10/29/2010

反例

もちろん,バランスをとるために,別の側の意見も掲載せねばなるまい。
http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51541395.html

そうではあるので・・・。

長生き願望、20 代ではわずか2割
http://journal.mycom.co.jp/news/2010/10/27/045/index.html

負けが決まってる勝負を死ぬまでやらされる若者世代。 : ひろゆき
http://hiro.asks.jp/74599.html

哀しいけどこれ真実なんですよねえ。
そうではあるんですが,これをひっくり返すのが我々の仕事でしょうか・・・。


でも,まあ,チャンスはいっぱいあります。

10/27/2010

maxima

Maximaすごいじゃん。
http://maxima.sourceforge.net/

ずうっと,こういうのMathematicaやMapleじゃないとだめなんだと思ってたけど,今のところ問題無く動いている。命令文がMathematicaとちょっとちがうけど,感覚としては同じに利用できる。
代数計算も数値計算(Octaveとか)もいろいろフリーなものがそろっていますねえ。
Mathematicaの最近の高度な利用は,プログラミングを挫折した私としては,このMaximaくらいでちょうど良い。

10/25/2010

MATLAB オブジェクト指向

MATLABのオブジェクト指向プログラミングでインスタンスの作成のところが,よくわからなくてつっかかった。
意外に,そういう情報は出ていなくて,結局海外のウェブサイトのMLログで理解できたのだが,やっぱり,本格的なプログラミングというのは,スピードも遅いこともあって,あまり利用されていないのだろうか。

ようは,Classdef の時の<Handleをつけるかつけないか,の問題なんだけども。

10/23/2010

10月18~23日

18日には,久しぶりにゼミを行った。基本的には実験データの報告,互いの実験の理解,およびその背景。I石君の実験データが非常に良い成果を出しつつある。おそらくJCIの年次論文に発表できると思うが,水和圧理論の別方向からの実証になるもので,従来から予測された現象があらためて確認された。

19日は1限,3限の授業。大学院では収縮ひび割れ指針とその背景についてのレクチャー。構造系の学生もいるので,いろんな角度からの収縮問題を取り扱う。夕刻に,群馬のN井先生とそこにゲストでこられている研究者の方と会食。久しぶりの英語で,出だし,聞き取りにくくていろいろ勘違いしてた。やれやれ。

20日は,上述の研究者の方々と少しディスカッション。五十嵐がGEMSをいじっているので,少しレクチャーしてもらう。当方では原子力関係の取り組みやモデル化についての話をさせていただいた。

21日は久しぶりに,時間がとれた1日で,いろいろ自分の研究についての整理。
・最近,ツールとしてMATLABを導入しようと購入した。線形解析計算と可視化が楽にできるということなので,1次元のFEMとか,差分法などでスタディをおこなおうかな,と。FortranやC♯,Java,Pythonなんかは手軽で良いとおもうけど,一長一短。特に私の資産は多くがFortranやC++,出できていて,オブジェクト指向のプログラムになっているのだけれど,これをブラックボックス化するのもいやなので,Matlabのクラスに移植することを試みる。主として学生が利用できることが目的。支配方程式から書き下し,自分のモデルを入れる部分は,MATLABであれば,より,数式に近い取り扱いでできるだろう。
MATLABは,基本的にC++やJavaでプログラムしたことがあれば,Helpとウェブのサンプルコードを見れば無理なく書ける。型宣言が無いところが少し苦手だけれども,7割くらい新しい水和モデルの移植が終わった。もう,あと半日あれば,終わるだろう。いつになるかわからないけども。

・吸着等温線のモデルの論文の執筆が終了。半月ほどクーリングして,それでも変えたいところがなければ投稿する予定。この後,もう2編ほど,吸着等温に関する論文を執筆しようと思っている。英文化したいものもあるんだけど,時間がおっつかない。

