5/31/2009

5/15~5/31

怒濤の忙しさでした。5月なのになんで,こうなっているかというと現在,居室を構えている4号館が新築になるからです。補整予算がついたので建て替えになりました。
・研究室にある引越計画
 ・備品番号の整備とそれらの移設費用の見積もり依頼
 ・備品番号が無いものが大量にあった。(全部で70くらいあった。)
 ・備品の寸法測定
を行いました。いやあ,実験棟大分わかった。いくらなんでも。
恒温恒湿室の引越がもったいなくて,あとちょっと出すと新しくなる金額なわけです。これはびっくりでした。
アムスラーの移設もしんどいですね。移動後に反力とれるところがないので,引張試験はむずかしそうです。かえってくれば床を整備するので大丈夫でしょうが。

あとは,反力床・反力壁を入れるので,その寸法を決定したり,平面図をつくったり,養生室等の設計,電力量の見積もりなどを行いました。

建て替えは周囲の嫉妬を買いますし,面積バトルはえらいことになっています。確定する面積は,今後相当の期間FIXなので,妥協点の模索の難しい交渉が続いております。
いやあ,勉強になりますねえ。

5/17~5/18は野口研OBの研究者による意見交換会というのを行いました。現状の研究状況や今後どうしていきたいかなどの意見交換ができました。内容は非公開が原則ですのでここでは書けません。

5/20~22日 セメント技術大会でした。今年は,兼松先生筆頭で,セメント協会論文賞をいただきました。また,研究奨励金もいただくことが出来ました。頑張って成果を出します。

水和と収縮の関係は,特に温度履歴の観点から再度見直す時期に来ております。線膨張係数の経時変化が生む温度ひずみ,という新しい観点から見れば,高炉のひび割れの問題は再整理できる問題になります。
また,温度ひずみ,すなわち線膨張係数と温度履歴を制御するという問題と自己収縮を制御するというのは,時として背反,時として同じ方向を向きます。材料開発者,ユーザーは,この点を明確に把握しないといけません。膨張材や収縮低減剤の役割について諸処の問題が生じていたのもここに起因されます。

田澤先生が自己収縮の問題を指摘して以降,温度一定下の挙動というのは大分,工学的な把握がされてきたと思います。
一方,土木構造物の方で議論されている温度ひび割れ,その中に存在する自己収縮の問題は定量的議論がうまくできていません。この理由は,線膨張係数の経時変化を正確に捉えようという試みが,従来までに少なく,しかも,その目的が明確でなかったからだと思います。
加えて,従来研究の線膨張係数の問題は高強度の問題で捉えられてきていました。

この様な状況から,我々は薄片部材に温度パルスを与えることで温度履歴条件下であっても,線膨張係数が取得できる試験機を開発し,線膨張係数による問題と自己収縮による問題を区分することに取り組んで来たわけです。

今年度のセメント・コンクリート論文集では,高炉と普通を比較した場合の,水和による温度履歴条件下において,線膨張係数の経時変化に起因するひずみ成分と自己収縮成分を分離し,従来までのメカニズムの把握の問題点を指摘する論文を投稿しました。これはセメギでも発表したものです。
加えて,昨年度,線膨張係数の含水率依存性のデータを取得しましたが,脱離線上で相対湿度70%までは乾燥プロセスにおいて線膨張係数が増大することを再度確認しました。(オリジナルはMayer,1950かと。)
このことは,線膨張係数を制御するためには,骨材種を変えるだけでなくて,水分を供給することでも制御できることを意味しているわけです。
この観点から,含水人工軽量骨材を用いて,線膨張係数を制御し,温度ひずみ成分を制御するというこころみについても,検討し,論文投稿をしました。
この論文は,コンクリートの若材齢ひび割れ制御に一石を投じるものと考えています。

5/23 成田のオーバーレイの解析についての打ち合わせでした。膨張材の効きの問題,遅延剤の影響についてのディスカッション,FEM上での問題が議論になりました。

5/24 午後,打ち合わせ。収縮低減剤がどうして収縮低減できるかについて,理論的に説明できるようになったので(まだ,再査読後の結果が出ていない・・・),実際にメーカーと打ち合わせを行った。意見交換で,収縮が低減できる物質について経験則と理論の整合性についておおよその一致を見たが,分子の選択性,分子量の問題,影響範囲について,より分子レベルの分析が必要であることをご教授いただいた。第一原理計算や分子動力学を考慮した分子とC-S-H表面の相互依存性について検討する研究テーマが浮上した。1,2年で出来るとは思えないので,高分子系の研究や最近のICCCでの計算手法を検討しながら,研究テーマの模索を行う。

