7/31/2008

RCプリズム



2006年にJCIの年次に投稿した論文を見直している。これは,若材齢時に入ったひび割れを,硬化過程中の収縮応力を考える際にどうやって考慮するか,というのを考えた論文でわりと気に入っている。
(海外では評判よかったのだけど,JCIではあまり意見がなかった・・・。T邊先生がコメントくれたけど。)

これを見直して,どっかに投稿しようと思って,再度,最初からプログラムを組み直して,再評価している。

先日の可視化プログラムを使ったら,ひび割れがえらいことになっていておもしろかったのでここにはっておく。

なんか,付着の領域だけ,ひび割れ方向が違うっていうのがわかるんだけどね。

ミニ建

JCIのコンクリートプラザ,静岡クリエイトのブースを見られた方はご存じと思うが,ミニチュアの鉄筋が現在,手に入る。これは,もともと,法政大学の溝渕先生の発案で開発されたもので,これを我々の研究グループでもつかって研究を行っている。

研究というよりは,なんというか,とっつきにくいRCの授業をいかにわかりやすくできるか,ということに主眼を置いていて,教育ツールとしての利用を模索している。
卒論生の一人のテーマになっている。

寸法効果のせいか,付着が強すぎるせいか,どうもせん断が普通サイズのRC梁の場合よりも強くなる傾向があるが,ちゃんと曲げ破壊,せん断破壊は制御できる。

8月5日の学生実験の最終回では,RCをその場で設計させて,その場で部材を作成して,その場で載荷する,という授業をやる予定。
セメントはジェットモルタルを利用するので,すぐに硬化する。

7/30/2008

環境委員会

JCIの環境委員会に無理をいって入れてもらった。環境問題から目をそむけるのは,私たちの世代では無理だろう。以下,雑感。

・環境問題を整理するに当たって,基礎データ収集は重要。すくなくとも何がどうなっているかがわからないのでは手の打ちようがない。

・私企業に関して環境情報をオープンにすることは,現在のところCSR的な立場でしか,利益につながらない。企業の責任ある行動が株主,消費者に評価される,ということだ。これが,環境に関する税制や会計報告と同等の扱いになれば今後変わっていくし,産業連関表的なものも,すぐに作れるようになるかもしれない。問題は,たとえば,こういった環境報告をすることで,原材料の流れ,コスト構造が外部にも推察されやるくなってしまうことで,価格形成がより消費者よりになる。これを嫌う企業は多いと推察する。

・データを集めることは,結局ノウハウ集め。総研のようなところがやるか,国がやるべきことのように思った。大学人がやるには,コストがかかりすぎるし,維持保全,最新版の確保はかなり難しい。スピンオフして外郭団体にするなら良いかもしれない。利益を上げるモデルは難しい。NPOによる評価かな。

・得られたデータをどのように活用するかは,研究活動,クリエイティブさが発揮される箇所と思う。大学の人間の活躍の場はここか? ただ,データが集まった時点で,それは,既存の技術で最適化なり,評価なりはできてしまうだろう。土木の計画系の先生方の知見はすぐに反映されると思う。ただ,見方はやはりコンクリート業界なりのものが必要なのだろうな。

7/29/2008

Fortranでの図形描画

以前,広大の時のホームページにもFortranの図形描画について,書き込んだことがあるのだが,広大のサーバーが更新された時点でなくなってしまった。

Fortranで図形を描画するには,Intel Visual Fortranの利用を前提とするとQuickWindowプログラムで可視化が可能だし,APIもそろっている。

これを,ちょっときれいに書きたいな,というときにはPGPLOTというツールがあって,これを使うと簡単に二次元のコンター図が書けるようになる。うちの4年生が,すでにフレームのFEM解析のポスト処理につかっているくらい(彼は4年のはじめからプログラムを始めたばかり)なので,かなり簡易であることがわかるでしょう。
http://www.astro.caltech.edu/~tjp/pgplot/
http://www.fluidlab.naoe.t.u-tokyo.ac.jp/~minnie/pgplot/

Intel Fortranで使う場合には,一度ソースファイルをライブラリプロジェクトに入れ込んでコンパイルする必要がある。おそらくワーニングが3つほどでるが,無視しても問題が無い。

私個人では,ポスト処理としては,Borland C++ Builder + TChart という組み合わせで,OpenGL経由で可視化していたのだが,Borlandのヴァージョンアップをさぼっていることもあって,いじるのが面倒くさくなってきた。

FortranからWindowsのAPIをたたくのでも良いし,PGPlotで3次元のラッパーライブラリをつくるのでもよいけれど,いかんせん時間がかかる。たぶん,丸1日仕事。

で,いろいろ探した結果ここの方が作成しているElViewというのを見つけた。
3次元の方は,インプットファイルを作成するライブラリと,閲覧用のOpenGLViewerの組み合わせで成り立っていて,非常に簡易。
プログラムから,外部プログラムを呼んで実行してもよいし,連番で解析結果を出力して,あとから評価してもよい。
解析でひび割れを表現するくらいなら,主ひずみベクトルとひび割れに相当するひずみを呼び出して,
主ひずみベクトルに直行する平面上にひずみ量に比例する円を描けば良い。


ポスト処理もまあ,しばらくはこれでやってみようかと。

7/28/2008

評判の良い本

4年生前期に下の3冊は必須になっておいてほしい。

・鉄筋コンクリート構造 市ノ瀬敏勝 著 共立出版
・セメントの材料化学 荒井康夫 著 大日本図書
・コンクリート構造,田辺ら 著 朝倉書店

それ以外に,うちの研究室なら,以下の本を学ぶ。

・化学熱力学 原田義也 著 裳華房 
・新物理学シリーズ32 熱力学=現代的な視点から 田崎晴明 著 倍風館

これらは,数式を丁寧に展開してくれるのと,具体例があるので初学者にちょうど良い。

あとは,Fortran90を理解しておけば,院試以降はばっちりですね。

7/27/2008

東海村

この金曜日から東海村でRESAによる鉄筋付着の実験に参加させていただいた。リーダーは名大,T川原先生のプロジェクトです。昨年度の結果は,JCIの年次大会に2編出ていて(私は著者にはいっていませんが),かなりバラツキの大きな実験データでした。今年は,ゲージの大きさ(中性子光の幅)を変化させたり,取り出す角度を変化させるなどして,精度向上が目標です。

現在も測定中と思いますが,結果は上々で今までないようなデータが得られています。まちがいなく付着に関する世界初のデータになると思います。

7/18/2008

JCI

今年のJCIは,研究集会2つ,発表,司会でほとんど発表を聞けなかった。

BETで細孔分布を出すっていう論文があったな。何を仮定しているかを聞きたかった。Dollimoreの論文とかを参照しているのだろうか。

大津先生のAEセンサでやる腐食の研究は面白かったな。せん断と曲げ破壊が何を表しているのかを聞きたかった。

JSCE333委員会はファンキーな委員会で良いです。大変刺激になる。