやっていて、あまり、自由奔放な考えができず、頭がやや堅めです。学生さんと話をするのが楽しい。

実験や解析も失敗がディスカッションして楽しいのですが、報告書が目前にあるとそうもいってられなくて、こういうのも善し悪しだな、と思います。

10月頭は、ノルウェーにいってきました。実験の進捗を確認しに。これって書いたっけ?ああ、書いてなかった。コンクリートを原子炉の中にいれて、その後圧縮試験、という1行で済むような実験では有るのですが、原子炉の中のコンクリートにはいろいろ生じていて、ビックリ。
いや、びっくりっていっちゃだめで、かなりいろいろ想定していて、こういうこともあるから、ちゃんとしてねっていってあったのにうまくいかない事もあって・・・。こっちでは予備実験もして、データまで見せたのに。

というわけで、走りながら、軌道修正というつらい状況にあります。心休まらない。
まあ、最低限のデータはかならずとれるようにセットアップしてあるのですが、最大のパフォーマンスを引き出すのが私の役割なわけで、なんとかしたいと思います。


今月は、湿度制御型TGが導入されました。湿度発生器は、旧Bruker、現ネッチェの製品です。QuanterqromeのAquadyneという装置が質量型吸着等温測定装置として保有していましたが、水の注ぎ足しができないので、超長期測定ができず、高温・高湿度領域のデータに不満がありました。
ノズル式の分流法による湿度発生装置は、圧力制御の観点から水の追加が難しいらしいのですが、水頭差を用いた制御でうまくいくようになっていて、こちらは理論上は無限に長い測定が可能です。TMAと測定温度範囲が異なってしまうのですが、それでも有用な試験機になりそうで、重要なデータが今後、出てくるでしょう。TMAと両者が同時に測定できるというのも重要で、これで、10年来の装置が整備されました。
今後は、収縮メカニズムについて、よりマニアックな研究ができますし、骨材・粘土鉱物関係にもこれらの研究は展開する予定です。

粘土鉱物関係ということでは、砂岩系骨材についてセメギで発表しましたが、これを、より詳細にとりまとめました。地球化学的に間違ったことを記載してはいけないので、全体レビューを博物館の吉田英一先生にお願いし、連名になっていただきました。新しい方向性の研究の一軸として、海外投稿を11月中にはしたいと考えています。

一方、ACIに投稿した画像相関法論文については、リジェクトされました。海外投稿の査読は、いままで大抵、自分が反省させられる良い指摘だったのですが、今回は、査読がたらいまわしにされ、6名のコメントが帰ってきましたが、到底、納得できる理由ではありませんでした。まあ、ACIむきじゃなかったということなのかもしれません。もう少しブラッシュアップして他所に投稿しようかと思います。

現在、セメント硬化体の物性関係の論文をとりまとめているところです。少し廻りを見回すと、もう少し、英文でとりまとめておいた方が良いデータが、いくつかあることに気づきました。年内、もう、数本かければよいかな、と思います。

現状の戦況:
MAAS 超高強度      → 査読中
ACI DIC           → リジェクト →再投稿用準備
CCR HCP-変質      → 査読中 R2
ACI コンクリート熱・乾燥 → 査読中
ACI 骨材 来月投稿?
ACT 硬化体物性 来月投稿?