5/27 阪大の鎌田先生・内田先生のところにAEセンサや超音波測定について話を伺いにおじゃました。ノイズの拾い具合,型枠の問題を含めて,相当のノウハウの産物であることがわかった。これは一朝一夕に出来る者ではない。マシーンを借りてすぐにできるものではないことがわかったので,共同で研究をすることを再確認させていただいた。
Pietro(EMPA)の研究で,凝結時にAEのピークが来るという論文があり,これがメニスカス形成時の音であると説明している。大変興味を持っていたのだが,変形が大きいところなので型枠との摩擦面から発生する音である可能性も有るらしく,若材齢は発生源特定が相当に困難であるとのことだった。まったく,そこまでは頭がまわっていなかった。
AEセンサの受診側は1ポート100万程度とのこと。

5/28 ASCOTのひび割れ委員会。方向性が不明瞭かな。JCI,AIJの委員会との差別化,公共的な役割としてどこを向いていくのか,という点についてビジョン確立の必要があろう。これは委員長が決めないいけない問題と個人的には思う。委員の集合で決める種類のものでは無いような。
また,委員会で集合することの魅力が減っているようにも。ノウハウなり,新しい知見,自分の知識向上等インスパイアするようなデータの公開がないと委員からの求心力が薄れる。また,委員も自分のデータを公開して,ディスカッションして得られるものが無いと,公開する気にならないかも。ディスカッションのクオリティ確保についても方策が必要と思われる。
JCIやAIJの委員会は,いろいろなフィードバックができたり,共同研究の高度化が行われるなどという背景が自動的に醸成されている。同じフレームワークでの委員会活動にはならないことに留意が必要。
以上が,私の考察。

5/29 愛知減災協議会に出席。当初,JCI中部支部の委員会に出席予定だったのだが,4号館実験棟の問題が浮上して,結局協議会後の懇親会で協議することになり,そのまま滞留。予定が狂った。なかなか,得心のいかないこともあるが,そもそもの合意形成プロセスに問題があったわけで,大いに反省。

5/30 大学院説明会でした。

5/14/2009

5/4~5/14

GWの後半は,胃腸の調子が悪くてずっと,家にこもっていた。時間依存ひび割れモデルを組み込んだ2次元FEMの開発が大分進んだ。最初,ひび割れたエレメントの剛性マトリクスに必要なテンソル計算が間違っていて,なんだか,X方向ばかりにひび割れが入っていたが,それも今週には解決した。

五十嵐にPGPLOTのサブルーチンを作製してもらい,それを組み込むことで各ステップのひび割れ進展状況が画像ファイルで確認できるようにした。
と,言いつつ,実はこの時間依存ひび割れモデルを応力やひずみで検証するのは難しい。簡単な実験を補足で行うことにした。7月くらいまでにはデータがでるとよいなあ。

高炉の水和率のデータを根本から取得する環境を作る必要がある。ドラフトチャンバーが一番でかい買い物かな。後は,薬品管理が多様になるので,きちんとしなくては。早めに決断しないと。

コンクリートの圧縮強度というのは特性値なのだが,それが,基準法レベルで影響を持っているので,場合によっては非常に大きなインパクトになる。しかし,この特性値を根本から考えようという人は少ない。そういう意味で,圧縮強度の数値解析やコンクリートの構成則の議論は,再度評価されるべきかもしれない。今後,1万年コンクリートとか,原子力の建物とか,極めて厳しい環境や基準における材料品質評価を目的として,こういった研究は,もう一度サイエンティフィックに取り組む必要がある。しばらく,種まき的に勉強をしようと思う。

今年,X線回折装置だけでなく,うまくいえばTGが購入できるかも。ダイナミックの奴で再現性が高いものが良いなあ。やはり,高い製品はそれなりの価値がある。水和のデータ定量を考えると,ぐっとかがんで良いものを購入する必要がある。いろいろ話を聞くと,やはり垂直型の奴が良いみたいだ。つり下げ,キャンチの奴はどうも,繰り返し精度が低いらしい。

最近,超音波測定について勉強を始めた。かなり広がりのある試験方法だ。結構良いかも。

C-S-Hの合成,新潟S先生は5年位前から,ご自身のチームで実行している。なかなか自身がないんだよなあ。どうしたものか。

今日,やっと特許出願を行った。12月からなので5ヶ月の難産だったなあ。

5/04/2009

メッシュ2

いろいろ探してみたら,GiDのソフトとUSBキーが家からでてきた。
ので,メッシュ作製を復習してみた。
今はもう,修正されているのかもしれないけれど,GiDのHelpの内容とソフトの乖離はすさまじい。なんでこんなことになっているのか,と思ったら,これはスペインの会社でローカライズを適当にやっているからだ,という話が以前,ウェブにのっていた。
それでも,メッシュ作製機能とか,ポスト機能は秀逸で,しかもお値段もそれなりに安い(なんか,今は昔購入したときの3倍くらいの値段になっているけど)ので結構「買い」なソフトだと思う。

