4/27/2010

社会的役割

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2010042700105

ゴールドマンサックスのCEOのコメントですが,大企業が破綻すると,経済的影響・損失が大きくなりすぎて困るので,公的資金が注入されることで,結果として税金によって保護されるというのは,企業規模の特異性というか,公平性の難しさを示しています。
中小企業にはそういうことは無いわけです。


銀行とか証券会社というのは儲かっているときに高給が出て,失敗したときには税金の保護にあるわけなので,市民感情として難しいというのはあります。銀行は国有化して,証券は完全に切り離すというのは,本来あるべき姿なのかもしれません。時代的には相当逆行しますが。

一方,建設市場を振り返ってみますと,バブルの時には個別に建設市場というのは賑わっていたわけで,その後のバブル崩壊時には,経済対策という形でやはり,建設部門は,税金の投入を受けました。
まあ,これは,建設部門が困って税金投入されたわけではないので,保護されているというようには見られないかもしれませんが,経済対策という形で,建設分野に長らく税金が投入されていたのは間違いありません。

まあ,それで何が言いたいかというと,いろいろ考えたのですが,現在結論なしです。
多かれ少なかれ皆,税金の還流の中で食べている部分があるので,公平性ということを考えた場合に,どういう関与があるべきなのか,というのが繰り返し議論があるのは良いことですね,というくらいの結論にしかなりませんでした。

でも,公共財を扱う部門というのは,そういうことを自分で定義していかないと,社会的責任みたいなものは果たせなくなっていくと思うんですが。

まったく,キレが無い文章ですね。

4/26/2010

PDF-Xchange Viewer

http://www.docu-track.com/product/pdf-xchange-viewer/download

別にまわしものでも何でもないのですが,今日しったアプリで,AcrobatのVer.7くらいのことはFree版でほとんどできてしまいます。(PDF出力は別なのが必要なんですが。Primo?とか?)

閲覧も早いし,Windows 7でできるサムネールも感じが良いし,すごいと思いました。

4/25/2010

WORD2007の数式エディタ

MATHTYPEを今までつかっていたのだが,WORD2007に移行してから,数式エディタを最近,はじめて手にした。学生に教えてもらったのだが,TEXの書式がそのまま使えるので,すごく便利。

ちょっとどうにかしてほしい点,まだ調べきれていなくて変更したい点は
・デフォルトのフォントをTimeNewRomanに変えたい。
・Ctrl+Shit+「-」で,数式入力に移行するが,デフォルトでイタリックになっていない
・数式番号がつけにくい (数式番号を入れると行表示になってしまい,数式の大きさを制御できない。
(現在は,テーブルの中に数式を入れて,番号を振っている。)

それでも,ほとんど,パネル操作(マウス操作)でなくて,キーボードだけから数式が入力できるのはすばらしい。

4/13~4/25

4/13 神栄の湿度発生装置について話を聞く。湿度センサをいろいろ検討されている人であれば,国内の湿度センサとして,神栄名前は一度くらい聞いたことがあるだろう。湿度センサとしては老鋪で,高温に利用することもできるものを販売しているし,かなりバラエティがある。私も,たぶん,過去にあるものを合計すれば10台くらいは購入している。
神栄の湿度発生装置は,1960年くらいから出されているものであるが,神栄のセンサの校正用に利用されている。いわゆるマスフロー制御式であるので,理論上,湿度センサの精度よりも高くなる。
収縮関係の試験装置を新しく開発しようとしていて,湿度発生装置をいろいろ検討しているのだが,結局,神栄の装置は,発生量が大きく,完全に窒素置換できないのが設計になっている点で,購入は見合わせることになりそう。
窒素ジェネレータも結局は,CO2濃度が上がってしまうし,セメントの実験をやる限りにおいてCO2を省くことが結構な難関になる。
価格面から考えれば,かなりリーズナブルな値段になってはいるんだけど,非常に残念である。

4/14 JCIのマスコン英文化WGに出席。世界に出していく,というときに日本のセメント中心で構築されたコードがどういう位置づけになるか,というのは再整理の必要があると思う。
また,ひび割れ指数というインデックスがコントロールボリュームに対して一つであるということは,解析を通して評価することで,逆にわかりにくくなっている。これは,改善しなければなるまい。

4/15 自衛隊の駐屯地からコア抜きしたものが届く。1940年代のコアになる。分析を開始する。

4/16 研究科パンフレットの修正についての打ち合わせ,耐震評定など,雑務多し。

4/19 A本先生とM井さんに名大に足を運んでもらう。収縮に関するディスカッション。私はALCの挙動とセメントペーストの挙動の間,あるいはクギリメに大変興味がある。合成したC-S-Hの吸着挙動などを見てみると,Ca/Si比が1.2~1.3くらいのところでトレンドが変わったりするので,そのあたりを詳細に詰めていきたい。M井さんには,非常に多くの文献を紹介いただいた。また,新しい実験方法の取り組みなども紹介いただいて非常に刺激を受けた。

