1/31/2011

Chrome関係

http://www.lifehacker.jp/2011/01/101227gmail_webapps.html

Gmail関係のものです。

http://antarespc.com/web-browser/google-chrome-extensions.html

こちらが、ChromeのExtension。便利なもの多し、です。

NoteSlate

これまた、便利そうなデジモノ。
http://www.monogocoro.jp/2011/01/19/noteslate.html

研究プロセスでは手書きメモがすごく大事なんだが、それがこれで一発解決!?
大変気になる商品。

LUMIX DMC-TZ20

http://dc.watch.impress.co.jp/docs/news/20110125_422497.html

GPS, 手振れ、光学ズーム倍率、撮影素子 いずれもばっちりではないか。これ。

コンパクトなので、F値が少し大きめだけど、手振れがうまく機能するならありだなあ。
夜の室内写真がアップロードされるようになったら、購入を検討しよう。

1/30/2011

分離圧理論の問題点,今後の課題

先週の一連の講習会の最中に,分離圧理論の今後の課題などをご指摘いただいた。表面張力理論との差別化の問題もあるので,少し考えて見た。

1)
吸着水の吸着厚さ変化によるポテンシャル変化を駆動力としている点ではまった同じ形をしている。

2)
表面張力理論は,固体の体積変化を変形のターゲットとしており,分離圧理論は固体間の空間に変形のターゲットをおいている。表面張力理論では,固体の体積変化の反力に固相のバネを想定している。
表面張力理論においては,セメント硬化体などを対象とする限りにおいて,固相・吸着層の区分が難しく,かつ,固相のバネとは何かという問題が生じる。
分離圧理論は,閉鎖空間内の吸着挙動を想定しており,閉鎖空間に吸着したときに生じる分離圧に対して反力を受ける力の観点が不明瞭である。C-S-H間に働く力だけでなく,閉じた系であるとすると,これまた,固相の剛性も想定せざるをえない。
しかしながら,式の形として考えるのであれば,吸着層の変化によるエネルギー変化を駆動力とし,対応するコンプライアンスをセメント硬化体に求めるので,形として一緒になる。

3)
研究上の実質的な部分においては,表面張力理論では,実験結果のしわよせは,固体の剛性,(表面力変化に対するコンプライアンス)の評価にいく。私の提案した分離圧理論は,しわ寄せが分離圧曲線そのものにいく。つまり,定義からさかのぼって分離圧自体を求めているので,どのようなメカニズムでも吸収してしまう,ちょっとトリッキーな形になっている。
どちらも,コンプライアンスの評価ができていないので,現状での課題は残る。工学的有用性という意味では,私の提案した分離圧評価が,水セメント比や鉱物組成に依存していないので,やや有用ということになるのではないか,と個人的に考えている。

なお,この観点を整理しようと考えて,ヤング率・ポアソン比の空隙や含水率依存性についても評価を行っているが,今もって綺麗に整理はできていない。(相組成から予測できるようにはなったが,セメント間の力という観点での評価がまだできていない。)来月号の黄表紙とJCIの年次に五十嵐君が投稿したので,興味の或方は,パブリッシュされたら見てほしいと思う。


長岡の下村先生からご指摘いただいたが,これでは,正当性を示すことはできないので,別確度からも検証する必要がある。私自身苦心しているところではあるのだが,一つは,セメントの鉱物組成や水セメント比によらず,そのポテンシャル曲線が一つで示されるというのは,間接的に普遍性を示しているのではないか,と考えている。
もう一つは,最近提案しはじめた,線膨張係数との関係である。これも推察がうまく通ったので,ある程度のサポートになるが,それでも,一発証明というわけにはいっていない。

なお,Nonat先生のグループがC-S-H間の力を,AFMで直接測定しているが,そのときのC-S-H間の最大の応力は,30MPa程度であるので,私の分離圧で想定している圧力とは1,2ケタ異なっている。減衰の領域という観点では,同じくらいのオーダーになっているのではあるが。