・水分移動について再度勉強を開始した。中性化とのカップリングなども考えていきたいので,松本先生の論文などをCiNiiで最初から読み始めた。数式は今,全部手書きしてトレースしている。いくつか,支配現象別にモデル化があって,だいたい3タイプくらいに分けられる。コンクリートでは,主としてハイグロスコピック領域として考えてよさそうだけれども,爆裂現象ではバルクの空気移動問題,若材齢の養生問題では液水問題をモデル化しないとあわなさそう。
空隙構造が変化しているところの水分移動を適切に評価するために,水分ポテンシャルを考えた矛盾の無い支配方程式で,再度,水熱連成問題をくみ上げる構想を練りはじめつつある。FEMでは,展開がめんどくさいのと,応力と連成させないかぎり1次元問題で考えれば良いので,物質移動は差分法に切り替えようかと考えている。しかし,イオン移動まで連成させるとなると,こりゃあ,支配方程式を何個連立しなくちゃいけないんだろうか・・・。

22日は,就職ガイダンスを行った。学生生活委員長なので,司会などを担当。大学もかなり就職支援に乗り出している。本当は学生自体が動かなくてはいけないんでは,と思うが,東京と名古屋ではあきらかに学生に入ってくる情報量がちがう。情報量というのは本当に大事な時があるのだが,就職活動においてはその大事な場合の一つだと私は思う。それを大学が支援するというのは,重要かなとも思う。

一方,本来は生涯の問題として,中学くらいから折に触れて考えさせることが必要だと思う。就職前の数ヶ月で,一生に関わる(職歴というのは一生の問題だ。)決断を取り急いで行っている学生が多くて驚く。私は学生に折に触れて将来何をやりたいか,というのを聞くのだが,冗談だと思って,まじめに答えない学生が多い。私は別に冗談ではなくて,考えるきっかけになればと思っているのだが,どうも就職活動の中で考えるものだという観念が醸成されているように思う。あるいは難しいことは後回しにする,という癖がついているのかもしれないし,学生時代と社会人時代というのを連続的に考えられていない,ギャップがあるからかもしれない。

終身雇用ももはや無いんだし,世界は常に動いているので,将来こうなったら,こうしていこうとか,こういうことも勉強して職の領域を広げておこう,というような生涯の課題,すなわち情報収集能力と自己鍛錬を常にやれるかということが問われている。それもなかなか伝わらない。英語も就職(の内々定をもらう)のためにやっているというモチベーションは,あんまりでは,と思う。

23日 ばあちゃんの49日。墓まで行ってきた。なんだかずいぶんカジュアルなものいいの坊さんで驚いた。浄土真宗というのは何でもありなんで,こういうのもありなんだろう。いろいろ念仏の内容を講釈してくれたが,諫言を仏さんに求めるという思想はなかったので,少し勉強しようかと思った。なんにしても,慢心しがちな人間に諫言する存在が重要であるというのは,全くその通りであるので,その謙虚さをどこに持つかという心として,理解したいと思った次第。
坊さんにすると,頭でっかちな人は理解で終わらすからいけない,ということなんだけれども・・・。

10/18/2010

ホームカミングデー

学生生活委員長という役柄で,保護者に説明を行いました。
就職活動とか就職をかなり意識した発言も見受けられました。
結局「人」あるいは人と人の延長上のものなんです,としか言いようが無いところがあって難しいところでした。


最近,大学のアウトプット評価というのがありますが,学生というのは最初のアウトプットではありますが,学生というか,人をどのように量るのか,というのはなかなか難しい。
なんか,論文数で甲乙つける風習の延長でいくと,ひょっとすると・・・,なんて邪推もしてしまいますが,恐ろしいことです。
こういう品質管理は,底上げにはよいですが,上が足を引っ張られるので,現代の日本を支える方向とは逆方向じゃないかと思ったり。ゾーニングというのは大事です。

追いつき追い越せの時は良いですが,時代は革新を求めているわけで。

10/17/2010

論文の査読

査読って、結局親切でやっているようなもんだと思うんだけど、どうなんでしょうか。

間違った論文を出してしまって一番恥ずかしいのと責任とらなくちゃいけないのは、書いた人でしょう。パブリッシュされたら一生残るわけで。
間違ったデータ出して、信用されなくて、以後相手にされないなんて哀しいじゃないですか。
大御所なのに勘違い論文なんて出してしまったら、陰口のオンパレードで最悪でしょう。
偉い先生ほど、そういうのはケアするもんだと思うんだが。

なので、間違っているものは間違っていると指摘してあげた方がよいし、考えとして立場が明確でない場合は引用文献を明らかにしてそういうのしっかりしておいた方がよいと思って指摘しているんだけど、あきらかにけんか腰の回答がかえってきたりしてげんなりすることが最近連続した。
やれやれ。