4/21 イタリア・ラクイラにおける文化遺産建築の震災調査に関する科研の打ち合わせ。新しい人たちと知り合いになれることは,本当に刺激になる。一方で,震災調査にどういった貢献ができるか,ということには工夫が必要そう。現在,理学部の人たちと,コンクリート構造物中の同位体の動きに着目した研究を行っているので,その延長で,木材関係から14Cの調査に入るっていうのはありかもしれない。ラクイラ建築の補強の歴史などがあきらかになるかもしれない。

4/22 久しぶりに土木の先生方と懇親会。T先生とK先生は欠席だったけど。コンクリートというよりは,健康に関する談義になってしまった。いやあ,最近調子悪いんで・・・。

4/23 同位体の分析に関するディスカッション。成果がある程度まとまったので,工学的なとりまとめが可能なら,セメント・コンクリート誌に投稿ということになった。英文誌への投稿はApplied Geochemistyとかどうでしょうか,という話になった。同位体分別については,結構昔にセメント技術年報に1編論文が出ていることがわかった。ただ,ちゃんとしたデータはとっていなくて,あくまでも仮説で終了。セメント系でもだいぶん,中身の話がすすんでいることがわかる。酸素の同位体を測定していなかったので,こちらは至急の追加分析へ。

この間,大学事務が住宅局の助成事業の書類を私に伝達し忘れるという驚愕の事態が生じる。慌てて書類をつくるなど,変なロードがかかって非常に神経をいためた。
いや,事務の方は年度初めでいろいろ大変なのはわかるけど,こういうエラーはいただけない。

エーライトとビーライトの水和反応速度の相互依存性に関する論文が黄表紙に掲載されたので,アルミネート相とフェライト相の反応速度論に関する論文を投稿。近年,かなりこの分野はデータがでそろっているのであるが,ポルトランドセメントの系で話しをしている論文となると,少し,本数が少ない。分析が難しいこともあるのだけれども。ただ,相組成別にデータをそろえると,やはり相当量のデータ収集が必要になるので,これは今後の大きな課題である。温度別,というパラメータがやっかい。

4/13/2010

4/5~4/12

4/5 今,どうしてもほしい試験機があるのですが,その関係の説明と値段交渉を行った。様々なやりとりのあと,かなり納得のいく金額に絞り込まれつつある。コンクリートだけでなくて,建材全般でも大いに利用できるし,新しく研究を本格化しつつある外装材の研究にも応用が可能なもの。うまくいけば,8月くらいに納品されるし,うまくいかなければ,私の努力不足で,愚痴をいうことになると思う。

4/6 新入生ガイダンス 1年生ようこそ。こういう世の中だからこそ,高等教育に意味があります。是非,自分の視野を広げるべく,頑張ってください。
夕方には,新しい建材の持ち込みとそれに関するディスカッション。いろいろ良いところがあるんだけど,利用の仕方が不明。開発者の期待はわかるんだけど,もう少し市場ニーズを押さえるとか,ユーザーさんにわかりやすいデータが必要かな。良いところのメカニズムが不明なので,いくら説明をしてもらっても,本当にそういうことが生じるのか,という性能があったりして,個人的にはまだ納得がいかない。

4/7 学内委員会。なんか,いろいろ大変なんだなあ。広報誌の編集委員長は交代してもらった。333委員会の論文を書き始めた。

4/8 GCOEの新しい博士課程に関する授業に関する説明会。博士課程に対してレクチャーをするという新しい試みなんだが,指導教員や学生自身が本当にこれを理解してくれるか,というのは大きなチャレンジ。でも,専門をやるからこそ,教養の大事さはわかるんじゃないかな。コースの内容は,フィールドを提供して,それぞれの専門分野から環境問題・持続可能性についてディスカッションし,他分野の人の意見を聞きつつ,グループでレポートをとりまとめるもの。とりあえず,他分野の人の全く新しい視点に耳を澄ませて,自分の意見を高い位置から見渡す,というのが意図。私が学生だったら,きっと聴講するんだけど。

4/9 環境学研究科ガイダンス 学生生活委員長としてガイダンスに出席。まあ,つつがなく。留学生担当の先生は,英語・中国語・日本語が流ちょうで,トリリンガルで説明を行っていて,すばらしかった。

4/10-11 AIJ大会論文の執筆。学内的には8日にすでに終了していたので,主として学外の方とのやりとり。比較的おもしろいデータがでています。
・複合則の問題点に関する系統的なデータ
・スラグや中庸熱など水和が遅い場合の表層の空隙構造変化・水和変化(最近のはやり?)
・中性子ラジオグラフィによる軽量コンクリートの乾燥プロセス
などなど。大きな問題がなければ,そのまま出るとは思います。