最後の懸念事項としては,乾燥プロセス中もC-S-Hは変化し続けている。青野さんらのACT論文では50℃の乾燥でもC-S-Hの会合反応が促進することが示されている。なので,比表面積そのものもダイナミックなものである。だから,ヒステリシスも生じるわけである。ACTに投稿した論文の最後に書かいたように,この一連の変化は,C-S-Hとしては再現性の高いものになっている。

結局,私が提案している分離圧・水和圧理論は,C-S-Hの会合反応による物性変化・収縮駆動力変化・体積変化も包含したものを分離圧という形にとっており,それはC-S-H量の再現性の高い反応プロセスにサポートされて,全体的な挙動に汎用性がついている形になっている。

ステンレス鉄筋とか,乾燥収縮規制とか。

ステンレス鉄筋の線膨張係数が大きいことは,周知の事実である。
鉄筋がさびなければ問題無い,ということで問題無いという立場もあるかもしれないが,それでも,温度変化のたびに,鉄筋周囲にひび割れは入りそうだし,鉄筋コンクリートとして,付着・定着に十分な機能が長期的に確保されるかについての懸念は未だ残っている。JASS5Nでは,そういったコメントが出された。仕様としてどう考えるかは,今後の課題である。
これも一種の相性問題の一例ではないだろうか。


先日,広島の講習会で,建築の乾燥収縮規制は下品だというご指摘を頂戴したけれども,我々はどんな人にも良い建築物を作ってもらうための仕様書という立場上,品質の確保ができない以上,仕様書にあるかぎりにおいて規制はやむを得ないという立場を取る。
耐久性に関する仕様設計というのは,どうしても,個別の品質を良い物にしなくては,無条件で良いと断じることはできないからだ。
各材料・構造の性能をうまく使いこなせる人には,性能設計の道を閉ざす物ではないし,それによって安価で合理的に良い物を作ることは建築業界では,励しているし,法律でも解放している。私は別に下品ではないと思う。

むしろ,様々なレベルの技術者・設計者がいる中で,地震国でありながら,これだけの建築物の性能を担保している国・建築業界のシステムというのはないし,世界に誇れる物であると私は考える。加えて,日本の一般の方々が望む建築物の要求というのは,非常に高いのだ。

オープンな社会で底辺を支えることの苦しさ,無条件で批判を受けることの苦しさを知っている人からの批判であるのなら,反省点として生かしたいとも思うが,立場自体が違っていて議論にはならないと思ったので,私はあえてその場では,反論しなかった。

私は幸いにも両者の立場に属したことがあるので,それぞれの良さ・悪さというのは,それなりに理解できているのではないか,と思う。立場が違えば,意見が違うのもまた,当然のことである。必要なのは,収縮問題があって,それぞれの業界でどう対応していくか,技術と経済性をどう折り合いをとるか,ということであり,その手法は,共通の部分もあるだろうし,そうでない部分も多い。

社会や研究の向上のための痛烈な批判というのは,私としては,心から欲しているものであり,76委員会でのご意見は,貴重なものだったと思う。




建築物の施主・設計者・施工者・法律を定める国,における責任分担が明確でなく,姉歯事件以降,建築確認という事項が,実質の許諾であるとの立場から,国の責任範囲が拡大してしまい,設計者の責任が低下することで建築物にかける建築業界のプライドみたいなものが揺り動かされてしまっていることは,こうした品質の問題と相補的な部分がある。
設計者が考えることを止めてしまうと,また,責任を取らなくなってしまうと,最低限の品質を確保するための法律・仕様書等の位置づけは相対的に上昇して,規制の社会的インパクトは大きくなるからだ。


社会において,仕様書をどう位置づけるか,というのは,建築学会各支部などで講習会や意見交換会をやって,我々の世代で再整理しても良いと思う。若手委員会ででも,提案しようかな。
個人的には,基準法をどうしていくのか,というビジョンの方がもっと大事だと考えている。これは,法学者・経済学者も含めて,インパクトについて再評価することから始めるべきと思う。壮大なプロジェクトだ。

