5/30/2010

セメコン

最終的にセメコン論文は4本になりました。
一つは,別の論文集への投稿という形に。

FTIRの文献を読み込んでいますが,1974年のThe Infrared Spectra of Minerals, V. C. Farmerという本はすごいです。一般的に,FTIRというと有機分野での利用が多いのですが,鉱物系にも結構利用されています。とくにシリカゲルとか界面化学,物質の吸着挙動の評価には昔からやられていて,かなりピークのデータも示されています。

実際にセメント鉱物の章もあったりして,水和率データをとっていたりします。CCRで検索しても少し出てきていますし,その他の赤外線の方のジャーナルにもたまに水和物データがでています。
アルミネート関連のピークがそろっている論文もあったりして驚きます。
ただ,セメントの硬化体でやると,そりゃあ,もう,悲しいくらいピークが出てきます。ただ,C-S-H量は評価できるんじゃないかと思って,研究ネタとしてとっておこうかな,と。
リートベルトから間接的に出たデータと,FTIRデータをつきつければよいだけなんで,すぐにデータ取りして論文化はできそうです。

今日は,家族で不動産屋に行ってみました。そろそろ足場をかためようかな,と思いまして。

5/29/2010

つれづれ

本日は、大学院説明会でした。学生生活委員長として、ご説明申し上げました。
その他にも環境報告書の執筆とか、いろいろたまってきた。出張の怖いところは、同じ日数分だけ、大学生活に余波がくるところですねえ。
2日からメキシコ行きなのに大丈夫か知らん。

研究室内では、二人がセメコン論文集の執筆でがんばっています。
いや、ぜひがんばっていただきたい。今年は、うまくいけば5編の論文が出ます。

・高炉の水和圧に関するもの
・中性化の同位体分析
・吸着等温線のヒステリシスメカニズムに関するもの
・セメント硬化体のヤング率・ポアソン比の平衡相対湿度依存性
・セメント硬化体の水和と比表面積

最後のやつは、とっておきです。やっとリートベルトが軌道にのりはじめたので、その第一弾になります。リートベルトの精度の問題は、いろんな角度から検証して、そのうち関連のあるものは全部掲載しました。厳しい査読があるかもしれませんが、データの美しさはちょっとびびると思います。少なくとも私はびびりました。これは、五十嵐君の実験精度のたまものです。

セメント硬化体のヤング率は、案外データが少ない。昔の収縮関係の人がやっているくらいです。奇しくも、Wittmann先生の実験は、超音波でやっているということがわかりました。直接引っ張りではどうやってもこのカーブにはなりません。気持ち悪のは、Setzer先生のチームのデータです。Setzer先生らがまちがった実験をするとも思えないのですが、なんど再現実験をしても、超音波と載荷試験ではこうなりません。
他の測定手法も試みたくなってきました。

5/28/2010

あっというま(セメギとか)

おかげさまで、セメント協会論文賞をいただくことができました。
いろいろディスカッションを重ねてきてくださった皆様方に心より御礼申し上げます。
引き続き、身を引き締めて研究をおこなっていきたいと思います。今後も、セメント化学とコンクリート工学をつなぐことができるデータを出すことを一つの目標におき、研究を継続いたします。
是非とも、ご支援いただきますよう、お願いします。


といいつつも、やはり、化学の知識が不足しているのを認識します。
どこまでを自分の領域とするかはなかなか悩ましいところですが、ある程度のコラボレーションをしながらも、前線を広げていければよいかな、と考えています。

あっというま(イタリア少々)



























今月も8件くらいしかエントリーができなさそうです。出張が多いと力つきてしまいます。
ちょっと体力不足でしょうか・・・。

まず、イタリアの件。
名古屋市大の先生を筆頭の研究チームに加えていただくことで、文化遺産建築調査について研究ができるようになりました。耐震性を考慮していない組石造を修復するということ自体、どのように考えるべきかというのはたぶんに文化的背景を理解していないとできないことだと思います。
孔をあけて、エポキシ縦断させて、接着剤でつよくしましょう、なんていったら、確実に出てくるワインの質は数段おとされてしまいます。
金閣寺をイタリア人が修復します、といっている状況と同じなんで、どういったアプローチ、どれだけの勉強が必要かというのは押してはかるべし。

というわけで、今、いろいろ読み始めているところですが、買うだけで読めていないものが多いです。その後の出張も多かったことで。

サンタ・アゴスティーノ(Sant’Agostino)教会堂
サン・シルヴェストロ(San Silvestro)教会堂
チヴィカ(Torre civica)塔
がチームに与えられたものです。


それぞれ、上のように見事に壊れていて、まず、なにをやると何ができるんだろう、という感じです。

5/22/2010

NMR関連リンクとか

学内のJOELデータが手元で扱えなかったので,探してみた。

京大の先生のページ
防衛大の先生のページ
NMR-sortwares

JOELの端末でスペクトルまで変換して,上の竹というソフトで取り出して,Originでピークフィットするというのが一番安価かもしれません。
グラフソフトは,最近Originにシフトしつつあります。エクセルファイルも内部で取り扱えるし,グラフのハンドリングがすごく良いので,高かったですが,後悔していません。

ピークフィットも,範囲を限定して,4つ,5つくらいなら優秀な感じです。
さすがにX線のチャートだと,多すぎて無理ですが。
TOPASの全パターンフィッティングアルゴリズムも気持ち悪いくらい優秀です。