一部、特に海外のジャーナルにあるけど、自分たちの論文だけがサイコーみたいなノリになって、それと別の見解が示される論文を、意地悪な指摘で落とそうとする人たちがいますが、そういうのもなんとも・・・。
でも、論文でそれが本当にまちがっているなら、最大の意地悪はそれを指摘せずに通すことだと思うんですよね。取り返しつかないし、未来永劫、将来の学生とかに笑われちゃうわけですよ。それって一番怖いと思うんだけどなあ。


そりゃあ、がんばって書いた論文にけちがつけば気分を害すのは、まあ、なんとなくわかりますし、はじめは頭に血がのぼって余計に理解が足りないこともあると思います。でも、辛辣であればあるほど(意地悪で無意味な指摘は別として)、論文の客観性は高まるし、自分にとってありがたい話ばっかりなわけですよ。
無意味なものは別にスルーして、そうでないと言えばすむことだし。

なんか、大学の評価などで論文の数なんかが評価対象になってしまっているので、数稼ごう、みたいなことになっているのかもしれないけど、本筋はそういうところじゃないと思うんですけどね。



また、別話。
論文の査読がひっきりなしにくるようになってしまった。年輩の先生方が良くおっしゃっていたように。
特に英文ジャーナルなどが増えてきたのと、あとはアジア系の新しいジャーナルの査読依頼がよくわからないスパムのようにくる。スパムというと失礼かもしれないけど、どんな経由できたのかまったく理解できず。きっと誰かが推薦してくれたんだとは思うんだけども。
でも、投稿したこともないのに、アメリカ化学会とかの論文は、いくらなんでも人間違いではないかと思われて、そういうものはお断りしている。査読できるものしかしません。
海外の研究助成の査読とか、そういうのも多い。最近増えているんだろうけど、2,3カ国連続できたのでびっくりした。なんか自分も出さないと損な気がする。

それとそれと某日本の学会から、難しい論文ばかりひっきりなしにきますが、どうしたことでしょう。(ビフォアーアフター調で)。最近、黄表紙の査読数頻度を超えてしまっているのですが。

10/09/2010

ビーライトの水和

セメントの水和反応速度のデータは哀しくなるくらい難しい。モデル化をしようと思って、式をつくって検証するとデータをとればとれほど、大混乱に陥る。

結局、速度論はまだ、モデル化できるほどにデータが成熟していないということなんだろう。現状、各セメント毎にフィットするのが一番安全ではある。でも、それって、友澤先生の時代から変わっていないということいなってしまうので、少し悔しい。

特にビーライトとフェライトの水和のデータは、人によってまったくことなった挙動を示している。手元にあるサンプルのデータも本当にまちまちだ。
これは、測定手法のばらつきを含めたとしても、それでもトレンドとして、全然違う挙動をしている。

黄表紙で発表したようにエーライトの反応にビーライトの反応初期は相当律速されているというのは、何となくわかる。ただ、その後、特に材齢91日以降のデータはほとんと他の人の(Tayler、Copeland、あとその他少々くらい)データが無いので、判断に苦慮する。

五十嵐氏の1993年のセメント・コンクリート論文集に示されるエーライトとビーライトの割合を変えた場合の反応、というのは、当方の試験用セメントの水和データと非常に合致する。初期、ビーライトの反応は、エーライトに抑制されて、エーライトの反応率が80~90%くらいになってから急激に反応が増え、のちに停滞する。
一方で、Copelandとか、当方の黄表紙のデータだとビーライトは材齢91日以降に停滞しないでずっと伸びる(場合がある)。
そもそも、長期封緘を完全にやるということも、まま、難しい課題であるので相当に慎重にやる必要がある課題であはるが、そうはいってもこっちもそのつもりで実験しているので、困ったものである。

正直、何回追試をしたことか・・・。気を取り直して、また、取りかかろう。

名古屋建築総合展

大学の出店で、名古屋建築総合展にいった。
http://www.chukei-news.co.jp/kenchiku/
大学としてブースを出したので、その呼び込み役である。
豊橋技、愛工大、中部大、名城大なども出店していたが、昨年出店していた名工大は出店をしていなかった。
各大学は、売りの研究室がブースを占拠する形がだったが、名大は全研究室でアラカルト的に出店した。