1/28/2011

76委員会

(本内容は、まだ、記載を変更・追記するかもしれません。)

水曜日は、76委員会の講演。体積変化と骨材の相性というタイトルで、講演をさせていただいた。石灰石骨材を高炉セメントコンクリートに用いると強度が(多かれ少なかれ)標準試験体の強度よりも小さくなる、(正確にいうと、たいていのコンクリートは強度が小さくなる。その影響が比較的大きいかも、という主旨であった。)という事実について、ケースバイケースであるので声高にアナウンスしてはいけない、というご指摘をいただいた。その通りで、私もその現象をアジるつもりはない。そもそも、建築分野を含め多くの方には、石灰石に代表されるある種の骨材は、温度履歴とともに強度の伸びが悪くなるという現象は一般的であり、今更観もある話題である。相性問題の一例として、線膨張係数が大きくなりやすい高炉セメントと線膨張係数が小さいといわれて久しい石灰石骨材をその典型例として例示したのだったが、引用が不十分で、適切な代表例として伝わらなかったのは反省点である。

建築では、温度履歴を経ると強度の伸びが悪くなるということはよく知られている事象であり、特に石灰石骨材を利用した場合には、そういった事例が顕著になるということは、かなり昔から知られている。二次部材メーカーの方も、ご存じのことではないか、と思う。
高強度コンクリートの場合には、こういった問題が生じやすいことを、NewRCプロジェクト前後において、構造体コンクリート強度の観点から、さまざまなデータが示されて、建築では定量的な議論も行われた。
(でも、石灰石骨材は案外もろいので、石灰石骨材を高強度に用いるのは、特殊ケースだと認識している。)

建築では、構造体コンクリートの管理という概念が浸透しているので、そのケースバイケースにおいて、ちゃんと実構造物の強度・品質を確保するように、強度を割り増して調合設計をしている。
こういったものは、JASS5において、S値、という形で整理されているものだ。
これは先人の方々がつくった、建築側のよいシステムの一つであり、構造体の性能を確保するという観点において、非常に合理的な方法であると思う。

コンクリートという非常にうまくできた複合材料は、バランスがよすぎるので、なにかひとつの性能を突出させようとすると、たいていは弊害がでる。しかし、それは運用と全体設計でうまく調整して、構造体の中でよい性能を伸ばしてやるべきものだ。よい方向ばかりを喧伝して、負の方向に気を払わない、というのは研究者や技術者のやることではない。よいところを伸ばすためには、悪い部分をカバーしてやる配慮が必要だからだ。マイナスが小さくて、その影響の程度が無視しうるということであるのであれば、それを払しょくするデータを示す必要があるだろう。

しかしながら、そういったデータは、そもそも取得されていないとは思うのだが、多くは公表されていない。よい部分は出しやすく、悪い部分は出しにくいから、というのも別の一因かもしれない。しかし、研究者という立場では、それをするわけにもいかない。

研究者は、悪いところをほじくり返してばかりいるという指摘もある。頭の痛い話である。本人にとっては良心でやっている部分もあるし、一方ではそうでもないと研究が無いからやっているのだというような揶揄もあったりする。その重要性は萌芽期には認識されないし、評価が行われるのはずっと後の場合も多いので、これもまた、研究者の口を封じることが難しい点である。しかし、ある種のバランスを保ったコンクリートというのは、本当に素晴らしいので、そのバランスから崩れたものに対して、よい点・悪い点を整理して、悪い点を補いながら使うというのが、よい構造物への一歩であると私は考える。


私は、石灰石骨材を高炉セメントに用いる場合には、注意が必要かもしれない、という指摘を行った。体積変化という観点からは、複合材料としてバランスが悪くなっているからだ。
ご指摘いただいたとおり、石灰石骨材にも、高炉セメントB種についても、ばらつきは多く、一概に言えない部分も多い。石灰石骨材だけがわるいか、といえば、もちろん、ペーストとのギャップの観点からいえば、線膨張係数の小さい骨材一般の話であるので、硬質砂岩のある種も例外ではない。そして、ある範囲の差であれば、影響はほとんどなく、驚くほどのわるさなどは確認されない。その差がどの程度なのかということは、残念ながらわかっていない。繰り返すが、建築では高温履歴を受けたコンクリート強度はたいていの場合に低下する(強度の増進が停滞する)ので配慮が必要という態度で一貫している。
であるから、石灰石骨材だけが、ということについては撤回させていただいて、体積変化の観点からミスマッチがある場合において、という形に言い換えたい。