セメコン

来週はセメギだし,再来週はCONSECで渡航してしまうので,この週末が勝負。
とりあえず2本書いた。1本は先日,少しここで書いた放射性炭素による中性化現象の評価です。認めてもらえるかわかりませんが,個人的には興味深い現象が少しでている。
残りは学生の数本と,可能ならセメギで発表するやつでもう1本書きたい。しかし,プレゼン資料もまったくおわっていないので無理かなあ。

実験データは分析しておきたいなあ。
おもしろいデータは旬な時に,さくっと出しておかないと,数年越しになっちゃうんですよね。時間が無くて。
そういえば,NMRもやってみました。解釈が少し恣意的になりそうな感じもありますが,でも,定性的傾向ということであるなら,やはり何かを語っている。FTIRと並列で見ると実におもしろい。


イタリアの話もブログに書きたいところだし,いろいろ書きたいことがあっても,なかなかうまく時間がとれません。

最近読んだ本で,土の文明史というのがあります。これは名著です。分厚くて骨が折れますが,環境学的には非常におもしろい。分子間力関係で土壌の文献を読んでいたんですが,そのついでに生命農学先生に紹介してもらいました。

名大の理学系の先生が環境学でいっているのの元ネタでした。もっとオリジナリティあるかと思ったんだけど,そうでもなかった>名大の先生。がっかり。

土がやせ細って文明が終焉を迎える,というもので,非常の論理的に土壌の浸食と農業活動,気候変動の相互依存性をそれぞれの地域,文明,時代についてまとめてあります。

5/14/2010

提出

最先端ほにゃらら,提出しました。
肩が凝りました。30部のり付けってしんどいでしょう。今日は秘書もいなくて・・・。

これから,セメコン論文,イタリアでの調査報告の整理と論文化,セメコンのPPT,熱伝導黄表紙とACTの最終をとりまとめないいこうと思います。

明日は,名古屋でスラグ勉強会です。

イタリア調査で教会などの建物の測量を行ったので,3Dに起こす必要があるのですが,Googleのスケッチアップというソフトを入れてみました。昔,MACにStadio WorkshopというソフトのCADソフトがありましたが,それを彷彿させるソフトで,簡易にモデルが作れます。
ちょっと,練習してみたいと思います。

5/13/2010

戻りました

無事戻りました。通常業務に入ります。
いやあ,書類整理だけで,えんえん10時間くらいたっております・・・。

5/05/2010

5/6~5/12 海外出張

業務連絡です。

当方,5/6から5/12までの期間,海外出張につき,メールでの連絡は難しい状況にあります。
勅使川原・丸山研の秘書に連絡をとっていただければ,携帯での連絡は可能です。

よろしくお願いします。

工学的

すごく,用意周到に,あらゆるデータをとって,万全を期して現象解明のための考察に臨んだところ,まずはあたりをつけるために,すごくクラシックで簡易なモデルをつかって,当てはめたら,びっくりするくらい全部のデータが予測出来てしまい,驚いた。
熱伝導率の含水率依存性なんだけども。

最近,既往の文献で,こういう現象のためには,こういう論文集からこういう人の論文を,とあたりをつけることとか,モデルで何をモデル化していて,コンクリートに当てはめるときには,こういうモディフィケーションで結構いけちゃうんじゃないか,とか,そういう直観力というか,現象把握の確度が結構上がってきていることは実感しつつある。

そもそも,修士論文のGAの時の研究もそうなんだけど,すごくたくさんのデータから,ルールを見つけるとか,それにあうような関数式を見つけるというのは,わりと得意な作業だ。

問題を評価するときには,この手法で全部まにあってしまうんだが,なんという拍子抜け。ま,でも,結構重要な物性値なんで,黄表紙にしますけどね。

5/03/2010

雑感 GW

息子が,「おじさん」を見るとすぐに泣く。じいちゃん二人は,非常に悲しそう。

春の天ぷらは好物で,今年も柿の葉,うこぎの葉などを摘んで,天ぷらにした。
天ぷらにはやっぱり,そば。何回かここで紹介したかもしれませんが,寒河江そばは,池波正太郎も絶賛の乾そばです。本当にうまい。

寒河江といえば,東北のM橋先生の故郷だそうです。

大学の教員は,母校で教員をしてはいけないとか,あるいは一回は外にでて,5年以上間をあけるというようなルールをつくったらどうでしょうか。同じ場所にずっといる,というのはやはり健全ではないように思います。健全な人もいるんですけど。もちろん。でも,そうでない人もそれなりにいます。

GW前に新しいJCIの委員会幹事を仰せつかりました。なかなか,学究的で面白い研究委員会と思います。これから,皆さまに委員などをお願いするかと思いますが,よろしくお願いします。

整理した方がよいグラフやコンセプトがたまりにたまっています。論文化しておかないと,埋もれてしまう。全部1週間くらいずつの作業をすれば,論文までもっていけるのですが。
全体像の2割も出せていなくて,ちょっと気分が晴れません・・・。
もっと時間をつくるように,自分に厳しくしていかないといけないと感じています。

実験系が落ち着いたら,また,モデル系でも攻めていきたいと思っています。5年ほど寝かせておいたので,いろいろ出来ることが増えて来ました。