で,Helpに書いてあるメニューの名称と実際のソフトの名称が違うものだから,昔やったことと同じ勉強というか探りをやってしまったので,備忘録として残そうかと。

・サーフェスを作るときは,NURBS surfaceで作製。NURBS機能を使わなくても。

・Objectで四角形などを使うと,Surfaceも作られてしまうので,Surfaceは全部消してから利用する必要がある。

・メッシュの中で2種類以上の材料を設定するときは,
1)Data→ProblemTypeの設定で何かを設定して材料が2種類以上あるとして問題定義をする必要がある。Data→ProblemType→Example→problem_type_solid1はRCとしてDefaultで設定してある。コンクリートと鉄の2種類がすでに存在する。
2)その後にData→Materials→材料選定→assign→surfaceラインを選択,とすることで材料を設定できる。

・メッシュ作製は,Mesh→generate meshでできる。

・メッシュの大きさは,Preferenceあるいは,Generate meshをやるときにダイアログを出させる設定にしておけば,寸法を指定可能。

・どこかを細かくしたい時には,Mesh→Unstructured→(Points?Lines?を設定)→数値(0~1)を入れる→Geometryを選択,とすることで選択したgeometryの周囲のメッシュを細かくすることができる。このときのグラデーションの具合は,Preferenceの中のMeshingの中のUntstructured size transitionsの中の値を大きい方(0~1の間)を設定することで設定が可能。

・出力はFiles→Export→Textでやれば,一応,作製したメッシュを再現できるだけのデータは詰め込まれたテキストが出力される。

・メッシュの形は,Mesh→Element Typeで設定して,Surfaceを選択するとその中は,指定されたTypeでメッシュが作製できる。なお,Quadで作製すると再分割は出来ないので注意が必要。


なんだか,これ探すだけで3時間もつかっちゃったよ。
でもまあ,4角形要素でオートメッシュのソフトが手元にあった,ということなんで,論文進められてうれしいな,ってかんじでしょうか。

やれやれ。

GW

GWは実家に帰った。初節句だったし。

だいたいGWは家族でBBQをするというのが,結構定番になっていて,いつも親だ佐渡の某所から,海産物をBBQ用に取り寄せる。
以前,NYステーキで感激したことがあったので,今年は,ここから,NYステーキ用の肉を1kg買って,家に送っておいた。焼き方などは,こういうところを参照すると良いと思うが,基本は6面全部に焦げめを付けた後,アルミフォイルで蒸すことですね。ワインやその他のアルコールを少し入れておくと柔らかく成ります。
味付けは塩,胡椒だけでよいと思いますが,焼いた後に醤油やわさびを使ってもよいかもしれない。
油が多いわけではないのだけど,ミディアムレアにするなら,わさびは合うと思います。

後は,母の日兼用で,プレゼント。
PF-50WGシリーズ
現在,私が調べた限りでフォトフレームでインターネットに接続する機能があるのはSonyのものとこれだけだと思う。これは,wirelessLANに接続が可能だし,GoogleのサービスであるPicasaや写真サイトのFlickerの任意のアカウントを設定するとそこをダウンロードして閲覧できる。

で,是が何が優れているとインターネットとかメールがよくわからない親に本当に少しリモコンの使い方に慣れてもらえれば,孫の写真を食卓に飾れるというところ。
こちらは,家から,設定したアカウントに写真をアップロードすると,親の方ではそれがスライドショーになるわけです。
妹達の家族の写真もアカウント設定して,アップロードすれば皆の写真が食卓に並びます。

親孝行するには良い品だと思いますよ。

5/01/2009

メッシュ

なんだかなあ。Gmshというソフトを引っ張り出して,使えるようになったのだが・・・・
三角形要素って,本当に固いんですなあ。計算してみて気付いた。
せっかく,クリープ解析とひび割れモデルが入った2次元FEMつくったんだけども,全然うまくいかな。
4四面体プログラムで作り直して,検証しないと安心して使えないよ。こりゃ。

プログラムがおかしいのかとおもって,解析ステップとかメッシュの精度とかいろいろいじったんだけど,結論はこれはまったくだめです。2日損したなあ。

GiDを買ったんだったな。アップグレードして使うかな。
誰か,OpenSourceな4角形要素が切れるメッシュジェネレータしらないですか?