研究者であるので、どのように材料を用いるべきかは、今後、責任をもって示していくつもりである。
(講演では、そのつもりで、2例ほど対策を提案させていただいたのではあったが)

今読んでいるローマ人の物語にも繰り返して出てくるカエサルの言葉、「人は自分が見たいように見る」というものがあるが、そうならないように自分を律しつつ、研究に取り組みたいと思う。

多くの表裏のないデータ・意見が集約され、よいものをつくるためにどうしたらよいかが、おのずとわかるようになることを望む。そのためにも、今後とも、さまざまな意見交換・情報交換をさせていただきたい。

講演・報告など

学生の多くは、最初、大学や大学院に一生を食べていけるだけの何かを求めている。その何かが、授業で教えてもらえるものの総体であると勘違いしている者も多い。5年先で自分がどうやっているかなど想像もできない現在において、一生を食べていけるノウハウなど迷信でしかない。一級建築士資格も同様である。そういった現実を学生個人個人が見つめることがまず、教育を受ける側の第一歩ではないか。
(子供一人育てあげていない私がいうのも恐縮だが、)親の教育と同様で、私が学生にしてあげられるのは、社会に出た時に自分の能力を信頼できるだけの、基礎能力の涵養を、研究・実験という実践的な場を通じた支援することだけだ。
情報を集め、自分の想像力・創造力で補完し、真理を見極め、仮説を立ててそれを実証する。しかもそれが、実験を通じて、最終的には論文という形で示せる研究という形は、こういった涵養に適切な材料であると思う。

1/22/2011

建築学会構造系論文集

1月号には,2編の論文が掲載された。

一つは,アルミネート相,フェライト相の水和反応をリートベルト解析で見てみた,というもの。結晶として確認できるものから,石膏の量をトレースするとかなりの精度で解析ができていることが確認された。
高温で養生しつづけた場合には,アルミネート相,フェライト相の水和の停滞が顕著になること,特に石灰石を入れた場合にもそれがみられること,が確認され。これらの点については,大門・坂井先生グループをはじめ,すでにいくつかの既往の報告がある。
また,Matschei博士らがCCRで報告しているように,CO2/Al2O3の比とSO3/Al2O3の比のバランスによって生成される相組成が決定される点について,本検討結果は符合した。
また,速度論的な観点からみても,どのような相が析出するかで,その速度はかわっており,特に石灰石の有無によるアルミネート相・フェライト相の速度の違いはそれなりに大きい。
これらを,材齢1日以後のデータに合わせるべく,修正したJander式をもって,フィットしたというのが論文の特徴。
石灰を入れた系でのデータを詳細に示した一例としての価値はあるのではないかと思う。

二つ目は,長さ変化試験を異なる温度でやってみたというもの。
下図にあるように,温度を上げると脱着線は大幅に下がる。同一相対湿度での含水率は低下する。この傾向は,最近だと,フランスの原子力関連グループが高温域での脱着線データをCCRで報告しているけれども,それと符合する結果になっている。一方,長さ変化の方は面白く,20度→40度でのデータは無視するとして,40℃飽水状態から乾燥させていくと,あるところから,乾燥収縮は小さくなる傾向がある。大体それは,RH60%以下である。



温度を上げると見かけ上,表面が疎水化するので,その影響が出たものと解釈できるが,この見かけ上の疎水かを何に起因すべきかは,今後の検討課題である。
飽水状態にしていても,温度を上昇させると含水率が低下するという点は,査読でもご質問いただいた点だが,詳細な検討を今後していく必要があるだろう。