4/12 全学の予算獲得に関する委員会に出席。最近,上から直接のメールが降るようになってきて,個人的にびびってます。なんというか,情報戦だということがよくわかりました。前々から,知ってはいたんだけど。

4/06/2010

今後,話題になるであろう,某県のコンクリートに関する提言を拝見した。このような取り組みを真摯に行ったことに心から,経緯を表する。
特に,現状の問題,矛盾を浮き彫りにしたこの報告書と提言は,建設業に関する矛盾だけでなく,今後の日本の社会のオリを取り除く,一つの先例となるかもしれない。

社会の矛盾を矛盾として取り出して表現するには,それ相応の手法とリーダーシップが必要なのだ。

近況

また,だいぶん,時間があいてしまったな。以下,日記代わりのメモ

3月20日 三橋先生の退職講演会があった。三橋先生の既往の研究で,知らないものがたくさんあって,非常に刺激を受けた。破壊エネルギーの議論についても,わかりやすくご説明いただいたので,非常に示唆に富んでいる。聞けば当たり前のことなんだが・・・。最後にいただいたCD-ROM(三橋先生のセレクト論文集)は非常にお得度の高いCD-ROMであった。デザインもすばらしかったし。残すのが論文というのは,研究者としてあるべき姿だよなあ,と思った。三橋先生らしいような気が個人的に感じた。

3月23日 豊川市で1940年くらいに作られた自衛隊の工場を解体するというので,コア抜きに行ってきた。改築を重ねているので,どんなことになっているか,そうぞうがつかないと伺っていたけれど,まさか,袖壁の半分が煉瓦で塗り込められているとは思わなかった。現場でアドリブが必要とされる非常に貴重な機会だった。なお,コア抜きには,ジャストのNさんにお手伝いいただいた。

3月24日 産学連携の打ち合わせ。時々あるんだけど,儲かる技術をください,という産学連携は,ちょっとしんどいですね。こういうことをしていて困っているから,助けてください,というのはできるんですけど。

3月25日 卒業式 みな,立派に巣立っていきました。ぱちぱち。

3月26日 新年度から新しく共同研究(受託研究)を行う相手先のところに伺ってきました。個人的には,非常に興味深い建材なので,ぜひ,成果を出して,年度末くらいには公開していきたいです。なかなか大きなプロジェクトになりそうで,わくわくしています。

3月27-28日 家族が調子が悪くなったので,家にいました。

3月29日 舗装関係の解析で,人がいらっしゃいました。舗装は,厚さが大きい割に完全拘束体に近いので,日射の影響,風の影響が非常に大きく,設計時の解析は相当に難しい。しかし,コンクリート舗装をする場合には避けてはいけないルートなので,今後は,そういうデータが重要なんだろうと思う。

3月30日 医療関係で利用されている試験機がコンクリートに利用できないかな,と思って話をしてもらった。間違い無く,新しい成果が出ますが,医療関係はやっぱり高額ですねえ。ちょっと,いろいろ検討しないといけません。

3月31日 昼間はASCOTのひび割れ関係の委員会で,最近のデータに関する意見交換を行った。TMY社さんと一緒にやっている基礎的な研究データがそろってきたのだが,これが非常におもしろい。個人的には当たり前だと思っていたのですが,どうにも実験データが無いので,証拠を作りたくて,お願いしたのだが,当たり前のデータが当たり前にでた。AIJの大会にも投稿するので,是非お楽しみに。ちゃんとまとめたら,すぐに黄表紙行きを想定しています。
ただ,この当たり前,というのをちゃんと詰めていくのは難しい。コンクリートとしての難しさを示すものなので,非常に野心的な検討になるかも。細かい分析も含めて,検証していくと,さらに良い論文になる。

夜は,名城大学のT川先生がご退職されるということで,懇親会を行いました。なんというか,T川先生のように懐の大きさは,目指してなれるものなんだろうか。常に刺激を与えてくれる先生です。

4月1日~3日 東海村に中性子ラジオグラフィの実験に行きました。ここ最近1年は,CTデータをとるという方向で動いています。コンクリート中の水分の乾燥プロセスを3次元的に取得したのは,世界初なんじゃないか,と思います。このために,マシンタイムは相当にゆとりをもって,このためだけを中心に絞ってデータ取りをしています。それだけの価値のあるデータだと個人的には思っています。このデータはしゃぶり尽くして公開したいと思いますので,是非,お楽しみに。

4月4日は,下のエントリーの通り。

古稀祝い

恩師の友澤先生が古稀を迎えられたので,日曜日は古稀祝いを東京のレストランで行った。久しぶりに友澤研で集まったので,昔話に花が咲いて楽しかった。
友澤先生からは,学術会議での最近のトピックなど,建築材料にとどまらない話をしていただき,今後のビジョンとして大変参考になるご意見を伺うことができた。