6/13/2007

6月12日までに考えたこと 今後の住宅市場に関して

平成19529日に環境省より示された,「21世紀環境立国戦略の策定に向けた提言」に強く謳われているように,今後の日本の各産業においては「低炭素社会(Low Carbon Society)」に向けた取り組みが求められる。住宅産業であってもそれは同様であり,従来から推進されている運営時の設備・環境エネルギー利用技術の改善のみならず,建設時,廃棄時におけるエネルギー問題と炭素消費量についても,可能な技術を積み上げて,住宅および建築物のライフサイクル全域にわたる低炭素化を推し進める時代となった。

現存する高度経済成長期に建設された個人住宅の多くが,当初の目論見よりも短い3040年の寿命を経て,建替えを控えている。むろん,それらのすべてが建替えをすることが環境や資産の運営の観点からみて必要なこととは考えられないが,「長期的な耐用年数を要求する社会資本としての住宅」,という価値観がなかった建物,特に個人住宅や集合住宅に関しては,スクラップアンドビルドを検討する必要がある。

こうした反省を踏まえた新規建築物の高品質化により,社会資産としての住宅が用意されることは,今後人口減少が控える日本経済の下支えとして中長期的には好ましいことである。日本の建設産業は官民の協力により,このような社会資本としての住宅整備を低炭素化の枠組みの中で押し進める必要がある。

ここまでの文章は,私が最近使う申請書のフォーマットの枕詞のようなものである。日本の住宅産業に建て替え需要があること,陳腐化した住宅でメンテナンス,コンバージョンを行ったとしても使途が見えてこない建築物は多々あること等は現実問題として依然残る。




既に,身の回りには酔っぱらった時の議論として良く話していることだが,

1.なぜ,一人一室政策のようなものが行われたのか。一人一室持てるほど国が富むようになるという目標はあっても,陳腐な住宅であっても人が持たなくてはいけないという脅迫観念,固定観念のようなものが定着してしまったのはなぜか。あながち,こうした政策に付随してできあがった住宅の多くが間取りも狭く,中長期的な利用に不向きであることが多い。

2.保証人問題。現在,多くの人間が退職金の多くをつぎ込んで住宅を購入する。これは,年寄りは賃貸の保証人になってもらえる人が(相対的に)少なく,結果として住宅を購入せざるを得ないからということも多い。こういう社会制度的な市場形成が,十分な資質を備える住宅の供給を阻んでいると考える。老人介護も大事だが,その前に賃貸市場の制度的な自由化が促進されれば,賃金の使途も拡大し,豊かな老後を迎えられるのではないか。

まずは,研究室で一人一室政策についてゼミでもやるかな。
東大・浅見先生の研究を参考に。
http://ua.t.u-tokyo.ac.jp/okabelab/asami/asami-cv-j.html




6/05/2007

6月5日までの本 Newsweek5/23

Newsweek5/23号は,環境ビジネス特集
・温暖化が人間にとって不適切な環境というのはあやまり。温暖化によってハッピーになる地域もでる。もちろん,不幸になる地域もある。インドネシアは2000/17000の島が沈む。
・氷河期であっても,-2℃くらいのものであることに注意が必要。人間は,生き延びることができる。死滅したりはしない。
・環境変化というのはビジネスチャンスである。既存の価値観が崩れる時には下克上がおきる。経済的にも。研究分野ももちろんそう。
・北の豊の地域はさらに豊になる。さらに,経済的裏付けから容易に新しい環境にシフトできる。南の地域は貧困がさらに貧困になる。お金がないので新しい環境にも対応できず,干ばつ,自然災害にさいなまされる。
・北海の氷が消えて,新しい航路ができるため経済活況というシナリオは,単純だけど感心した。


環境経済評価の実務 大野栄治 頸草書房
・環境について細かいことがわからないが,大きく経済的な支点でとらえるために購入。ゼミでもやるかな。
AHPとコンジョイント分析 木下栄蔵,大野栄治 現代数学者
・理科大のK先生に教わったので早速購入した。土木計画では一般的な概念らしいがパレート最適でくすぶっているよりは先進的だと思った。まだ,ざっとしか読んでいない。