20度の比表面積を与えて水和圧曲線を導出したものが下の図である。ここに示されるように高温での減衰曲線は大きく異なっている。





この後,新しい装置が導入して,あらためて異なる温度の脱着線をとったところ,比表面積(あるいは水分の吸着サイト数)そのものが温度で大きくことなるので,比表面積も40度のものを与えて評価する必要があるようにも思う。そうすると実は同じになるのではないか,という気がしているが,この試験体はすでに半年がすぎてしまったので,今,比表面積をとることに意味があるかどうかはよくわからない。比を同定して補正するということならしてもよいかもしれない。


今まで,多くの方に査読をいただいて,そのたびに貴重な考察をさせていただいた。一部は論文内に反映させたが,記載されなかったものも多い。おって,ここの場で,そういったディスカッションの内容もご紹介できれば,と考えている。

1/21/2011

近況

本日は、愛知県の建築士会での講習会で、講師をしてきました。よく考えると、設計者の方と話をする機会というのはあまりなかったので、質疑応答の点で、いろいろ勉強になりました。講演の内容は、環境問題と建築材料・施工、という切り口で、社会的な動向、設計の方向性の中での材料や施工上の問題などを切り取って説明してみました。設計者より、ということで、かなり頭の体操になりました。まだ、もうちょっと内容はブラッシュアップが可能と思うので、もう少し練っておこうと思います。


昨日は、某研究関係で、太平洋コンサルタントにお邪魔しました。誰もやらないようなベーシックな実験なので、結果がどうなるかが非常に楽しみです。外に出るのは、いろいろ紆余曲折があることが想定されるので、2,3年後ではないかと思われます。


骨材・ペーストの相互関係に関する研究計画が徐々に形にまとまりつつあります。また、プレ実験的にいろいろやっているものについても、予想通りの結果が出ているので、これも今年の8月くらいには、どこかに速報的な論文が投稿できるかな、と思っています。
耐久性との対応についてもやっていこうと考えていますが、こればっかりは、数年オーダーの研究になりそうです。装置もいくつか買いたいので、ちょっと予算の段取りを考えないといけません。


寺本がイリノイ大学から帰ってきました。大分、こちらとは違った体験をしたということで、早いうちに留学を経験させることができてよかったと思います。あとは、博士論文に向かってもうピッチですすめてもらわないといけません。


ここ1年ほど、岩石関係の本をかき集めて、時間の合間によんでいます。いろいろ読みましたが、これは、サイトにいって理解するもので、卓上でやる問題じゃなさそうです。名古屋大学博物館の先生に、時々レクチャーをしてもらっているのですが、半年くらい、いろんな山にいって、採取してものをみる、というようなことをやる必要を感じています。どこかで時間をとりたいと考えています。

1/14/2011

JCIなど

近況

1.CCRへの投稿が初めて受理された。内容は,スラグを入れたセメント硬化体の線膨張係数の増大と自己収縮の関係によるもの。海外にはださん,と数年前まで思っていましたが,やっぱりそれは間違いだと反省し,積極的に英文化することを決意してからのやっとの1本。自分で取り仕切った研究の第一弾ということで,これからも,積極的に投稿にチャレンジしたいとことろ。

2.
結局,当研究室からは4本の,勅使川原・丸山研としては9本の論文が投稿された。ほぼ全員が投稿したことになる。
そのうちの1本は,留学中の学生が出したもので,彼の研究テーマの中では少し異色な感じがするかも。他の3本は,相変わらず体積変化とか収縮問題である:
1)ヤング率の乾燥の影響
2)収縮低減剤の効果
3)骨材の収縮メカニズム
のもので,いずれもマニアック具合としては,そこそこのクオリティではないかと,変な形で自負している。今回も,学生達は間際になりつつも,非常に粘り強く,クオリティアップの努力をした。非常に良い経験になったのではないか,と思う。