こういった総合点は、おもしろいアイデアがいろいろ出されているのでおもしろい。
・現場施工でやる偽岩コンクリート
・竹チップを舗装の仕上げにするもの
・ポーラスコンクリートを壁面に貼り付けるもの

などが興味深かった。軽量骨材は、コンクリート用骨材としてはなかなか発展しなくて、ほそぼそというようなイメージもあるのだけれど、全然別のものとして使うというのはおもしろいかな、と思った。
多孔性ではあるけれど、断熱性能があるかどうかは微妙。コンクリートの中に入れれば乾燥した後であれば、若干、コンクリートよりはよいのであろうか。

今日は、あいにくの豪雨であったので出足は遅かった。
学生さんにも、こういうのは行くように指導したほうがよいかな。なによりも商品の話をダイレクトに聞けるのはなかなかおもしろい。材料・施工関係であれば、ちょっと足を伸ばしてみると良いと思う。

10/04/2010

科学技術政策担当大臣と有識者議員との会合

http://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/yusikisha/100916giji.pdf
ここに概要があります。

先日,若手の意見交換会が東大で行われましたが,土木・コンクリート系の方からも,超有名人が出られていましたね。
おもわず,うぉ,って声を上げてしまいました。

学内では,来年の運営費交付金のシミュレーションなんていう書類もでまわってきましたが,当分,大学も安穏とはしてられないですねえ。

10/03/2010

渋谷での活動

日本国内のメディアでは報道されていないようですが,
渋谷で以下のようなことがあったんですね。CNNから。
http://edition.cnn.com/2010/WORLD/asiapcf/10/02/japan.anti.china.protest/index.html

報道しない理由がわかりませんが・・・・。
これ以上のコメントは難しいかもしれないので,報道されなかった点につちてブログに書いておこうと思います。

10/01/2010

中国の覇権主義

客観的にみて,良い記事だと思った。
http://www.nikkei.com/biz/world/article/g=96958A9C9381959FE1E2E2E1EB8DE1E2E2EBE0E2E3E2E2E2E2E2E2E2;p=9694E3E7E2E0E0E2E3E2E6E1E0E2

日本のカードとして,今後何があるのか,ということはもう議論尽くされているのかもしれないのだが・・・

歴史から学ぶ弱小国の対応,というのは,得てしてテロ的に転がるところもあるけど,どんなのがあるのかしらん。春秋の話とかでも,おもしろいかもしれん。縦横家?
基本的にアライアンスを組んで,周囲を囲み,攻撃的にならざるをえないのだろうなあ。
大国間をけんかさせる,というのもあるけど,今の世界,けんかさせてしまうとチュドンで終わってしまう。
冷戦構造になってしまうのか。
環境問題の枠組みのたかがはずれると,米中冷戦がまっているんかな。あるいは環境問題が米中冷戦をもたらすんかな。

マインドマップがこういうときは便利ですね。

日本は,追い込まれてからが強いはず。

セメントとFT-IR



そもそも,C-S-Hの構造評価のために購入したFT-IRだが,汎用装置だけにさまざまなことに利用できる。共同研究でも他所でやっているのがあって,加算則が成り立つので,非常に合理的な性能評価ができそうなこともわかってきた。これは,セメント技術大会かAIJ大会にでも出せればよいかな,と思っている。

学内では,せっかくなのでということで五十嵐君と一緒に,セメントの水和プロセスをとってみた。それが上の結果である。以前にも書いたかもしれないが,FT-IRの鉱物の吸収スペクトル波形については,1980年代にすごい本が書かれていて,セメント鉱物の大抵のことが書かれている。当初アルミネート水和物で判別しづらいものができたらよいなあ,と淡い期待を持っていたが玉砕した。ピーク分離が難しすぎる。
これは,やっぱりDSCでしょうね。買うかなあ・・・。

C-S-HのCa/Siの違いによって,Si-Oピーク位置が異なるので,これもできるかな,とおもったが上図のようにあまり変化していない。ちゃんとピーク分離をやれば,ピーク位置の差がとれるかもしれないけど。
あとは,もっと短くステップを踏んでとるかどうか。

FT-IRでもセメント鉱物の組成とか水和率をとっている人もいるので,やろうとおもうと出きるのだろうけど,XRDの方が便利だよなあ。やっぱり。