一方で,今回,私は自分の論文を投稿できなかった。スケジューリングのミス。やはり,研究者である以上,自分が発表しなくては,と思っていたのだが・・・。大きな反省点であり,来年は必ずだそうと思う。
企画していた内容は,セメント・コンクリート論文集にも耐えると思うし,場合によっては黄表紙でも問題なさそうなので,どこかには投稿する。


まあ,査読で問題があることもあるわけなので,もし,通れば,皆様にも見ていただけるのではないかと思う次第。

1/09/2011

Filer

さまざまなFilerをためして,いろいろここで紹介したかもしれないんだけれども,結局行くつくところとして,http://hide.maruo.co.jp/software/hmfilerclassic.html
ここに行き着いた。
64bitのWindows7で安定して動作するアプリって,やっぱり今は限られている。
ちょっとした便利ツールをWindowsXPの時には結構,掘り当てて利用させてもらってたり,自分で作ったりしてたんだけど,64bitになってからは,時間の積み重ねが少なくてあまりない。きっともっとユーザーが増えれば増えるんだろう。

自分でつくるのもAPIを新しいの覚えたりするのがしんどくなっていて,今はやってないしなあ。

追記:なにがすごいって,マウスジェスチャ つかえるんです。コレは便利ですよ。

1/05/2011

学振

学振DC,PDの発表があったようだ。
当研究室(勅使川原・丸山研)では,申請した2名が無事通ったようだ。
いやあ,よかった。本当に良かった。

当研究室では,博士進学を希望している学生には,そのつもりで卒論,修論の指導を行っています。ある種,技巧的な部分がある点については異論もあるかもしれませんが,本人にとっては経済的に独立できることの方が,その後の研究に邁進できるという点で良い方向に向かうと我々は考えています。

1/04/2011

波乱なし


実験値ベースで解析をしてみた。(細孔構造から予測するものではなくて,という意味。)
水分伝導率はボルツマン変換を用いた実験から,化学ポテンシャル基準に直したもの。これはDw(温度一定)の値として与えた。この大きさは,含水率依存性を持つ。
温度勾配下における水分移動(DT)は,松本衛先生のALCで実測した実験データ,および,長尾氏らの黄表紙論文で長期材齢の温度勾配と含水率勾配を取得したものからDw/DTを算出したものを検討した。両者がおおよその合致を見たのでその値を用いた。(実験値は定常状態であると仮定した。)

その結果が上図である。

まあ,この計算が一番妥当な感じがする。波乱なし,という感じ。

今後はこれをベースに少し考察を重ねてみたい。

1/03/2011

迷走?


温度勾配時の水分移動で,水蒸気勾配で移動すると考えるのか,吸着厚さによって定まる化学ポテンシャルによって移動するかで全然異なる挙動が出てくる。
水蒸気のフラックスと,たとえば,毛管圧のフラックスが逆方向になる場合というのは,温度変化がある場合には多々生じる。
壁の中の結露とか凍結を扱う建築環境・材料分野では,冬期に着目すると,温度勾配と含水率勾配が反対方向の場合,乾燥(含水率が小さい方向)に水分が移動することがよく見かけられているという。

これらは,凝縮水の毛管圧勾配で整理されていて,こういうポテンシャルを評価するためにポテンシャルをTとhにすることが行われている。

土壌のようにもっとポーラスな材料の場合は,水蒸気勾配の影響というのは比較的に大きいらしい。Philip&De Vriesの論文では,液島を水蒸気が駆け抜けるので,水蒸気移動に対して,液状水がバイパスする効果を与えるということを言っている。

一方,セメント硬化体では,この水蒸気移動はあまり多くないのではないかとおもって,そうしたモデル化をすると,先日の水分移動は,全然異なる挙動を示す。
全体的にいえるのは,内部の水和反応による自己乾燥によって,水分が内部に引き込まれる。その結果,表層はものすごく乾燥することになる。面白いのは,中心部は温度が最高温度に達して以降,継続的に水分を引き寄せて,結果として,もっとも保水量が多い状態になった。

まあ,ちょっと感覚的には現実的ではない結果になっていると思う。

もう少し,モデル化について吟味してみたい。